2022年10月に登場したMeze Audio 109 Pro。最新の開放型ヘッドホンで、デザインが特徴的なことや音が良いことなどで注目を集めています。
デザイン周りは木目で洗練されたデザインが特徴的。音は低音から高音までまとまりが良いとともに音場が広くに奥行きを感じます。
本記事では、Meze Audio 109 Proのデザイン・音質・使用感などについて詳しくレビューしていくので、ぜひご参考ください。
目次
Meze Audio 109 Proの基本情報
Meze Audio 109 Proは、最新の開放型ヘッドホンです。グリルと木製のハウジングを組み合わせているのが特徴で、デザイン・音両方に影響を与えています。まずは、そんなMeze Audio 109 Proのスペック、パッケージ内容、デザインについて見ていきましょう。
スペック
- ドライバー:50mmダイナミックドライバー
- 形式:開放型
- 周波数帯域:5~30,000Hz
- インピーダンス:40Ω
- 通常音圧:112dB(1mW/1kHz)
- 最大音圧:112dB
- 重量:約375g(ケーブル含まず)
50mmの大型ダイナミックドライバーを搭載した、開放型ヘッドホン。ダイナミックドライバーは、本製品のために新規開発されています。
カーボンファイバーとセルローズでWシェイプド・ドームをコーティングすることで、軽量化を図ると同時に共振を抑えているのが特徴。これにより、表現力が高くなります。
そのうえで、剛性を高め安定性を向上させ、素早いレスポンスを実現するなどさまざまな技術が盛り込まれているドライバーです。
かなりこだわってるんだね
あや
よしぞー
このドライバーがどう音に影響するか、後で詳しく紹介するよ
さらに、スペックで目に留まるのがインピーダンス。この手のヘッドホンとしては、やや低めの設計になっています。低インピーダンスだと接続するDAPやアンプを選ばず使えるので、非常に便利です。
そして、再生周波数帯域の広さが異常。5Hz~30kHzと、非常に幅が広くなっています。重低音から超高音域までしっかりカバーするので、表現力が高いです。
また、本機は高性能で大型ドライバーを搭載していますが、重量はそこまで重くありません。開放型の恩恵をしっかりと得られます。
パッケージ内容
- 109 Pro本体
- キャリングケース
- 1.5m TPEケーブル
- 3m TPEケーブル
- 6.3mmゴールドメッキ変換アダプター
本体と各種ケーブル、アダプターがしっかり付属します。本体とオーディオとを繋ぐケーブルはリケーブルに対応しているので、付属のケーブル以外にもさまざまな製品を試せるのも良いところです。
さらに、アダプターが付属するのも地味に嬉しいポイント。痒い所に手が届くパッケージ内容です。
なお、保証は2年間用意されています。
外観
Meze Audio 109 Proは、デザインが非常に美しいです。ハウジングの木材が、デザインに温かみと高級感を与えています。
この木材は、ブラックウォールナット材です。ブラックウォールナットは、寒冷地にしか育たない木材。太りにくいですが、中身がしっかり詰まっており、繊細な木目になるのが特徴です。
さらに、ウォールナットは使い込むほど艶が出るのも特徴。
昔から高級家具や楽器の材料として、よく使われています。本機も長く使い続けることにより独自の味が出て、自分だけの味わいになるのが魅力です。
まとめると?
あや
よしぞー
ナチュラル感がありながら高級感が凄くある!
Meze Audio 109 Proの良いところをレビュー!
Meze Audio 109 Proのスペックやデザインについて、レビューしてきました。これだけでも本機の特徴がある程度わかりますが、音についてはスペックだけではわかりません。そこで今度は、Meze Audio 109 Proの良いところについてレビューしていきます。
低音が豊かかつ柔らかに広がる
Meze Audio 109 Proの低音域は、柔らかく広がるのが特徴です。
加えて、音が豊かなのも特徴的。再生周波数の下限が5Hzということで、かなりの重低音もしっかりと広がりを持たせて表現してくれます。ベースがしっかりかっこよく聞こえるので、ベースが好きな方でも満足できる低音です。
ただ、くどさは全く感じません。音の広がり方が非常に柔らかいためか、軽い余韻に留まりスーッと抜けていくような音です。
まとめると?
あや
よしぞー
芯がしっかりしてるけど、柔らかく、少し長めに茹でたアルデンテみたいな低音
中音域の表現が秀逸でボーカルが美しい
Meze Audio 109 Proの音域で、最も特徴的なのが中音域です。
中音の楽器と言えば、ボーカル。特に女性ボーカルは、中音域が基本です。
本機の中音域は、ボーカル表現が非常に生々しいのが特徴。
生々しいって、近いってこと?
あや
よしぞー
近いのとは少し違うかも
距離自体は、ほかのボーカル表現が巧みなヘッドホンよりも少し離れて聞こえます。前面にすごく押し出されているという感じは、少なくともありません。それなのに、すぐそこに存在するかのような不思議な生々しさがあります。
息遣いなども生々しく表現され、なおかつ声の伸びなどが美しいです。ボーカル曲との相性は、非常に良いと言えます。
高音域は刺さりにくく心地いい
Meze Audio 109 Proは、高音域がスッキリとしています。量感は低音・中音と比べると、少し少な目です。表現自体も高音を強調したり、弱めたりすることがありません。もちろん、歪みも少ないです。
スッキリと、まっすぐな音になっています。
ただ、スカスカというわけではありません。質感はしっかりと高く、音の分離もあります。行きすぎることもなく、出し過ぎないこともない程よいバランス。
そのため、長時間聴いても耳に刺さりにくく、非常に聴きやすいです。
音の空間作りが優秀で包み込まれる感覚がある
Meze Audio 109 Proの音は、総じて柔らかい印象があります。低音の柔らかさに支えられ、生々しい中音とストレートな高音が乗っかるイメージです。尖っている部分が全くと言ってよいほどありません。
さらに、高域は粒立っておりキラキラとしたクリアさがあります。
全体的に音が曇ることもなく、優しい透明感を持ったまま鳴るのが音質の速聴。
そのうえ、残響もしっかりと表現されています。
さらに、音の空間作りが優秀です。全身が音に包み込まれているかのような感覚になり、充足感があります。
実際に聴いて強く感じたのが左右の定位感と合わせて前後の定位感です。音に前後の輪郭がはっきりと感じられ、音が踊っているような印象を持ちました。
接続するアンプによる個性もしっかりと拾い、そのうえで音をくまなく広げているイメージです。
音質の特徴と空間作りが合わさり、全身が美しい音に柔らかく包み込まれるような感覚が得られます。
優しいってこと?
あや
よしぞー
そうだね、かなり優しさを感じる。アンプの個性や音楽ジャンルにもよるけど
側圧が若干強いが装着感は良好
Meze Audio 109 Proの装着感は、良好です。
イヤーパッドは、ベロア生地が採用されています。芯材も少し硬めです。この二つの素材感により、しっかりとした装着感が得られています。
ヘッドバンドも可動式で、自分の頭の大きさに合わせることが可能です。
側圧自体は若干強いのですが、装着感が良いのであまり気になりません。
ケーブルの脱着が可能
地味なポイントですが、ケーブルの脱着ができるのもMeze Audio 109 Proの良いところです。
脱着できるとどういいの?
あや
よしぞー
自分好みにカスタマイズできるよ
オーディオには、ケーブルによる音の差というものがあります。ケーブルによってはノイズが生まれやすかったり、逆にノイズが低減されたりケーブルが音に与える影響は意外と大きいです。音質傾向すら、若干変わることがあるほど。
ケーブルのカスタマイズができるということは、それだけ楽しみ方が増えるということ。付属ケーブルのクオリティも十分すぎるほど高いですが、さまざまなケーブルを使うことでより自分好みに仕立て上げることも可能です。
純正アップグレードケーブル
NOBUNAGA Labs製の対応ケーブル
Meze Audio 109 Proのイマイチな点・注意点をレビュー
Meze Audio 109 Proの良いところについて、紹介してきました。音に関しては、ほとんど文句の付け所がありません。
ただ、人によっては少し物足りないと感じる部分や、注意が必要な部分もあります。そこで今度は、Meze Audio 109 Proの人によってはイマイチだと感じる点、注意点についてレビューするので、ぜひご参考ください。
開放型だから音漏れはする
Meze Audio 109 Proは、開放型ヘッドホンです。
密閉型と違って、ハウジングがグリルになっており開放されています。
開放型ヘッドホンのメリットは、音がこもらないことです。音の抜けが良くなり、音の空間表現にこだわれるようになります。本機の音の空間表現が良いところや、低音・高音の抜けが良いところは開放型の利点です。
一方、音がハウジングから漏れてしまいます。一般的な密閉型で漏れているときとは違い、何の曲を聴いているのかハッキリわかる程度には音漏れするので注意しましょう。
開放型を使ったことがあれば問題ありませんが、初めて使う場合は結構びっくりします。
交換用イヤーパッドは未発売
Meze Audio 109 Proは、交換用のイヤーパッドが2023年4月現時点では発売されていません。本機発売から約半年が経過しつつあるのですが、専用の交換イヤーパッドが発売されないところを見ると少なくともまだしばらくは出ない可能性が高いです。
イヤーパッドは、本体よりも先に交換タイミングが来ます。本機は決して安くはない値段なので、交換用イヤーパッドは欲しいところです。
いずれは出るかもしれませんが、しばらくは同じサイズ感のもので代用するしかないので、注意しましょう。
Meze Audio 109 Proはリスニングにもモニターにも使いやすい万能型!
Meze Audio 109 Proの音質や使い勝手などについて、良し悪しをレビューしてきました。高音は音数が増えると少し埋もれますが、それ以外は音に関しては非の打ちどころがありません。
もちろん、好みはあります。
本機はボーカル曲をメインで聴いている方、音数が少ないバラードや人数が少な目のバンドサウンドを聴いている方に向いているヘッドホンです。
音の表現力が豊かなのでリスニングにぴったりですし、接続機器の特徴をしっかり捉えて音を出すのでモニターとしても使えます。
音質傾向もあまり尖らず、それでいて豊か。総じて、あらゆる場面で活躍する万能選手だと言えるのではないでしょうか。