PS5の特徴といえば圧倒的な映像スペックです。
4K解像度と120fpsのフレームレートに対応しており、4Kの美しさとヌルヌルと動く映像に感動を覚えるでしょう。
PS5の映像スペックをしっかりと引き出すためには、対応したゲーミングモニターが必要になりますが、解像度やフレームレートだけでなく接続規格の問題もある為、モニターを選ぶうえで正しい理解が必要となります。
本記事では、PS5に最適なゲーミングモニターの選び方とおすすめのモニターを紹介します。
PS5用のゲーミングモニターを探している方はぜひ読み進めてください。
目次
PS5の映像スペックは超ハイスペック

PS5の映像出力は「4K 120Hz /8K 60Hz」です。
8Kというキーワードもありますが、PS5の映像出力での目玉は4K 120Hzであり、4Kクオリティで120fpsまでサポートされるというのが大きな特徴です。
それでは「4K」・「120Hz」というのは一体どんな映像なのかについて説明します。

よしぞー
8K 60Hzは現在そのスペックのモニターがほぼ存在しないよ。
登場しても当面は金額的に現実味のないモニターだから気にする必要はないよ!
解像度について「4Kとは」
4Kとは映像における画面解像度のことを指し、解像度とは画質の細かさを意味します。
デジタル映像はモニターには「ドット(画素)」が縦横に並んでいて、そのドットに色を表示させることで映像を作り上げます。
同じサイズのモニターでもドット数が多いほど「解像度が高い」といえ、細かい部分まで精細に表示できることを意味します。
一昔前のテレビで高画質と騒がれたフルハイビジョン(FHD、フルHD)という規格がありますが、このフルハイビジョンで横1920ピクセル×縦1080ピクセル(ピクセル=画素)を映し出せ、超高画質と騒がれたのを覚えている方も多いでしょう。
それから技術はさらに進み、現在は2K、4Kが主流になりつつあり、8Kという規格も騒がれ始めています。
4K、8Kがどの程度の解像度なのかを表したのが以下の表です。
名称 | 名称2 | 横 | 縦 |
ハイビジョン | HD(720P) | 1280 | 720 |
フルハイビジョン | FHD(1080P) | 1920 | 1080 |
2K | WQHD(1440P) | 2560 | 1440 |
4K | UHD | 3840 | 2160 |
8K | SHV | 7680 | 4320 |
FHDの横1920縦1080をかけると2,073,600となりますので、いわゆる200万画素となるのですが、4K動画はその4倍の800万画素の映像、さらに8KにもなるとFHDの16倍である3300万画素での動画ということになります。

よしぞー
3300万画素って、ハイスペックなデジカメで撮影する静止画と同じクオリティが動画として流れるイメージだね
この事からも4Kや8Kの凄さがイメージつくかと思います。
ちなみに現在主流となっている一般的なゲーミングモニターは、FHDの1920×1080のタイプが主流です。eスポーツなどの大会でもFHDが使われています。
フレームレート(FPS)とは
フレームレート(FPS)とはFrame per second の略で、モニター上の映像が切り替わる頻度のことです。
- 30fpsなら1秒間に30枚の静止画
- 60fpsなら1秒間に60枚の静止画
- 120fpsなら1秒間に120枚の静止画
一般的な動画であれば、30fpsあれば十分自然に見えますし、60fpsで映し出せたらそれなりに滑らかな映像です。
リフレッシュレート(Hz)とは
リフレッシュレートは、1秒間に最大何フレームの映像の切り替わりを処理できるかを示す数値で、単位はHz(ヘルツ)で表されます。
フレームレート(FPS)とリフレッシュレート(Hz)と切っても切れない関係。
PS5が120Hzの性能を持つのであれば、1秒間に120枚の静止画を切り替えられる性能を持つモニターでないと、100%の映像クオリティを引き出せないということになります。
接続規格

動画解像度とフレームレート・リフレッシュレートが理解できた上で、もう一つ考えるべきことがあります。
というのが、PS5とゲーミングモニターを接続するケーブルが、PS5の性能を引き出せるものなのかどうかということ。
モニターとの接続する規格も様々で、主流な規格を大きく分けるとDisplayPortとHDMIがあります。
DisplayPort、HDMIのバージョンによって引き出せる性能は異なり、それぞれの性能は画面解像度によっても異なってきます。
FHD | WQHD | 4K | 8K | |
DisplayPort1.4 | 240Hz | 165Hz | 120Hz | 60Hz |
DisplayPort1.2 | 240Hz | 165Hz | 60Hz | – |
HDMI2.1 | 240Hz | 240Hz | 120Hz | 60Hz |
HDMI2.0 | 240Hz | 144Hz | 60Hz | – |
HDMI1.4 | 144Hz | 75Hz | 30Hz | – |
PS5ではDisplayPortは無く「HDMI2.1」ですから、PS5の映像を最大限に引き出せるモニターは、4Kの画面解像度で120Hzのリフレッシュレートに対応しており、HDMI2.1規格のケーブルで接続できるモニターということになります。
高い映像クオリティで4K 120fpsを引き出せる性能がPS5にあるの?という問題
さて、高い映像クオリティで作られたゲームを4K 120fpsで動かせる性能をPS5が持ち合わせているのかという疑問があります。
実際、4Kの映像を動かすのって信じられないほど高負荷がかかります。
その為、4Kで120fpsは出せるけど、映像クオリティを落として4K120fpsを出す工夫を施しているだけだよねという話です。
PS5のグラフィック性能はずば抜けているものの、せいぜい5万円程度で購入できるゲーミングデバイスです。
そしてPS5のグラフィックボードは、2020年前半までに開発されたGPUが搭載されていると想定されます。一部ではRTX2080クラスのGPUが搭載されているのではないかという噂もありますよね。※仮に2080クラスのGPUが搭載されていたら凄いことですが。
こんな話をするのは、2022年現在もっとも性能の高いGPUであるRTX3090(実売価格で20万円前後※GPUだけで)を搭載したPCでも、重たいゲームを4Kにて高フレームレートで楽しむためには、ゲーム側の設定を配慮する必要があるのです。
例えばサイバーパンク2077という高負荷ゲームを、RTX3090環境にて4Kでレイトレーシングを効かせた最高画質で動かそうとすると、せいぜい60〜70fpsしか出ないという実情があります。レイトレーシングONにした場合、DLSSをウルトラパフォーマンスモードに設定してやっと120fpsを稼げるといったイメージです。
ちなみに現在の主力GPUであるRTX3070で同じテストを試すと、もっと悲惨な結果になります。レイトレーシングを効かせてサイバーパンク2077を楽しむのは正直キツいです。
PS5はデバイス本体で儲けを出していないコスパの良いゲーミングデバイスだとは言われているものの、流石にRTX3090クラスのGPUを搭載しているとは考えられないわけで、結局のところ4Kで120fpsを出すために映像クオリティを削っているだけなはずです。
平たく言えば、フルHD or 2K(WQHD)あたりの解像度で120fpsを出すなら美しい映像のゲームを作れるけど、4K 120fpsで動かすならクオリティを削らなければ無理という話で、美しい映像&高フレームレートでゲームを楽しむならフルHD or 2Kの方が良いってことです。
PS5の映像性能を引き出せるモニターは?
PS5発売当初は「4K、120Hz、HDMI2.1」のスペックを持つモニターはほとんど存在しませんでしたが、現在各メーカーから登場し始めています。いくつか紹介しましょう。
TUF Gaming VG28UQL1A

まず紹介するのはASUSから発売されたTUF Gaming VG28UQL1A。10万円を切る価格でありつつ、4K 144Hz HDMI2.1に対応したゲーミングモニターになっています。
モニターのサイズ感は28インチと小ぶりですが、PS5の映像性能をしっかりと引き出したい方にはまず選択肢に入れるべきモニターです。
合わせて、DisplayHDR 400の基準を満たし、DCI-P3の色域を90%カバー。優れた色とコントラストを実現している為、ゲーミングのみでなく様々な画像編集などの用途にも十分に活用できますね。
本モニターは下記にてレビューしていますので、合わせてご覧ください
SONY INZONE M9

PS5と親和性が高いのがSONYのゲーミングブランドである「INZONE」のM9です。
4K 144Hz、IPSパネル、1ms GTG、HDMI2.1とPS5のグラフィック性能をしっかり表現する性能と合わせ、HDR600・DCI-P3 95%と映像の美しさも申し分ありません。
ポート類も充実しており、HDMI2.1、DisplayPort1.4など最新規格の端子を搭載しているとともに、USB-A×3、USB-C×1、USB-upstream端子も装備しています。
ハイスペックな4Kモニターを探している方におすすめです。
JAPANNEXT JN-315IPS144UHDR

31.5インチのIPSパネル、最大144Hz(DP接続時)の高リフレッシュレートに対応した4K解像度(3840×2160)の高解像度ゲーミングモニターです。
PS5のHDMI 2.1にも対応し、HDMI接続時に4K解像度で120hzの高リフレッシュレートを実現しています。応答速度も1msと申し分ありません。
31.5インチの大画面で高精細な4Kゲームを存分に楽しめます。またFPSでマップを表示させる際に画面の端にマップ表示をするなど広い画面ならではの実践的な使い方が可能です。
LG 27GP950-B

LGから発売されている27インチのゲーミングモニター「 LG 27GP950-B 」。4K 144Hz対応、HDMI2.1に対応ということでPS5の映像性能を引き出してくれるモニター。
4K120Hzの映像を映し出すのであれば検討すべきモニターです。
ただし、4kという解像度に対して27インチは正直画面が小さく、このサイズ感であれば4kでなくても良いのではとも感じられますね。
Gigabyte M28U

28インチと4kとしては小ぶりな画面ですが、HDMI2.1・144Hzに対応した4Kモニターです。
M28Uの最大の特徴は、世界初のKVM機能搭載ゲーミングディスプレイであること。
このKVM機能により、一組のキーボード、マウス、画面で複数のマシンをコントロールすることができます。 PC、ゲーミングデバイスなど複数の端末を使っているユーザーに重宝する機能です。
また、1ms(GTG)の応答速度と力強いゲーミング性能と合わせ、DCI-P3を94%カバーする非常に広い色域を持ちます。
また、本モニターには32インチモデルも発売されています。より大画面で楽しみたい方には32インチモデルをお勧めします。
ASUS ROG Swift PG32UQ

ASUSからもHDMI2.1端子を2系統もつ、32インチ・4K・144Hz駆動対応のIPSパネル搭載のゲーミングモニターが発売されました。
32インチで4Kはサイズ的にも丁度よく、PS5の映像スペックを満たす本命モニターになります。
さらにオーバークロック機能によって最大155Hzにも対応している為、性能の高いPCでゲームをする際は、より高い映像能力によって楽しむことが可能です。
LG 4Kチューナー内蔵 液晶テレビ 49NANO86JNA

LG 4Kチューナー内蔵の液晶テレビ「49NANO86JNA」です。
こちらはモニターではなく4Kの液晶テレビがベースのゲーミング推奨モデル。
10万円を切る値段と、49インチテレビとして考えれば値段もお手頃なので、リビングに置いて普段はテレビとしても使用しつつ、PS5の映像クオリティを楽しみたい方には検討する余地がありそうです。
SONY BRAVIA XRシリーズ

ソニーから2021年モデルとして発表したテレビ「BRAVIA XRシリーズ」がHDMI2.1に対応した4Kモニター(テレビ)となってます。
発表されたモデルの中で、「HDMI 2.1」をサポートするモデルはA90J、A80J、X95J、X90J、X85Jの5機種。
その中で、4K /120fps入力時に8.5msの低遅延まで対応するのは、A90J、A80J、X95J、X90Jの4機種となってます。
その中で最も安く買えるのが「XRJ-50X90J」が50インチで2022年現在149,980円。PS5用のモニタとしてではく、家庭用テレビの買い替えも含めて検討しても良いかもしれません。
60Hzで良いから4KモニターでPS5を楽しみたい方へ

120Hzのモニターは高くて手が出ないけど、やっぱり4K映像で楽しみたいという方も多いでしょう。
PS5のゲームは現時点で4K120Hzに対応するものは数える程度しかなく、4K60Hz対応というのがほとんどです。
ということは4K60Hzが出せるモニターを購入すれば、ほとんどのPS5のゲームがパフォーマンスの良い状態で映像を映し出せるということです。
実際、FPS/TPSのような動きの激しいゲームでない限り、60Hzでもストレスは感じないはずです。
4K60Hzに対応したモニターでおすすめは、ASUSの ProArt PA279CV。
元々はクリエイター向けの4Kモニターで発色が美しいのが売りですが、4K60Hzに対応するとともに応答速度も5msとゲーミング用途で十分にパフォーマンスを出せるスペックとなっています。
私も実際に使用しましたが、デモンズソウルが4K映像で動くのには感動を覚えましたよ。
クリエイティブ向けスペックに関わらず実売5万円台で購入可能ですから、PS5を4K映像で楽しみたい方は検討してはいかがでしょうか。
発色が美しいため、写真鑑賞・編集用にも適しています。
フルHDもしくはWQHDの2K映像で120Hzを楽しむというのが現実的?
PS5の4K120Hzという夢のようなスペックでゲームを楽しみたいとは思いつつ、現時点では、対応するモニターが少ないし、登場したモニターも値段が可愛くありません。
これからHDMI2.1に対応した4K 120Hzのモニターが次々と登場してくると思いますが、値段がこなれてくるのはまだ先ですから、現段階ではスペックを下げたモニターでPS5を楽しむのがベストな選択です。
私がチョイスしたいのは、WQHD(2560 × 1440)で120Hzの性能を持つモニタ。もしくはフルHDでPS5 120Hzに対応したモニターです。
フルHDであれば値段も一気に下がるので、限られた予算の中でぬらぬらな動きを実現させたいのであれば最善の選択肢になるかもしれません。
PS5もWQHDに対応したよ

PS5が発売された当初、4K・フルHDに対応していたものの、上のキャプチャーの通りWQHDには対応してませんでした。
その為、WQHDモニターをPS5に接続しても、フルHDを引き延ばすアップスケーリングと4Kを縮小するダウンスケーリングが自動的に行われる使用でした。
2560 × 1440のWQHDのモニターをPS5に繋いでも、ドットバイドットでの表示はされず、
- フルHDの映像をWQHDに引き延ばした状態で映し出される
- 4K以上の映像をWQHDに縮めた状態で映し出される
という仕様でしたが、2022年、ついにWQHDにも対応しました。

WQHDモニターは4Kモニター(HDMI2.1接続タイプ)と比較すると、非常に安価に購入が可能です。
そしてグラフィックも非常に綺麗です。
WQHDに対応されたことで、PS5用のゲーミングモニターを選ぶ上で良い意味で選択肢が増えたことになります。
WQHD・フルHDの120Hz以上のおすすめモニター
最後にWQHDで120Hz以上が出せる27インチモニターと、現在私がPS5に繋げているモニターを紹介します。PS5用のゲーミングモニターを購入するのであれば参考になるはずです。
ASUS TUF Gaming VG27AQL1A

まず紹介するのはASUSから発売されたVG27AQL1Aというゲーミングモニター。このモニターの特徴は、WQHD IPSパネルにもかかわらず170Hzという高いリフレッシュレートに対応している事です。応答速度も1ms(MPRT)と非常に速いです。
またゲーミングを気持ちよくぬらぬら動かすための様々な工夫が盛り込まれています。
それと合わせて非常に高い色域を持ち、ゲーミング用途以外のクリエイティブなシーンでも十分な性能を持ち合わせている事です。
PS5は120Hzが最大値となりますので、VG27AQL1Aはスペックオーバー気味でもありますが、ゲーミングに特化した性能とあわせ色域の高さから最初に紹介致します。
ちなみにスピーカーも内蔵していますが、より臨場感の高い音質でゲームを楽しみたいのであれば、別途スピーカーも用意することお勧めします。
BenQ EX2780Q

BenQ 27インチサイズのゲーミングモニターで、WQHDの高解像度に対応しつつ144Hzの高リフレッシュレートを実現しています。
また、2.1chの性能の良いスピーカーも内蔵されているので、スピーカーを別で購入する必要が無いことも魅力ですね。
実際に私が購入したモニターですが、ゲーミング用途だけでなく、Type-CのUSBにも対応しているので仕事のサブモニターとしても重宝しています。
ASUS VG259QR

ASUSから発売されている最大165Hzの性能を持つ24インチ・フルHDゲーミングモニターです。
PS5のフルHD120Hzに対応するとともに応答速度も1msと、ゲーミング性能は申し分ありません。


なお、スピーカーも搭載されていますがおまけ程度です。音にこだわる必要のあるゲームを行う際は、外付けのスピーカーやヘッドセットなどを使用した方が良いです。
また、 VG259QRはフルHDなので、WQHDサイズのモニターと比べると価格が落ちるのも魅力の一つです。手ごろにな価格で120fpsを楽しむのであれば、フルHDのゲーミングモニターが選択肢に入ってくるでしょう。
ASUS VG258QR-J

出来るだけコストを抑えて120Hzのぬらぬらを味わいたいのであれば、ASUSのVG258QR-Jもおすすめです。
上で紹介したVG259QRの弟分的な立ち位置ですが、TNパネルを採用することでコストを削減し、より安い価格で120Hzの恩恵を味わう事の出来るゲーミングモニターとなっています。
IPSパネルと比較すると多少の色むらでたり、視野角が狭かったりと劣る部分はありますが、ゲーミング専用であれば全く問題になりません。
コストを削った分、新しいゲームを買ったり、イヤホンやヘッドセットなど音響に投資するのもアリでしょう。
まとめ
自分の頭を整理するためにもプレーステイション5の高品質な映像スペックを映し出せるモニターについて書きましたが、まずPS5は4K 120Hz(8K 60Hz)に対応したゲーム機であること。
そして4K 120Hzの映像を映し出すためには、HDMI2.1に対応したモニターが必要であるが、ゲーミングモニターではほとんど存在しないこと。
また、4Kで美しい映像を流すには負荷がかかりすぎる為、PS5で4K 120fpsは無理があるのではと感じること。
PS5がWQHDに対応したことで、モニター選びに良い意味で選択肢が広がったことは間違いありません。
PS5用のゲーミングモニター選びの参考になれば幸いです。