記事内には広告リンクやPRが含まれます

ATH-R70x レビュー・解像度・定位・距離感が抜群!自然で柔らかな音を出すオープンエアー型モニターヘッドホン

7 min
ATH-R70x

オーディオテクニカのモニターヘッドホン、ATH-R70xをレビューします。

長時間付けていても疲れずに良質な音を楽しめるヘッドホンを探している中で、ATH-R70xに辿り着きました。

ATH-R70xはプロが音楽制作用に使用するモニターヘッドホンですが、一般的な音楽鑑賞はもちろん、テレワークでの打ち合わせでも重宝できるヘッドホンです。

オープン型なので装着感が柔らかく、長時間装着していても疲れづらいのと、自分の声がこもらず話せるのもグッド!

またプロ向けのモニターヘッドホンと言っても価格感的には4万円を切る程度で、良い音を出せるしっかりしたヘッドホンを一つ購入したいと考えている方であれば検討の土台に乗る製品です。

ATH-R70xの概要とスペック

  • タイプ:オーバーヘッドタイプ
  • 構造:開放型(オープンエアー)
  • ドライバサイズ:45㎜
  • インピーダンス:470Ω
  • 音圧感度:98 db
  • 再生周波数帯域:5Hz~40kHz
  • 最大出力:1000mW
  • 定価:39,468 (税込)

ATH-R70xはオーディオテクニカ初のプロ用オープン型モデルです。

全ての音域を高純度で再現する高磁力マグネットと、純鉄製磁気回路を採用した大口径φ45mmドライバーを搭載。

40年来の開発技術に基づく新設計ドライバーと最適化された音響回路により全音域を正確に再現し、プロ用途にも十分に耐えうる最適な歪みのないサウンドを実現しています。

ATH-R70x開封の儀と使った感想をレビュー

こちらATH-R70xの開封状態。同梱品はシンプルでATH-R70x本体以外には、ケーブルと収納する布製の袋が付属しています。

デザイン

ATH-R70xを正面から見た写真。一般的なヘッドホンにあるヘッドバンドの長さ調整する機能は無く、上部のクッションの動きによって頭の形状にフィットさせます。

この固定クッションは非常に柔らかく可動するため、装着したときは固定されているような圧迫感は一切なく、トンとおかれた程度の感覚。

またサイドからの締め付けも弱く、イヤーパッドも柔らかい布で作られている為、密閉型ヘッドホンにある締め付けられている感がほとんどありません。

ATH-R70xを装着した誰もが装着時の心地よさを感じるはずです。

合わせて長時間装着していてもヘッドホン疲れをしません。

よしぞー

よしぞー

ATH-R70xの装着感を味わってしまうと、他のヘッドホンを装着したくなくなるレベル!

ATH-R70xのボディ。オープン型のヘッドホンであるため、ドライバーユニットを覆うハウジング部の背面に六角型の穴が開いています。

これによって耳の近くから出された音を聴くというよりも、スピーカーで聴く感覚に近く自然な広がりを感じやすいのが特徴です。

業務用を想定してなのか、3.0mの長さがあるケーブルが同梱されていました。

ヘッドホン本体との接続は、L/Rの区別なく取り付け可能な独自のデュアルサイド着脱式コード(バヨネット式ロック機構)が採用されています。

ヘッドホンに挿したら回して固定するタイプです。

続いてアンプやDAPに接続するプラグ。

6.3mmの標準プラグですが、ネジ式で取り外せるようになっており、取り外すと3.5mmプラグとしても使用可能な2ウェイ式になっています。

3.5㎜のミニプラグならPCやスマホにも直接つなぐことが出来るケースが多いです。※最近のiPhoneはコネクタが必要

ATH-R70xを使用した感想

それではATH-R70xの感想を記載していきます。

圧迫されない装着感と軽さ

ATH-R70xを使用してまず感じたのは、装着感の圧倒的な軽さです。

これまでオープン型のヘッドホンを使用したことが無かったこともありますが、210gという軽さと合わせ、耳に圧着させない作りが、装着時の心地よさに直結します。

今までは密着タイプのヘッドホンを使用していても装着疲れを感じることはありませんでしたが、ATH-R70xの装着感を味わった事で、密着型の一般的なヘッドホンが窮屈な感覚を持つようになったレベルです。

あわせて私はメガネをかけていますが、開放型の軽い装着感であれば、メガネをかけていてもストレスなく使用できるのが非常に良いです。

自然に忠実・リアルサウンドが素晴らしい

私が感じたATH-R70xの音について感想をレビューします。音についてはあくまでも私の所感である事をご了承ください。

まず開放型ならではの自然なサウンドは、密閉型ヘッドホンで出せるものではありません。

密閉型にあるような360度音に包まれた感覚とは異なり、作られた感の無い自然で心地よい音がスッと耳に入ってきます。

モニターヘッドホンは、スピーカーを前にして音を楽しむかのような感覚と言われますが、私の感覚ではヘッドホンの良さとスピーカーの良さが混ぜ合わさった音というように感じました。

同社のATH-M50xも保有していますが、ATH-M50xは一つ一つの音がはっきりしている事と高音寄りなヘッドホンに感じます。

それに比べるとATH-R70xは低音までしっかりと再現されている事と音に柔らかみがあるように感じました。

低音から高音までバランスの良い柔らかみのある音が味わえるとともに、定位・距離感の表現力の高さも抜群です。どこから音がやって来て去っていくのかが手に取るように確認できるのには驚きました。

続いて特記したいのは解像度の高さです。

ATH-R70xで音を聞いていると、ボーカルの息遣いや繊細な空気感などをしっかりと味わうことが出来ます。

ATH-M50xと合わせ、モニターヘッドホンの代名詞であるSONY MDR-CD900STと比較すると、完全にATH-R70xの方がリスニングに適した音色です。

解像度の高さ、定位・距離間の表現、低音から高音までフラットであるとともに柔らかみのある音、モニターヘッドホンでありつつも、観賞用のヘッドホンとしても素晴らしく、私の中でスタンダードヘッドホンになったのは言うまでもありません。

とは言いつつ、音はきちんと分解して聞き取れるため、モニターとして使用するのにも十二分に活用できます。

ATH-70xがモニターのスタンダードになったらよいのにね

あや

あや

よしぞー

よしぞー

ATH-M50x と、SONY MDR-CD900STもレビューしているので一緒に読んでね

高インピーダンスの問題はクリア・ただし外付けDACも購入した!

ATH-R70x

ATH-R70xは470Ωという高インピーダンスのモニターヘッドホンです。

高インピータンスのヘッドホンは、ノイズが少ないという高いメリットがある反面、接続する環境によっては音が出しづらいというデメリットも抱えています。

その為、状況によっては組み合わせる機材を選ぶ側面があります。

一般的な音楽鑑賞でPCやiPhoneとの直繋ぎではそれなりにボリュームを高くしてちょうど良い音量になります。

適度な音量で使えないということはありませんが、余裕をもってATH-R70xを楽しむのにはヘッドホンアンプを用意した方がより楽しめるはずです。

私はZEN DACと組み合わせる事で音に余裕を持たせて楽しんでいます。

ZEN DACは別途レビューしますが、ATH-R70xとZEN DACの組み合わせは私の予算範囲内では最強の音響環境が作り上げられたと感じています。

よしぞー

よしぞー

音の世界、上を向いたらきりがないので、お財布と相談しつつ楽しめる範囲で!

created by Rinker
iFi Audio
¥24,580 (2024/04/26 06:41:50時点 Amazon調べ-詳細)

Web会議時の会話がストレスなく出来る

もう一つ素晴らしいと感じたのが、Web会議での使用です。

ATH-R70xはオープン型のヘッドホンであるため、良くも悪くも音が抜けます。

密閉型のヘッドホンやイヤホンを付けた状態で会話をすると、耳に圧がかかって自分の声が聞き取りづらいですが、ATH-R70xであれば、自分の声も自然に入ってきて話しやすいです。

よしぞー

よしぞー

ATH-R70xにマイクは付いてないので、別途マイクは必要!

まとめ:沼に堕ちないための最良の選択肢

ATH-R70xについてレビューしてきました。

ATH-R70xはモニターヘッドホンでありつつも音楽鑑賞用としても素晴らしく、音楽制作者の曲作りに対しての想いをきちんと聞き取れる、そんなヘッドホンだと感じました。

音の世界は沼が深く深みにはまるときりがありませんが、ATH-R70xのすばらしさを体感したことで、私はこれ以上を求めることが無くなりました。

  • 色付けされない自然な音が好き
  • 解像度が高く定位・距離感を計れるヘッドホンが欲しい
  • モニターヘッドホンならではの、はっきりし過ぎた聞き疲れしそうな音は嫌い
  • 長時間聞いても聞き疲れしないものが良い
  • 自宅使用がメイン・外に持ち出す事は考えていない
  • 一つヘッドホンを長く愛用していきたい
  • 音沼に堕ちたくない

そんな方にぜひ検討いただきたいヘッドホンです。

モニターヘッドホンとは?

最後に、モニターヘッドホンについても簡単に説明します。

一般的な音楽鑑賞用のヘッドホンは、低音を響かせたり高音に特徴を持たせたりと各ブランドがそのヘッドホンに対しての趣旨を配慮し音を最適化して製品化されますが、モニターヘッドホンは原音に忠実に音が出るように設計されています。

しかし音楽制作の場で観賞用のヘッドホンを使用してしまうと、そのヘッドホンによって味付けしたような音が作られてしまうため、出来るだけ原音に忠実な音を出せる事が求められます。

モニターヘッドホンは、低音から高音まで偏りが少なく原音に近いリアルな音を出すため、音楽の制作現場やDTMの世界、また動画編集における音の編集などに活用されています。

あわせてフラットで忠実な音が好きなユーザーがモニターヘッドホンを購入するケースが増えています。

長期間販売され続ける

大きな特徴として、モニターヘッドホンはロングラン製品が多く、メーカーはあまり新しい製品を発表しません。

新製品が頻繁に登場し仕様が変わてしまうと(使い続けているものが使えなくなると)、製作者が「前と音が違う?」というトラブルが生じてしまうためです。

一般的なヘッドホンは2,3年で新製品が発売されるものが多いですが、モニターヘッドホンは長いものであれば30年以上同じものが売られ続けている世界です。

毎年発売されているのもあるもんね

あや

あや

また長期使用が前提のため耐久性が高く、コードやイヤーパッド、ヘッドバンドなど交換部品も用意されています。傷んだら部品交換をすれば再使用可能なのもモニターヘッドホンの特徴です。

性能に対して値段が安価

上記で説明した通りモニターヘッドホンは長期前提で売り続ける事を前提に開発されています。

その為一つの製品に対しての開発費の回収を長期で考えることが可能です。合わせて一般的なステレオヘッドホンのような広告宣伝も行いませんので、性能に対して圧倒的に安価な価格帯で販売されています。

インピーダンスが高いヘッドホンもある

モニターヘッドホンはインピーダンス(電気抵抗)が高いものがあります。

インピーダンスが高いとノイズを抑えられるというメリットがありますが、その分音量を出しづらくなるため、基本的にはアンプとセットでの使用が前提になります。

一般的なヘッドホンは高くても40~50Ω程度で、スマホやPC、DAPなどとの直繋ぎでも音量が確保できてストレスなく聞けますが、今回紹介するATH-R70xも470Ωという高インピーダンスのヘッドホンです。

もちろん直繋ぎでも音は出せますがインピーダンスの低いヘッドホンと比べると大音量を出すことが出来ません。

モニターヘッドホンは聞き疲れする

モニターヘッドホンは音楽制作のためのヘッドホンです。

ノイズを発見して除去するなど、いわゆる粗探しをするためのヘッドホンでもあります。

そういった観点から、音楽を聞いていると「今微妙にズレてる」とか「雑音が入った?」など、一般的なヘッドホンでは聞こえてこなかった聞こえる必要のない音まで再現されてしまいます。

その為、音楽鑑賞用としては聞き疲れしてしまうケースもあります。

開放型ヘッドホンのメリットデメリット

ヘッドホンには、密着型(クローズドタイプ)と開放型(オープンエアータイプ)の2種類がありますが、ATH-R70xは開放型のヘッドホンです。

モニターヘッドホンの解説と合わせて密着型と開放型のメリット・デメリットも挙げておきます。

密着型ヘッドホンのメリット

  • 遮音性が高く、ヘッドホン内部の音が外部に漏れ辛い。合わせて外からのノイズも耳に入りにくい
  • 電車や飛行機などの乗り物、カフェなど、周囲に人がいる環境で音楽を聴く場合には密閉型が最適
  • 低音が効いた迫力があるサウンドを出しやすい

話題のノイズキャンセリングタイプのヘッドホンも密閉型!

密着型ヘッドホンのデメリット

  • 開放型に比べて音がこもる
  • 高音が出しにくい
  • 耳に圧着させるため長時間付けてると疲れる
  • メガネが辛い

どこでも音楽を楽しめる代わりに疲れやすく音がこもりやすい

開放型ヘッドホンのメリット

  • 音の抜けがよく広い音場感が出せる
  • スピーカーで聞いている感覚に近く、自然で良い音を楽しむのであれば開放型
  • 伸びのある高音が出やすい構造
  • 密閉型に比べて装着感が軽く、長時間装着していても疲れづらい
  • 密閉されないため装着していても自分の声を普通に発せられる
  • 外部の音も聞こえる為、声をかけられたときに反応できる
  • メガネをかけていても疲れづらい

自然で解放感のあるサウンドを楽しみたいのであれば圧倒的に開放型

開放型ヘッドホンのデメリット

  • 普通に音漏れする
  • 外部からのノイズも聞こえる為、音に没頭したいケースでは不向き
  • 大型で繊細な作りのものが多く、持ち運びには適さない

自宅でゆったりと最良の音を楽しむ場合にしか使えない!

関連記事