1万円台のイヤホンは、各メーカーからエントリークラスとしてさまざまな製品が出ています。
そんななか登場して、オーディオファンの話題をさらったのがSIMGOT EA500というイヤホン。1万円台前半というエントリークラスの価格帯で、高級イヤホン顔負けの音を鳴らす非常にコスパが良いモデルとして人気です。
今回は、そんなSIMGOT EA500の基本情報、良いところとイマイチな点についてレビューしていきます。
目次
SIMGOT EA500の基本情報
SIMGOT EA500は、低価格ながらに性能がいいことが魅力です。まずは、そんなSIMGOT EA500のスペックと付属品、デザインについて紹介していきます。スペックなどについて簡単に知りたい方は、ぜひご参考ください。
スペック
- ドライバーサイズ:10mm
- ドライバー種類:デュアル時期回路・デュアルチャンバーダイナミックドライバー
- インピーダンス:16Ω±15%(@1kHz)
- 音圧感度(ノズル1):123cB/Vrms(@1kHz)
- 音圧感度(ノズル2):124dB/Vrms(@1kHz)
- 再生周波数帯域:10Hz~50kHz
- ケーブル仕様:線材:無酸素銅銀メッキ/コネクタ:2Pin 0.78mm/プラグ:3.5mm
SIMGOT EA500は、10mmのダイナミックドライバーを2基搭載しています。ダイナミックドライバーは、力強い音を鳴らすのが特徴です。ドライバーのサイズもイヤホンとしては決して小さくはなく、何より2基搭載しているので音圧の高さには期待が持てます。
さらに、再生周波数帯域が非常に広いのも特徴です。
広いとどうなる?
あや
よしぞー
幅広い音域が出るようになって、音が豊かになるよ
一般的な再生周波数は、20Hz~20kHzです。これは、人間の可聴域だと言われています。
ただ、実際はこれより低い周波数の音も高い周波数の音も聞き取れることが多いです。もちろん、人により個人差はあります。
それでも、出せる音が幅広いというのは良いことです。それだけ表現に幅が出ます。
付属品
- 本体
- 収納ケース
- イヤーピース:S/M/L
- ノズル1(赤色)
- ノズル2(黒色)
- ドキュメント
SIMGOT EA500の付属品は、以上の通りです。
イヤーピースは、3サイズがそれぞれ1ペアずつ入っています。
1万円台のイヤホンならば、標準的です。イヤーピースの種類も、一般的なもの。遮音性が高いなどの特別な性能はありませんが、音が悪くなるということもありません。
価格なりと言ったところです。
特徴的なのは、ノズルが2種類付属すること。
ノズルによって音のチューニングが変わります。本機1つで2種類の音が楽しめるので、非常にお得です。他の製品にはなかなかない、独自の仕様となっています。
収納ケースについてコメントは?
あや
よしぞー
よくある感じで、特別感はないけど便利なケースだよ
デザイン
SIMGOT EA500は、デザインが特徴的です。本体が全体的に鏡面仕上げのメタリック仕様になっています。高級イヤホンにはこのようなデザインの製品もありますが、1万円台のイヤホンだと少し珍しいです。
加工にコストがかかるのが、その理由。
奇抜ってこと?
あや
よしぞー
奇抜ではないかな。形も一般的だしロゴも主張しすぎないし
以下、いくつかの構図での写真を並べます。
SIMGOT EA500の良いところをレビュー
SIMGOT EA500のスペックと付属品、デザインについて紹介しました。ここからは、SIMGOT EA500の良いところについてそれぞれ詳しくかつ簡単にレビューしていきます。本機がどんな魅力がある製品なのか知りたい方は、ぜひご参考ください。
音の解像度がかなり高い
本機は、音の解像度の高さが魅力的です。
音の解像度って?
あや
よしぞー
音の正確性みたいなものだね
解像度が高いというのは、その音楽の原音に近いということを指す言葉です。収録したときの音、マスタリングしたときの音を忠実に再現しているということになります。楽曲の特徴などを忠実に楽しめるのが魅力です。
SIMGOT EA500の解像度の高さは、1万円台のイヤホンとしては破格。まさに原音に忠実な音を鳴らしてくれます。
中域が前面に出て高域の抜けが良い
SIMGOT EA500の音質傾向は、フラットです。
ただ、各音域のバランス調整に特徴があります。
本機は中域が前面に出るタイプです。中域を担うパートは、主にボーカルなど。人の声は中音域なので、ボーカル曲ではボーカルの歌声がしっかりと前に押し出されているように感じられます。ライブやコンサートなどでも、ボーカルは他の楽器よりも観客に近いところに位置取ることが多いです。
音響の設定も、ボーカルは強めにします。それを再現しているイメージです。本機の中域の音は非常にクリアで聞き取りやすく、かつ、どこか明るく感じられます。
さらに、高域の抜けも良好。高音は、ほかの音域に比べて繊細です。その繊細さをしっかりと感じ取れるようになっています。楽器の音の伸びなどが非常に自然に聞こえるため、繊細さを残しながら楽曲の空気感も全く損なわれません。
つまり、欠点はないと?
あや
よしぞー
中域と高域に関してはほとんどないね
強いて挙げるとすれば、拡張性がわずかに足りないということくらいのものです。とはいえ、それは高音を重視した高級イヤホンと比べた場合。本機だけで評価をするならば、ほとんど弱点はないと言えます。
低域表現も絶妙なバランス
SIMGOT EA500は、中域が強く高域の抜けが良いイヤホンです。
このタイプのイヤホンは、一般的には低音は弱めに設定されます。本機も例に漏れずほかの音域に比べれば弱めに設定されているものの、弱すぎるということは全くありません。
低域の深い沈み込みも、しっかりと伝わってきます。
たとえばバスドラムは太く重厚感があり、ベースの音もハッキリと聞こえるというイメージです。この低域の設定が、中域の存在感を際立たせています。
非常にバランスがいいイヤホンです。
2種類のノズルによる調整が秀逸
SIMGOT EA500には、赤と黒の2つのノズルが付属します。
赤色のノズルは、音場が円形に広がるようなイメージです。オーディオ初心者でも、わかりやすい良い音を鳴らします。あまり癖がありません。
ただ、ボーカルの主張がほんの少し強めといったところ。万人受けするチューニングです。これが、本機の基本的な音だと言えます。
一方黒色ノズルは、音場が心地よく水平に広がっていくようなイメージ。楽器の音それぞれが粒だって聞こえます。ボーカルにも艶が出て、よりボーカル曲向きになるのが特徴です。各楽器の定位感も絶妙。
バランスの良さを維持しながらも、よりマニア向けの音になります。特にアンプに繋ぐなどして駆動力を高めると、音がハッキリと区別できるようになるのが特徴です。聴きごたえを重視する方には、おすすめのノズルだと言えます。
万人向けとこだわりが強いマニア向けと2つのチューニングが、非常に秀逸です。エントリーモデルとして購入して赤色ノズルを使い、何か物足りなくなれば黒色ノズルを使うと本機だけで2度異なる満足感が味わえます。
全体的な音質が破格に良い
ここまで各音域の特徴とノズルの特徴についてレビューしましたが、全体的に破格の音質の良さを感じます。
1万円台前半のイヤホンは、エントリークラスです。
安価なイヤホンから卒業して、少し良いイヤホンを使ってみたいという方をターゲットにした価格帯だと言えます。5000円レベルのイヤホンから移ると感動するものの、しばらくすると感動が薄れ慣れる程度です。
高級機を経験してからだと、どうしても聴き劣りします。
一方SIMGOT EA500は、価格帯の異なる高級イヤホンを経験した後に使っても感動できるレベルの音質です。
音もクリアで、少し試聴するだけで「音質がいい」とわかります。
そんなに簡単にわかるもの?
あや
よしぞー
僕はエイジング前の初視聴から度肝を抜かされたよ!
ビルドクオリティが高い
本機は音質もそうですが、ビルドクオリティも高いです。
ビルドクオリティ?
あや
よしぞー
モノとしてよくできてるかってこと
まず、鏡面仕上げが非常に美しいです。光を反射してキラキラと光ります。金属筐体ですが、全体的に丸みを帯びていて温かみがあるのも魅力的。
ケーブルとの接続部も変にピンが刺さりにくいこともなく、抜けやすいということもありません。全体的によくできています。
リケーブルで音変が楽しめる
SIMGOT EA500には交換可能な無酸素銅銀メッキのケーブルが付属しています。コネクタは2Pin 0.78mmタイプで、プラグは3.5mm。
無酸素銅(OFC)というのは純度が99.96%以上の純銅で、酸素の含有量が低いものを言います。
音質傾向としては銅は低音寄りに強みを持ちつつ全体的な音域バランスに優れています。音の分離感や透明感がよく、ボーカルや楽器をクリアに再現することができます。
これに高音域に強みを持つ銀メッキを加えることで全体バランスが整うイメージでしょう。
このケーブルだけでも十分に楽しめますが、リケーブルで音変できるのもこのイヤホンの楽しみでもあります。
圧倒的なコスパの良さ
SIMGOT EA500の良いところといえば、やはり圧倒的なコスパの良さです。音質は高級機並みで、音のチューニングもしっかりと考えられています。とても1万円台とは思えないほどです。
ビルドクオリティも高く、ノズルが2つ付属するなど独自色もしっかりとあります。
これだけのイヤホンが約1万1000円で購入できるのは、異常なコスパの良さです。
SIMGOT EA500のイマイチな点をレビュー
SIMGOT EA500の良いところについて、レビューしてきました。全体的に魅力にあふれている製品ですが、もちろんイマイチな点もあります。良いところとイマイチな点を両方知り、自分に合うかどうか見極めるのが大切です。
そこで今度は、SIMGOT EA500のイマイチな点をレビューしていきます。
本体の重量は若干重め
本機の重量は、両側で約20gと若干重めです。軽いイヤホンの場合、片側で4g~5g程度の製品が多い傾向があります。一般的な重量でも、片側で6g~8gが相場です。
比較すると、本機が重いイヤホンであることがわかります。高性能にするとどうしても重くなるので、仕方がない部分はもちろんありますが、軽いイヤホンが好きな方は注意しましょう。
ノズルが少し緩みやすい
SIMGOT EA500は、ノズルが少し緩みやすいです。これは、ノズルを交換可能にしたためだと考えられます。
一般的なノズルは取り外して交換することを考えて作られていないので、頑丈です。ところが本機は交換前提なので、多少外しやすくする必要があります。緩みやすいのは、そのためでしょう。
緩むとどうなるの?
あや
よしぞー
音…特に低音が逃げていくから、音が弱くなるよ
本機を使っていて少しでも音が変だなと感じたら、ノズルを確認しましょう。
鏡面仕上げは美しいが好みが分かれる
SIMGOT EA500は鏡面仕上げが美しいとレビューしてきましたが、これは好みが分かれるところです。鏡面仕上げのクオリティは高いものの、このような光沢のあるデザインを好まない方も大勢います。
マットな質感が好きな方、光沢のあるガジェットは好みではない方は注意しましょう。
付属ケーブルが洋服に干渉しやすい
SIMGOT EA500に付属しているケーブルはビニール系素材で表面をカバーしているため、洋服との干渉が少なからずあります。
自宅でまったり聴いている分には問題になりませんが、外出中の動きのあるシーンなどではケーブルが洋服に引っかかってしまうということもあります。
リケーブル可能なのも本イヤホンの魅力ですので、音質だけでなく使い回しでも気になるようであれば、洋服と干渉しずらいケーブルにリケーブルする事を検討に入れましょう。
SIMGOT EA500は高級イヤホンに匹敵するコスパ最強イヤホン!
SIMGOT EA500について、ここまでさまざまな点をレビューしてきました。
中域の主張が強く、ボーカル曲に合うイヤホンです。黒色ノズルを使うと音の傾向も変わり、バランスを保ちながら異なる音が楽しめます。もちろん、ボーカル曲以外でも解像度の高い良い音を鳴らしてくれるのが魅力です。
音質は高級イヤホン並みで、他の部分のクオリティも価格以上。
1万円台で購入できる最高品質のイヤホンが欲しい方に、おすすめです。