オーディオ機器やゲーム機なので、光デジタルケーブル対応という言葉を目にすることがあります。
ただ、あまり一般的とは言えない種類のケーブルなので、聞き馴染みがない人もいるでしょう。オーディオについて調べると結構な頻度で目にする言葉なので、どういったものなのかをしっかり知っておくことが、オーディオ機器への理解を深めるのに役立ちます。
そこで今回は、光デジタルケーブルとは何か、メリット・デメリットと選び方を紹介しましょう。
目次
光デジタルケーブルってそもそも何?
光デジタルケーブルは、デジタル音声信号を伝送するケーブルです。AV機器やゲーム機など、とにかく音が出る製品をアンプやスピーカーなどと繋げるのに使います。
音を送るのに必要なケーブルってこと? それなら他と変わらないんじゃない?
あや
よしぞー
それが違うんだ
オーディオ機器は、アナログ接続が一般的です。AV機器などの背面にある赤や白の色がついた端子は、RCA端子と呼ばれるアナログ端子の一種。ピンジャックとも言われ、オーディオでは特によく見かけますね。
ヘッドホンなどで使われる端子も、アナログ端子の一種となっています。3.5mmミニプラグな、6.3mmプラグなどのいわゆるフォーン端子です。
これらと違い、光デジタルは「デジタル接続」となっています。
そして、ケーブルには光ファイバーが使われているんです。一般的には銅線なので、ここにも違いがあります。
うーん、本当に概要って感じ
あや
よしぞー
正直、違いを理解するにはメリットとデメリットを見るのが一番早いね
ここでは、「一般的なミニプラグなどのアナログ端子とは明らかに違うものだ」ということを覚えておく程度で大丈夫ですよ。
光デジタルケーブルのメリット
光デジタルケーブルの概要について説明しましたが、何が良いのかいまいちわからないという人も多いでしょう。
続いて、光デジタルケーブルのメリットを3つ紹介します。ここを見れば、光デジタルケーブルがアナログと比べてどう違うのかがわかりますよ。
音質の劣化が少なく比較的高音質
光デジタルケーブルは、音声データをデジタル方式で伝送します。一般的なアナログ端子は、アナログ方式で伝送するんです。
ケーブル内部を通っているのは、光信号と呼ばれるもの。実際に信号を落とすと若干光ります。もちろん、直接見ると目を傷める恐れがあるので見ないほうがいいですが。
これを使って送受信をするほうが、アナログ方式よりも信号を送信する際の音質劣化が少なく、高音質だと言われています。
高音質なのはすごくいいね!
あや
長距離伝送でも信号の劣化が少ない
光信号を使ってやり取りをしているので、長距離の伝送でもほとんど信号が劣化しないという特徴も持っています。コードを長く引き回して使いたい場合に、とても適しているんです。
アナログ方式だと、あまり長距離になるとどうしても信号が劣化します。これは仕組み上どうしようもないことですが、これを嫌って本当は長く引き回したいのに短く使う人も少なくありません。
よしぞー
使う環境の幅が広がるよ
結構いいメリットが多いのね
あや
電磁波の影響を受けない
これが特に大きなメリットとして語られることが多いのですが、光デジタルケーブルは電磁波の影響を受けないという特徴を持っています。
たとえば部屋にルーターを置いている場合などには、電波が部屋中を駆け巡っていますよね。この電波が音声信号に影響を与えると、ノイズの原因になるんです。そのため、ルーターはオーディオ機器から離して置いた方が良いと言われています。
その他にも、家電などからさまざまな電磁波が発生しがちです。
この電磁波の影響を受けないということは、ノイズが発生しにくいということでもあります。音質の劣化が少なく、ノイズが発生しにくいということで「高音質」と言われているんです。
音楽、映画、ゲーム…いろんなところで活躍しそう
あや
よしぞー
実際、光デジタルケーブルは今日び色んな機器で使われてるよ
光デジタルケーブルのデメリット・注意点
光デジタルケーブルのメリットを紹介してきました。音質の劣化が少なく、ノイズが発生しにくいため高音質で音楽などのコンテンツを楽しめるところに魅力があります。最強のメリットのように感じる人もいるかもしれませんが、もちろんデメリットもあるんです。
それは、折り曲げや圧迫に対して弱いこと。
光デジタルケーブルに使われている光ファイバーは、とても繊細でデリケートなものです。曲げたり引っ張ったり、何かで押しつぶされたりすると破損してしまいます。アナログケーブルも無理な力が加わると壊れますが、それ以上に壊れやすいです。
光ファイバーが破損したら、音声が正確に送られなくなります。原因不明のノイズが入るようになったら、破損の兆候です。
よしぞー
この性質があるから、扱いにはかなり気をつけなきゃいけないんだ
気軽には使えなさそうね
あや
また、以前は光デジタルケーブルに対応した機器は少ない傾向がありました。
ただ、2021年現在はさまざまな機器が対応しています。たとえばポータブルアンプ、スピーカー、PC、ゲーム機などですね。DAPですら光デジタル出力に対応している製品もあります。
とはいえ、まだまだ全体と比べると少ないことは事実です。
たまたま欲しくなった機器が対応していないということは、往々にしてあります。
そのため、光デジタルケーブルを使いたい場合は機器が対応しているかどうか気をつけなくてはならないのも、デメリットの一つだと言えるでしょう。
DAPは対応していても、光デジタルに対応したヘッドホンは少ないですしね。しかも光デジタルを使うためにポタアンにDAPを繋いだら、DAP内部のアンプ回路などは無駄になります。これでは本末転倒です。
こういうところも考慮して、光デジタルケーブルを使うところと使わないところを決めたうえで、対応機器を探したりするのが良いのかもしれません。
よしぞー
光デジタルにとらわれすぎないほうが良いってことだね
PCとアンプを繋ぐときとか、据え置きのプレイヤーとスピーカーを繋ぐときとかに良さそう!
あや
光デジタルケーブルの種類を解説!
光デジタルケーブルには、プラグの種類があります。他にもコアの素材などが異なるのですが、そちらは選び方について説明しながら見ていきましょう。まずは、光デジタルケーブルのプラグの種類を2つ紹介します。
光角型プラグ
光角型は、先端のプラグが角ばっているのが特徴です。光デジタルケーブル対応という記載がある場合のほとんどは、この光角型プラグを搭載しています。一般的に、据え置きのオーディオ機器、テレビ・ゲーム機などに搭載されていることが多いです。
対応機器の種類が多いため、とりあえずこれを持っておけばさまざまな機器で使うことができます。
明らかに他の端子とは違うって感じがしていいね
あや
光ミニプラグ
光ミニプラグは、イヤホンに使われる3.5mmステレオミニプラグのような見た目をしているのが特徴です。
端子先端部分が細長く、丸みを帯びています。端子部分が小型なため、光角型プラグを搭載するスペースの余裕が少ないような、小型の機器に採用されることが多いです。
DAPなどで光デジタルケーブル対応としている場合は、光ミニプラグの可能性があります。
DAPなど小型のプレイヤーを大型スピーカーに繋げるとき、端子の種類が異なることがあるので注意が必要です。その場合は、片側が光ミニプラグで、もう片側が光角型のケーブルを選ぶと良いでしょう。
また、光角型プラグを光ミニプラグとして使える変換アダプタも販売されています。
光デジタルケーブルの選び方
ここまで光デジタルケーブルについて見てきました。必ず使うものではないものの、あればより音声コンテンツを楽しめるというプラスアルファのアイテムです。そんな光デジタルケーブルの選び方を、説明します。
コアの素材をチェック
ケーブルにとって特に大切なのが、コア素材です。素材によって、特徴が変わります。光デジタルケーブルに使われるのは、主に石英・グラスファイバーと、プラスチック光ファイバーです。
石英やグラスファイバー製のコアは、低域から高域まで幅広い周波数の音域に対応しているのが特徴となっています。コストはやや高くなるものの、音質がハッキリと良くなるため、光デジタルケーブルの実力をより良く知ることが可能です。
ただし、ガラス素材が使われているため、折り曲げなどにはより弱くなります。
よしぞー
壊れやすくてもいい! 音質が良くなれば! という人に向いてるね
私はちょっと怖いかも
あや
一方プラスチック素材は、比較的折り曲げに強いです。柔軟性もあって扱いやすく、初心者向けだと言えます。壁の隙間などにもケーブルを通しやすく、配線作業中に光ファイバーが破損するなどの事故もほとんど起こりません。
さらに、比較的安価です。
ただ、音質は石英やグラスファイバー製よりも少し劣ります。
耐久性をとるか、音をとるか…
あや
よしぞー
使用環境や自分の性格などを考慮して選ぶといいかもね
ケーブルの長さをチェック
光デジタルケーブルは、ケーブルが長くても音の劣化が無いと前述しました。
ただ、短すぎても長すぎてもいけません。短いと単純に使い勝手が悪く使用環境が限られます。長すぎると、ケーブルの取り回しに苦労するんです。アナログケーブルに比べて耐久性が低いので、うっかり踏んだり足を引っ掛けたりしないように配線に気を配る必要がありますから。
金メッキ加工の有無をチェック
光デジタルケーブルの中には、端子部分が金メッキで加工されているものがあります。
デザイン面のみの魅力というわけではありません。金メッキ加工があると、酸化しにくくなるんです。つまり、長持ちしやすいということ。
ただ、これはプラスアルファでチェックすると良いものです。絶対必要ではありませんが、たとえば素材・長さ・プラグのタイプなどが一致する製品が複数あって迷ったときに、基準にすると良いでしょう。
多少価格は高くなるかもしれませんが、同じケーブルを長期間使用できる耐久性がある分、かえってコスパは良くなりますよ。
光デジタルケーブルを使ってより良い音を楽しもう!
光デジタルケーブルは、アナログ出力に比べてノイズに強く音の劣化が少ないというメリットがあります。反面、取り扱いに注意が必要だったり対応機器がアナログ端子のみの商品に比べて少なかったりと、デメリットもあるんです。
光デジタルケーブルについて考えるときに大切なのは、自分の音楽や音声を含んだコンテンツの楽しみ方で必要になるかどうか。
DAPをメインに使うならわざわざ光デジタル出力をする意味もあまりありませんが、据え置きのオーディオ機器なら光デジタル出力をするメリットは大きいです。加えて、据え置き型の機器のほうが対応機種も多いため、デメリットも緩和されます。
自分の使用環境的にあったら嬉しいと思ったのなら、光デジタルケーブルを使って、より良い音を楽しみましょう!