2023年4月に発売が発表された、最新オープンイヤー型無線イヤホンSOUNDPEATS RunFree。
その名前の通り、ランニング中に使っても落ちないような形状をしています。耳穴をふさがないタイプなので、運動中にも周囲の音を耳に取り込みながら安全に使えるのが特徴です。
ただ、気になるのはやはりスペックや音質。
そこで今回は、SOUNDPEATS RunFreeのスペックや音質などについて、レビューしていきます。
本レビューはSOUNDPEATS様より製品提供を受けてレビューしています
目次
SOUNDPEATS RunFreeの基本情報
まずは、SOUNDPEATS RunFreeの基本情報について紹介します。スペックとパッケージ内容、外観についてレビューを交えながら解説していくので、本機がどのようなイヤホンか知りたい方はぜひご参考ください。
スペック
- タイプ:無線イヤホン
- 形状:オープンイヤー型
- 本体操作:物理ボタン式
- ドライバー方式:16.2mmダイナミックドライバー
- 再生周波数帯域:20Hz~20kHz
- 対応コーデック:AAC,SBC
- Bluetoothバージョン:Bluetooth5.3
- 最大持続時間:14時間、充電時間:1.6h
- 重量:28g
- 充電コネクタ:USB Type-C
- ENC通話ノイズキャンセリング機能:〇
- 専用アプリ:〇
- マルチポイント:〇
- 防水性能:IPX4
本機は、オープンイヤー型の無線イヤホンです。通信は、Bluetooth5.3と最新の規格を使っています。従来の規格よりも無線の安定性が高く、外で使うのに適しているのが特徴です。
さらに、バッテリー最大持続時間が14時間と、長いのも特徴。これだけの長さがあれば、通勤通学など外出時に使い倒しても問題ありません。充電時間も満充電まで1.6時間とそこまで長くはないので、使いやすいです。
そして、最新機種らしく充電コネクタはType-Cになっています。他のガジェットとケーブルを使いまわしたり、同じ充電器で同時充電したりするのに適しているのでありがたいところ。
また、マルチポイントにも対応しています。
マルチポイントってなんだっけ?
あや
よしぞー
1つのイヤホンを複数のデバイスに同時接続する機能だね
マルチポイントを使うことで、たとえばDAPで音楽を聴きながらスマホで着信の待ち受けをすることが可能です。ほかにも、単純に接続先の切り替えをせず複数機器を使い分けられるというメリットがあります。
パッケージ内容
- RunFree本体
- 説明書(日本語対応)
- Type-Cケーブル
SOUNDPEATS RunFreeのパッケージ内容は、シンプルでありながら必要なものが全て揃っています。
充電ケーブルは低価格帯だと付属しない製品も多いので、付属するのは地味に嬉しいポイント。Type-Cケーブルをあまり持っていない方でも、安心して購入できます。
さらに、海外製品ですが日本語説明書も付属。
海外製品にありがちな英語で読むしかなくて細かいポイントを見逃すということは、起きません。
外観
外観で特徴的なのは、形状。近年は左右ユニットが分離した完全分離型イヤホンが人気ですが、本機は左右ユニットをワイヤーで繋いでいます。
そのうえ、ワイヤーが後頭部に自然と回り込むネックバンドになっているのが特徴です。こうすることにより、運動をしても落ちにくくなります。そのうえ、首回りにワイヤーが当たることへの煩わしさ、運動中にワイヤーが動くのが気になる鬱陶しさが軽減。
長時間つけて運動していても、心身ともに疲れにくくなります。
耳をふさがないのも、長時間つけていて疲れにくいポイント。
さらに、素材は肌に優しい液体シリコンを採用。形状・素材の両面から、疲れにくさを追求している製品です。
デザイン的には少し無骨に見える部分ですが、装着感が非常に良いので気になりません。むしろ、使い続けることでこの無骨さにも愛着がわくようになります。
SOUNDPEATS RunFreeの音質・使い心地をレビュー!
SOUNDPEATS RunFreeのスペックや外観などについて、レビューを交えながら解説してきました。本機は形状や規格なども特徴的ですが、音質や使い勝手にも特徴があります。そこで今度は、SOUNDPEATS RunFreeの音質と使い勝手についてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
低音の質が高く迫力もある
低音はオープンイヤー型イヤホンの課題として、長年言われ続けてきました。
実際、オープンイヤー型はインイヤー型と比べて、低音が軽い製品が多いです。性質上、仕方がない部分があるとはいえ、これが外出中だろうとインイヤーを使う人が多い理由のひとつになってます。
一方SOUNDPEATS RunFreeは、オープンイヤー型イヤホンの中では、低音の質がかなり高いです。迫力を、しっかりと感じられます。
ボーカルやギターを支えるベースの音、バスドラの音などがしっかり聞き取れるうえに質が良いので聞き心地が良いです。他の同価格帯のオープンイヤー型イヤホンよりも、音楽に入り込みやすくなってます。
低音がいいのは、何か秘密があるの?
あや
よしぞー
ドライバーと独自の設計のためだね
本機に搭載されているドライバーは、16.2mmのダイナミックドライバーです。イヤホンのドライバーとしては、比較的大き目。そのうえダイナミックドライバーには、低音の迫力が良いという特徴があります。
独自の設計というのは、ラムダ型音響空間と呼ばれる技術。これを採用することで、原音のスピード感を全く損なうことなく、低音域の量感を向上させることができます。
この二つの特徴により、低音が良くなっているということです。
音場が広く定位感も良い
SOUNDPEATS RunFreeは、スペックで見るより実際に使うとずっと音場が広く感じられます。
音場ってなんだっけ
あや
よしぞー
音が広がる空間のことだね
人間の耳は、音を聞くだけでその場所がどれほど広いのかを判別することができます。音場は、音を聞いたときの「どれほどの広さか」を表すための言葉です。
音場が広いというのは、音がより大きく空間に広がっているように感じるということ。
さらに、本機は定位感も良いです。
定位というのは、音の方向のこと。定位感は、音がどこから聞こえてくるのかを感じることです。
SOUNDPEATS RunFreeは、ボーカルが中央にいるのがわかったり、ギターとベースが左右に分かれているのがわかったりします。音場が広く定位感が良いので、音に包まれているような感覚が得られるのが聞いていて楽しいポイントです。
音質を上げたときの音質が良い
安価なイヤホンのなかには、音量を上げるとすぐ音割れしたり音質が悪くなったりするものもあります。5000円台・6000円台の無線イヤホンだと、ありがちです。
ただ、SOUNDPEATS RunFreeは、音量を上げたときにむしろ音質が良くなります。低音は特に音量を上げたほうがよりよく聞こえるので、音量を上げると全体的な迫力が増し、より低音による下支えが強力になるイメージ。
そのうえ、中音・高音も特に埋もれることはなく、バランスは保ったままです。
インイヤー型より少し音が遠く感じる
これはメリットともデメリットとも言い難いですが、SOUNDPEATS RunFreeはオープンイヤー型なので、当然インイヤー型より少し音が遠く感じられます。
当然なの?
あや
よしぞー
インイヤーは耳を塞ぐから距離は近くて、オープンは塞がないから遠いんだ
最も音の距離が近く感じるのは、耳の穴にイヤーピースを入れるカナル型です。次点で耳の入口の耳甲介という部分にイヤホンを引っかけるインイヤー型が、音が近く感じられます。
オープンイヤー型は、イヤホンの形式のなかで最も音が遠いです。
ただ、これには圧迫感が無く周囲の音が聞きやすくなるというメリットがあります。
本機は外で使うのを前提としているため、周囲の音の聞き取りやすさは重要です。より安全に音楽やラジオなどの音声コンテンツを楽しみながら歩いたり走ったりできるため、安心して使えます。
ボタンの操作がしやすい
SOUNDPEATS RunFreeは、操作ボタンが物理ボタンになっています。
物理ボタンは、見なくても押しやすいのがメリットです。人によっては、どのような場面でも非物理ボタンより使いやすいと感じるケースもあります。
さらに、本機は3つのボタンのうち、中央だけ出っ張った作りになっているのが特徴です。これにより、どのボタンか判別しやすくなります。とりあえず出っ張りを確かめておけば、中央・左・右を簡単に押せるので操作性が高いです。
専用アプリにて音質の微調整が可能
SOUNDPEATS RunFreeはSOUNDPEATSの提供する専用アプリに対応しており、Bluetoothで接続した状態でアプリを立ち上げると、ボリュームやイコライジングなど各種調整が可能です。
プリセットで大まかに低音を強くする、弱くする、ポップな感じにするなどを選択することもできますし、イコライザーで細かな微調整をすることも可能。
またゲームプレイで使用するときは、ゲームモードをオンにすることで、より遅延を減らしてゲームを楽しむことができますよ。
無線の持続性が高く通信速度も早い
SOUNDPEATS RunFreeは、無線規格にBluetooth5.3を使用しています。
これは、2023年4月現時点で最新のBluetooth規格です。
Bluetooth5.3の特徴は、まず無線の持続性が高いこと。通信が比較的安定しているため、通信がなかなか途切れません。歩いたり走ったり、スマホやDAPなどをポケットに入れたりしても安心して使えます。
さらに、接続および通信速度もBluetoothではトップで早いです。瞬時に接続できるうえに、遅延が比較的少ないため便利。
音飛びや音切れなどBluetoothイヤホンでよく挙げられている問題点も解決しており、Bluetoothイヤホンのなかでも比較的安心して使い倒せます。
SOUNDPEATS RunFreeとShokz OpenRun Proの比較
外出中、特に運動中はオープンイヤーだけでなく骨伝導イヤホンが人気です。そこで今度は、骨伝導イヤホンで人気があるShokz OpenRun Proと新型オープンイヤーのSOUNDPEATS RunFreeを比較しながら紹介していくので、ぜひご参考ください。
スペックを比較
SOUNDPEATS RunFree | Shokz OpenRun Pro | |
タイプ | 無線イヤホン | 無線イヤホン |
形状 | オープンイヤー型 | 骨伝導 |
本体操作 | 物理ボタン式 | 物理ボタン |
ドライバー方式 | 16.2mmダイナミックドライバー | 骨伝導トランスデューサ |
再生周波数帯域 | 20Hz~20kHz | 20Hz~20kHz |
対応コーデック | AAC,SBC | SBC |
Bluetooth | Bluetooth5.3 | Bluetooth5.1 |
最大持続時間 | 14時間 | 最大10時間 |
充電時間 | 1.6h | 1時間 (5分間で1.5時間利用可) |
充電コネクタ | USB Type-C | 独自規格 |
重量 | 28g | 29g |
マイク | ENC通話ノイズキャンセリング機能 | DSPノイズキャンセリングマイク |
専用アプリ | 〇 | 〇 |
マルチポイント | 〇 | 〇 |
防水性能 | IPX4 | IP55 |
価格 | 6,680円 | 23,880円 |
カタログスペック的には、共通点が多いです。
ただ、細かい部分で違いがあります。
まず、SOUNDPEATS RunFreeは充電端子がType-Cです。汎用性が高いのが、魅力となってます。
一方、Shokz OpenRun Proは独自規格の端子です。汎用性が全くなく、付属ケーブルを紛失すると困るので注意が必要。この点は、SOUNDPEATS RunFreeのほうが明確に優れています。
独自規格の分充電が速いとかは?
あや
よしぞー
確かに充電時間は短いけど、最大時間が短い分って感じかな
続いて、防水性能ですが、これはSOUNDPEATS RunFreeよりShokz OpenRun Proのほうが優れている点です。
IPX4は、いわゆる生活防水というもの。日常生活での手洗い、雨粒の反射などの水しぶき程度なら耐えられます。汗をかく分にも、問題ありません。
IP55は、さまざまな方向からの水の直接噴流でも耐えられるという規格です。そのうえ、粉塵が内部に入るのを防いでくれます。
細かい部分はどちらにも優位点がありますが、全体的なスペックとしてはSOUNDPEATS RunFreeのほうが高い印象です。最大持続時間が長く、マルチポイントも可能。重量も少し軽いです。
音質を比較
形式の違いもあり、音は明確に違います。
SOUNDPEATS RunFreeのほうが、音質は高いです。低音は特に、RunFreeが有利。Shokz OpenRun Proも骨伝導イヤホンのなかでは低音が良い部類ではありますが、聞き比べると差は明確です。
さらに、音量を上げたときの音の聞き心地の良さや音質も違います。
Shokz OpenRun Proには、骨伝導イヤホン特有のくすぐったさがあるのが難点です。骨伝導イヤホンは、物理的な振動により音を伝える仕組み。音量を上げると、どうしても振動が気になってしまいます。
一方SOUNDPEATS RunFreeは、音量を上げたほうがむしろ音質が良いほどです。
じゃあ音はRunFree圧勝?
あや
よしぞー
忖度なしで圧勝だね
外部音の聞きやすさを比較
続いてランニングや外で使用するイヤホンは、外部音がきちんと聞こえるかもポイントになります。
OpenRun Pro(骨伝導イヤホン)は元々外部音を遮断されないように設計されており、耳を全く塞ぎません。
オープンイヤーよりもずっと、耳に影響を与えないのが特徴です。そのため、外部の音がしっかり聞こえます。そのうえ、音漏れもしません。
逆にSOUNDPEATS RunFreeは一般的なイヤホンをベースに外部音も聞こえるように設計されています。
てことはOpenRun Proの方が外部音は聞き取りやすいのかな?
あや
よしぞー
外部の音の聞こえやすさは、OpenRun Proのほうが上だね
SOUNDPEATS RunFreeも音量をあまり上げすぎなければ、外部の音もしっかりと聞き取れます。
ただ、音量を上げたほうが音質が良いという特性上、どうしても音質を上げて聞きたくなるのが難点です。
場面によっては、音量を絞らなければならないので注意しましょう。
装着感・操作性を比較
装着感としてはOpenRun Proの方が一回り小さいため良いです。ただ、付けて比較したときにOpenRun Proの方が良いというだけで、SOUNDPEATS RunFreeの装着感が悪いわけではありません。
耳にしっかりフィットして、激しい運動でもずれ落ちることがありませんので、安心して使用できます。
使用感の観点ではSOUNDPEATS RunFreeに軍配が上がります。
SOUNDPEATS RunFreeに軍配が上がる理由は、ボタン類が一箇所に集約されているためです。
OpenRun Proはボリュームボタン二つが同じ場所にあり、もう一つのボタンが別の位置に配置されています。
SOUNDPEATS RunFreeは一箇所に集約されていることと、中央のボタンが出っ張っていることで配置がわかりやすく操作がしやすいです。
値段・コスパを比較
SOUNDPEATS RunFreeは定価が6,680円、Shokz OpenRun Proの価格は定価で23,880円です。
RunFreeの定価と比べると、3倍以上の差があります。
どうしてこんなに差が?
あや
よしぞー
骨伝導はコストがかかるからね…
骨伝導という点に魅力を感じるならそこまで高くは感じませんが、そうでないならスペックや音質と比べると高いです。
SOUNDPEATS RunFreeは定価が6,680円と安価でありながら、しっかりとした良音を楽しめます。機能も豊富で、専用アプリも使えてマルチポイントも対応と、利便性が高いのも魅力です。
この価格帯のイヤホンと比較すると、音も機能性も圧倒的に良いと言えます。
コスパは、オープンイヤーイヤホン最高クラスです。
SOUNDPEATS RunFreeはこんな方におすすめ!
- コスパがいいイヤホンが欲しい方
- 低価格帯のオープンイヤーイヤホンが欲しい方
- 運動中や通勤中も外音を聞きながら良い音で音楽を楽しみたい方
- 疲れないイヤホンが欲しい方
RunFreeは、低価格帯でありながら音がよく機能も充実しています。コスパが良いイヤホンが欲しい方には、非常におすすめです。
低価格帯のイヤホンが欲しい方にとっても、最良の選択肢のひとつだと言えます。
さらに、通勤中や運動中にも安全性を重視しながら良い音を楽しみたい方にもおすすめです。音量を上げたほうが音質が良いとはいえ、外音が聞こえる程度の音質でも比較的音質は良いので、十分満足できます。
また、液体シリコンを採用していたり疲労感を軽減する形状だったりと、とにかく疲れにくさにこだわったイヤホンでもあるので、疲れないイヤホンが欲しい方にもおすすめです。
まとめ|コスパ最強オープンイヤーの新定番!
ここまで、SOUNDPEATS RunFreeについてさまざまな観点からレビューしてきました。
オープンイヤーというと便利だけど音質は微妙というイメージがあるものの、本機はそれを覆せるだけの実力があります。特にオープンイヤーが苦手とする低音域が素晴らしく、全体的に音のバランスも良いので非常に聞きやすいです。
独自技術を搭載したり、通話中のノイキャン機能があったりマルチポイントができたり…。機能も、ミドルクラスからハイエンド並みに豊富に揃っています。
価格設定を間違えたのではないか、と思うほどコスパが良いです。
コスパ最強で音質の良いオープンイヤーイヤホンが欲しい方は、検討してみてはいかがでしょうか。