近年話題になっているNFTアートですが、実はよく知らないという人も多いのではないでしょうか。
SNSなどで話題に挙がっていたりニュースになったりしていたから名前だけしっている、という人が多数派なのかもしれませんね。
一見難しそうなNFTアートですが、実は意外と簡単な話なんです。値段もピンからキリまでありますし、購入方法も簡単なので誰でも気軽にNFTアートを楽しめます。
そこで今回は、NFTアートとは何か?メリットや購入方法、今後の課題や将来性などについて総合的に説明しましょう。
目次
NFTアートとは? 仕組みを解説!
NFTというのは、Non Fungible Tokenの略です。
日本語では、非代替性トークンと翻訳されています。この言葉のせいで難しく感じるのですが、トークンを「データ」と置き換えると簡単です。
替えがきかないデータ、唯一無二のデータなどと言い換えることができるでしょう。
NFTがなぜ非代替性なのかというと、ブロックチェーン技術を使っているためです。
ブロックチェーンというのは、取引履歴や販売情報などを保存・管理するための技術の一種。
特徴的なのは、一つの商品に対する取引履歴・販売情報のすべてを連動させて一括管理できることです。
通常、取引履歴は連動性がありません。
たとえば、AさんがBさんに本を500円で売ったとします。Bさんは読み終えた後、Cさんに300円で売りました。
このとき、取引履歴は「AさんからBさん」「BさんからCさん」が別々に管理されますよね。
たとえば中古の商品を買ったところで、それがどれだけの人の手を渡ってきたかはわからないわけです。
ブロックチェーンは、この2つの異なる取引履歴をすべて繋げて保存・管理することができます。
つまり、過去と現在に渡る取引すべてが管理されるのね
あや
よしぞー
そういうことだね
そのため、誰かが改ざんしようとすると、全ての取引履歴を改ざんしなければならなくなるんです。取引回数が少なければまだできるかもしれませんが、取引回数が多くなると困難になります。
そのうえ、ブロックチェーンに「この人が買いました」ということが記録されるため、所有証明のようにもなるんです。他にも発行日や発行数が記録されるので、再販されたときも「これは初版だから高値がつく」という現象がデジタルデータで起きます。
これらが、NFTが替えがきかないデータである理由です。
NFTアートは、簡単に言えばそれをデジタルイラストに適用させたものということになります。
つまり、改ざん困難な電子領収書と所有証明が付いてくるデジタルイラストだということです。
NFTアートの魅力とは? 特徴を解説!
NFTアートは、改ざん困難な電子領収書と所有証明が付属するイラストだと説明しました。じゃあ、そんなNFTアートがなぜ注目されているのか気になる人もいるのではないでしょうか。そこで今度は、NFTアートの魅力や特徴について簡単に紹介していきます。
個別の価値や所有権が証明される
説明が少し重複しますが、NFTアートはデジタルイラストでありながら所有権が証明されます。
この仕組み自体に、NFTアートの魅力があるんです。
通常のデジタルイラストは、受注生産のような形で売買されるのが基本となります。絵が描ける人に直接依頼して、メールやSNSのDMなどで成果物をもらうという流れです。
商用利用可能な素材という形で販売されたり、配布されたりすることはよくあります。
ただ、それらは広く配布されているものであり、所有したところで財産にはなりませんよね。
依頼して直接もらう場合も、簡単にコピーできてしまいます。そのうえ、それが本当にその作者が描いたものか、本当に一点物のイラストなのかを証明してくれるものはありません。
そのため、通常のデジタルイラストは所有感が薄いです。
当然、資産価値もありません。
ところがNFTアートは所有権が証明されます。さらに、発行数もブロックチェーンに記録されるため、「これは世界で○枚しか販売されていないもの」という個別の価値もつけられるんです。
これが、NFTアートの大きな魅力です。
誰でも簡単に売買できる
NFTアートは、誰でも簡単に売買ができます。
NFTアートは、NFTマーケットプレイスというサイトに登録して、販売情報を設定しアップロードするだけで販売できるんです。
たとえば電子書籍のように、ワードファイルをepubに変換するという作業も必要ありません。特別なファイル形式にすることもなく、プログラミングをすることもなく、ただイラストをNFTマーケットプレイスにアップすればNFTアートになります。
販売がとても簡単なんです。
買う側はどうなの?
あや
よしぞー
買う側はもっと簡単だよ
購入者側も、暗号資産取引所の口座を作って仮想通貨を購入し、NFTマーケットプレイスに登録するだけで購入できます。購入時、特別な手続きは必要ありません。
また、現物のアートと比べてもとても簡単です。
現物のアートの市場は、紹介制だったりして簡単には入れないことが多い傾向があります。もちろんアートのジャンルにもよりますが、世界的な名画などはその形式がほとんどです。
一方NFTアートは、興味があって資金さえあれば誰でも買えます。購入者側に審査を課すようなマーケットプレイスもないので、安心です。
2次流通でも作者にお金が入るように設定できる
NFTアートは、2次流通可能です。
2次流通?
あや
よしぞー
買ったものを誰かに売ることだよ
しかも、NFTはある程度互換性があるため、他のマーケットプレイスでも売ることができます。もちろんその際の情報も全て、ブロックチェーンに同様に記録されるので安心です。たとえば人から買ったイラストを、「自分が書きました」と言って販売できなくなりますから。
作者にとっても、ユーザーにとっても安心ですね。
2次流通が簡単なうえに、2次流通でも作者にお金が入るようにできます。
たとえば現物のアートは、どれだけ売買を繰り返したところで、作者にお金が入るのは最初の取引だけですよね。画集や漫画も、中古ショップに買い取ってもらって、それが無事売れたとしても作者に印税は入りません。
これを、販売価格のいくらかが手数料として作者の懐に入るよう、設定できるんです。
作者にとって大きなメリットですし、作家のファンにとっても推しの作家にお金が入るというのは安心できます。
デジタルだから劣化しない
当たり前ですが、NFTアートはデジタルなので劣化がありません。
現実のアートは額縁に入れて飾っていても、経年劣化することがあります。直射日光の多いところに飾っていれば、UVカットの額縁だとしても完全に防げるわけではないので、劣化するでしょう。
部屋の匂い移りなどによっても、価値が下がります。
非常に管理が難しいものです。
NFTアートなら管理の手間がなく、劣化する心配もありません。管理が苦手な人でも、安心して収集することができます。そのうえ、いつでも鑑賞可能です。
場合によっては、メタバースなど仮想空間で飾ることもできます。
NFTアートの購入方法を解説!
NFTアートの購入は、想像以上に簡単です。ただ、始める前はハードルが高く見えるのは確かでしょう。そこで、NFTアートの購入方法・順序を簡単に説明していきます。
暗号資産取引所の口座を作る
まずは、暗号資産取引所の口座を作り、仮想通貨を購入する必要があります。
NFTアートに限らず、NFTアイテムの取引には仮想通貨を使うんです。特に使われることが多いのは、イーサリアムという仮想通貨になっています。取引所ではETHと表記されることが多いです。
国内の暗号資産取引所なら、コインチェックがおすすめですよ。
コインチェックは、国内取引所の中でも特に大きなところで、実際にCoincheckアプリは、2019年から2021年の3年間において国内ダウンロード数No. 1の実績を持っています。
信頼性も高く、仮想通貨を500円などの小額からでも購入できるなどのメリットがあります。取引手数料も無料です。
実際に使っていますが、サイトが使いやすく初心者でも簡単に登録・購入ができます。信頼性も高いので、国内暗号資産取引所で現物取引をするならコインチェックを選んでおけば間違いありません。
コインチェックの公式ページにアクセスし、「会員登録」をクリックして画面の指示に従うだけで簡単に登録できます。
本人証明の手続きは必要になりますが、ネットに慣れていればすぐ登録できますよ。
ウォレットを作る
暗号資産取引所の口座を作ったら、今度はウォレットを作る必要があります。
ウォレットというのは、名前の通り仮想通貨を保管・管理しておくための財布のようなものです。取引所の口座があっても、ウォレットが無いと仮想通貨は使えません。
ウォレットはさまざまなものがあります。
メタマスクはブラウザの拡張機能として使うことができて簡単ですが、まだ整備などわからない部分が多いです。比較的最近注目されはじめたばかりなので、情報も決して多いとは言えません。
ただ、導入は圧倒的に簡単なので、簡単に使い始められるウォレットを探しているなら良い選択肢になるでしょう。
アプリだと、「Ginco」というウォレットが扱いやすく取り扱い通貨数も多いので人気です。ビットコインはもちろん、イーサリアムなど主流なものはたいてい対応しています。
ネットバンキングアプリと画面がほぼ同じなので、とっつきやすいです。
ブラウザで管理できるもの、アプリで管理できるもので自分に合いそうなウォレットを選ぶと良いでしょう。
なお、物理的に持ち歩けるハードウォレットもありますが、初心者向きとは言い難いです。
ウォレットと口座ってどうやって連動させるの?
あや
よしぞー
送金先にウォレットのアドレスを入力するだけだよ
アドレスの入手方法は各ウォレットによって異なりますが、たいていヘルプなどに記載されているのでチェックしてみましょう。
NFTマーケットプレイスに登録する
取引所の口座を作ってウォレットも用意したら、次はNFTマーケットプレイスに登録します。
NFTマーケットプレイスもさまざまな種類があるので、口コミを参考にしつつ選ぶと良いでしょう。気になる作家さんの作品が出品されているところを選ぶ、という選び方もありますよ。
コインチェックを使っている場合は、「CoincheckNFT」というコインチェックが運営するマーケットプレイスもあります。
以下は、国内NFTマーケットプレイスと、主な取り扱いNFTの例です。
- NFT Studio:アート
- Coincheck NFT:ゲーム、TCG
- adam byGMO:アート
- ユニマ:アート、動画
- nanakusa:アート、音楽、動画
海外NFTマーケットプレイスの場合、以下のようになっています。
- OpenSea:アート、ゲーム、TCG、音楽など
- Rarible:アート、ゲーム、音楽、写真
- SuperRare:アート
- Nifty Gateway:アート
全体的に、アートをメインに取り扱いつつほかも取り扱うというタイプが主流です。
気に入った作品を購入する
マーケットプレイスに登録したら、作品を探して気に入ったものがあれば購入しましょう。
購入は、通販サイトとあまり変わりません。各マーケットプレイスによって細かく仕様が異なりますが、基本的には購入したい作品の購入ボタンを押して、画面の指示どおりに簡単な手続きをこなすだけですよ。
NFTアートの現状の課題と将来性とは?
NFTアートの魅力や購入方法などについて、説明してきました。ただ、新進気鋭のコンテンツだけあり、現状いくつかの課題を抱えています。最後に、NFTアートの現状の課題と将来性について説明しましょう。
課題1.法整備が追いついていない
現状、NFT関連の法整備が追いついていません。
NFTが日本国内で注目されはじめたのは、2021年です。2022年現在で法整備がされていないのは当たり前ですが、それゆえに不安なところもあります。
NFTの一般的な理解は仮想通貨と同じようなデジタル資産、といったところです。ただ実際は仮想通貨と違って、代替性が無いという特徴があります。さらにNFTアートは通貨ではないため、現状の仮想通貨(暗号資産)に関する法律に当てはめることも困難です。
さらに、民法上で所有権が認められるかも怪しいところがあります。
何か所有に関するトラブルが発生した際、保証がどこにもないので注意が必要です。
ただ、今後もっとNFTが盛り上がれば、法改正などの議論はどんどん進んでいくでしょう。換金性のある資産なので、どのみち法規制は必要になってしまいますから。
課題2.ガス代が不安定かつ高い
現状、ガス代が高く不安定という問題点もあります。
ガス代って何?
あや
よしぞー
簡単に言えば、NFTの取引にかかる手数料みたいなものかな
ガス代は現状、以下のようなタイミングで発生します。
- NFTを買う
- NFTを売る
- NFTを誰かに送る
- 自分のウォレットから他人にイーサリアムを送金する
- 新しいNFTを発行する
基本的には、NFTが生まれたりNFTやイーサリアムの所有権を移したりした場合に、ガス代が発生するようになっているんです。
このガス代を支払う先は、ブロックチェーンの取引データが正しいかどうか判断する作業を行う人となっています。つまり、この人達が取引のたびに「このデータは正しい、OK!」と判断する作業を行うわけです。この作業にかかる手数料ということになります。
配達手数料のようなものですね。
現状、NFTの流行や仮想通貨の価格高騰などを受けて、イーサリアムを使った取引が増えています。
そのために、ガス代が高騰しているんです。
ガス代が一定ではなく、しかも情勢などによって上がり下がりする不安定なものであることと、高騰していることが現状の課題のひとつだと言えます。これが少し落ち着いたり、ガス代がかからないマーケットプレイスが増えたりすればNFTアートももっと盛り上がるかもしれませんね。
課題3.環境への負荷
NFTアートの課題としてよく挙げられるこのに、環境の負荷があります。
ん?どうしてNFTで環境に負荷がかかるの?
あや
よしぞー
電力消費量がかなり高いんだよ
現状、NFTはイーサリアムのブロックチェーン上で成り立っています。イーサリアムのブロックチェーンは、PoWというもので動いているのですが、これが問題なんです。
PoWというのは、マイニングと呼ばれるデータ計算作業を行い、最も素早く答えを出した人が報酬を受け取れる仕組みのこと。いち早く計算するために、マイニング作業を行う人達は計算用のマシンをたくさん使います。
こうして、莫大な電力が消費されるんです。
そのため、環境に悪影響があるのではないか、と言われています。
現状未発達だけど将来性は高い
現状、NFTアートは未発達な分野です。
日本国内では注目されはじめて時間がまだ経っていないため、法整備もできていません。そのうえ盗作商品や詐欺商品も出回っており、危険が潜んでいるのが現状です。
ただ、将来性は高いと言えるのではないでしょうか。
仮想通貨も大流行した当時は、似たような状況でした。法整備にはどうしてもラグがあるので、流行したときは未整備になるのは当然です。そのために詐欺などが横行するのも、NFTに限った話ではありません。
今は流行により不自然に人が増えている状況であり、そのために詐欺などもあります。
ここを乗り越え、法整備などの諸問題が改善されれば、もっとNFTは一般的になる可能性があるのではないでしょうか。
NFTアートの購入は簡単! 好きな作品をコレクションしよう
NFTはアートは、簡単に売買ができます。ガス代こそかかりますが、譲渡も難しくありません。
そのうえ、デジタルデータに所有証明や希少性の証明のようなものが付きます。デジタルイラストに所有感が生まれるだけでなく、資産的価値もうjマレル画期的なコンテンツです。
作家にとっては特にメリットが大きいため、今後も発展する可能性は大いにあります。
自分の好きな作品を探し、コレクションを楽しんでみてはいかがでしょうか。