世界的な音響機器メーカーであるドイツのSHURE社。
どのライブハウスにも置いてあるSM58というマイクが世界的にもスタンダードなのですが、アマチュアのボーカリストやカラオケのマイマイクとして人気なのがPGA58というマイクです。
私もそのPGA58をカラオケで実際に使ってみたのですが「まるで自分がプロになったかのよう」な音質に感動！
普段よりも何倍も上手くなったように聴こえるマイク“PGA58”の魅力を徹底レビューしていきます。
本記事はhemmiさんに執筆していただいています。hemmiさんは音大を首席で卒業し、卒業後は演奏活動や指導をしつつ執筆活動をされている音楽のプロフェショナルです。
目次
PGA58のスペックと特徴
まずは、PGA58がどんな性能のマイクなのかを簡単に解説します。
| 形式 | ダイナミック型 |
| 指向性 | カーディオイド |
| 周波数特性 | 50Hz〜16kHz |
| インピーダンス | 150 Ω |
| 開回路感度 | -55 dB re 1V/Pa |
| コネクター | XLR3ピン・オス |
| 寸法／重量 | φ55 x 166mm／294g |
PGA58-LC マイクロホン、マイクロホンホルダー、ポーチ
PGA58-XLR マイクロホン、マイクロホンホルダー、ポーチ、4.6m 接続ケーブル（XLR3ピン、メス → XLR3ピン、オス）
PGA58-QTR マイクロホン、マイクロホンホルダー、ポーチ、4.6m接続ケーブル（XLR3ピン、メス → 標準プラグ）
ボーカルやコーラスに特化して開発されたマイク
PGA58は、リードボーカルやコーラスに向くよう開発されたモデルです。
音質はもちろん耐久性も「プロ品質」と謳われていて、アーティストの卵が最初の1本として購入する事も少なくありません。
音質の基準は定番のSM58！コスパを重視したモデル
SHURE社内ではもちろん、世界中の定番として愛されているのがSM58というマイクなのですが、PGA58は音質をなるべく保ったままコスパが重視されているモデルといったところ。
微妙な違いはありますが、聴こえてくる声質はSM58に引けを取らないほど高音質。
SM58よりも、むしろPGA58を好んで使うアーティストもいるほどです。
PGA58のマニュアルはこちら
PGA58は基本的に有線接続で、接続したあとはミュートスイッチをON/OFFるだけの操作となります。
躯体が頑丈なのであまり取り扱いの注意点はありませんが、公式サイトの取扱説明ページを紹介しておきますね。
PGA58をカラオケのマイマイクとして使ってみた
PGA58の音質ですが、とにかく感動の連続でした！
「低音や高音がスッキリ抜ける」「ややウエットな艶のある声に聴こえる」など、普段の声の何倍も格上げされたようで歌っていて最高の気分に♪
ですが「ただのカラオケ好きがレビューした」としたら信頼性がないかと思いますので、簡単に私のプロフィールを記載させてください。
- 30代女性
- 音大器楽科出身
- ピアノ歴30年で絶対音感あり
- クラシック音楽とJ-POPメインのラジオを聴くのが好き
- 社会人になり週1～2回カラオケにいく日々を過ごす
音楽好きが高じて、クラシック音楽のブログとカラオケのブログを運営しています。
PGA58の接続方法！ワイヤレスは対応している？
機械の設定や接続に疎い私ですが、PGA58は簡単に接続できました！
DAMなど標準のカラオケ機に接続するのはXLR-フォンケーブル（ネットショップで選ぶなら”PGA58-QTR”です！）で有線接続します。
端子の形状が一目瞭然なので、それぞれ対応する部分に差し込むだけ。
ケーブルを差し込む前に「マイクの電源をOFF」「DAM側のマイクボリュームを0」にしておきましょう。急に大きな音が鳴ってマイクやカラオケ機が故障する恐れがあります。
ケーブルがきちんと差し込まれたのを確認したら、マイクの電源をONにして声を出しながらボリューム調整していきましょう。
PGA58の音質
PGA58の音質ですが、以下のような特徴がありました。
- しっとり暖かい音質
- クリアでボーカルが際立つ
- 高音も低音もよく抜けてくれる
- 小さい低音はやや拾いづらい
エントリーモデルであるPGA48と同じようにクリアな音質のPGA58。
ですが決定的な違いが「声にあたたかみがある」という事です。
さらに声のボリュームを上げると素直に声が抜けてくれるので、いつもよりも歌が上手くなったように感じさせてくれます♪
ただ、男性ボーカル曲の「低音で小さい声の場面」で少し声を拾ってくれない場面がありました。
小さい声で歌う時は、意識してマイクを口元に近づけるといいかもしれません。
PGA58の雑音やハウリングはどうだった？
PGA48は小さい声を拾うぶん雑音が入りやすかったのですが、今回のPGA58はほとんど雑音が気になりません。
声がよく抜けるのでマイクボリュームを上げる場面は少ないですが、マイクのボリュームを思い切って上げてみてもほとんど雑音が入りませんでした！
ライブパフォーマンスでの使用にも十分耐えうる性能のマイクです。
PGA58が得意なシーンや向いている人
私が実際に使ってみた感想をもとに、PGA58で歌うのが向いている人や使用に適しているシーンを解説していきます。
ライブのボーカルマイク
雑音がほぼ入らず、声がしっかり抜けてくれるPGA58は、プロアマ問わずライブパフォーマンスにぴったりです。
ただし「ウィスパーボイス」「ささやくようなＭＣ」などはやや音を拾いづらいので、繊細な声がウリの人は少しマイクの価格帯を上げてSM58を選ぶといいでしょう。
逆に、ボリュームが小さい場面でもしっかり声を張れる人や、ソウルフルな歌声が出せる人は、PGA58で大満足のパフォーマンスが届けられるはずです。
声が低い人＜高い人にマッチしやすい
PGA58は周波数的に「男声の低めの音域」が少し拾いづらい印象です。
男性ボーカルの中でも低い音域が得意な人は物足りなく感じるかも。
（歌った限り、邦楽の女性ボーカル曲はどの音域もしっかりカバーされていました。）
なので、PGA58は男性でも高めの音域を歌う人や女性に合いやすいマイクかもしれませんね。
カラオケだと「ソウルフルな曲」
しっかりボリュームを出したい場面で声がスコーン！と抜けてくれるPGA58。
なので、カラオケでも「ソウルフル」な曲がよく合います。
男性アーティストでいうと
- Official髭男dism／Universe
- ともに／WANIMA
- サウダージ／ポルノグラフィティ
- 紅／X JAPAN
- LOVE PHANTOM／B’z
女性アーティストでいうと
- 緑黄色社会／Mela!
- 紅蓮華／LiSA
- 愛をこめて花束を／Superfly
- 逢いたくていま／MISIA
- 残酷な天使のテーゼ／高橋洋子
など、普段は「こんなに声を出せない…」と敬遠しがちな曲でも、思い切って挑戦できますよ♪
PGA58の価格と販売店舗
PGA58はプロアマ問わず人気なモデルとなるので、取扱店舗は数多くあります。
SHUREの公式サイトによると
- イシバシ楽器
- 島村楽器
- BIG BOSS
- JEUGIA
などの楽器店で取り扱いがあり、もし店頭になかったとしてもすぐ取り寄せてもらえる可能性が高いです。
ネットショップでは上記の楽器店のオンラインショップはもちろん、楽天・Amazonなどでもすぐ見つけられます。
PGA58の定価は、カラオケ用のQTRケーブルが付いたもの（PGA58-QTR）で11,000円。
安すぎると仕入れルートや性能に問題がある可能性があるので、信頼できるショップを選ぶようにしましょう。