final B2は、とても変わったイヤホンです。B2に限らず、finalのイヤホンは個性的だという印象があります。
その中でB2は「Bシリーズの中で最も個性的」と評する人もおり、個性集団の中でも強く光るものがあるんです。
じゃあ、どこが個性的なのかが気になりますよね。
そこで今回は、final B2の特徴、良い評判・不満点・実際に使用した感想を紹介し、レビューしていきます。
目次
final B2のスペック・特徴
- 筐体:ステンレスブラスト仕上げ(ガンメタリック)
- ドライバー:1BA(バランスド・アーマチュア)
- コネクター:MMCX
- 感度:109dB
- インピーダンス:41Ω
- 重量:32g
- ケーブル:OFCケーブル
- リケーブル対応
特徴的なのは、ドライバーです。バランスド・アーマチュア型が1基使われています。
バランスド・アーマチュア?ってなんだっけ?
あや
よしぞー
モニターイヤホンによく採用されるやつだね
モニターイヤホンというのは、音楽制作や演奏などで使われるプロ向けのイヤホンです。自分の演奏を聞いたり、曲の仕上がりを確認したりするため、フラットで正確に音を鳴らすイヤホンになっています。
そんなモニターイヤホンに使われることが多いのは、バランスド・アーマチュア型ドライバーには音の解像度が高いという特徴があるためです。
その分レンジが狭くなっています。
さらに、高音と中音域の音が得意だという傾向があるんです。
続いて、コネクターとケーブルも見てみましょう。
MMCXコネクターが採用されており、ケーブルを好みに応じて交換することが可能です。
ディフォルトのケーブルはタッチノイズを減らすため、柔らかくしなやかな被覆素材をケーブルに使っているのが特徴です。これはイヤーフックを使うときにも柔軟に曲がるので、装着感が良くなるという性質もあります。
また、リケーブル対応なので他のケーブルを使うことも可能です。
インピーダンスは大きすぎず小さすぎず、ちょうどよいくらいでしょう。これなら、多くのDAC・DAPなどと接続することができます。
final B2の良い評判を紹介!
Final B2のスペックや特徴を語ってきました。その中にもFinal B2を使うメリットがありますが、スペックでは語りきれない部分も多いです。そこで、Final B2によく挙げられる良い評判を3つ紹介しましょう。
装着感が良好
装着感が良い、という評判はとても多いです。
良好な装着感を生み出している理由のひとつは、変わった形状にあります。一般的なイヤホンは曲線を描いているものが多いですが、Final B2は妙に角ばっていますよね。
この形状には、メーカーの意図があります。
巷の人間工学をうたうイヤホンは、曲面を設け、どこかが耳に接すれば良いというような形が多いです。
ただ、それは圧迫によってイヤホンを保持するということに繋がります。よって、長時間装着していると疲れてしまうんです。
そこでFinal B2は、二箇所でしっかりと保持し、もう一箇所で外れない程度に軽く支持するというスタイルを採用しています。その「支点」を作るため、この角張った形状になったんです。
さらに、イヤーフックの装着感も良いという評判があります。
一般的なイヤーフックより、若干小さなサイズなのが特徴です。それでいて、金属や樹脂製のワイヤーを使っているわけでもありません。
ん?それだとサイズ感が合わない人が結構いるんじゃない?
あや
もちろん合わない人もいるかもしれませんね。
ただ、サイズではなく形状でフィット感を高めるという考え方で設計されています。実際は、イヤーフックが使えなかったという口コミはほとんどありません。
眼鏡とも併用できますし、案外便利です。
音のバランスが良く中域に潤いがある
Final B2は、音のバランスが良くて中域が特に良いという評判があります。バランスの良さは、バランスド・アーマチュア型を採用した恩恵だと言えるでしょう。ただ、それ以上にメーカー側の調整がうまくきいているという印象があります。
高域は暗めで落ち着きのある印象です。抜けが良い音とも言えず、イコライザーを使わなければ拡張性も十分とは言えません。かなり渋い調整です。
一方中域は、みずみずしく潤いを感じさせるような綺麗な音色になっています。ツヤもしっかり感じられ、ボーカルの息遣いや声から出る情感までしっかり伝えてくれるんです。ディティールの再現が本当にうまいという評判が、多く挙げられています。
奥行きも広く、ボーカルが自然に前に出てくる感じも評価が高いです。
高域に関しては、中域のクリアさ、みずみずしさなどを引き立たせるため地味にしているのでしょう。
低域は中域を下支えしており、主張は弱めです。
これら各音域の特徴がしっかり合わさり、絶妙なバランス感覚が生まれています。
宇多田ヒカルや椎名林檎、コレサワなど情感を込めて歌うタイプのアーティストの曲を聴くのに向いているでしょう。
よしぞー
中域メインな曲が多いアニソンも向いてるかもね
アニメのエンディング曲とか、かなり良さそう!
あや
音にダイナミック感がある
一般的に、バランスド・アーマチュア型は、あまり音にダイナミック感がありません。あくまでもバランス良く音を鳴らし、解像度を高めるのが得意なドライバーユニットですから。
そんなバランスド・アーマチュア型を1基搭載しているイヤホンにしては、final B2は音にダイナミック感があると評判で、骨太で力強さのある音が楽しめます。
中音にこだわりが感じられるとお伝えしましたが、低域も申し分なく、中域を下支えするためにしっかりとした量感があるんです。この量感が、「1BAにしてはダイナミックだ」という感想を生んでいるのでしょう。
final B2によく挙げられる不満点を紹介!
ここまで、final B2によく挙げられている良い評判を説明してきました。ただし、もちろん不満点が挙げられることもあります。そこで今度は、final B2によく挙げられる不満点を3つ紹介しましょう。
低音・高音は若干弱め
中域に潤いがあり、奥行きが広く情感もたっぷりという評判があるのに対し、低音と高音は不満点だと感じる人もいます。
確かに、高域は突き抜けるというよりもマイルドです。
低域に関しては個性がほとんど感じられず、ほとんど主張していません。
ドンシャリ傾向が好きな人からすると、物足りないのは事実でしょう。
ただ、この低音と高音の主張の少ない味付けのおかげで、中域が際立っています。そして、全体的にまとまりが良い音になっているのも、このおかげです。全ての音が主張してしまっては、あまり綺麗な音にはなりません。
低音が支え、高音が抑えているからこそ中域の良さが際立つというものです。
ここばかりは、好みによるのではないでしょうか。
デザインは好みがわかれる
不満点とは少し違うのですが、デザインは好みがハッキリ分かれる傾向があります。一見ゴツゴツとしていて、岩みたいな見た目をしていますからね。ガンメタリックのカラーリングも相まって、無骨な印象もあります。
たいていのイヤホンが流線型のデザインであるため、変わったデザインだということが際立って見えてしまうのでしょう。
イヤーピースも付属のものは、左右で色が分かれています。表面上は全て黒ですが、内部が赤だったりピンクだったりグレーだったり、カラフルです。これは左右を識別しやすくするためのものですが、ここに関しても好みに合わないという人は少なくないでしょう。
よしぞー
合理的なデザインだからこそ、見た目重視の人には合わないかもね
使ってると一周回って愛着わきそうな気はする
あや
ステンレスだから若干重く感じる
スペックにも記したように、final B2の筐体はステンレスでできています。金属の中では比較的重めの素材です。比重という値があるのですが、ステンレスは種類にもよりますが、たいてい7.93程度。ガジェットによく使われるアルミは、約2.7で、鉄は7.1~7.4程度です。
物によるものの、鉄より重いと考えると、結構な重みがありますよね。
そのため、筐体の重量も32gとイヤホンとしては決して軽いとは言えません。
さらに、重量という数値には表れない重みもあります。同じ重さのものでも、素材や形などによってどちらか一方が重く感じることがありますよね。
それらの都合から、若干重く感じるという不満点を挙げる人もいます。
少なくとも、軽いイヤホンが好きな人には合わないのかな?
あや
よしぞー
そうだね。だけどそれも3点で支える仕組みで緩和してる印象があるよ
実際にfinal B2を使ってみた感想
実際にB2を愛用していて感じるのは、マイルドで艶っぽさを感じられる事。見た目は金属製の冷たさを感じるイヤホンですが、音に温もりを感じられるイメージでしょうか。
ボーカルが前に出るような聞こえの為、ボーカルメインの曲を楽しみたい時に適しています。
低音・高音も強いドンシャリ感を求められる人以外は十分に満足する質量。意図的に作られていない自然な低音を楽しめるのも好きですね。
聞き疲れをせず心地よく長時間聞き続けることが出来るため、リスニングイヤホンとして重宝します。
また、B2はリケーブルが可能なことも大きなメリット。リケーブルすることで音が化け、全く別物のイヤホンにもなります。
私自身もリケーブルを試したところ、高音の抜けが良くなるとともに低音・解像度が増し音場も広がりました。
私が組み合わせているのはNOBUNAGA Labsの景光というバランスケーブル
税込み12000円程度で購入できる4.4mmバランスケーブルで、ディフォルトケーブルと比較すると音の輪郭や高音の抜けが一気に広がります。
また低域の歯切れがよく繊細であるとともに、力強いメリハリのある音に生まれ変わります。
もちろん元々のマイルドでウェットな印象は失われてしまうため、曲や好みによって好き嫌いは分かれるはずです。
バランスリケーブルがどんなものかを試してみたい方にも、おすすめですね。
Bシリーズの中では最も安価ですが(安価と言っても約3万円)、リケーブルを含めリスニングをしっかりと楽しめるイヤホンだと感じます。
final B2はボーカルを聴くのに最適なイヤホン!
final B2の特徴、良い評判と不満点を語ってきました。形状・デザインが個性的なのは見てわかるところですが、他にも個性的な部分が多数ありましたね。1BAという構成、3点で保持する仕組み、中域を目立たせた音質傾向…。
個性的であるがゆえに、合う合わないが大きく表れてしまいます。
ただ、ハマる人はとことんハマるイヤホンです。中域重視の人、アニソンが好きな人、女性ボーカルの曲・バラードをよく聴く人は買って損はないのではないでしょうか。