近年は、中華イヤホンや中華DAPなど中国製のオーディオ製品が人気を集めています。ここ数年クオリティが上がり、中国製の低価格帯でも音質が良い製品が非常に多いです。
SIMGOT EW100Pも、19.99ドルという低価格でありながら良好な音を聴かせるイヤホンとして注目されてきています。
ただ、日本国内でのレビューなどが少なく、かなりの低価格で不安に思う方もいるはず。
そこで今回は、SIMGOT EW100Pのスペックやデザイン、音質や使い勝手の良いところとイマイチなところを徹底的にレビューしていきます。
目次
SIMGOT EW100Pのスペック・外観
まずは、SIMGOT EW100Pのスペックと外観、付属品について簡単に紹介していきます。SIMGOT EW100Pは低価格帯のイヤホンのなかでは、特徴的な部類です。どのような特徴があるのか気になる方は、ぜひご参考ください。
スペック
- ドライバー:10mmデュアルキャビティダイナミックユニット
- ダイヤフラム:高性能Dual-LCP
- インピーダンス:32Ω±10%(1kHz)
- 感度:122dB/Vrms(@1kHz)
- 歪:THD<1%(@1kHz)
- 周波数応答範囲:5Hz~45kHz
- 再生周波数特性:20Hz~20kHz
- コネクタ:0.78mm2ピン
- ワイヤー仕様:銀箔シールド付き着脱式織物銅ケーブル
- フェイスプレート:H-2016 PCアルミニウム合金
- ハイレゾオーディオ認証:有り
SIMGOT EW100Pの基本的な仕様をまとめました。これだけでも、3000円以下とは思えないほどに、特徴が詰まっていることがわかります。
まず、ドライバーは10mmのデュアルキャビティダイナミックユニットを搭載。
キャビティ…何?
あや
よしぞー
原音再現性に重きを置いて開発されたユニットだね
低価格帯のイヤホンは一般的なダイナミックドライバーが1基で、サイズももう少し小さめであることが多いです。そのなかで、原音再現性に長けたユニットを搭載しているのが魅力的。
さらに、低歪なのも本機の特徴です。詳しくは後述しますが、本機は歪みが低価格帯のイヤホンとしては少なく、聴きやすいのが特徴となっています。
また、フェイスプレートにアルミニウム合金を使い安定性・耐久性を高めているのも特徴。そのうえ、質感の向上にも繋がっています。
何気にハイレゾ認証を取得しているのも、大きなポイントです。
外観
外観は、価格なりのチープさを感じる部分もありますが、質感自体は決して低くありません。
筐体全体はプラスチックぽい素材を感じるものの、フェイスプレートのアルミ合金のおかげで3000円以下のイヤホンの中では質感が高い印象を受けます。フェイスプレート部分もよく映える色とデザインで、かっこいいです。
編組ケーブルも金属的な質感で、無骨でありながらもかっこいいデザインとなっています。
全体的に無骨感があるものの、だからこそチープになりきらないのが特徴です。
付属品
SIMGOT EW100Pの同梱物は、以下の通りです。
- 本体
- ケーブル
- イヤーピース(S/M/L)
- 説明書
本体と着脱可能なケーブル、イヤーピースが3サイズ入っています。よくあるラインナップですが、価格を考えると充実している方です。
特にケーブル着脱式は、この価格帯のイヤホンでは珍しいと言えます。そのうえ質感も決してチープではないのが、良いところです。
さらに、イヤーピースもしっかり3サイズ付いてきます。イヤーピースはよくあるタイプで、特に変わった部分はありません。
全体的にどうなの?
あや
よしぞー
パッケージ含め、よくできてると思うよ
SIMGOT EW100Pの良いところをレビュー
SIMGOT EW100Pのスペックなどの特徴を簡単に紹介してきました。今度は、SIMGOT EW100Pの音質や装着感など、良いところについてレビューしていきます。どこが良いか知りたい方は、ぜひご参考ください。
装着感は軽くて疲れにくい
SIMGOT EW100Pは、軽い装着感のイヤホンです。この価格帯のイヤホンは軽くて小さいものが多いですが、それに倣っている印象があります。着け慣れた感覚といった感じで、着けていて違和感がありません。
さらに、疲れにくいです。
軽いため長時間装着していても、疲れを感じにくくなっています。有線なので着けることを忘れるということはないものの、作業中には着けていることを意識しなくなる程度には良好な装着感です。
遮音性は同価格帯の中では良い
SIMGOT EW100Pの遮音性は、同価格帯の中では比較的高い部類です。
3000円前後の価格帯のイヤホンは、遮音性があまり高くないものが多い傾向があります。音が完全に漏れるとまではいかずとも、少し音量を上げると漏れやすいです。
一方SIMGOT EW100Pは、一般的な音量の範囲では音量を上げてもそこまで漏れません。遮音性が高いイヤーピースをに交換すれば、電車の中でも音量を上げて音楽やラジオなどを楽しめます。
解像度が高めで原音に忠実
SIMGOT EW100Pの音は、解像度が高いのが特徴です。
音の印象自体は、どこか乾いた感じのある寒色系といったところ。高解像度系のイヤホンにありがちなイメージですが、高価格帯のものと比べると少しの温かみもあります。
原音再現性は、ドライバーユニットのおかげか、破格の高さです。音質傾向がニュートラル寄りなためか、より原音に忠実な印象を受けます。
特に低域と中域の原音再現度は、非常に高いです。
中域が聴きやすい
SIMGOT EW100Pの中域は、完全にフラットな印象を受けます。原音の再現性が非常に優秀で、ボーカルのニュアンスをしっかり捉えることが可能です。
さらに、中域の音には適度な明るさを感じます。存在感も中域が特に強いので、ボーカル曲向きの音です。女性ボーカルも男性ボーカルも、解像度が高いものの暗い印象になりすぎていないので楽しく聴けます。
音の定位は、前方定位です。スピーカーのような定位感になっており、どんな楽曲も違和感なく聴きやすいように調整されています。
歪みが少ない
SIMGOT EW100Pは、歪みが少ないのも特徴です。
歪みってなんだっけ?
あや
よしぞー
音が原音と比べて変化する現象のことだね
歪むタイプのイヤホンは、音量を上げていくと徐々に歪むようになります。歪みを好む人も、少なくありません。
ただ、高解像度系のイヤホンでは原音から離れていくのは嫌われるため、低歪を好む人が多いです。
SIMGOT EW100Pは音量を上げても、あまり歪みません。
そのうえ音がクリアなので、音量に限らず聞きやすいです。
サウンドバランスが良好
SIMGOT EW100Pは、サウンドバランスが良好です。
中域が強めに調整されていますが、低域もしっかりと主張します。低域の原音再現性も高いので、全体的にフラットによくまとまっている印象です。
低価格帯のイヤホンにありがちな低音が強すぎる、または弱すぎるという大味な音とはまるで異なります。
高音は若干物足りなさがあるものの、埋もれすぎることがありません。
全体的によくまとまっています。
SIMGOT EW100Pのイマイチなところをレビュー
ここまで、SIMGOT EW100Pの特徴や良いところについてレビューしてきました。価格と比べると良いところが目立ちますが、それでもイマイチな部分はあります。人によって好みが分かれる部分もあるので、良いところとイマイチなところを両方知ったうえで購入を検討しましょう。
高域拡張性は低め
SIMGOT EW100Pは、全体的に音のバランスは良いですが、高域に関しては拡張性が低めです。
どうして拡張性が低くなってるんだろう
あや
よしぞー
前方定位の調整にしてるからだろうね
本機は音楽本来の定位感よりも、スピーカーの定位感を意識した音作りをしています。つまりはスピーカーで聴いたときの音に寄せて、再現性を高めているということです。
このため音の広がりなどは少な目に感じられます。
ただ、拡張性が少し物足りなく感じるだけで艶やかさなどはしっかりと感じられるので、表現力が著しく低いということはありません。
デザインは好みが分かれそう
これはイマイチなところとは一概には言えませんが、SIMGOT EW100Pは好みが分かれるであろうデザインです。
フェイスプレート周りが本機のデザインを決定づける要素ですが、ここは好みが分かれるところ。ここだけ金属感が増し、色も銅製品のような色合いになっています。筐体自体の黒色からくっきり浮き出るような印象です。
好印象に捉えると、映えているということになります。
ただ、人によっては「浮いている」と感じることもあるので注意しましょう。
SIMGOT EW100Pはこんな方におすすめ!
- 低価格で高解像度のイヤホンを試したい人
- 安くてケーブルが脱着できるイヤホンを探している人
- 作業中のBGM用にイヤホンを探している人
- 低価格帯でコスパの高いイヤホンを探している人
本機は、低価格帯のイヤホンのなかではかなり解像度が高いサウンドが特徴です。高解像度のイヤホンが欲しいけど、いきなり高価格帯に手を出すのは気が引けるという方には最適なイヤホンだと言えます。
そのうえ、低価格帯のなかでは非常にコスパが高いので、純粋に安いイヤホンを探している方にもおすすめ。
さらに、解像度が高いものの刺さるような印象もあまりなく、装着感も快適なため作業用BGMのために使いたいという方にもおすすめです。
まとめ|コスパ最強のエントリーモデル
ここまで、SIMGOT EW100Pについて音質や使用感などの観点からレビューしてきました。
音が飛びぬけて良いとは言えないまでも、低価格帯高解像度路線のイヤホンのなかでは非常に出来が良いサウンドです。全体的なまとまりが良いので、じっくりと音を聞き分けるだけでなく、聞き流す用途にも向いています。
さらに、インピーダンスと音の両面から接続機器との相性に左右されることがあまりありません。もちろん相性が悪い機器が全くないわけではないものの、さまざまな機器で実力を発揮してくれます。
コスパ最強のエントリークラスイヤホンを探している方は、検討してみてはいかがでしょうか。