キーボードについて語る掲示板などがあると、必ず話題にあがるのが東プレのリアルフォースです。
おすすめとして語る人がとにかく多いのですが、いかんせん高い! 一般的には1万円を超えると高いキーボードだと言われますが、リアルフォースは当たり前のように2万円を超えてきます。
気軽に買えるものではありません。しっかりと吟味して、買うかどうか検討したいですよね。
そこで今回は、東プレ「リアルフォース」の評価・評判・口コミと、スペックや各モデルの違いを紹介していきましょう。
目次
東プレのリアルフォースとは? 概要・スペックを解説
口コミなどを紹介する前に、まずは東プレ「リアルフォース」の概要やスペックについて説明します。モデルごとに細かい違いはあるものの、これから語る特徴は共通している点です。これを見れば、リアルフォースがどんなキーボードなのかがわかります。
静電容量無接点方式の高級キーボード
東プレ「リアルフォース」は、静電容量無接点方式です。メカニカルなどとは違い、スイッチに物理的接点が無いタイプになります。静電容量という難しい言葉ですが、噛み砕いて言えば電気の力でスイッチのオンオフを切り替えているようなものです。
メカニカルキーボードの物理的なスイッチと違い、音があまりないのが静電容量無接点方式の特徴となります。
この方式のキーボードは比較的コストがかかるためか、メカニカルやメンブレンと比べても高いモデルが多いです。
リアルフォースは静電容量無接点方式の中でも高い方ですが、この方式のスタンダードのように語られるだけの魅力がたくさん詰まっています。
耐久性が高い
リアルフォースは、耐久性の高さに定評があります。一生モノと語る人もいますが、それはさすがに誇張かもしれません。ですが、そう評価したくなるほどに壊れないんです。
公称値だと、初代リアルフォースで3000万回、現行第2世代のリアルフォースR2で5000万回のタッチに耐えるということになっています。
耐久性の高さはリアルフォースのつくりが堅牢なのも理由ですが、静電容量無接点方式の特徴のひとつなんです。物理的接点が無い分、壊れにくくなっています。メカニカルなどの物理的接点があるスイッチだと、どうしても摩耗したり劣化したりするんですよね。
値段は高いものの、数千円の安いキーボードを何年かごとに買い換えるよりは安くつく可能性があります。
リアルフォースの購入を検討する際は、耐久性も含め「どれだけの期間愛用するのか」を考えるとコストパフォーマンスの判断がしやすいですよ。
チャタリングが理論上発生しない
チャタリングというのは、スイッチのオンオフの切り替えのブレによる誤作動のことです。たとえば物理的な接点のあるスイッチの場合、オンになった瞬間に接点がぶつかって跳ね返り、オンオフを繰り返してしまうことがあります。
これにより同じキーがなぜか連続で2回押されたりすることが、あるんです。チャタリングとは逆に、押しているのにたまにオンにならないというケースもあります。
リアルフォースは、キー入力のオン位置とオフ位置に差があり、理論上チャタリングが発生しない仕組みになっているんです。静電容量無接点方式の特徴でもありますが、特に東プレの同種のキーはチャタリングしないことで評判なんですよ。
たとえば、セブンイレブンのATMは東プレの静電容量無接点方式を採用しているようです。お金に関するものなのでチャタリングが発生するのは絶対避けたい、ということで採用されていることから、東プレのキーのチャタリングの無さへの信頼がうかがえますね。
ソフトタクタイルフィーリングという独特な打鍵感
リアルフォースの打鍵感は、少し独特です。他の静電容量無接点方式とも、少し違います。
底打ちするまで「カチッ」というスイッチ感が全く無く、かと言って抵抗が全く無いわけでもありません。押していくと徐々に重くなって荷重が抜けていくような感覚になります。慣れるまでは違和感があるかもしれませんが、慣れれば快適で疲れにくくなるんです。
もちろん、疲れにくさは押下圧によっても変わります。
この独特な打鍵感はソフトタクタイルフィーリングと呼ばれ、親しまれているんです。静電容量無接点方式は楽しくないと言われていますが、リアルフォースは独特な楽しさがありますよ。
Nキーロールオーバー対応
リアルフォースは、Nキールオールオーバーに対応しています。ロールオーバーは「同時押ししたときに押したキー全てを認識してくれるキーの数」を指すもので、たとえば3ロールオーバーだと「3キーを同時押ししても全て認識する」ということになるんです。
Nキーロールオーバーは、「全キー同時押し対応」だと言われています。
どれだけ同時押ししても入力はしてくれるので、データ入力等に便利です。ゲームでもボタンを同時押しするようなシチュエーションがあるなら、嬉しい仕様ですよね。
ちなみに、評価が高いメンブレンキーボード「Logicool G213」は7キーまでは一応認識してくれます。6キーロールオーバーが正常に作動していれば、全キーボードの中では良い方です。
地味な機能かもしれませんが、全てのキー同時押しに対応しているのは高級キーボードの特権といったところがあるんですよ。
選べる押下圧
リアルフォースは、モデルによって押下圧が変わります。
押下圧というのは、キーを底まで打ち込む際にかかる圧力のことです。軽ければ軽いほど、打鍵感も軽くなり、疲れにくくなります。一方で慣れるまではピーキーに感じ、入力ミスが増えることもあるんです。
軽ければ良いというわけでも、重ければ良いというわけでもなく、自分に合う押下圧を見極めるのが重要だと言えます。
リアルフォースの押下圧は、30g、45g、55gと変荷重の4種類です。
変荷重というのは、キーによって押下圧が変わる作りのことを指します。リアルフォースの場合は30g、45g、55gに変化するんです。
指をホームポジションに置いたとして考えます。親指、人差し指、中指で押すキーは重めに設定されており、力が入りにくい薬指や小指で押すキーは軽めに設定されているんです。ホームポジションでタイピングを行う人にとっては、快適な押下圧だと言えるでしょう。
東プレ リアルフォースの評判・口コミを見てみよう
ここまで、東プレ リアルフォースの機能やスペックについて紹介してきました。今度は、Twitterの意見など実際の口コミ・評判をもとに、リアルフォースの良し悪しについて考えていきましょう。
打鍵感に関する口コミ
手放しに褒めている人もいれば、他のキーボードと比較して「苦手」としている人もいますね。
幸せになる打鍵感という口コミにあるように、「ずっと触っていたくなる」などタイピングの楽しさに着目した意見が多いです。一方で苦手だとしている人もいるので、楽しめるかどうかは好みによるところがあるんでしょうね。
押下圧が軽いモデルを買う人も多く、そういった人からは「軽い」「疲れにくい」「楽」という評価が大きいです。押下圧に関しては悪い意見をほとんど聞かないので、自分に合った圧さえ選ぶことができれば満足できるでしょう。
問題は打鍵感の好みです。
展示している店が近くにあれば試してみるのも良いですし、無い場合はセブンイレブンのATMで確かめてみるのも良いでしょう。
同社の製品なのでセブンATMの打ち心地が好きなら、リアルフォースの打鍵感も合う可能性が高いです。
音に関する口コミ
音に関しては個人の感覚による部分もあるので、抽象的な意見がほとんどです。上記は好意的な意見ですね。
リアルフォースのほとんどは、スコスコといった独特の音が鳴ります。リアルフォースは静電容量無接点方式の中では、比較的キーキャップが厚いです。ストロークが長めになっているため、物理的接点がなかったとしても押したときの音は鳴ります。
それでいて物理的接点がなくカタカタという音はしないので、スコスコと空気が混ざったような音になるのではないでしょうか。
ただ、この音にも好みがあるようです。
実際にゲーミングモデルのみ打鍵感や打鍵音が微妙に異なりますので、それを不快だと感じる人もいます。
音は動画でもチェックできるので、気になる人は動画等で確認してみましょう。
デザインに関する口コミ
見た目は完全に好みもあるので、賛否両論激しいです。一番かっこいいデザインだという人や大好きだという人もいますが、Windows向けのデザインは苦手という人もいます。特にMacは比較的良いけど、Windows向けはダメという意見が多いです。
確かにリアルフォース(for Windows)は、デザインが少し古い印象があります。特にアイボリーカラーは、昔のモニターがブラウン管だった頃のPCを思い起こさせるようなものです。
ただ、Mac向け・Windows向け、カラーリングに関係なくあまり好みではないと評価する人もいます。
気になる人は動画や実物を見てチェックしましょう。
東プレ リアルフォースはどんな人におすすめなのか?
ここまで、東プレ「リアルフォース」について語ってきました。特徴をまとめると、以下のようになります。
- 静電容量無接点方式を採用している
- 耐久性が高い
- 音はスコスコとなるが静か
- 押下圧の種類が豊富で30gは軽くて楽
- チャタリングがない
- Nキーロールオーバー
一方、評判は以下のようになっていました。
- スコスコという音が好きという人もいれば合わない人もいる
- 打鍵感は好きという人が多いが、中には苦手な人もいる
- デザインはMac向けのほうが評価が高いものの、総じて否定的意見が多め
以上の内容から、東プレのリアルフォースは次のような人におすすめです。
- クオリティの高い静電容量無接点キーボードを探している人
- 長く使えるキーボードが欲しい人
- 性能ではなく押下圧だけで比較して自分に合うものを探したい人
- チャタリングが無く扱いやすいキーボードを探している人
- お金に余裕のある人
好みはあるものの、リアルフォースはとてもクオリティが高いです。しっかりとした機能があり、タイピングの安定感があります。同じような性能で押下圧が異なるモデルがあるので、モデル選びは押下圧の好みで行うことも可能です。
ただ、お金に余裕が無い人にはおすすめできません。
あとは打鍵感・デザイン・音の好みの問題なので、店頭や動画などでチェックしてみましょう。
東プレ リアルフォースのモデルの違いを徹底解説! 選び方を考えよう
東プレ「リアルフォース」には、さまざまなモデルがあります。
リアルフォースを購入するか決めるときの基準は紹介しましたが、モデルの違いに関してはまだ触れていませんでした。最後に、リアルフォースのモデルの違いから選び方について紹介していきます。
選ぶ基準は下記になりますので、その中でトピックについて解説していきましょう。
- OSによる違い(Windows or Mac)
- キーボードサイズ(フルサイズ or TKLサイズ)
- 本体カラーの違い(ブラック or アイボリー)
- レイアウト(日本語 or 英語)
- APC機能の有無
- スイッチ音(標準 or 静音)
- キー荷重(30g or 45g or 55g or 変荷重)
APC機能の有無
リアルフォースを選ぶ上で悩むのがAPC機能の有無です。
APC機能は、アクチュエーションポイントを変えることができる機能のことです。アクチュエーションポイントは、簡単に言えば「スイッチがオンになる位置」のこと。浅めに設定すればするほどすぐ反応してくれるようになる一方で、軽く触れただけで認識するためタイプミスが増える傾向があります。
これを1.5mm、2.2mm、3mmの3段階で調節可能です。
実際私はAPC機能付きモデルを購入しそれぞれのアクチュエーションポイントを試しましたが、ゲーミングがメインであれば1.5mmに設定する、タイピングメインであれば2.2㎜に設定するなどといった使い分けが出来て便利だと感じました。
ただし、ほとんどユーザーは一般的なアクチュエーションポイントである2.2㎜に設定して、それ以降、APC機能で調整することはないと思います。私も最初だけでした。
APC機能が付くことで値段も高くなりますので、アクチュエーションポイントを短くしたい、長くしたいというこだわりがある方以外は、APC機能を付けなくても問題はありません。
スイッチ音
リアルフォースは標準と静音の2種類のキーが用意されています。
標準タイプも静音タイプもスコスコとした音が鳴ります。
標準タイプはスコスコですがカチカチとした音も多少入ります。
静音モデルは、音が限りなく小さくなっていますが、それでもある程度スコスコと音はなります。完全な静音モデルではありません。
私は静音タイプを選びましたが、音がうるさいと感じたことはなく、心地よいレベルです。
30g or 45g or 55g or 変荷重から選ぶことが可能
リアルフォースは、押下圧が30g・45g・55g・変荷重の4種類から選ぶことが可能です。PFU Limited Editionは45gとなっています。
その中で変荷重は、30g、45g、55gのキーが混在されており、小指など力を入れづらい場所には30gが、力の入る部分には45gが配置されているというこだわった仕様になっています。
45gが一般的なキーボードのスタンダードな荷重になりますので、それよりも軽いタッチが良いか、重さを求めるかでチョイスしましょう。
押下圧はどれを選べばいい?
モデルによってラインナップされている押下圧の種類が違いますが、押下圧で選びたい人のために選び方の指標を紹介しましょう。
特に話題になるのが「30gと45gとはどっちがいいか」ということです。55gは、重めの打鍵感が好きな人や力を入れてタイピングする人に向いているというのがわかりやすいので、あまり話題になりません。
30gと45gの違いは、一見わかりにくいです。
こればかりは実際に体験しないと、実感はできないでしょう。
考え方としては、普段どれくだいタイピングするか、普段どんな使い方をするのかで判断するのがおすすめです。
1日数時間タイピングをするヘビーユーザーなら、30gが合うでしょう。45gのキーを打つときとは疲労感がまるで違います。特にライター、データ入力、ブロガー、プログラマーなどの仕事についている人は30gと相性が良い可能性が高いです。
一方、そこまでヘビーに使うわけではなく、ゲームなどの趣味程度に使うという人の場合は45gが合う可能性があります。ゲームの場合は軽すぎると操作感が薄くて、違和感があるという人もいるんです。打鍵感が欲しいなら45g、業務等での疲れを軽減させたい人は30gが良いでしょう。
私は30gを選びました。最初は軽さからのタイプミスも誘発されましたが、慣れてくると長時間のタイピングでも疲れずに打ち続けられる為、重宝しています。
「R2 RGB」は他のモデルと何が違うのか
型番・商品名等にRGBと付いているリアルフォースは、ゲーミングモデルです。TKLの「R2TLA」とフルサイズの「R2A」とにRGBモデルが用意されています。どちらも、性能としてはほとんど変わりません。
簡単に言えば、LEDバックライトを搭載している光るタイプのキーボードです。専用ソフトウェアを使えば、1,680万色から好きな色を選んでカスタマイズできます。
ゲーミングモデルではあるものの、静電容量無接点方式を採用しているところが特徴です。押下圧は45g、APC搭載となっています。
他のモデルと違うのはLEDバックライトだけではありません。
キーキャップが2色成形になっているんです。通常はプリントしているキーの印字を、2色のキャップを組み合わせることによって浮かび上がらせているため、摩耗して印字が消えることはありません。
光るリアルフォースが欲しい人などにおすすめです。
「PFU Limited Edition」って何?
PFUというのは、HHKBシリーズという静電容量無接点方式でリアルフォースと並ぶほど人気のモデルをつくっているメーカーのことです。PFU Limited Editionは、そんなPFUとコラボした特別仕様版となります。静電容量無接点方式で名を馳せている2大メーカーのコラボということで、キーボードマニアには話題になりました。
APC、静音キースイッチなどこれまで語ってきた機能は軒並み搭載されています。
押下圧はHHKBで評判の良い45gです。
通常モデルと違うのは、APCと静音スイッチだけではありません。
通常モデルは印字がレーザー印刷となっていますが、PFU Limited Editionは昇華印刷となっています。専用インクで印刷したシートとキーを圧着して、高温で熱することで、表面に薄く染み込むように印字されるという手法です。
染み込んでいるのでキーキャップ自体が摩耗しない限りは、文字が消えません。2色成形よりは消えやすく、レーザー印刷よりは消えにくいと覚えておけば良いでしょう。
さらに、デザインも通常モデルとは異なります。他にもキーキャップが付属するなど、細かい違いがあるんです。
多機能かつ特別感のあるモデルがほしい人には、おすすめですよ。
ただ、価格は他より高めです。
東プレ リアルフォースは値段にふさわしいハイスペック! こだわり派は要チェック
東プレ「リアルフォース」は高級キーボードで、手が出にくいという人もいるかもしれませんが、値段にふさわしいハイスペックかつハイクオリティな静電容量無接点方式キーボードとなっています。
静電容量無接点に興味があり、なおかつキーボードにとことんこだわりたい人におすすめですよ。
オーソドックスなモデル。フルサイズ・ブラック・日本語配列・APC無し・標準・45g圧のリアルフォース
私の愛用しているテンキーレス、ブラック・日本語配列・APC有り・静音・35g圧のリアルフォース