リケーブル対応の格安中華イヤホンは、近年伸びている人気カテゴリです。このカテゴリが流行りだしてから第一線で活躍し続けている人気ブランドが、LINSOULのTINHIFI。
ブランドを象徴するTシリーズに、お手頃なCシリーズ、平面駆動が特徴のPシリーズなどブランド内のシリーズ展開が豊富なのが特徴です。
今回紹介するTINHIFI C0は、お手頃価格が特徴のCシリーズのエントリーモデル。TINHIFIは流行りとは違う構成のドライバを搭載させたり突然低価格化したりしますが、本機は低価格かつ流行りとは異なる構成という特徴を持っています。
ただ、低価格とはいえ安物買いの銭失いはしたくないもの。
そこで本記事では、LINSOUL TINHIFI C0の基本仕様を解説したうえで、良いところと気になる点についてレビューしていきます。
LINSOUL様より製品提供を受けてレビューしています
目次
LINSOUL TINHIFI C0の基本仕様
まずは、LINSOUL TINHIFI C0のスペックや外観、付属品など基本的な製品仕様について解説していきます。本機がどのような製品かどうか、簡単に知りたい方はぜひご参考ください。
スペック
- ドライバーサイズ:10mm
- 感度:105±3dB@1kHz 0.179V
- 再生周波数:20Hz~20kHz
- インピーダンス:32Ω±15%
- 定格出力:3mW
- マックスパワー:5mW
- 最大歪み:3%@1kHz 0.179V
- プラグ:3.5mm黒接着金メッキプラグ/Type-C
- ケーブルの長さ:1.25m
以上が、LINSOUL TINHIFI C0の簡単なスペックです。
ドライバーサイズは、イヤホンとしては大口径に入る10mm。イヤホンのドライバーユニットは、5〜6mmが小口径、10mm以上になると大口径になります。一般的なイヤホンのドライバーより若干大きいので、その分音がよくなるのがいいところです。
さらに、再生周波数は20Hz~20kHzと一般的。これは、人間の限界可聴域と同じ値です。つまり、人間が楽に聞き取れる音の周波数と同じということ。過不足なく、音を聞かせてくれます。
そして、インピーダンスも一般的な32Ωです。インピーダンスが高いイヤホンと低いイヤホンを比べると、同じ電圧でも流れる電流の量が前者のほうが少なくなります。イヤホンにおいて32Ωは、高いとも低いとも言えません。
一般的な数値なので、扱いやすいです。
全体的に扱いやすいスペックって感じなのかな?
あや
よしぞー
だいたいそんな感じで合ってるよ
外観
LINSOUL TINHIFI C0の外観は、非常にスッキリとしています。
ハウジング部は小さく、ひと昔前に流行ったような筒状のシンプルな形状です。それでいて、耳から外れにくいように盛り上がっている部分もあります。シンプルですが、しっかりと利便性を考えられた形状です。
さらに、この形状だとケーブルが真下にダランと伸びるようなイメージがありますが、付属のケーブルにはガイドが付いています。
耳に引っかけて使うタイプで、これも耳から外れにくい理由です。
好き嫌いが無さそうだね
あや
よしぞー
嫌いという人はあまりいないと思うよ
付属品
- TINHIFI C0本体
- ケーブル
- イヤーピース:S/M/L1組ずつ
TINHIFI C0の付属品は、必要にして十分といったところです。低価格帯なので、ケースなどは含まれていません。1万円を超えるとケースなどのプラスアルファも欲しくなりますが、本機の価格帯では特に不満がない付属品です。
付属のイヤーピースは、柔らかめ。TINHIFI C0は、イヤーピースで角度を調整するタイプです。角度の調整がしやすいので、本機に適したイヤーピースだと言えます。
さらに耳から外す際、傘が少しひっくり返ることがあるので、密閉は完璧です。
そして、付属のケーブルはガイド付きなのがいいところ。耳に引っかけて装着するので、装着しながら外を歩いていても落ちることがありません。
そのうえ、左右で青と赤に接続部分の色が分かれており、間違えることがないのもいいところです。
全体的に、親切設計な印象を受けます。
LINSOUL TINHIFI C0の良いところをレビュー
ここまで、LINSOUL TINHIFI C0のスペックと外観、付属品について紹介してきました。本機の基本を紹介したところで、今度はLINSOUL TINHIFI C0の良いところについてレビューしていきます。音質のどこがいいか気になる方は、ぜひご参考ください。
低価格帯としてお得感が強い構成
LINSOUL TINHIFI C0は、1台のダイナミックドライバを搭載しています。ひと昔前の安価なイヤホンでは、一般的だったタイプです。近年も1DDのイヤホンは、低価格帯でよく見られます。
さらに、PUにチタンを組み合わせた複合振動版を搭載。PUは化学樹脂系素材では定番で、低価格帯のイヤホンにもよく使われます。
ただ、本機の価格帯でチタンコートは珍しいです。もう少し高めの価格帯で使われるのが、一般的。
そして、そこにアルミハウジングと背面開放があります。素材や形状などに妥協をせず、作り込まれているのが本機の魅力です。
価格を考えると、非常にお得感が強い構成だと言えます。
音の広がりや空間が自然
LINSOUL TINHIFI C0は、背面開放式のイヤホンです。
開放されているデメリットは、音漏れがあることです。
一方、音の広がりがよくなるというメリットがあります。
背面開放のおかげか、本機は音の広がりや空間形成が自然な印象です。自然に音が広がるので、聴いてて違和感がありません。音響空間のイメージもしやすく、バンドサウンドなどを聴いていて楽しいです。
低価格帯のイヤホンのなかには、音響空間に違和感がある製品も少なくありません。そのなかで、これだけ自然な空間を作っているというのは大きな魅力です。
高音域の抜けが良くクリア
LINSOUL TINHIFI C0の高音域は、抜けが良くクリアな印象です。
高音がしっかりと抜けていく感じがあり、綺麗に聞こえます。音がクリアなのも、綺麗な印象に一役買っているということです。反響、残響感もあまりなくスッキリと抜けていく高音になっています。
どういうところが、その音を作ってるんだろう?
あや
よしぞー
アルミハウジングとチタンコートだろうね
チタンコート振動版は、歪みが少なく素直だという特徴があります。そのうえ、高音域の伸び、抜けの良さやディティールが向上する効果があるのがいいところです。
アルミハウジングは、音がこもりにくいです。不要な振動を抑える効果もあり、これがクリアな印象に繋がっています。
中音域は密度感が高くウォーム
LINSOUL TINHIFI C0の中音域は、密度感が高い印象です。
耳が慣れてくると背面開放されているなと感じますが、慣れていないと背面開放されているとは思えないほどの密度感を感じます。それでいて、じっくり聴くと背面開放による音の空間の広がりというメリットがしっかり活かされているのがわかる音です。
さらに、音自体にはウォームな印象があります。あたたかみがあり、少しゆったりとした空気感が出る音です。
ただ、ウォーム過ぎるということはありません。中音域以下が目立ちはするものの、高音が鳴りを潜めているというほどではなく、程よい印象です。
低音域はほどよく感じられる
LINSOUL TINHIFI C0は、低音域がほんの少し強めです。
ただ、サブベースの表現に関してはあまり強くありません。全体的には「ほどよく感じられる」印象です。中音域の密度感と高音域の抜けの良さを支えるために、強めているというイメージ。
そのうえ、しっかりとしたまとまりを感じます。
この価格帯のイヤホンは、低音をかなり強める傾向がありますが、本機はそのようなイヤホンが苦手な方にもおすすめです。
音質のバランスが非常にいい
LINSOUL TINHIFI C0は、音質のバランスが非常にいいです。
低音域はまとまりがあり、ある程度の強さがあります。とはいえ、サブベースが非常に強烈ということもなく聴きやすい低音です。低価格帯にありがちなドンドンと派手に慣らすような低音が苦手な方でも、ちょうどよく感じられます。
さらに、中音域は程よくウォームな印象です。若干強めの低音に密度感が乗っており、ボーカルが際立ちます。
そして、高音域は抜けがよく拡張感があります。開放型の良さである音の空間の広がりに関しては、高音域が最もわかりやすいです。
全体的に、ウォーム型のイヤホンという印象。そこに背面開放の抜けの良さをプラスしたような仕上がりで、バランスがいいです。
価格と比べると、破格の音だと言えます。
LINSOUL TINHIFI C0の気になる点をレビュー
ここまで、LINSOUL TINHIFI C0の良いところをレビューしてきました。低価格帯のリケーブルイヤホンとしては、音質が非常に良好です。とはいえ、人によっては気になる点もあります。そこで今度は、本機の人によっては気になるだろう点を2つレビューしていくので、ぜひご参考ください。
低音重視を期待する人には合わない
本機は、低価格帯のイヤホンとしては珍しく低音があまり重視されていません。中音の密度感・ウォームさを重視しつつ、高音域の抜けの良さを加えているような音です。低音は、あくまでも下支えという役割になっています。
そのため、低音重視派には合いません。
低音重視を期待するとダメなんだ?
あや
よしぞー
ダメということはないけど、少しがっかりするかも
低価格帯イヤホンにありがちな音というイメージそのままで購入すると、ギャップでガッカリしかねないので注意しましょう。
イヤーピースは好みが分かれそう
TINHIFI C0の付属イヤーピースは、柔らかいタイプです。密閉感が強く耳にしっかりとフィットしますが、この柔らかさは好みが分かれそうな印象があります。
柔らかいイヤーピースが合わないことが多かったという人は、注意が必要です。本体が安いのでイヤーピースを追加で購入するのもおすすめですし、既に合うイヤーピースを見つけているならそれに換装するのもおすすめ。
もちろん音が少し変わりますが、それを楽しむのもイヤホンの醍醐味です。
LINSOUL TINHIFI C0はこんな方におすすめ
- 低価格かつ高音が綺麗なイヤホンが欲しい方
- ボーカル曲をメインで聴く方
- 低価格でリケーブル対応のイヤホンが欲しい方
- コスパが高い低価格帯のイヤホンが欲しい方
LINSOUL TINHIFI C0は、以上のような方々におすすめです。
本機は、低価格帯にありがちなドンシャリサウンドではなく、中音重視の高音の抜け感が強めの音といった印象があります。低価格かつ高音が綺麗なイヤホンが欲しい方には、いい選択肢です。
さらに、中音域が最も強く感じられるため、普段ボーカル曲をメインで聴いている方にはおすすめ。ウォームな音なので、アコースティックサウンドとの相性もいいです。
そして、低価格帯でリケーブルに対応しているイヤホンが欲しい方にもおすすめ。ピンも一般的なタイプなので、ケーブルの選択肢が豊富です。ケーブルを変えて音がどう変わるかを体験してみたい方に、最適。
また、単純にコスパが高い低価格帯のイヤホンが欲しい方にもおすすめです。
まとめ|圧倒的な高コスパの1DDイヤホン
本記事では、LINSOUL TINHIFI C0の良いところと気になるところについてレビューしてきました。
価格を考えると、本機にはデメリットらしいデメリットがないと言えます。気になる点もあくまで、人によっては合わない部分があるという程度です。
低価格リケーブル対応イヤホンとしては音質がよく、特に抜けがよくクリアな高音は一聴の価値があります。構成も価格帯からすると豪華で、それが音にしっかりと表れているのもいいところです。
コスパが高い低価格イヤホンが欲しい方には、非常におすすめですよ。