キーボードには、サイズごとに種類があります。全てのキーが揃った最も一般的な形がフルサイズ、テンキーだけ切り取られた形がテンキーレス(TKL)。
そして、エンターキーから右が全て無く、F1~F12キーが無いのが60%キーボードです。
スマホは年々大型化していますが、キーボードは年々小型なものの需要が増えてきました。テンキーレスはもう随分と一般的になりましたが、60%キーボードはまだまだ普及していません。
今回は、そんなコンパクトなキーボードであるテンキーレスと60%キーボードのメリット・デメリットを比較し、どのように選べばいいのかについて考察していきます。
目次
テンキーレスのメリットを2つ簡単に紹介します
まずは、テンキーレスから紹介しましょう。テンキーレスキーボードのメリットは、2つあります。後ほど語る60%キーボードと何が違うのか、どの点においてどちらが優れているのか、または劣っているのかを考える材料として参考にしてみてくださいね。
コンパクトでデスクを圧迫しない
テンキーレスキーボード最大のメリットは、サイズがコンパクトなことです。比較的狭いデスクを使っていたとしても、デスクの幅を圧迫しません。120cmデスクにテンキーレスを置けば書類スタンドなどを置いてもまだまだ余裕が十分あり、100cmデスクでも小物・各種スタンド類を置くことができます。
デスクに色々置きたい人には、大きなメリットです。
マウスとの距離を近づけることができる
コンパクトさの恩恵は、デスクを圧迫しないこととさまざまなものを置く余白ができることだけではありません。
キーボードとマウスとの距離を近づけることができるのも、テンキーレスキーボードのような小さいキーボードのメリットです。
キーボードとマウスの距離を近づけることにより、右手の移動距離を短くすることができます。地味な効果に感じるかもしれませんが、案外マウスとキーボードとの往復で手の疲労はたまるものです。
テンキーレスに変えたら疲労が軽減されるというのは、大きな効果だと言えるのではないでしょうか。
テンキーレスのデメリットを簡単に紹介します
テンキーレスのメリットは、とにかくコンパクトさの恩恵といった感じでしたね。
一方、テンキーレスが無いこと自体がデメリットになります。
テンキーは、数字を打つのに特化したキーです。数字が正方形状に均等に並んでおり、手を動かすことなく全てのキーに指が届きます。数字の配置も電卓と同じなので、親しみやすいです。
圧倒的に数字が打ちやすいんですよね。
テンキーレスキーボードの場合、数字は上部に一列に並んでいる部分のみです。横一列なので数字を打つ際に手の移動が大きくなってしまいます。単純に打ちにくいですし、案外疲れるんですよね。
ただ、他に目立ったデメリットは、ほとんどありません。
60%キーボードのメリットを3つ簡単に紹介します
続いて、60%キーボードについて紹介していきます。まずはメリットからです。60%キーボードはメリットとデメリット両方とも大きいので、しっかりと吟味しましょう。60%キーボードには、以下の3つのメリットがあります。
一番コンパクトなキーボード
60%キーボードは、普通にタイピングできるキーボードの中で最もコンパクトな形です。エンターキーから右が全部無いので、フルサイズと比べると十数センチも差が出ます。テンキーレスと比べても数センチは違ってくるので、それぞれのキーボードから60%に変えると驚くでしょう。
テンキーレスのメリットで語ったような「物を置く余白ができる」という恩恵を、さらに突き詰めた形です。
そのうえ、置く場所も自由自在。普通なら考えられないようなスペースにも置けるので、デスクの配置の自由度がグーンと上がります。
持ち運びも非常に便利です。
マウスとの距離をさらに近づけられる
60%キーボードは、テンキーレスよりもさらにマウスとの距離を近づけることができます。右利きの人ならエンターキーのすぐ隣、左利きの人なら半角キーのすぐ隣にマウスを置けるんです。
これにより、疲労軽減効果がアップします。
さらに、どんなマウスパッドを使っても邪魔になりません。大きいマウスパッドも使いやすいですよ。
また、トラックボールを使っている場合は、コンパクトさと疲労軽減効果をより高く感じることができるでしょう。
足りないキーをセカンダリ機能で補える
60%キーボードのデメリットでも語るのですが、60%キーボードにはフルサイズと比べると足りないキーが多いですよね。テンキーが無いうえに、デリートキーも矢印キーもありません。
ただ、60%キーボードのほとんどにはセカンダリ機能がついています。
これは、簡単に言えば足りない矢印キーなどの代わりをしてくれる機能です。たいていは、Fnキーを押しながらさまざまなキーを押すことで、機能します。
60%キーボードを買っても、F1~F12などのファンクションキー、矢印キーなどが全く使えないわけではありません。
60%キーボードのデメリットを3つ簡単に紹介します
60%キーボードはテンキーレスよりもコンパクトでメリットが大きいですが、同時に削っている部分も多いのでデメリットも大きいです。そんな60%キーボードのデメリットを3つ、それぞれ簡単に紹介します。
作業効率が落ちるケースもある
テンキーレスの「数字入力がしにくい」というデメリットは、当然60%キーボードでも同じです。
そのうえ、60%キーボードはさまざまなキーがありません。たとえば動画編集をする人はF1~F12キーや矢印、デリートあたりを使う頻度が他の人より高いでしょう。セカンダリ機能があったとしても、F1を使うときはFnキーと1を同時押ししなければなりません。
手間がかかり、作業効率が落ちます。
セカンダリ機能の配置がモデルごとに異なる
セカンダリ機能のキー配置は、メーカー・モデルごとに異なります。たとえば矢印キーのセカンダリで最も多いパターンは、「Iが上」「Jが左」「Kが下」「Lが右」です。
それがHyperX Alloy Origins 60というモデルでは、「スラッシュが上」「ALTが左」「アプリケーションキーが下」「CTRLキーが右」となっています。
いずれも配置の形自体は感覚的にわかりやすいですが、60%キーボードを愛用する場合はモデルを変えると配置を覚え直す必要がある可能性が出てくるので、大変です。
選択肢が少ない
60%キーボードは、他のタイプに比べてまだまだ一般的とは言い難いです。ゲーマーを中心として需要が伸びてきてはいるものの、まだまだ選択肢は少ないという現状があります。メーカーラインナップのうちの1種類だけというケースもありますし、各シリーズで1つだけというケースも少なくありません。
たとえばRazerは「BlackWidow V3 Mini」「Huntsman Mini」の大きく2種類です。一覧で見ると多く見えますが、同型機種の色違いや軸のタイプ違いでラインナップ分けされて多く見えているだけとなっています。
「BlackWidow V3 Mini」は厳密に言えば矢印キー搭載の65%なので、純粋な60%は実質「Huntsman Mini」のみです。
キーボードをたくさん出しているメーカーでも、1~2モデルなので当然選択肢は狭まります。
メリット・デメリットの比較結果! どちらにも優位性はある?
テンキーレスと60%キーボードのメリット・デメリットが出揃ったところで、どういう選び方をすれば良いのかについて考察していきます。メリット・デメリットを比較した結果、このような選び方ができることがわかりました。
文書作成・プログラミングをするならテンキーレスのほうがいい
文書の作成やプログラミングをする人で、コンパクトなキーボードが欲しいならテンキーレスキーボードの方が良いです。
どちらも、矢印キーを使う頻度が高いんですよね。文章を書くときは誤字を見つけた際などに矢印キーでカーソル移動をしますし、プログラミングでもチェック時など矢印キーを使う頻度が高いです。
毎回毎回セカンダリ機能を使っているとストレスになるので、テンキーレスのほうが向いています。
ゲームなど趣味にのみ使うなら60%のほうが便利なケースがある
文章作成・プログラミングや仕事には使わず、ゲームなど趣味にのみ使うキーボードを探している人は60%のほうが便利なケースがあります。
たとえばゲーム用なら矢印キーなどは、ほとんど使わないでしょう。移動はWASDキーで行いますから。
左利きの人もキーコンフィグで右側のキーをWASDキーの代わりにすれば、問題なく使えます。覚えるのが面倒ならテンキーレスのほうが便利ですが、そうでないのなら60%のほうが良いでしょう。
デスク上の配置の自由度を高めたいなら60%がおすすめ
何よりもデスク上の配置の自由度を高めたい! という人には、60%キーボードがおすすめです。テンキーレスも自由度が高くなりますが、比較するとやはり60%キーボードの方が良いですからね。
たとえばHuntsman MiniとテンキーレスのRazer BlackWidow Liteを比べてみましょう。
テンキーレスの方は幅361mmで、Huntsman Miniは幅293.3mmです。約7cmの差が出ていますね。
覚えるのが苦手・嫌いな人はテンキーレスがおすすめ
60%キーボードは、どうしてもセカンダリ機能を覚える手間がかかります。モデルによってはセカンダリ機能に対応したキーに矢印などが印字されているケースもあるんですが、無いモデルも多いです。
覚えないと不便なところがあります。
覚えるのが苦手な人や嫌いな人は、テンキーレスを使ったほうが良いでしょう。
メリットデメリットを比較して自分に合ったキーボードを選ぼう!
テンキーレスキーボードと60%キーボードの比較をしてきました。コンパクトかどうかだけで比べれば60%のほうが圧勝ですが、用途を踏まえて利便性を比較すると一長一短だということがわかります。
「絶対テンキーレス!」「絶対60%のほうがいい!」ということは、決してありません。
しっかりと比較検討して、自分に合ったキーボードを選びましょう。