最近話題のNFTの売買に興味がある、という人もいるでしょう。
ただ、NFTにはガス代というものがあります。NFTの取引には必ず関わってくる部分なのですが、どうして必要なのか、どういうものなのか、どのタイミングで発生するかなどイマイチ周知されていません。
そこで今回は、NFTのガス代とは何か、どうして高騰しているのか、節約するにはどうしたらいいかなどについて紹介していきます。
目次
NFTのガス代とは? 必要な理由と発生タイミングも
NFTにはガス代という独特な制度があるのですが、ガス代という用語がわかりにくさを助長している側面があります。実際はもっと単純な話です。まずは、NFTのガス代とは何か?どうして必要なのか、どのタイミングで発生するのかについて見ていきましょう。
NFTのガス代とは
NFTのガス代とは、簡単に言うと手数料です。
NFTは現状、イーサリアムという仮想通貨を使って取引を行います。ブロックチェーン技術で取引履歴を記録するのがNFTの特徴ですが、現状はイーサリアムのブロックチェーンを利用しているんです。
このイーサリアムのブロックチェーン上に取引履歴などの情報を記録するための手数料を、ガス代と呼んでいます。
手数料って聞くと、途端に簡単な感じになるわね
あや
よしぞー
本来はそこまで特別なものじゃないんだよ
ガス代はどうして必要なのか
ガス代は手数料だと説明しましたが、どうして手数料が必要になるのか気になる人もいるでしょう。
ブロックチェーンの取引には、マイナーという人たちが関わっています。マイナーというのは、ブロックチェーン上のデータが正しいことを証明する作業をする人たちです。この人達への手数料として、ガス代を支払います。
ブロックチェーンは中央管理者が居なくてもデータの記録ができるのですが、管理者が居ないために誰かがその取引を承認しないといけませんよね。通常は管理者が承認作業をしますが、管理者がいないのでその作業をマイナーが担っています。
この承認作業には、結構お金がかかるんです。
計算力の高いコンピュータを何台も使用しなければならず、サーバー代・電気代などで経費が結構かさむんですよ。
そのため、手数料という形で報酬を支払う必要があります。
つまり、取引のために経費のかかる作業をしてくれる人への報酬というわけね
あや
よしぞー
システム管理者が作業するわけじゃないから、こういう報酬も別途必要になるんだよ
ガス代はどのタイミングで発生するのか
ガス代が発生するタイミングは、さまざまです。
- 初めて出品するとき
- 作品へのオファーを受けるとき
- 作品の販売設定を解除するとき
- 作品の価格を下げたとき
- 作品を削除するとき
- イーサリアムを変換するとき
- 作品へのオファーをキャンセルするとき
- 価格設定された作品を買うとき
主に、イーサリアムが動くときに手数料がかかります。現状のNFTはイーサリアムを使う必要があるため、初出品・設定の変更などでもイーサリアムが動くので手数料がかかるんです。設定の変更は、その度にデータの確認が必要というのもありますね。
購入者側もイーサリアムを使うので、当然手数料がかかります。
【NFTの問題点】ガス代の値段高騰について
これまで、NFTのガス代はイーサリアムのブロックチェーン上のデータの証明・取引の承認作業にかかる手数料だと説明してきました。
手数料と考えると支払うのは仕方がないように思えるでしょうが、問題はガス代が不安定だということです。
発生タイミングによっては定量でOKというケースもありますが、基本的にガス代は上がったり下がったりしています。
出品するだけで1万円ほどのガス代がかかったこともありますし、逆にもう少し安く済むこともあるんです。
どうして高くなったりするの?
あや
よしぞー
それは、主に需要のためかな
ガス代の値段が高騰するタイミングは、たいてい注目度の高いNFTゲームが出たりNFTアートが話題になったりと、NFT・イーサリアムの需要が高くなったときです。実際、「Sunflower Farmer」というNFTゲームが人気になってくると、Polygonブロックチェーンネットワークというところのガス代が2021年12月には16倍になっていました。
需要が高いからガス代を上げても利用するだろうってこと?
あや
よしぞー
ちょっと違うかも
マイナーの行う承認作業・マイニングの効率自体が、需要に追いついていない部分があります。
需要はどんどん増加していくのに対し、マイニングの作業効率は増加率に比べるとそこまで上がっていません。つまりはマイナーたちの負担が、需要増大にあわせて大きくなっているということです。
ガス代は手数料なので、作業を担う人たちの負担が大きくなると上がってしまいます。
今のままでは、今後もガス代は高騰していくかもしれません。
ただ、最近はこのガス代の高騰を問題視する人や企業も多く、ガス代無料のマーケットプレイスの開発なども行われています。さらに、ガス代がかからない仕組み・技術の開発もされているので、技術がもっと進めばガス代は無くなる可能性もあるでしょう。
ブロックチェーン技術は、比較的新しい技術です。
NFTの流行によって大勢の人や企業がブロックチェーンに目をつけたのは、さらに最近のことになります。
そのため今は不便な部分が多いですが、それは黎明期特有のものだと言えるのかもしれませんね。
ガス代を少しでも節約する方法
NFTのガス代は、一定ではありません。時々によって変わることがあれば、使うNFTマーケットプレイスによって変わることもあります。ということは、節約も可能ということですね。そこで、ガス代を少しでも節約する方法を紹介します。
現在のガス代の相場を確認しよう
まず、現在のガス代の相場を確認することが大切です。
相場を知らなければ、高くても「こんなものなのかもしれない」と納得してしまうかもしれません。逆に相場より安くても高く思えることもあるでしょう。
だけど、相場を調べるのなんて大変じゃない?
あや
よしぞー
自力で調べてもいいけど、便利なサイトもあるよ
Ethereum Gas Price Chartなど、イーサリアムのガス代をチェックできるサイトがあります。これで、現在の相場を調べることが可能です。
基本的には、NFTの取引をする前に一度チェックしておくことをおすすめします。
ただ、発行数が絞られていて人気のある作品を購入するときは、早いもの勝ちなので相場を調べている暇がないので注意しましょう。
そんなとき以外は、しっかり調べることをおすすめします。
処理速度を低速にしてみよう
取引の処理速度を低速に設定すると、ガス代が少し安くなることがあります。
たとえば人気マーケットプレイスのOpenSeaだと、低速・平均・高速の3段階に処理速度が分かれているんです。低速にすると安くなり、高速にすると高くなります。
- 「ゆっくりでいいから安くしてくれ」
- 「手数料高くていいから早くしてくれ」
ということなので、直感的にもわかりやすいでしょう。
低速でも基本的には10分ほどで処理が承認されます。1時間以上かかったりするわけではないので、とても急いでいるときでもない限り、低速にすると良いでしょう。
ガス代が安い取引所・マケプレを利用してみよう
取引の処理速度を低速にする前に、まずガス代が安い取引所やマーケットプレイスを利用するのがおすすめです。
マーケットプレイスによって、ガス代が発生するタイミングが異なる場合があります。ガス代が発生するタイミングが少なければ、長い目で見ると結構名節約になるでしょう。
また、イーサリアム以外に対応しているかどうかも大事です。
たとえばPolygonというブロックチェーンのネットワークは、基本的には他のマーケットプレイスよりガス代が安く設定されています。そもそもがイーサリアムの処理速度・ガス代高騰の問題の対策のために生み出されたものなので、ガス代が安いです。
欲しいNFTがPolygonに対応していれば、Polygonを使うことをおすすめします。
出品する際も、購入者のガス代負担を軽くしたいならPolygonが良いでしょう。
技術がもっと進めばガス代は無くなる可能性が高い!
2022年2月現在、NFTはイーサリアムを活用するのが基本となっています。そのため、ブロックチェーンの処理にかかるガス代はついてまわるでしょう。
値段の高騰も理由からして仕方がない面がありますが、NFTを楽しもうとする人を阻害している要因でもあります。
ただ、OpenSeaがガス代をなくす取り組みをしていたり、ガス代が無料のNFTのを発行するプラットフォームも出てきているんです。
Polygonなど基本のガス代が数円単位と安いシステムもありますし、今後はガス代は気にならない程度になる可能性もあるのではないでしょうか。