近年は、1万円未満の低価格帯のイヤホンでも、さまざまなところにこだわった製品が増えてきています。
なかには、ギミックにこだわったイヤホンがあるのも低価格帯イヤホンの面白いところです。
CVJ Konokaも、そんなギミックが面白い低価格帯イヤホンのひとつ。1DD+1BAのハイブリッド型イヤホンで、1万円未満というだけでも珍しい製品です。そのうえ、ギミックまで搭載しています。
今回は、そんなCVJ Konokaの良いところと気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
LINSOUL様より製品提供を受けてレビューしています
目次
CVJ-Konokaの基本仕様
まずは、CVJ-Konokaの基本仕様について紹介していきます。スペック、外観、付属品についてそれぞれ簡単に解説するので、本機がどのような製品か気になる方はぜひご参考ください。
スペック
- タイプ:カナル型イヤホン
- ドライバー:ダイナミックドライバー×1、バランスドアーマチュア×1
- 感度:112dB±3dB
- 再生周波数:10~40,000Hz
- インピーダンス:28Ω±15%
- ピンの種類:0.75mm 2ピン
- ケーブル:無酸素銅線ケーブル
- ケーブル長:125cm±5cm
- インターフェイス:3.5mm
以上が、CVJ-Konokaの簡単なスペックの一覧です。
ドライバーは、ダイナミックドライバーとバランスドアーマチュアのハイブリッドドライバー。
ダイナミックドライバーは、歪みが少なく周波数帯域が広いのが特徴。特に低音に強い傾向があり、低音が自然でよく響きます。音圧も、比較的強めです。
バランスドアーマチュアは、高音が得意なのが特徴。繊細な音の聞き分けがしやすいため、モニターイヤホンなどによく使われます。
一方で、ダイナミックドライバーよりもコストが高いです。
この二つを両方搭載させることで、より広い周波数に対応できます。そのうえ、低音が強いパワフルなダイナミックドライバーと、繊細かつクリアな音の再現性のバランスドアーマチュアのいいところが両方得られるのがいいところです。
この構成はコストもかかるので、5000円以下の価格帯のイヤホンに搭載されるのは非常に珍しいと言えます。本機はその点において、コスパが非常にいいです。
外観
本機は、ピアノを意識しているようなデザインが特徴的です。ハウジング部に一段下がった部分があり、そこに「CVJ SYYO」というロゴが記載されています。このロゴが記載されている部分は、クリアになっているのが特徴です。
全体的にクリアではあるものの、ほかの部分はスモークのようになっています。この部分だけは、ハッキリと内部が見えるのが面白いところです。
さらに、形状と一段下がったようなところがピアノのように見えるのもデザインの面白さだと言えます。
そして、付属ケーブルもクリアなので全体的にまとまりがあるデザインです。
付属品
- CVJ-Konokaイヤホン本体
- ケーブル
- イヤーピース(SML各1組ずつ)
- スイッチ調整用のピン
- 説明書類
CVJ-Konokaの付属品は、以上の通りです。
イヤホン本体に、ケーブル、イヤーピース、調整用ピンが付属します。本機はケーブルは着脱可能なタイプなので、ケーブルは外れた状態で付属するのが特徴です。
もちろん、ピンの規格さえ合えばほかのケーブルに変えることもできます。
ケーブルを変えるメリットって?
あや
よしぞー
ケーブルで音が変わるんだよ
ケーブルにより音が細かく変わってくるので、ケーブルを変えることでさまざまな音色が楽しめます。相性がいい好みのケーブルを探すのも、リケーブル対応イヤホン特有の大きな楽しみです。
さらに、本機に搭載されているギミックのためのピンが付属します。無くしても先端が細いものがあれば代用できますが、付属しているピンのほうが調整が楽なので、なるべく無くさないようにしましょう。
CVJ-Konokaの良いところをレビュー
CVJ-Konokaの基本仕様について、簡単に紹介してきました。ここからは、実際にCVJ-Konokaの良いところについてレビューしていきます。本機の音質の特徴や、ギミックなどについて知りたい方はぜひご参考ください。
中〜低域がメインで聴きやすい
本機の音質傾向としては、中低音寄りのフラットです。
低音と中音がメインの音になっており、全体的に聴きやすい印象があります。高音に関しては物足りないということもなく、クリアで聞き取りやすいのがいいところです。低音で下支えし、中低音をメインに据えつつ、クリアな高音が乗っかります。
全体的にバランスがよく、聴き疲れすることがありません。
面白い音というよりは、綺麗な音という印象です。
いずれにしても、5000円以下という価格帯を考えれば破格の音質だと言えます。
高域の分離感と定位感が良好
中低音がメインで聴きやすい音質ですが、高音域にも特徴があります。
高音域は、バランスドアーマチュア型のいいところがしっかり出ている印象です。
バランスドアーマチュア型ドライバーには、分離感と定位感が良好という特徴があります。音がしっかりと粒立って聞こえて、それぞれの音に意識を集中して聞き分けやすいのがいいところです。
そのうえ、音がどの方向から鳴っているのかがわかりやすくなっています。
高音が埋もれにくいってことでもあるのかな?
あや
よしぞー
そうだね、埋もれにくさに貢献してるよ
高音がクリアかつ分離感が良好なので、中低音メインの音質傾向でも高音が埋もれません。強めの中低音とのバランスも、この特徴から優れています。
DIPスイッチで楽しめるモードの品質が高い
CVJ-Konokaの最大の特徴は、DIPスイッチでモード変更ができることです。
DIPスイッチというのは、電子機器の拡張やモード設定変更などに使われる小さいスイッチのこと。キーボードに搭載されることは多いですが、イヤホンに搭載されるのは少し珍しいです。
これを切り替えることで、音質傾向が少しずつ変わります。
ミュージックモード、モニターモード、3Dムービーモード、3Deスポーツモードの4種類です。
ミュージックモードは、本機の元来の音質傾向が楽しめます。先述の通り、中低音メインで分離感が良好な高音が乗っかるバランスの取れた音質傾向です。
モニターモードにすると、バランスドアーマチュア型のいいところがより強く出ます。分離感が強めで、よりフラットな音になるモードです。
ただ、人によっては弱めのドンシャリに聞こえることもあります。元々の中低音の強さとのバランスをとるために、高音も強めたことで若干ドンシャリサウンドに寄っているという印象です。
3Dムービーモードと、3Deスポーツモードは、それぞれ映画とゲーム向きの音質傾向になるモード。モニターモードとは違って、ダイナミックドライバーのいいところがより強く出る印象があります。
この音質調整機能が、非常に面白いです。
そのうえ、それぞれのモードに違和感が全くありません。どのモードでも、音のバランスが取れており違和感なく楽しめます。各モードの品質が高いので、実用的です。
バイブレーション機能が面白い
CVJ-Konokaには、バイブレーション機能が搭載されています。3Dムービーモードと、3Deスポーツモードでバイブレーションが楽しめるのが特徴です。
どちらのモードもより定位感がハッキリし、立体感のある音が特徴的。立体感のある音に加えて振動があるので、映画やゲームの臨場感がよりアップします。
低音の沈み込み、爆発音のような轟音の響き方、歪み音など音の迫力が高いです。これらの音に連動して振動が伝わるのが、いいところ。
ネタ機能ぽいけど、どうなの?
あや
よしぞー
意外と実用的だなという印象があるよ
音に触覚が加わることで、より音がわかりやすくなります。ゲームなどでは、案外実用的な機能です。
フィット感と安定感が高い装着感
CVJ-Konokaは、装着時のフィット感が良好です。耳の形などにもよりますが、耳が特別大きい人や小さい人でもない限り、良好なフィット感が感じられます。
安定感も高く、普通に生活していて外れそうになることはなかなかありません。外出時、少し小走りをしても安定しているので、どのような場面でも使いやすいです。
また、付属のケーブルは耳の外周に沿うようになっています。耳に引っかけて使えるので、より安定感が高くなるのがいいところです。
CVJ-Konokaの気になる点をレビュー
ここまで、CVJ-Konokaの良いところをレビューしてきました。音質もギミックもクオリティが高いです。価格帯を考えると、デメリットはあまり感じられません。それでも、少し気になる部分はあります。
そこで今度は、CVJ-Konokaの気になる点についてレビューしていくので、自分に合う製品かどうか見極めたい方はぜひご参考ください。
筐体に少しおもちゃ感がある
本機は若干クリアなデザインが特徴的です。全体的にハッキリと内部が見えるわけではなく、一部分から内部がうっすらと透けて見えるという程度。見ようとしたら見えますが、パッと見はクリアではないようにも見えます。
このようなクリアデザインは、少しおもちゃ感が出るのが難点です。
好きな人はとことん好きなデザインですが、合わない人にはとことん合いません。
また、本機の場合は価格帯的にデザインにかけられるコストもあまり高くはなく、あまり洗練されていない印象もあります。そこが、よりおもちゃのようなチープ感を際立たせているのが特徴。
ただ、前述の通り好きな人には刺さるデザインです。昔のクリアカラーのゲーム機が好きな方には、おすすめだと言えます。
付属イヤーピースでは振動が弱め
CVJ-Konokaの振動機能は、案外実用的で面白い機能ですが、付属のイヤーピースでは振動が少し弱く感じられてしまいます。
強めの振動を想像していると、少し肩透かしを食らう可能性があるので注意しましょう。耳に直接振動が来るというよりは、イヤホン内部でスプリングが振動しているイメージです。これが付属のイヤーピースでは、耳に伝わるときには振動が弱まっているような印象。
また、音に関してもイヤーピースによって大きく変わる傾向があります。
イヤーピース選びが、CVJ-Konokaにおいては重要です。既にさまざまなイヤーピースを持っている方や、イヤーピースにこだわってみたい方にはおすすめ。
ただ、余計な出費をしたくない方や、付属イヤーピースで最大限の効果が得られるイヤホンが欲しい方には合わない可能性があります。
CVJ-Konokaはこんな方におすすめ!
- 低価格帯でリケーブル可能なイヤホンが欲しい方
- 気分や用途によって音質傾向を使い分けたい方
- ギミックに興味がある方
- 低価格で音質がいいイヤホンが欲しい方
- コスパ重視の方
CVJ-Konokaは、以上のような方々におすすめです。
本機は低価格帯で、リケーブル機能を備えています。さまざまなケーブルのなかから、自分に合うものを選べるのがいいところです。ケーブルにより音が変わるので、ケーブルで遊びはじめるとより長く楽しめます。
リケーブルに興味がある初心者の方には、非常にいい選択肢です。
さらに、本機はギミックも特徴的。気分や用途によって使い分けられるのが、いいところです。
単純にギミックに興味があるという方も、購入して損はありません。
そして、ギミックを抜きにしても本機は魅力的です。5000円以下で購入できるイヤホンの音質としては、非常に良好。1DD+1BAの構成のいいところが、存分に感じられます。
低価格で音質がいいイヤホンが欲しいコスパ重視の方や、ハイブリッドドライバーに興味がある方にもおすすめです。
まとめ|音質とギミック重視の面白いイヤホン
本記事では、CVJ-Konokaの良いところと気になる点についてレビューしてきました。
デザインとイヤーピース選びが重要なところなど、気になる点も解説しましたが、値段を考えると気にならないレベルです。この値段でリケーブル、DIPスイッチ、振動と3つのギミックを搭載しているのは破格。
それだけでなく、音質も重視されているのが非常に魅力的です。
低価格で恩s津とギミックを重視した面白いイヤホンを探している方には、特におすすめですよ。