昨今メタバースが話題ですが、それに伴ってエンジニアの需要もさらに拡大しつつあります。実際にメタバース関係のエンジニアの求人が増加傾向にあり、各社が人材確保に力を入れている状況です。
メタバース関係の仕事に就きたいと考えているエンジニアや、これからメタバース関係のエンジニアになりたいと思っている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、メタバースのエンジニアの主な仕事の種類と、必要なスキル・プログラミング言語について紹介します。
目次
メタバース関係のエンジニア職の主な種類
メタバースのエンジニアと言っても、実際はさまざまな種類があります。実際に求人が出ることがあるのは、主にこれから紹介する5種類です。それぞれで仕事内容や必要なスキルが変わってくるので、しっかりと吟味しましょう。
デザイナー・3DCGデザイナー(クリエイター)
一番分かりやすい職種がデザイナーです。
キャラクターやメタバースの様々な環境をデザインするのが仕事で、
- キャラクター・⾐装のモデリングおよびテクスチャ
- メタバース内で使われる各種3Dアセット
- 背景・プロップのモデリングおよびテクスチャ
などデザインの幅は広がります。
最近は凝ったデザインも多いもんね
あや
よしぞー
デザインしたものが目に見えるのがデザイナーの仕事のよいところだよね
ゲーム開発エンジニア
メタバースプラットフォームの開発は、平たく言えばゲーム開発と同じです。メタバースと新しい名称を付けていますが、実際はアバターを通して遊んだり交流したりするのをメインとするゲーム。そのため、ゲーム開発エンジニアが求められています。
基本的な仕事内容は、メタバースプラットフォームの設計と開発です。
他にも全体設計、採用技術選び、開発・運営計画の策定などが仕事内容に含まれることがあります。大手ゲームメーカーよりも、エンジニア一人あたりの作業量が多いです。
また、必要なプログラミング言語も3DCGを用いたゲームと共通しています。
Android・iOSエンジニア
メタバース業界は、スマホにも力を入れてきています。たとえばバーチャルライブ配信アプリの開発運営などで、AndroidやiOSエンジニアが求められることが少なくありません。メタバースプラットフォームも、中にはスマホに対応しているところもあります。
仕事内容は、主にスマホアプリの各種機能の設計開発です。
そのため、必要なスキルもアプリ開発に基づくものになります。求人にはスキルではなく、「Android・iOSアプリ開発経験」「Gitを用いた開発経験」のように、経験をベースに記載されることも多いです。
何を経験したかでどんなスキルがあるかわかるしね
あや
よしぞー
それでも、普通は別途記載するんだけどね
別途記載しない理由は、実務経験者以外を求めていないためでしょう。
必要な経験だけを記載すると、未経験者は応募できないのではないかと感じてしまいます。そこで、実務未経験者もOKとする場合は、必要なスキルの欄に仕事で使うプログラミング言語を記載するのが普通です。
サーバー開発エンジニア
メタバース関係のエンジニアの求人の中では、サーバー開発の案件が比較的多いです。
メタバースプラットフォームを運営するのには、当然それなりのサーバーが必要になります。
同時接続ユーザー数がとても多くなることが予想されるため、サーバー開発と維持はとても重要です。そのため、サーバー開発エンジニアの需要は非常に高いです。
とにかくサーバーの需要が高いのね
あや
よしぞー
ネットでサービスするなら絶対つきまとってくるからね、サーバーは
インフラエンジニア・セキュリティエンジニア
サーバーやネットワーク系のインフラエンジニア、そしてセキュリティエンジニアも需要が高いです。
インフラは様々なサービスの肝となる部分で、インフラが落ちてしまったらもともこうもありません。
メタバースサービスは初期段階ではアクセスが少なく、突然人気に火がついて一気に接続ユーザーが増えるケース、またその反対に縮小に向かってしまうケースもあります。
マックスでの接続ユーザーに合わせて環境を作ってしまえばコストが割高になりますので、そういった需要を見積ながらストレスなく接続できる環境を作るのがインフラエンジニアの役割です。
他にもセキュリティ対応など、運営もエンジニアの仕事です。
縁の下の力持ち的な感じね!
あや
よしぞー
地味だけど重要な仕事だよ!
メタバースのエンジニアに求められるスキル・経験・言語
メタバースのエンジニアは、基本的にはゲーム開発の言語が求められることが多いです。もちろん、デザイナーやサーバーなどは別になります。ここでは、多くの仕事内容で求められるメタバースエンジニアとしては比較的一般的なスキルを紹介しましょう。
Unityの開発経験
メタバースプラットフォームは、基本的にUnityを使って開発されています。
Unityは、ゲームエンジンのひとつです。3Dゲーム開発をより手軽に行えることと、優秀な物理エンジンを搭載していることで人気があります。
メタバース以外にも、Unityが使われているゲームは多いです。
たとえば、ドラゴンクエストVIIIのリメイク版、ポケモンGO、ホロウナイト、Fall Guysなどが挙げられます。3Dのインディーゲームの多くはUnityが使われていますし、ドラクエのように有名メーカーのゲームにも使われることがあるんです。
このUnityを使って何らかのゲームを開発した経験は、メタバースプラットフォームに直接的に関わる仕事ほど求められる傾向にあります。当然、開発の仕事では必ず求められるので、実績がない人はUnityで何か一つでもゲームを作ってみると良いでしょう。
Unreal Engine
Unityでの開発経験に次いで必須スキルになるのが、Unreal Engineです。
これも、ゲームエンジンのひとつ。Unityと並んで、非常によく使われています。
ゲーム開発だけでなく、建物・自動車の設計、映画やアニメ、テレビ番組制作などでも使われることが多いです。使用分野がとても幅広く、Unityよりも汎用性が高いと言えるでしょう。
これまで、長らくUnreal Engine4(UE4)が使われてきました。現在も、これを使った開発は盛んです。メタバース関係のエンジニアの求人にも、UE4を必要なスキルの項目に記載することがあります。
今後はUE5が来ると言われているものの、2022年3月現時点ではまだUE4で問題ないでしょう。
4と5は何が違うんだろう?
あや
よしぞー
新機能があるんだよ
UE5では、数億から数十億のポリゴンを直接取り込める機能が搭載されています。映画レベルのアートをそのまま取り込むことができるため、表現の幅が広がると話題です。
他にも、場面転換やライトの変化をリアルタイムに反映してくれる機能もあります。
ただ、これらの機能はたいていのメタバースプラットフォームには不要なものです。他のゲームと違って、作中に美麗なムービーを流す必要もありませんし、シームレスにイベントシーンが発生したりもしませんから。そのため、メタバースの開発においては今後もUE4が使われる可能性があります。
C++
C++は、汎用プログラミング言語の一種です。ゲーム開発だけでなく、あらゆるところで使われています。
「C言語」という言葉はエンジニア以外にも有名ですが、元々コンピュータを早く動かすために使われていたC言語の機能を拡張させたのがC++です。「シープラプラ」と呼ばれます。
先程紹介したUnreal Engineの開発にもC++が使われていますし、他にもさまざまなWEBアプリケーションに使われている言語です。
汎用性が非常に高くあらゆる分野のシステムで使われるため、メタバースエンジニアの求人でもよく必要なスキルに挙げられています。
Java
JavaはC++に比べるとメタバース関連にとっての重要度は低めですが、求人ではよく記載されている言語です。
Javaは、C言語をベースに開発されています。WEBサービスの開発、スマホアプリ開発、金融機関のシステム、家電などに採用されることが多いです。汎用性が非常に高く、あまり環境に依存しないので採用しやすいのでしょう。
メタバースはインターネット上の仮想空間であり、バーチャルSNSとしての側面を持ちます。そういうところもあり、Javaが採用されることもあるということではないでしょうか。
その他・基本的なビジネススキル
ここまで紹介してきたプログラミング言語やゲームエンジンの経験などの他にも、エンジニアに必要とされるスキルはたくさんあります。
中でもたまに見落とす人がいるのが、基本的なビジネススキルです。
エンジニアには、どうしても「パソコンに向かって黙々と作業をする」というイメージがあります。
実際はどうあれ、外部からはそう見えてしまうところがあるため、未経験者ほどビジネススキルを疎かにしがちです。
実際のエンジニアの仕事には、以下のような基本的なビジネススキルも求められます。
- コミュニケーション能力
- 英語力
- 企画力
- プロジェクトマネジメント
- マーケティング
より基礎的なスキルを上に、発展的なスキルを下に記載しました。
エンジニアは人と交渉したり相談したりしながらプロジェクトを進めなければならない場面が多いため、コミュニケーション能力は必須です。
メタバースの場合は、全世界規模でプロジェクトが展開されるため、英語力も重要になります。
これらのスキルの研鑽も忘れずにしておきたいところですね。
メタバースエンジニアのスキルを身につけるための勉強方法
メタバースエンジニアに求められるスキルは多いです。プログラミング言語やゲームエンジンの知識・スキルなどなど、効率よく学習することが必要になります。そこで、メタバースエンジニアのスキルを身につけるための勉強方法を3通り紹介しましょう。
Progateなど独学サービスを使う
インターネットには、プログラミング学習ができるサービスがたくさんあります。特に人気なのは、Progateなどの独学サービスです。
用意された教材を使い、段階的に学習することができます。月額制で料金もProgateの場合は1000円程度と安く、需要の高い言語は全て網羅しているためお得です。テキストを見た後に、実際に学んだことをすぐ試すことができるのも良いところ。
デメリットはあるの?
あや
よしぞー
独学だけだと理解に時間がかかる部分も出てくることかな
エンジニアスクールに通う
エンジニアになりたい人向けのスクールは、全国に多数あります。特に近年はエンジニア不足がずっと叫ばれている状態なので、少しでも人材を育成しようと業界は必死です。そのため、スクールがたくさん生まれています。
メタバースに特化したスクールは少ないですが、C++など使用する言語を学ぶことは可能です。
スクールの良いところは、わからないことがあれば質問できるところ。これによって、わからないことをより素早く理解することができます。
自宅ではProgateなどで独学をして、スクールに通ってわからないことを教えてもらうのが最も学習効率が良いのではないでしょうか。
最近ではオンライン専門のプログラミングスクールも増えてきているので、通学が難しいケースではオンラインスクールを検討するもの良いでしょう。
メンターを見つけて教えてもらう
メンターを見つけるのも、一つの方法です。
メンターというのは、簡単に言えば個人的な先生や師匠のようなもの。IT業界ではメンターを付けるという文化が結構あり、SNSなどで探せば見つかるかもしれません。
メンターがいるメリットは、スクールに通わなくても質問ができるところです。現役でエンジニアとして仕事をしている人が多いので、業界の動向なども知ることができます。
スクールはどうしても料金が高くなってしまうので、独学サイトで勉強しつつメンターに質問することで節約も可能です。
デメリットは?
あや
よしぞー
見つけるのが大変なこととか、個人間のトラブルの可能性とかかな
必要なスキルを身に着けてメタバースのエンジニアになろう
メタバースは、近年拡大しつつあります。メタバースプラットフォームが増えているだけではなく、それを利用したビジネスも増えているんです。そこに、エンジニアの需要が確実に生まれてきています。
今後定着するかどうかは危ぶまれている面もあるものの、必要とされるスキルはメタバース以外でも使えるものが多いです。スキルの汎用性が高いので、仮に今後メタバースの需要が急速に低下したとしても転職はしやすいでしょう。
興味があるなら、飛び込んでみるのも良いのではないでしょうか。