PCでゲームをするうえで、PC本体と同じくらい大切なのがモニターです。コンシューマゲームであれば、モニターにそこまでこだわる必要はありません。
ただ、PCゲームをより綺麗かつ低遅延でプレイしたい場合、ゲーミングモニター選びにもこだわる必要があります。それも、闇雲に評判が高いものを買えば良いというものでもないんです。
そこで今回は、ゲーミングモニターのスペックと、PCのスペックの関係性から、モニター選びのポイントについて説明していきます。
目次
ゲーミングモニターと一般的なモニターとの違いは?
まず、ゲーミングモニターと一般的なモニターの違いを簡単にお話しましょう。
- リフレッシュレートが違う
- 応答速度が違う
- 入力遅延が違う
- 機能が違う
大きな違いは、上記4点です。
ゲーミングモニターは、一般的なモニターよりもリフレッシュレートが高いモニターになっているんです。
リフレッシュレートは、144Hz、240Hzという数値で表されます。144Hzは1秒間に144回、画面が切り替わるということです。
この数値が高いと、動きが滑らかになり相手の動きを捉えやすく、しかもゲームの映像が素早く反映されるようになります。
たとえば相手がリフレッシュレートの低いモニターを使っている場合、高いモニターを使っている人の方がほんの少し先の未来を見ているような状態になるんです。
続いては応答速度の速さ。応答速度は、簡単に言えばモニターの色が異なる色に変わるまでにかかる時間のことです。1ms、5msといった数値で表されますが、応答速度が早ければ映像がブレにくくなります。
最近のFPSは動きが素早いゲームが多いですが、応答速度が遅いモニターだと残像のようなブレが生じ、エイムがしづらいんですよ。
さらに、ゲーミングモニターは遅延も少ない傾向があります。ゲーム機から出力される映像がモニターに映し出されるまでの時間が、短いということです。ラグが生じにくくなり、ゲームプレイが有利になります。
また、ゲーミングモニターは一般的なモニターよりも機能が高い製品が多いです。たとえば、ブルーライト低減機能や暗い画面の視認性を高めることのできる機能など、ゲーマーに嬉しい機能があるんですよ。
ゲーミングモニターの性能とPCの性能との関係とは
ゲーミングモニターは一般的なモニターと比べ、ゲームプレイに特化したスペックと機能を持っているということを語ってきました。
ただ、スペックも機能も製品によってピンからキリまであります。
ここで覚えておきたいのが、PC性能が高くてもモニターの性能が低ければ、PCが本来の能力を発揮できないということです。
たとえば、PCは200fps以上のフレームレートを叩き出すことができるモデルだとしましょう。
フレームレートとは「1秒間で見せられる静止画のコマ数」のことです。パラパラ漫画をイメージすれば、わかりやすいかもしれません。fps値が高ければより滑らかなパラパラ漫画になり、低ければ動きの繋がりが弱くカクカクとしたパラパラ漫画になります。
一方、使うモニターが60Hzのものだとしましょう。このとき、実際に出るフレームレートは最大で60dpsです。
これでは、せっかくのPCスペックが台無しですよね。200fps以上出せるPCであれば、240Hzで使えるようなモニターがあったほうがゲームがより楽しくなります。
このようにして、PCスペックとモニタースペックは対で考える必要があるんです。
PCスペックと紐付けたゲーミングモニターの選び方
PCスペックとモニターのスペックは紐付ける必要がある、と語りました。ただ、PCとモニターの関係性がわからないとそれも難しいでしょう。そこで、PCとモニターの関係性から、ゲーミングモニターの選び方について説明しあmす。
モニターサイズと解像度のバランスを取ろう
まず大切なのは、モニターサイズと解像度のバランスです。モニターサイズというのは、24インチや27インチなど、文字通りモニター自体の大きさのことですね。ゲーミングモニターは小さくても24インチ、大きければ32インチが主流です。
最も使用者が多いとされているのは、27インチですね。他にも、横幅が長いウルトラワイドモニターなどがあります。
解像度は、フルHD(以下FHD)などのことです。
解像度にも、種類があります。以下に、解像度の種類を解像度が高い順に並べました。
- 8K:7680×4320
- 4K:3840×2160
- WQHD:2560×1440
- FHD:1920×1080
- UXGA:1600×1200
- HD+:1600×900
- WXGA:1280×768、1366×768、1280×800
- SXGA:1280×1024
- XGA:1024×768
- VGA:640×480
かなり種類が豊富ですね。とはいえ、ゲーミングモニターにおける最低基準はFHDなので、それより下は今回は覚える必要はありません。
さて、この「モニターサイズ」と「解像度」ですが、この2つには適したバランスがあります。
- 24インチまで:FHD
- 27インチ:FHD、WQHD
- 32インチ:WQHD、4K
上記は私の中での最適なサイズと解像度のバランスですが、なぜサイズごとに解像度の最適解があるのかというと、解像度が高くなるほど表示領域が広く文字が小さくなるためです。つまり、1画面におさめることのできる情報量が大きいと言えます。画質が綺麗になるだけというイメージがあるかもしれませんが、そうではないんですよ。
画質が綺麗なのも、表示できる情報量が多いためだと言えます。
そのため、小さいモニターで高解像度にしようとすると、かえって見づらくなるんです。ゲームプレイにおいても、あまりメリットを感じられません。それどころか、逆にPCに負荷をかけてしまう可能性があります。
また、ここでもゲーミングPCのスペックを考慮したいところです。
グラフィックボードとモニター解像度の対応
高解像度が出せるモニターを用意しても、PCに搭載されているグラフィックボード(以下グラボ)の性能が低ければ、高解像度は出せません。
以下に、グラボと解像度の対応表を記しておきます。
グラフィックボード NVIDIA | 3840×2160 (4K) | 2560×1440 (WQHD) | 1920×1080 (フルHD) |
---|---|---|---|
RTX 3090 | ◎ | ◎ | ◎ |
RTX 3080 | ◎ | ◎ | ◎ |
RTX 3070 | 〇 | ◎ | ◎ |
RTX 3060 Ti | 〇 | ◎ | ◎ |
RTX 2080 | 〇 | ◎ | ◎ |
RTX 3060 | △ | 〇 | ◎ |
RTX 2070 | △ | 〇 | ◎ |
RTX 2060 | △ | 〇 | ◎ |
GTX 1660 | △ | 〇 | ◎ |
GTX 1650 | × | △ | ○ |
GTX 1050Ti | × | △ | ○ |
GTX 1050 | × | △ | ○ |
まとめると、モニター側で「サイズ」と「解像度」のバランスを取りつつ、PCに搭載されているグラボが対応可能な解像度ともバランスを取る必要があるということです。
高フレームレートモデルを選ぼう
ゲーミングモニターにもさまざまなコンセプトのモデルがありますが、近年主流なのは高フレームレートモデルです。
具体的に言えば、FHDで240Hz、WQHDで170Hzが出せるレベルが流行っています。近年はゲーミングPCとGPU(グラフィック)の性能が上がっているので、モニターもそれに対応して高フレームレートモデルが主流になっているということです。今後はさらに高フレームレート化が進むと考えられます。
そのため、今から購入するのであれば、モニターも最低144Hzクラス以上のモデルを選んだほうが良いでしょう。フレームレートの低いモデルを買っても、遊びたい作品についていけなくなり、すぐ買い換えることになるかもしれませんしね。
2つ、製品例をそれぞれ簡単に紹介します。
まずは、「TUF Gaming VG279QM
」です。
27インチで解像度はFHDですが、リフレッシュレートが280Hzというモンスタークラスのゲーミングモニターです。もちろん応答速度も1msに対応しています。IPSモニターで280Hzに対応した、世界初のモデルです。
そのことからもわかるように、280Hzはとんでもなく高リフレッシュレートだと言えます。これまでは、高くてもFHD240Hzでしたから。
さらに、応答速度を高める機能、残像感を軽減して映像のキレが増す機能、暗所を明るくしてくれる機能などゲーマー向け機能を多数搭載しています。
これだけのモニターであれば、今後の高フレームレート化にも耐えられるでしょう。
続いて、「TUF Gaming VG27AQL1A
」を紹介します。
27インチ・WQHD+IPSパネルで170Hzに対応しています。応答速度は1msです。
IPSパネルモニターは、非常に美しい映像を表現できるものの、リフレッシュレートではTNパネルには及ばないというのが定説でした。
その為、WQHDサイズでは高スペックモデルでも144Hzが主流でしたが、これまでの定説を一気にひっくり返したと話題になっているゲーミングモニターです。
WQHDという高解像度であるのに高フレームレートで遊ぶことができます。FPSなどの競技ゲームだけでなく、グラフィックが綺麗なオープンワールドゲームを遊ぶのにも、うってつけです。もちろん動きの激しいゲームでも残像が発生しにくいです。
他にも、HDR10に対応していたり、暗い部分をはっきり映し出す機能があったり多機能。面白いのは、ゲーム画面にプレイ補助の映像を重ねられる機能です。たとえば十字線を表示してエイムをしやすくしたり、画面の一部を拡大できたりします。
4Kはゲームだけなら必要ない? 大事なのは動きの滑らかさ
先程、解像度について説明する際「4K」という言葉が出てきましたね。近年のテレビだと4K対応が半ば当たり前になってきており、しかもその上の8Kまで出てきています。ゲーム界隈でも、一部では4Kが騒がれていたりしますね。
ただ、4Kはゲームだけならあまり必要ありません。4Kに対応している作品数自体、そこまで多くはありませんし、2KやFHDでも十分に映像は綺麗です。それに、4K対応モニターとなるとサイズもかなり大きくなります。
4Kで美麗さを求めるよりも、2KやFHDのモニターで動きを滑らかに描写するほうがゲームにおいては大切です。それに、動きが滑らかな方が結果的に映像が綺麗に見えますし、幅広いグラフィック設定に対応できます。
より、ゲームのグラフィックを楽しめるのではないでしょうか。
4Kはゲームだけでなく映像制作なども楽しみたいという人向けとして、考えれば良いかもしれませんね。
鍵は「解像度」と「フレームレート」! PC性能を考慮してモニターを選ぼう
ここまで、ゲーミングモニターのスペックとPCのスペックの関係について語ってきました。どれだけ良いGPUを搭載したゲーミングPCを購入しても、モニターがその解像度やフレームレートに対応しきれないと意味がありません。
モニター選びの鍵となるのは、「解像度」と「フレームレート」です。
そのひとつの基準として、近年流行りの「FHDで240Hz」「WQHDで170Hz」というのを覚えておきましょう。さらに、FHDやWQHDに対応するモニターサイズとGPUの種類もチェックすれば、自ずと選ぶべきモニターが見えてきます。
FHDかWQHDか、どちらを選ぶかは好みです。より動きを滑らかにしたいならFHD、解像度と高フレームレートを両立させるならWQHDが良いのではないでしょうか。
PCスペックを意識しつつゲーミングモニターを選び、ゲームをめいっぱい楽しみましょう!