近年NFTがブームになっていますが、NFTの影響はファッションにも及んでいます。
メタバースなどで使えるアバターのファッションアイテムだったり、現実のアイテムにNFTタグを付けたり…。さらには、ファッションブランドがNFTアートを出すという試みも少なからずあります。
今回は、そんなNFTファッションの特徴や魅力と、実際のファッションブランド・事例について紹介しましょう。
目次
NFTファッションとは? 仕組みと特徴を紹介!
NFTファッションには、現実のファッションにはない魅力があります。もちろん、これまでのゲームの着せ替えアイテムなどとも異なるんです。まずは、そんなNFTファッションの仕組みや特徴、魅力について紹介していきます。
ブロックチェーンを応用したデジタルデータ
まず、NFTとはなにかについて軽く説明しましょう。
NFTは、一言で表せばブロックチェーン技術を使ってデジタルデータに固有の価値を付けることができるものです。
ブロックチェーンというのは、簡単に言えば改ざんもコピーも難しい電子領収書が作れる技術のようなもの。
ブロックチェーンを使うことによって、取引データや販売情報など全てのデータを紐付けて記録・管理することができるんです。これによって、固有の価値が生まれます。
たとえば「AさんがBさんに売った」ということと「BさんがCさんに同じものを売った」ということが、紐付いて記録されるんです。
従来の取引履歴では、これら2つの取引は切り離されて記録されます。
さらに、取引履歴と一緒に発行数・発行日時・作者などの情報も記録されるんです。これらの情報が全部連動していることから、アイテムの所有証明が可能になります。
そのうえ、希少性の証明にもなるんです。
このブロックチェーンを使うことで、NFTアイテムはデジタルデータであるにも関わらず固有の価値を持ちます。
デジタルデータなのに、ってどういうこと?
あや
よしぞー
従来のデジタルデータは改ざんもコピーも簡単だし、所有証明みたいなものも無いからね
つまり、従来は固有の価値を持たせられてなかったのね
あや
NFTファッションは、ファッションアイテムにブロックチェーンを適用させたということになりますね。
メタバースで使うアバターで着用できる
NFTファッションのアイテムは、メタバースで使うアバターで着用できるケースがあります。規格が合っていないといけませんが、たいていは3DのCGデータなので同様に3DCGで構成されるメタバースのアバターであれば着用可能です。
実際に、アバターのファッションアイテムというのは以前からありました。
古いところだとアメーバピグでも、ありましたね。
最近だとNFTではないものの、VRChatのイベントでアバター用ファッションアイテムが販売される例もあります。
仮想空間でオシャレを楽しむことができるのが、NFTファッションの大きな魅力です。
メタバース内に置いて鑑賞・コレクションできる
NFTファッションのアイテムは、着るだけでなく観賞用アイテムにもなります。
メタバースでは、規格が合えばアイテムを自由に配置することが可能です。VRChatやNeosVRなど3DCGで構成された仮想空間上では、同じく3DCGでつくられたものが置けます。自分の部屋のワールドを既存のアセットを工夫して作り、そこに飾っておくのも楽しいですよ。
現実と違って、ずっと飾っておいても劣化しません。
逆に、ずっと着ていても汚れたりしないのも良いところですね。
いろんなNFT作品と簡単に組み合わせられる
NFTファッションの作品は、デジタルデータです。
他の作品と簡単に組み合わせられます。たとえばNFTのスニーカーを買って、別のブランドで服を買ったとしましょう。これを瞬時に組み合わせて、コーディネートを楽しむことができるんです。
現実では着たり脱いだり手間がかかりますが、仮想空間上では一瞬で着脱できます。
他にも世界観が似ているNFTアートと一緒に飾ってコレクションしたり、さまざまな組み合わせ方が楽しめるでしょう。
デザイナーの作品が唯一無二のアイテムになる
NFTファッションの面白いところは、デザイナーの作品が唯一無二のアイテムになることです。
発行数が多ければ実際には同じデザインのアイテムを持っている人は多くなりますが、NFTには販売データなどが記録されますよね。ということは、完全に同じデータを持つ人はいないということです。
さらに、そのデータが「自分がこの作品を所持している」ということを証明してくれます。
こうして自分にとって唯一無二のものになり、より愛着が持てるんです。
そして、デザイナーの作品を自分が所持しているという満足感もより高くなります。
NFTに参入しているファッションブランドや事例を紹介!
NFTとファッションとはとても相性がよく、魅力が大きいです。実際、NFTのファッションアイテムを出しているブランドもありますし、ファッションアイテムじゃなくても有名ブランドがNFTを作成したりしています。今度は、そんなファッション業界のNFT活用事例について紹介しましょう。
ヴィトンがNFTを扱うゲームをリリース
有名高級ブランドのルイヴィトンが、2021年8月4日にNFTにアート作品を取り扱うブロックチェーンゲームをリリースしました。
タイトルは「LOUIS THE GAME」です。ブランド名がヴィトンではなく、ルイの部分を使っているのが少しオシャレですよね。
このゲームは、ブランド創業者であるルイの生誕200年を祝う企画で作られたものです。ブランドのマスコットキャラであるヴィヴィエンヌが、ルイの誕生日を祝う場所を目指して冒険するという内容になっています。
ブロックチェーンゲームには珍しくステージクリア制になっていて、全ステージをクリアすると作中に登場する30種類のNFTにアート作品の抽選券を獲得できるんです。
中には、NFTアートを出品して75億円ほどの落札額になったBEEPLEというアーティストの作品もありました。
要は抽選券を得るためのものってことね
あや
よしぞー
だけどステージ制アドベンチャーは珍しかったしブロックチェーンゲームの歴史としても価値があるゲームだと思うよ
グッチがNFTアートを出品
ヴィトンと肩を並べるほど有名ブランドのグッチも、NFTを出品したことがあります。
イギリスのNFTアートオークションである「PROOF OF SOVEREIGNTY」に、グッチでは初となるNFTアート作品を出品したことで話題になりました。これはグッチの最新コレクションをデジタルアニメーションにした作品で、約218万円の開始価格で出品されていたものです。
収益の全額はアメリカのユニセフに寄付をする、と発表されていました。
ヴィトンもグッチもまだNFTアートの出品であって、NFTファッションアイテムは出していません。
ただ、NFTに対して積極的な姿勢があるため、今後はNFTのデジタルファッションアイテムも出す可能性があるでしょう。
ワンセックがNFTスニーカーをリリース
ワンセックは、デジタルファッションレーベルの「1Block」を展開している会社です。
そのワンセックが、CryptGamesと業務提携して、2021年4月に日本では初となるNFTのスニーカーをリリースしました。
ワンセックが3DCGのNFTスニーカーを開発して、それをCryptGamesのNFTのマーケットプレイスである「NFT Studio」で販売するという提携内容です。
業務提携ということは一回限りのコラボ等ではなく、これからもワンセックのデジタルファッションアイテムをNFT Studioで販売するということでしょう。
初リリースとなったNFTスニーカーは約124万円と高価でしたが、販売開始から9分で落札されました。
すごく早いわね
あや
よしぞー
それだけ人気ってことなんだろうね。今後はもう少し安価なものも出るといいな…
NikeがNFTブランド「RTFKT」を買収
大手スポーツ用品メーカーNikeが、RTFKTの買収を2021年12月に発表しました。
RTFKTというのは、バーチャルアパレルを手掛けるデザイナーグループです。つまりは、デジタルのファッションアイテムを作っているブランドということですね。
RTFKTは2020年1月から活動しており、主にバーチャルのスニーカーを手掛けてきました。Zaid Kirdseyというアーティストとコラボした作品が約273万円という高値だったにもかかわらず、しっかり完売したことなどで注目されていたブランドです。
これを買収したということで、Nikeが本格的にNFTファッションに手を出すのではないかと言われています。
さらに、Nikeは2021年11月に、オンラインゲームプラットフォーム「Roblox」との提携を発表しており、NIKELANDというバーチャルワールドを設置しました。
今後も、主にスニーカーでNFTファッションに関わっていくでしょうね。
TERAPODがNFTタグ付きのTシャツを販売
TERAPODは、日本発のあーとプロトタイピング集団です。アートと社会とを接続することをテーマにしており、アート作品とのさまざまな関わり方を作ることに熱心な集団となっています。
そのアートとの関わり方を作るという取組の一環として、NFTアートを活用したファションアイテムを製作しました。
その一つが、NFTタグをつけたTシャツです。Tシャツ自体は現実のアイテムであり、そこにNFTタグが付けられています。このタグによって、誰がいつ購入したのかが分かる状態にしているんです。
さらに、品質や形状がアップデートされた新商品が出た場合には、前モデルのNFTを持っていれば差額分のお金を払うだけで交換できるようにもなっています。
新作が格安で手に入るわけね
あや
よしぞー
TERAPODのアイテムが気に入った人にとってはすごく嬉しいよね
このようなNFTとファッションとの関わり方も、今後増えるかもしれませんね。
BAPEとAAPEがNFTを限定販売
BAPEというファッションブランドが、姉妹ブランドのAAPEと共同で、2021年4月末にNFTとマーケットプレイス「Mintable」でNFT5種類を限定販売しました。
BAPEは、ストリート系ファッションブランドの大手です。正式名称は、「A BATHING APE」となっています。BATHING APEから、BAPEと縮めているわけですね。裏原系のショップからスタートして、今や世界中で人気のブランドになりました。
そんな大きなブランドが、姉妹ブランドと共同でNFTを出したことから話題になったんです。
NFTファッションの購入手順を簡単に紹介!
ファッションブランドがNFTに本格参入するにはまだ時間がかかるかもしれませんが、実際にNFTとマーケットプレイスを見ているとアバターファッションアイテムなどが販売されていることがあります。今度は、そんなNFTファッションの購入手順を簡単に紹介しましょう。
詳しい説明は、他の記事でもしているのでそちらを参考にしていただけると幸いです。
国内取引所でイーサリアムを買う
まずは、国内暗号資産取引所でイーサリアムを買う必要があります。
購入にはアカウントが必要なので、アカウント登録をしましょう。
使う取引所は、初心者でも上級者でも圧倒的に扱いやすいコインチェックがおすすめです。現物取引しかできませんが、NFTの購入に使う分には現物取引だけでも困ることはありませんよ。
コインチェックに登録したら、イーサリアムを購入します。
イーサリアムは仮想通貨の一種で、現状のNFTはこのイーサリアムのブロックチェーンを利用しているため、イーサリアムが必要になるんです。
1ETHは高いですが、小数点以下で買えるので無理のない範囲で買いましょう。
仮想通貨のウォレットを用意してイーサリアムを送金する
イーサリアムを買ったら、今度は仮想通貨のウォレットを用意します。
ウォレットは、銀行口座や財布のようなものです。これがなければ、仮想通貨を使った取引ができません。
ウォレットにも色々な種類がありますが、多く使われているのはMetamaskです。ブラウザの拡張機能として使用できるため便利です。
またGincoやJAXXなどスマホアプリで使えるタイプもあります。画面がネットバンキングアプリとほとんど同じで扱いやすく、スマホで気軽にチェックできるので初心者向きですよ。
ウォレットを用意したら、続いてイーサリアムをコインチェックからウォレットに送金します。
コインチェックの送金画面を開いて、送金先にウォレットのアドレスを入力して金額を設定すれば送金可能です。ウォレットのアドレスの確認・取得方法は、各ウォレットのヘルプなどを確認しましょう。
NFTマーケットプレイスとウォレットを連動させる
ウォレット荷イーサリアムを入金したら、次はNFTマーケットプレイスとウォレットを連動させます。マーケットプレイスも色々ありますが、基本的には購入したいNFTが出品されているところに登録すれば問題ありません。
まだ何が欲しいかわからない場合は、とりあえず人気なマーケットプレイスに登録しておきましょう。
上記あたりが、人気です。
NFTファッションアイテムを買う
ウォレットとマーケットプレイスとを連動させたら、後は欲しいアイテムを探して購入するだけです。
現状NFTはアート分野が多いものの、たとえばメタバースで使えるアバターのファッションアイテムなどは販売されることがあります。メタバースプラットフォームの名前で検索したり、検索方法を工夫することで見つかることがあるので根気よく探すのがおすすめです。
NFTとファッションの融合でリアルもバーチャルもオシャレに!
NFTは最近注目を浴びはじめた新しい分野ですが、現在さまざまな方面での活用が試行錯誤されている段階です。そのため各業界がNFTアートの出品などを行っていますが、もう少し時間が経てば現実のファッションブランドがNFTでデジタルファッションアイテムを出す可能性も高いでしょう。
もちろん、現在もデジタルファッションアイテム専門のブランドがあります。まずはそういうブランドのアイテムを探してみて、NFTファッションで仮想空間上でオシャレをしてみるのも楽しいのではないでしょうか。