BLUETTI AC200Pは、アウトドアや災害時に活躍するポータブル電源です。
ポータブル電源というのは、一般的な外部バッテリーよりも大容量で、出力が高いのが特徴となっています。車中泊などでも使えるので、幅広く活用できるのが魅力です。
BLUETTI AC200Pは、ポータブル電源のなかでも大容量・高出力で大型の製品です。
本記事では、そんなBLUETTI AC200Pのスペック・性能、特徴、良いところと注意点についてレビューしていきます。
目次
BLUETTI AC200Pの基本情報
BLUETTI AC200Pは、ポータブル電源のなかでもスペックが高めです。その分サイズも大きく、重量も重くなっています。まずは、そんなBLUETTI AC200Pのスペックとパッケージ内容、外観について紹介するので、ぜひご参考ください。
スペック
- 容量:2000Wh
- 定格出力電力:2000W
- 外形寸法:420×280×386mm、重量:約27.5㎏
- 動作環境温度:0~40℃、保管環境温度:-10~45℃
- 充電方式:コンセントAC100V、ソーラーパネル、車のシガーソケット、発電機、鉛蓄電池
- 付属ACアダプター充電:500W
- シガーソケット充電:12V/24V
- ソーラーパネル充電:35~150v/Max700W,Max12A
- 鉛蓄電池:最大8.2A
- ACコンセント:6、DC12V/25A:1、DC12V/10A:1、DC12V/3A:2、USB-A 5V/3A:4、PD2.0 60W Type-C高速充電(5V/3A,9V/3A,12V/3A,15V/3A,20V/3A):1
- ワイヤレス充電(最大出力15W):2
スペック表を見るだけでも、性能が高いのがわかります。バッテリー容量は2000Wh。ポータブル電源以外では、なかなか見慣れない単位です。
一般的なバッテリーでは「Ah」が使われます。
Ahは、電流と時間の積算値のことです。Whは消費電力と、時間の積算値になります。つまり、2000Whというのは、1時間に2000Wの消費電力分の仕事をするということです。
より詳しくは、後述します。
他にもポート数が多かったり、出力が高かったりとスペック上の特徴が豊富です。
パッケージ内容
- AC200P本体:1
- ACアダプター:1
- PVソーラー充電ケーブル(MC4からXT90):1
- カーチャージャーケーブル(車からXT90):1
- XT90変換アダプター(入力):1
- 取扱説明書:1
- 保証カード:1
- 合格証明書:1
本体と各種アダプター、ケーブルが付属します。特殊なケーブルのみ付属するという形です。
一般的なケーブルは家にあったりするしね
あや
よしぞー
特殊なのがしっかり付属するのはありがたいね
なお、XT90というのは2ピンの逆刺し防止機構があり、連続30Aに対応しているコネクタ規格のことです。つまりは安全で性能が高いということになります。ポータブル電源では、使うことが多い規格です。
ほかにも、取扱説明書や保証カード、合格証明書などが付属します。
外観
AC200Pのデザインは、非常にシンプルです。カラーリングもグレーを基調とし、淡い水色を挿し色として使う落ち着いた雰囲気になっています。家に置いても、車に置いても、外に置いても馴染むのが良いところです。
形自体もシンプルな箱型。ポート部はサラサラとした質感で、その下は斜めにラインがたくさん入った見た目になっています。遠目で見るとギターアンプにも見えそうです。
さらに、取っ手が出っ張っていないのもデザイン的な特徴であり、魅力のひとつ。出っ張っていると見た目があまりよくないだけでなく、邪魔になることもあります。
下の写真は大人の猫(約3.5kg)を置いた状態。
各種出力ポートも1面にまとめられており、全てに雨や埃を防ぐカバーが付いているのが嬉しいポイントです。
ケーブルを色々な方向から伸ばさなくてもよくなり、見た目にもスッキリします
BLUETTI AC200Pの特徴をレビュー!
BLUETTI AC200Pのスペックやデザインなどについて解説してきましたが、スペックを見るだけではわかりにくい部分もあります。そこで今度は、BLUETTI AC200Pのスペックの特徴などについて、それぞれ解説しながらレビューしていくので、ぜひご参考ください。
2000Whの大容量バッテリー
AC200Pの特徴と言えば、やはり圧倒的な大容量のバッテリーが搭載されていることです。2000Whという、超大容量が特徴。
いまいちピンとこないな…一般的には?
あや
よしぞー
一般的には300~600Whだね。1000Whあたりから大容量と言われるよ
一般的なポータブル電源と比べると、数倍もの容量ということになります。高出力機器の代表格と言えばドライヤーですが、それを風が強いモードで使用しても1時間以上使えるほどの容量です。出力の高いドライヤーで、だいたい1200W程です。
スマホ充電程度であれば、160回以上は可能です。
また、本機のバッテリーにはリン酸鉄リチウム電池が使われています。
リチウム電池は比較的危険なイメージがありますが、リン酸鉄リチウムは一般的なリチウムイオンバッテリーよりも安全性が高いです。
熱に強く安定性が高いので、発火リスクが低くなっています。長時間使ったとしても、安心です。
定格出力2000Wで幅広く活躍
AC200Pは、定格出力2000Wと非常に高出力です。単位としてはよく見かけますが、2000Wという出力は日常ではなかなか目にすることがありませんよね。ブレーカーを落としやすいドライヤーですら、1200W程度。比べると、どれだけ高い出力なのかイメージしやすいです。
出力が高いとどうなるの?
あや
よしぞー
幅広い機器に対応できるようになるよ
家電製品は、製品ごとに必要な出力が異なります。ドライヤーやホットプレートなど、熱が重要な機器の場合は800~1600W程度と高出力を要するのが特徴です。低出力のポータブル電源では、これらの家電製品を動かすことはできません。
低出力のポータブル電源は、スマホやノートPCなどの充電・給電がメインになります。
本機はスマホやノートPCだけでなく、幅広い家電にも使えるのが良いところです。自然と、活用できる場面も多くなります。
この写真は、AC200Pにホットプレート、コーヒーメーカー、MacBookPro、スピーカーを接続して使用している状態です。
ホットプレートが1300〜1400W、コーヒーメーカーが650Wほど使用しますが、AC出力で2020Wとカタログスペックの数値がしっかりと出ていることが確認できますね。
2000Wクラスで使い続けているとバッテリーがすぐに無くなってしまうのではないかと心配になりますが、ホットプレートはプレートの表面温度が目標温度に達成すると一度電源が切れます。
調理で使用した後は保温する流れになりますが、保温状態ではさほど電力を使用しませんので、それなりに長く使えますよ。
コーヒーメーカーは4杯分のコーヒーができるまでに5〜6分程度ですので、バッテリー残量は数%程度減る程度です。
MacBookProの充電などはおまけ程度に感じますね^^
(PCは30〜40時間充電し続けられる計算ですが、1度100%まで充電すれば10時間程度は持ちますので、そこまで充電し続けることは普段使用ではないはずです)
圧倒的ポート数!最大17台に対応
AC200Pは、ポート数が非常に多いです。最大17台まで、同時に使えます。もちろん、出力の高い機器ばかりを繋ぐと同時に使える機器の数は減るものの、本機が一般的なポータブル電源よりも同時に使える機器の数が多いことは確かです。
ACコンセントが6つ、各種USBポートなどが複数搭載されています。家電でもUSB給電・充電するような機器でも、幅広く対応可能です。
また、シガーソケットもついているので、車中でバッテリーを充電するなど使いやすくなっています。
3500回以上の充電回数
AC200Pは、3500回以上の充電に対応しています。これは、本機の充電回数の目安です。バッテリー持ちが良いということですが、その理由はリン酸鉄リチウム電池にあります。ほかのリチウム系バッテリーと比べると、バッテリー持ちが良いのもリン酸鉄リチウム電池の利点です。
3500回ってどれくらい?
あや
よしぞー
毎日使いきって充電しても9~10年持つよ
実際は毎日使い切ることはあまりありません。一般的な用途だと週に2・3回の充電になりますが、この場合20~30年以上使用できます。
いずれにしても、より高性能な製品が主流になるまで使い続けられるということです。値段はそれなりに高いものの、長く使えることを考えるとコスパは良いと言えます。
おすすめの使用場面・用途
- 家庭での給電と充電
- 災害時の非常用電源
- アウトドア(キャンプなど)
- 車中泊
- 現場仕事
災害時には安定した電源供給ができないと、連絡手段が絶たれたりラジオが聴けなかったり困ることがあります。家は無事だったとしてもライフラインが止まることはあるので、停電時に冷蔵庫の中の食品を維持するためにも活躍するのが良いところ。
さらに、アウトドアでも使えます。キャンプ場でドライヤーが使えるのは、非常に便利です。風呂があるタイプのキャンプ場では共用ドライヤーがありますが、取り合いになることもありますから。
ほかにも冬キャンプでホットカーペットが使えるなど、便利。
車中泊でも車内でIHなどで火を使わず調理ができたり、コーヒーが淹れられたり便利なことが多いです。
また、仕事現場でも活用可能。電動工具に給電・充電したり、夜間の投光器の給電をしたりとさまざまな使い道があります。
もちろん、普段は家庭で家族共用の電源・充電器としても使用可能です。
BLUETTI AC200Pの評判・良いところをレビュー!
BLUETTI AC200Pのスペック的な特徴と、活用場面について紹介してきました。ここまででも良いところがたくさんあることがわかりますが、ほかにも良いところがあります。
そこで今度は、BLUETTI AC200Pの良い評判と使ってみた感じた良いところをレビューしていくので、ぜひご参考ください。
家庭でも出先でもガンガン使える
AC200Pは、家庭でも出先でもガンガン使えるのが良いところです。バッテリー容量が大きいうえに、充電可能回数が多いのでしっかりと使い倒せます。
ポートの種類が豊富なので、どの場面でも役立つのも良いところです。
もちろん、高出力な家電を動かすのにも使えます。ドライヤーをコンセントに繋ぎながら電子レンジなどを動かすとブレーカーが落ちるような場合でも、本機を使えばブレーカーは落ちません。
家でも案外使いやすいんだね
あや
よしぞー
一度使えば、なかったときには戻れないよ
またUSB-Aポートが複数あったり、Type-Cポートもあったりするので普段は据え置きの急速充電器として使えるのが便利なポイント。
USBはType-Aが4つ、PDに対応した60Wで充電できるType-Cが一つ配置されています。
PDって何?
あや
よしぞー
Power Deliveryといって、USB Type-Cに対応した給電規格のことで、一般的なUSBと比較して圧倒的に大きな電力を給電できるのが特徴だよ!
スマホは上に置くだけで充電が可能
AC200Pにはワイヤレス充電機能があります。
本体上部にワイヤレス充電対応のスマホを置くだけで2台までの充電も可能です。
煩わしいケーブルを増やす必要がなく、置いておけば良いので楽です。
大きくて高性能なのに動作音が静か
AC200Pは、サイズが大きく高性能なポータブル電源です。大きく高性能な電子機器は、総じて動作音が大きい傾向があります。パソコンも、高性能なモデルほどうるさかったりしますよね。
ただ、本機は動作音が静かです。ポータブル電源の中には、ファンの稼働音が常にするものもあります。
本機は電源本体の温度を常にモニタリングし、本体温度が上がればファンが稼働するという仕組みです。具体的には、本体内部温度が45℃を超えるとファンが稼働します。温度が下がれば、またファンが動作をやめるのがポイント。
この仕組みであるため、一般的な利用方法ではファンがなかなか回りません。
そのため、驚くほど静かです。発熱しにくいリン酸鉄リチウム電池の特性と相まって、静かに使えます。
本体への充電が速い
AC200Pは、本体への充電が速いです。
本機は、専用の充電アダプターで家庭用コンセントから充電できます。電池残量が0の状態から、フル充電までは約4時間半です。バッテリー残量が半分を下回ったくらいの段階で充電すれば、2~3時間もあれば充電出来ます。
この容量を考えると、爆速と言える範囲です。
どうしてそんなに早いの?
あや
よしぞー
専用アダプターが500Wくらいで充電できる仕様なんだよ
一般的なACアダプターは、100~200W程度です。その2.5倍から5倍程度で充電できるので、自然と充電速度も上がります。
つまり、本体を急速充電しているということです。
なお、この充電器にはファンが仕込まれているようで、充電しているときは充電器からブオーンという大きな音が出ます。
他社の同等品よりも値段は安め
AC200Pは21万円程度です。セール時には、約16万円程度にまで安くなることもあります。
かなりの高級品ですが、同等の性能を持つ他社製品と比べると安いです。同等品のなかには、22万円~25万円するものもあります。ソーラーパネルなどの付加価値を付けて、基本性能を落としたもので21万円程度というケースも多いです。
単純な性能と価格のみを比較した場合、本機は「安い」と言えます。
セール情報はBLUETTI JAPAN公式サイト を定期的にチェックするようにしましょう。
液晶タッチパネルが便利
AC200Pは、液晶タッチパネルが搭載されています。
物理ボタンは?
あや
よしぞー
電源ボタンだけだね
ほかの操作は、全てタッチパネルです。直感的なUIで、スマホのように使えます。物理ボタンが無いことはデメリットのように感じる方もいるかもしれませんが、液晶ではあるものの押しやすいです。
押し間違えるのが液晶のデメリットとしてよく挙げられますが、本機は押し間違えることがほとんどありません。
さらに、液晶パネルにはリアルタイムでバッテリーの状態が表示されます。充電状況、放電状況、使用中の機器の消費電力やバッテリー残量なども表示されるので、便利です。
表示方法も、パッと見でわかるよう数値化されています。
家庭では意外と置き場所に困らない
AC200Pは、高性能でポート数も多いだけにサイズが大きいです。一般的なポータブル電源の倍以上のサイズがあります。
大きいと家庭での置き場所に困らない?
あや
よしぞー
意外と困らないんだよ
多少狭いキッチンでも邪魔にならない程度のサイズには抑えられているので、意外とさまざまな場所に置けます。リビングの隅に常駐させることも、もちろん可能。デザイン的にも、意外と存在感がないので置きやすいです。
また、車内でも使っていない後部座席を後ろに引いて足元に置くこともできますし、シートに置くこともできます。車内でも、意外と置き場所に困りません。
突然雨が降ってきても飲み物をこぼしても大丈夫
AC200Pは、それぞれの電源ポート周りに一つづつカバーが付いています。
カバーがあるおかげで、キャンプなどアウトドアでの使用時、急な雨が降ってきたり砂風が舞ってきても電源周りを守ってくれます。
もちろん水や飲み物ををこぼしてしまっても大丈夫です。
生活防水程度なら、大丈夫な感じなのかな?
あや
よしぞー
もちろん水没したり雨に当たりすぎるのはNGだけどね!
雨が降ってきたら濡れない場所に移せば大丈夫だよ
BLUETTI AC200Pの注意点をレビュー!
ここまで、BLUETTI AC200Pの良いところについて、さまざまな観点からレビューしてきました。
ただ、良いところもあればイマイチなところや注意点もあります。どちらも知ることで、自分に合う機器かどうかを確かめるのが大事です。そこで今度は、BLUETTI AC200Pを使って感じた注意点について、レビューしていきます。
重いので持ち運びは一苦労
本機は、非常に重いです。カタログ値で27.5㎏もあります。
成人男性なら持ち運びに苦労しない程度ではあるものの、頻繁に移動したくはないと感じる重さです。
女性一人では相当キツイはずです。
一応片手でも持てます。冷静を装っていますが、実際はかなりプルついています。
また、AC200Pを持って正しい姿勢で移動するにはまだいいのですが、車内での移動は一苦労です。
姿勢を配慮しながら持ち運ばないと腰を痛めますから気をつけましょう。
電源つけっぱなしはバッテリーを消耗する
AC200Pは使用する際に電源ボタンを押して本体を起動させて使用します。また、使用後は電源ボタンを押してオフにします。
使用後にコンセントだけを抜いてもAC200P本体は自動的にオフにはなりませんので、電源を切り忘れると少しずつバッテリー残量が減っていってしまいます。
使う時にオン、使い終わったらオフを徹底するようにしないと、いざ使用したいというときにバッテリーが残っていないという状態になってしまうこともあります。
つけっぱなしだとどれくらいのペースで減るの?
あや
よしぞー
数時間放置して数%くらい
雪中キャンプなど寒い場面では使いにくい
AC200Pは、動作環境温度が0~40℃です。一般的な外気温であれば問題ありませんが、冬場の寒い時期に外で使うのは注意が必要。動かなくなることはないものの、バッテリーの消耗が普段よりも速くなります。
雪中キャンプなどでは氷点下になることも多いので、注意しましょう。冬キャンプでは、テントの中に置くことをおすすめします。テント内に設置して、ケーブルをテントから伸ばせば外で機器を使いたい場合も快適です。
また、温かいほうがいいからと焚火の近くに置くのはやめましょう。バッテリーは熱に弱いので、焚火から離してなおかつ外よりは温かい場所がおすすめ。
寒い場面で強いポータブル電源はないの?
あや
よしぞー
どのポータブル電源も極寒には弱いから同じだよ
BLUETTI AC200Pは汎用性の高い高出力電源!
ここまで、BLUETTI AC200Pのスペックと特徴を紹介しつつ、良いところと気になるところをレビューしてきました。気になった部分は性能とはあまり関係のないところが多いです。
本機の電源としての性能は非常に高く、汎用性などに関しても非の付け所が特にありません。
少々値は張るものの、同等品と比べると少し安いです。非常に高性能かつ汎用性が高い高出力電源を、少しでも安く手に入れたい方には非常におすすめですよ。