赤軸、青軸、茶軸などメカニカルキーボードにはさまざまな種類のスイッチがあります。それぞれ異なる特徴を持っており、スイッチが違うだけで打鍵感は大きく変わるんです。
メカニカルキーボードが欲しいと思っている人の中には、スイッチ選びで躓く人も少なからずいます。
そこで今回は、赤軸のメリットとデメリットを説明したうえで、どんな人に向いているスイッチなのかを紹介しましょう。最後には、おすすめの赤軸メカニカルキーボードを4つ紹介します。
目次
赤軸メカニカルキーボードのメリット
軸の特徴はメーカーなどによって微妙に異なりますが、色ごとに共通している特徴がいくつかあります。そこでまずは、赤軸メカニカルキーボードのメリットを2つ紹介しましょう。
音が比較的小さく場所を選ばない
赤軸は、青軸・茶軸など他の基本となるキースイッチと比べると比較的静かです。もちろん、メカニカルキーボードの特性上、キーを押下する際の底打音はします。
ただ、クリック音は控えめです。青軸のようなカチカチという音が好きな人には合わないかもしれませんが、仕事場などで使っていても主張が激しくないためあまり人を選ばないスイッチだと言えるのかもしれません。
また、キーを押下する際の音に関してもスイッチが反応する位置を浅く設定しているものが赤軸には多いため、弱くタイピングすることで抑えることができます。
キータッチが軽く疲れにくい
赤軸は、比較的キータッチが軽いです。先述したように浅めでもスイッチが反応する製品が多いため、ソフトにタイピングするだけで入力してくれます。音が抑えられるのもそうですが、最も大きなメリットは疲れにくくなることです。
長時間入力を行う職業の人や、ゲームを長時間プレイする人に選ばれる傾向があります。
赤軸メカニカルキーボードのデメリット
赤軸のメリットは音が小さいことと疲れにくいことでした。ただ、メリットとデメリットは表裏一体です。今度は赤軸メカニカルキーボードのデメリットを2つ紹介しましょう。
クリック感が無い
赤軸は、ほとんどクリック感がありません。メカニカルキーボードのカチカチ、カタカタという音を期待する人には不向きです。疲れにくいことに楽しさを感じる人には良いかもしれませんが、音と感触でテンションが上がるタイプの人にはあまり向いていないかもしれません。
そのためか、ライターやプログラマーなど長時間入力を行う職業の人でも赤軸派と青軸派とで分かれることがあります。
音も小さめでメカニカル感は薄い
音が小さいのは赤軸のメリットですが、同時にこの音の小ささでメカニカル感が薄まると感じる人もいます。メカニカルキーボードに慣れている人にとってはあまりデメリットにならないかもしれませんが、はじめてメカニカルに触れるという人は少しがっかりするかもしれません。
また、音の小ささも赤軸の静音性を高めたスイッチであるピンク軸には劣ります。小さいと言ってもメカニカル特有の音はあるので、少し半端に感じる人もいるかもしれません。
赤軸はどんな人に向いているのか?
ここまで赤軸のメリットとデメリットを紹介してきました。音が小さく疲れにくいのがメリットではあるものの、同時にそれが楽しみを削ぐ可能性があります。音の小ささもピンク軸には敵いません。
赤軸が向いているのは、次のような人たちではないでしょうか。
- マイクを使いながらタイピングする人
- 職場で使いたい人
- 夜中にまわりを気にせず使いたい人
- とにかく疲れにくさ重視の人
マイクを使いながらタイピングをするなら、音が控えめなキーボードの方が良いでしょう。PCゲームの実況・配信を行う人には、実際人気があります。
職場で使いたい、夜中にまわりを気にせず使いたい場合も赤軸がおすすめです。青軸は音の主張が激しいので、職場で使うのも夜中に使うのもはばかられますからね。
さらに、楽しさなどの他の要素より疲れにくさをとにかく重視したい人にもおすすめです。赤軸はキータッチが軽く済みます。普段のタイピングで指が疲れてしんどい、という人は悩みを解消できるでしょう。
逆に、タイピングに音や感触を含む楽しさを重視したい人には赤軸はあまり合いません。青軸のほうが合うでしょう。
おすすめ赤軸メカニカルキーボードを4つ紹介
赤軸メカニカルキーボードは静かさと疲れにくさを重視する人におすすめだと、語ってきました。最後に、そんな赤軸メカニカルキーボードのおすすめ商品を4つ紹介しましょう。
SteelSeries Apex Pro TKL
Apex Pro TKLは、SteelSeries独自の「Omni Pointスイッチ」を採用しています。アナログホール効果磁気センサーというものを使って、無接点で入力を検知してくれるというものです。静電容量無接点方式に似たメカニカルキーボードになる、といったイメージでしょう。
厳密に言えば赤軸ではないものの、特徴は赤軸に近いです。
静粛性が高いのはもちろん、なんと言っても大きな特徴なのがアクチュエーションポイントが可変式なところ。アクチュエーションポイントは、先程から語っている「スイッチが反応する深さ」のことです。
Apex Pro TKLに疲れているOmni Pointスイッチは、0.4mm~3.6mmまで調整することができます。浅く設定すればするほど、ソフトなタッチで入力が可能です。Cherry Mix Redという人気の赤軸スイッチでも2.0mmなので、これは驚異的。
押下圧も45gなので、弱い力で浅く押すだけで反応してくれます。浅すぎて扱いにくい場合は、調整して自分好みにカスタマイズすると良いでしょう。
また、TKLでコンパクトなところやデザイン性なども魅力です。シンプルながらも機能美を突き詰めたようなデザインで、光らせることもできます。
FILCO Majestouch Stingray LowProfile赤軸 TKL
majestouch Stingray赤軸の特徴は、なんと言ってもキートップが低いところにあります。キートップが低いことにより、キーを底まで打つときの負荷が軽くなるんです。そのため、指先や手首の負担が軽くなります。
アクチュエーションポイントは1.2mm、底打ちしたときのストロークは3.2mmです。よく使われるMX赤軸はアクチュエーションポイントが2.0mm、ストロークは4.0mmとなっています。比較すると、Majestouch Stingrayのキーがどれほど楽に打てるかがわかりますね。
ただ、少し変わっているのが、押下圧は45gと赤軸としては平均的なのに、実際に触ると比較的硬く重く感じられることです。もちろん、赤軸の中では重めということで他の軸と比べれば軽めではあります。
その分、他の赤軸よりタイプミスはしにくい印象です。キートップが低い「ロープロファイル」のメリットとしてタイプミスしにくいことが挙げられますが、そのメリットをより強めるために少し重めの感触にしているのかもしれませんね。
赤軸で、なおかつロープロファイルのキーボードが欲しい人にはおすすめです。
CORSAIR K70 RGB TKL CHAMPION Cherry MX Red
K70 RGB TKLは、評判の高いCherry MX RGB Redを採用しています。静音性の高さとスムーズな動作を兼ね備えており、高速タイピングしたい人に人気があるスイッチです。必要最小限のキーで押し込むことができ、力まず打てます。
このキーボード最大の魅力は、「CORSAIR AXON ハイパープロセシングテクノロジー」というものです。これにより、ポーリングレートを高めています。ハイエンドゲーミングキーボードの約8倍とのことで、入力してからの反応速度は随一です。高速タイピングやゲームをすると、その速さを実感できるでしょう。
さらに、キーキャップは高い耐久性を誇るPBT樹脂を採用しています。印刷にもキーキャップのベースと違う色のPBT樹脂を使っているため、摩耗・退色しにくいです。頻繁に使うキーボ印字がすり減ったりする心配をする必要は、ありません。
バックライトも完備、テンキーレスでデザインも万人受けするシンプルなものとなっています。
そして、メディアコントロール付きです。音量調整はホイールでできるようになっており、音量の上げ下げを素早く行うことができます。
とにかく機能を盛り込みまくった赤軸キーボード、といったところでしょうか。
Logicool G913 TKL リニア
G913は、購入時に軸を選ぶことができます。リニアタイプの軸が、赤軸に近い打鍵感が得られるのでおすすめです。
G913のリニアスイッチは、アクチュエーションポイントが1.5mmとなっています。MXよりも浅くなっているのがポイントです。キーキャップも一般的なメカニカルの半分以下の薄型となっており、軽く撫でるようにタイピングするだけでも認識してくれます。デザインがスリルになるのも、高級感があって良いですね。
さらに、G913はアルミニウム合金が使われています。このおかげで高級感があるので、所有欲も満たすことができるでしょう。光らせればゲーミングキーボードらしくなり、光らせなければ高級キーボードらしくなります。
そして、メディアコントロールスイッチも完備。音量調整はホイール式で、とても便利です。
値段は今回紹介したキーボードの中でも特に高いですが、Logicool製品が好きな人や高級感のあるキーボードが欲しい人にはおすすめですよ。
疲れにくいメカニカルを探しているなら赤軸がおすすめ!
赤軸メカニカルキーボードの良いところは、なんと言っても音が小さめで疲れにくいところです。MXのアクチュエーションポイントが今回紹介した中で一番深めではありますが、それでも青軸・茶軸と比べれば浅いんですよ。
キーを底打ちしてもよし、底打ちしなくても反応する…。
どんなスタイルでタイピングする人にも合わせられます。
とにかく疲れにくいメカニカルを探しているなら、赤軸から自分に合うキーボードを探してみてはいかがでしょうか。