今回紹介するのは、ASUS ROG Strix XG256Qです。
2022年12月に発売され、これまでのASUS製ゲーミングモニターには無かったようなスペックを持つモニターとして注目されています。
ハイスペック偏重になりがちなゲーミングモニター界に、「こういうのでいいんだよ」と言いたくなるようなちょうどよいスペックとして売り出されたのが特徴です。
そんなASUS ROG Strix XG256Qのスペックを紹介し、良いところと注意点を徹底的にレビューしていきます。
目次
ROG Strix XG256Qのスペック・基本情報まとめ
ROG Strix XG256Qは、ASUSには少し珍しいスペックを持っていると述べました。では、具体的にはどのような性能を持っているのかが気になるところ。まずは、ROG Strix XG256Qのスペックなどの基本情報について紹介していきます。
スペック
- パネル:24.5型ワイド、Fast IPS、ノングレア(非光沢)
- 最大解像度:フルHD(1920×1080)
- 最大リフレッシュレート:180Hz
- 応答速度:1ms(GTG)
- コントラスト比:1000:1(typ)
- 輝度:400cd/㎡
- 最大表示色:約1670万色
- 画素ピッチ:0.283mm
- 色域:sRGB 99%
- 視野角:水平178°/垂直178°
- スピーカー:非搭載
- 対応VESA規格:100mm×100mm
- インターフェイス:HDMI2.0×2、DisplayPort1.2×1、3.5mmステレオミニジャック×1
- 消費電力:使用時16W以下/スタンバイ時0.5W以下
- 寸法:幅558mm、高さ381~491mm、奥行235mm(スタンド込み)、重量:5.2㎏
- 製品保証:購入日から3年間
パネルサイズは24.5型とゲームで扱いやすいサイズ感です。
24.5型で180Hzと、程よいスペックなのが特徴です。今時の主流である144Hzより高く、ハイスペックな200Hzより低いというのが秀逸なポイント。
さらに、Fast IPSを使用しているため色表現の良さと応答速度の速さを両立しています。
色に関してはsRGBで99%と、他のIPSモニターと比較しても高いです。IPSモニターの場合、80%台が一般的。sRGBの数値が高ければ高いほど、色の正確性が高いということになります。
本機は色がかなり正確に表現されるため、画像編集などの用途でも使用可能です。
スペック結構高い感じ?
あや
よしぞー
高スペックだけど高すぎずって感じだね
外観
デザインは、ROGシリーズらしくスタイリッシュさ全開です。左右と上部のベゼルが非常に狭く、画面がモニターサイズいっぱいに表示されます。下部もそこまで太くはなく、スマートです。
ロゴは前面の場合は下部ベゼルに小さく描かれているだけ。背面には大きく描かれていますが、普段は目立たない場所なのでロゴが好きではない方でも安心です。
また、色はマットなブラックとなっています。どのような部屋でも合うデザインで、人を選びません。
スタンドにはケーブルを通すための穴が空いてます。複数ケーブルを繋いだ際に、この穴でひとまとめにできるため、煩雑にならずスッキリとおさまります。
付属品
- モニター本体
- 組み立て式スタンド
- DisplayPortケーブル
- HDMIケーブル
- 電源ケーブル
- 電源アダプター
- ドレスアップ用ROGステッカー
- クイックインストールガイド
- 付属品収納用のポーチ
付属品は、充実しています。モニタースタンドだけでなく、HDMIケーブルとDisplayPortケーブルが付属するのが嬉しいところです。ケーブルは別売りというモニターが案外多いですが、初ゲーミングモニターの場合はケーブルを持っていない方もいます。
ケーブルを所持していない方にも嬉しい仕様です。
さらに、使わない付属品は専用ポーチに収納しておけます。
ガジェットが増えると使わないケーブルが増えて収納場所に困るので、これはありがたいポイント。
また、ROGシリーズでよくあるステッカーも付属します。
ステッカーって使いどころあるかな?
あや
よしぞー
人によるね。ROGのロゴが好きならあると思うよ
ROG Strix XG256Qの良いところをレビュー
ROG Strix XG256Qのスペックやデザインなどについて、簡単に紹介してきました。ここからは、ROG Strix XG256Qの良いところについてより詳しくレビューしていきます。本機はどんな人に合うかがハッキリとしているモデルです。
自分に合うかどうか確かめるために、ぜひご参考ください。
IPSでもゲーム性能が非常に高い
IPSモニターは、TNモニターよりもゲーム性能が低い傾向があります。TNパネルは色表現の正確性に欠ける代わりに、応答速度が早く安価なのが特徴です。
一方、一般的なIPSパネルは色表現の正確性が高い代わりに、応答速度が比較的低い傾向があります。
ところが本機は、Fast IPSを採用しているためIPSモニターでも応答速度が1msと早く、リフレッシュレートも高いです。ゲーム性能が非常に高く、IPSモニターのなかでも特にゲームに使いやすい部類だと言えます。
ROGシリーズトップクラスで扱いやすい
本機の扱いやすさは、ROGシリーズでもトップクラスです。ROGシリーズは、全体的にハイスペック志向となっています。大型で高解像度なモニターと、24インチ前後でリフレッシュレートが高いモニターでシリーズが構成されているのが特徴です。
ハイスペックなモニターを欲している方に人気がありますが、どうしても価格が高くなるのがネック。そのうえ、ハイスペックモニターはハイスペックPCを持っていないと宝の持ち腐れです。そういう意味では、人を選ぶシリーズでした。
一方本機は、3万円台の手に入れやすい価格で24.5型インチという扱いやすいサイズ。そのうえ、最大リフレッシュレートも180Hzです。
リフレッシュレートは特に、秀逸。
どうして秀逸なの?200Hzの方がよくない?
あや
よしぞー
200Hzだと宝の持ち腐れになりやすいんだ
2023年の現状、ゲーミングPCで人気の構成はCore i7-12700系列とRTX 3060 Tiとの組み合わせです。GPUが高くてもRTX 3070前後が人気があります。
このあたりのゲーミングPCは遊べないゲームが無い程度のスペックの高さがありながら、20万円台からモデルを選べる点が大きな利点です。そのため普及率が高めになっています。
この構成のゲーミングPCの場合、180fps程度なら設定次第で張り付きで出すことも可能です。基本は150fps前後の場合でも、軽い場面では180fpsを出せるケースもよくあります。
ただ、200fpsは画質を大幅に犠牲にしないと出せません。このため、144Hzだと少し物足りないものの200Hz以上だと性能が高すぎるということになりやすいです。
最大リフレッシュレートが180Hzの本機は、このような性能のPCを所持している方にとっては非常に扱いやすいと言えます。
G-Sync Compatibleが便利
ROG Strix XG256Qの便利機能の一つ、G-SYNC Compatibleの使い勝手が非常に良いです。
これは、ゲーミングPCなど出力機器側のフレームレートに合わせて、モニターのリフレッシュレートを変える機能です。可変リフレッシュレート機能とも呼びます。
合わせることでどうなるの?
あや
よしぞー
画面にヒビが入ったような表示になりにくかったりするよ
フレームレートとリフレッシュレートが著しく乖離していると、画面にヒビが入ったような変な表示になることがあります。他にも画面がカクつくなど、何かと不安定になりがちです。
それらの不具合を無くせるので、より快適にゲームが楽しめます。
DisplayHDR 400対応! 色域も広め
ROG Strix XG256Qは、DisplayHDR 400に対応しています。これをオンにすることにより、色域が広くなるのが特徴です。色の表現がより鮮やかになります。
黒いところはより黒く、白いところはより白くなりコントラストがハッキリするので画面にメリハリが生まれるのが特徴です。ゲームのムービーや映画などに、より没入しやすくなります。
FPSなどではあまり使いませんが、RPGなどをプレイする方には向いている機能です。
ゲーム向け機能を詰め込んだGamePlusが便利
ROG Strix XG256Qは、GamePlusに対応しています。これは、ゲーマー向けのさまざまなアシスト機能の総称です。
他にもエイムサポートの十字線、タイマー機能、FPSカウンターなどの機能が用意されています。クロスヘアを使うことで照準がわかりやすくなるので、練習に最適です。
タイマーは、クールタイムの把握などに使えます。FPSカウンターは、フレームレートを計測するのに便利。いずれも練習時にありがたい機能です。
FPSやTPSが苦手だけどうまくなりたい、という方にはぴったりですよ。
画面プリセットが8つと豊富
本機には、画面プリセットが8つ用意されています。
- シーンモード:風景画像に最適
- レースモード:入力遅延を低減する
- 映画モード:コントラスト・彩度を上げる
- RTS/RPG モード:彩度とコントラストをゲーム向けに調整しつつ高める
- FPS モード:暗いシーンの視認性を高める
- sRGB モード:sRGBを高め画像編集などに使える
- MOBA モード:ヘルスとマナバーの色を強調する
- ユーザーモード:ユーザーカスタマイズを保存できる
最後のユーザーモードはカスタマイズモードです。自分好みに設定して、プリセットとして登録できます。
各モードを見ると、非常に細かくプリセットが分けられているのがわかりますよね。シネマモードとRPGモードはどちらも彩度などを高めるプリセットですが、映像コンテンツとゲームとで微妙に調整を変えています。
MOBAモードという、他社製品ではまず見ないようなプリセットまであるのが嬉しいポイントです。
他にも機能が盛りだくさんで使いやすい
ROG Strix XG256Qには、これまで紹介した機能のほかにもさまざまな機能が搭載されています。
- シャドウブースト
- フリッカーフリー
- ブルーライト軽減
- カメラ用三脚穴
シャドウブーストは、暗い部分をハッキリと表示させる機能です。そのうえで、他の部分の明るさを最適化してくれます。この機能を使うと、暗い場所にある隠しアイテムなどを把握しやすいです。画面が暗いソウルライクゲームなどで、使えます。
フリッカーフリーは、画面のちらつきを抑える機能です。ブルーライト軽減機能とあわせて、たいていのゲーミングPCに搭載されています。
カメラ用三脚穴…?
あや
よしぞー
本体上部にあるんだよ
カメラだけでなく、サブディスプレイも取り付けられます。ゲーム用、配信用、ゲーム&作業用など自分好みのレイアウトを作れるのが魅力です。
組み立てが簡単
ゲーミングモニターのスタンドの取付・組み立ては、少々複雑な製品も多いです。
ただ、本機は非常に簡単。パッケージから取り出した本体裏面の円形の窪みに、アーム部分の円形パーツを合わせます。ドライバー要らずで、簡単に取り付けられます。
あとはアーム部分とベーススタンドを2本のねじで固定すれば、完成です。
ドライバーを極力使わずに、がっしりと固定できます。
何分くらいでできる?
あや
よしぞー
2〜3分くらいあればできるよ
なお、スタンドの取り外し方ですが、下の写真のように取り外しボタンがあり、このボタンを押すと、スタンドが取り外せます。
ボタンに気づかないと強引に回そうとして壊してしまう可能性もあるので気をつけましょう。
ROG Strix XG256Qの注意点をレビュー
ROG Strix XG256Qの良いところについて、レビューしてきました。程よいスペックで扱いやすく、機能はモリモリなのが魅力です。
ただ、少ないながら注意点もあります。今度は、そんなROG Strix XG256Qの注意点についてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
価格は他社に比べて高い
本機の価格は、約3万6000円です。
ASUSのROGシリーズのなかでは、安価な部類になります。特に24.5インチモニターでも高価なモデルしか選択肢になかったのが、同シリーズ中でも安価なモデルが追加されたことは選択肢が増えるため良いことです。
ただ、他社の類似製品と比較すると少々高めに設定されています。同じようなスペックでも3万円台前半・2万円台後半のゲーミングPCは、案外多いです。
そのため、人によってはコスパが悪く感じられる場合があります。
実際コスパはどうなの?
あや
よしぞー
性能の高さと機能の豊富さ、スタンドの使い勝手を考慮すると高コスパかな
Game Plusの機能はランクマなどでは使いにくい
これは決してイマイチな点ではなく純粋な注意点ですが、Game Plusの機能はランクマでは使いにくいです。
Game Plusに搭載されている十字線機能などはハードウェアチートだとみなされることがあります。もちろんハードウェアは相手からは見えないので、自ら話さない限りはバレません。
ただ、それでランクを上げてもうまくなったとは言えず、付いていけなくなる可能性が高いです。
あくまでも、練習用と割り切って使うことをおすすめします。
ROG Strix XG256Qは「ちょうどいい」ゲーミングモニター
ROG Strix XG256Qのスペックや良いところ、注意点についてレビューしてきました。
本機は、全体的に「ちょうどいい」ところに魅力があります。フルHDで最大180Hzというのは、人気のあるゲーミングPCの構成・性能にとってはちょうどいいです。これより高いとオーバースペック気味で、これより低いと不足気味になります。
さらに、色域が広くゲーム以外の用途でも使いやすいなど、用途が豊富なのも良いところ。ゲームと普段使いだけでなく、作業・仕事用としても使いやすいです。
扱いやすく、ちょうどいい性能のゲーミングモニターが欲しい方には非常におすすめですよ。