DIATEC(ダイヤテック)、FILCOブランドにて展開されているメカニカルキーボードの中で、ロープロファイルキースイッチを搭載した「FILCO Majestouch Stingray TKL」。
ロープロファイルスイッチというのは一般的なキースイッチよりも高さが低いもので、これを搭載して背を低くしたキーボードの事をロープロファイルキーボードと言います。
軸が薄く作られている事と合わせ、キーストロークやアクチュエーションポイントが短く高速なキーレスポンスが期待できるので、FPSゲームにも適したキーボードと言われています。
今回紹介するFILCO Majestouch Stingray TKLは、ゲーミングでのメリットは元より、キーボードとして本来最も大切なキー入力にこだわった仕様。
ゲーミングのみならず普段の入力にも最高に活躍するキーボード、FILCO Majestouch Stingray TKLをレビューします。
目次
FILCO Majestouch Stingray TKLレビュー
まずMajestouch Stingray TKLについて、開封状態、全体デザイン、仕様などのポイントを解説します。
パッケージと開封時の同梱品
Majestouch Stingray TKLの特徴
- 細かなモデル違いがあり14種類から選択が可能
- シンプルで薄い形状のロープロファイルキーボード
- CHERRY MX LowProfileスイッチを採用
- 打鍵時の負荷や振動を逃がす工夫
- ゲーミング性能は高いけど光らない
- Nキーロールオーバー仕様
細かなモデル違いがあり14種類から選択が可能
Majestouch Stingrayは、フルサイズ・テンキーレスタイプでの分類、日本語・英語での分類、日本語タイプではかなあり・かななしでの分類、そして、印字の上面印字か前面印字かの分類で分かれます。
合わせてベースは赤軸ですが、オンラインショップ限定でスピード軸を選択することも可能です。
- 赤軸・フルサイズ・108キー・日本語・かななし・上面印字
- 赤軸・フルサイズ・108キー・日本語・かなあり・上面印字
- 赤軸・フルサイズ・108キー・日本語・かななし・前面印字
- 赤軸・フルサイズ・104キー・英語US ASCII配列・上面印字
- 赤軸・フルサイズ・104キー・英語US ASCII配列・前面印字
- 赤軸・テンキーレス・91キー・日本語・かななし・上面印字
- 赤軸・テンキーレス・91キー・日本語・かなあり・上面印字
- 赤軸・テンキーレス・91キー・日本語・かななし・前面印字
- 赤軸・テンキーレス・87キー・英語US ASCII配列・上面印字
- 赤軸・テンキーレス・87キー・英語US ASCII配列・前面印字
- スピード軸・フルサイズ・108キー・日本語・かななし・上面印字
- スピード軸・フルサイズ・108キー・日本語・かななし・前面印字
- スピード軸・テンキーレス・91キー・日本語・かななし・上面印字
- スピード軸・テンキーレス・91キー・日本語・かななし・前面印字
私が保有しているのは、テンキーレスタイプ、日本語配列、前面印字、低背赤軸というタイプで、型番では「FKBS91XMRL/NFB」になります。
印字がキーキャップの前面にあることで指と当たることがなく、経年による印字削れを防げること、そして何よりもディテールに惚れてこちらのタイプを選びました。
実際の視界性ですが、私の場合は普段ブラインドタッチがベースで、たまに特殊キーを打鍵する際にキーボードを確認する程度ということもあり、前面印字によって打ちづらいと感じたことはありません。
また、見る角度から正面に印字がある事と「かな」印字が無いため、ごちゃごちゃせずシンプルで分かりやすいという利点すら感じられます。
シンプルで薄い形状のロープロファイルキーボード
Majestouch Stingray TKLは、一般的なキーボードよりも薄いのが大きな特徴です。
上の写真は、上段がMajestouch Stingray TKLと東プレ・リアルフォースとの比較、下段がMajestouch Stingray TKLとロジクールG913TKLとの比較写真になりますが、Majestouch Stingray TKLの薄さが伝わるとともに、薄いだけでなくエルゴノミクスな形状によって入力しやすくなっている事が伝わるかと思います。
また、余計な装飾が無く必要な機能だけに集約されたシンプルなメカニカルキーボードです。
実際のサイズは幅358 奥行138 高さ31.7mm (スタンド使用時40.7mm) 。本体の重さは実測で908g(ケーブル含む)でした。
しっかりとした作りのキーボードは1kg前後になる傾向にありますが、Majestouch Stingray TKLは薄い形状にも関わらず同レベルの重量があり、打鍵時の安定感にも繋がっています。
CHERRY MX LowProfileスイッチを採用
Majestouch Stingray TKLは、CHERRY MX LowProfileスイッチを採用しています。
CHERRY MX LowProfileスイッチとは、ドイツ・CHERRY社のメカニカルスイッチで、キーストロークは3.2㎜と浅く、接点は1.2㎜押し下げた位置にあるため素早い入力が出来る設計です。
また、接点の浅い軸は誤入力を起こしやすいと言われていますが、この赤軸は打鍵感に程よい重みがある事で、「間違って押しちゃった」が少ないように感じます。
押下圧は45gですが、跳ね返りがあるというか反発力が打鍵最初から最後まで一定してあり、「あそび部分で反応してしまった」という事が無いのかもしれません。
打鍵時の負荷や振動を逃がす工夫
もう一つの特徴としてMajestouch Stingray TKLは、基本性能をより充実させるために、FR-4(ガラスエポキシ基盤)の2層基盤が採用されています。
全てのスイッチ端子のスルーホールを半田でしっかりと固定し、打鍵時に発生する負荷や振動を鉄板にだけでなく、基盤側でも逃すことが可能となり、耐久性・信頼性・打鍵性の向上が図られています。
光らない
Majestouch Stingray シリーズはゲーミングにも十分に耐えるスペックでありますが、一般的なゲーミングキーボードのような照明は一切ありません。
公式によると、光らせることに配慮することで不具合の発生リスクが上昇するため、それらの不安を排除して基本性能に特化した製品にしたとのこと。
Nキーロールオーバー対応
尚ゲーミング用途として必須であるNキーロールオーバーにはもちろん対応しており、複数のキーが同時に押された場合に押された順序に従ってすべて認識される仕様です。
高速入力時に同時押ししても全て正確に入力されますので、安心してゲームに没頭できます。
打鍵感と使い心地
このキーボードを使用して感じたのは、打鍵の心地よさです。
一般的なメカニカルキーボードで1.2㎜のアクチュエーションポイントと45gの押下圧は、反応するポイントまで短く柔らかいため誤字を招くように感じられますが、ロープロファイルなせいなのか圧は強く感じられ、軸の仕様による誤字を招くことは少ないです。
打鍵音はコトコト・カタカタと心地よく柔らかい音でストレスなく打ち続けれられるのも良いですね。
なお、一般的な高さのメカニカルキーボードからロープロファイルキーボードに切り替えたときの違和感はありました。具体的には、キーボードを構える角度や位置が、一般的な高さのメカニカルキーボードとは異なる事からくる違和感です。
ただ違和感を感じていたのはほんの数日で、この低さのキーボードに慣れるとこれが良くなります。
低背MX赤軸スイッチの絶妙なサイズ感と打鍵感の良さも影響しているのかもしれません。
ノートパソコンと併用して使うユーザーも多いと思いますが、ノートPCの薄いキーボードとメカニカルキーボードを併用する際は高さなどの差異が大きくなりがちですが、Majestouch Stingray TKLであれば差異が少ないのもメリットなのかもしれませんね。
ノートPCで入力する、Majestouch Stingray TKLで入力するの切り替え時もストレスを最小限に抑えられます。
光らずタイピングにこだわったキーボード
Majestouch Stingray TKLを紹介してきました。
このキーボードの特徴と使い心地をまとめると、
- ロープロファイルキーボードで、CHERRY社の低背赤軸が装着されている
- 無駄なものが一切なくシンプルなデザイン
- 入力にこだわった堅牢なつくり
- ゲーミングにも十分に耐えられる仕様
- 光らない
- 打鍵感も申し分なくバランスが良い、仕事や入力用途にも十分に使える
「ゲーム用途にも使えるシンプルで高性能なキーボードが欲しい」「入力スペックにはこだわりたい」と考えている方に最適な選択肢になるはずです。
参考ブログ
ガジェットブログを運営するブログ友達BOWSさんも、FILCO Majestouch Stingray の愛用者でレビューされていましたので紹介します。
- 【FILCO Majestouch Stingray レビュー】光らないけどメカニカルな低背MX赤軸キーボード
- タイピングを静かにしたい。Majestouch Stingray用に静音リングを装着してみた感想
BOWSさんはフルサイズのStingrayを愛用しており、また、静音リングなども取り付けた使用感もレビューしていますので、実の情報として参考になるはずです。