日常的にも、車中泊・レジャーにも使えて、さらに災害時などの緊急時にも使えるポータブル電源。
そのなかでも人気が高い製品のひとつが、EcoFlow DELTA2です。バッテリー容量が大きく使いやすいと評判のポータブル電源で、高性能なのが売りになっています。
そして、それとあわせて使われることがあるのが、EcoFlowの220W両面受光ソーラーパネルです。
どちらも人気で評判が良いですが、値段もかなりのもの。実際にどのような使い方ができるのか、充電スピードは十分なのかなどを知らなければ購入に踏み切りにくいでしょう。
そこで今回は、EcoFlow DELTA2と220W両面受光ソーラーパネルの特徴と性能について、徹底的にレビューしていきます。
目次
EcoFlow DELTA2+220Wソーラーパネルの仕様
まずは、EcoFlow DELTA2と、220W両面受光ソーラーパネルそれぞれの仕様・スペックについて、簡単に紹介していきます。基本的な部分をレビューしていくので、どのような仕様なのか気になる方はぜひご参考ください。
EcoFlow DELTA2の仕様
- バッテリー容量:1,024Wh
- 容量拡張可能
- 本体重量:約12㎏
- 寸法:40.0×21.1×28.1cm
- AC急速充電:50分で80%まで/80分で満充電(最大入力1,200W)
- 定格出力:1,500W
- X-Boost:対応(最大出力1,900W)
- アプリ接続対応
- 出力ポート数:合計15(ACポート×6/DCポート×9)
- DC出力:USB-C(100W)×2/DC5521×2
- ソーラー充電:最大入力500W
- 蓄電池の種類:リン酸鉄リチウムイオンバッテリー
- サイクル寿命:約3,000回
本体サイズはかなり大きいですが、バッテリー容量も1,024Whと容量が大きいです。容量だけならより大きい製品がありますが、容量拡張が可能な点が大きなメリットとなっています。
さらに、本体重量はシリーズ内で最も軽いです。12kg程度で取手も掴みやすい形状のため男性であれば片手で持ち歩けるレベルです。
そして、出力ポートが15と多いのも特徴。スマホやカメラ、パソコン、ゲーム機、スピーカーなどさまざまな機器と接続できます。洗濯器や車載冷蔵庫などの家電はもちろん、照明器具にも対応しており幅が広いです。
普段からもスマホなどで便利に使えますし、車中泊でも非常に便利。キャンプでスピーカーを使うときにも使えますし、活用の幅が非常に広いです。
サイクル寿命も約3,000回と多いので、気にせずガンガン使えます。
また、X-Boostにも対応。
X-Boostって何?
あや
よしぞー
出力を上げられる機能だね
定格出力が1500Wと高いので、これだけでもほとんどの家電を動かせます。それでも足りないものがあったときに、X-Boostを使うことで最大1900Wまで上げられるという機能です。
活用する場面は少ないものの、あれば嬉しい機能だと言えます。
EcoFlow 220Wソーラーパネルの仕様
- サイズ:82×183×2.5cm
- 重量:約9.5㎏
- 変換効率:22~23%
- 定格出力:表面220W/裏面155W
- 接続タイプ:MC4
- 開路電圧:21.8V(Vmp18.4V)
- 短炉電流:13A(Imp 12.0A)表面/8.8A(Imp8.4A)裏面
- セルタイプ:単結晶シリコン
本機は、持ち運びを前提に設計されたソーラーパネルです。
特徴的なのは、両面受光。一般的なソーラーパネルは表面からのみ太陽光を集めますが、本機は裏面からも太陽光を集めます。裏なので2倍とまではいかないまでも、表面のみよりも効率が良くなるのが魅力です。
さらに、基本的なスペックが高いのが特徴。
ケイ素を使ったシリコン製の血症が規則正しく並んでおり、発電効率がいいです。
2枚接続した並列接続も可能と、ソーラーパネルとしては特徴に富んでいます。
EcoFlow DELTA2の特徴・性能をレビュー!
EcoFlow DELTA2は基本的な性能が高く、ポート数が多いのが特徴だと説明しました。ただ、カタログスペックで見るのと実際の使用感とは異なる場合があります。そこで今度は、EcoFlow DELTA2の特徴と性能についてより詳しくレビューしていくので、ぜひご参考ください。
電源やケーブルを挿せば使えるシンプルさ
EcoFlow DELTA2の使い方はとてもシンプルで、使用した家電製品やスマホ・PCなどの電源コンセント・USBケーブルを差し込み on/offボタンを押せば使えます。
細かな設定は必要なく、シンプルに使えるのがDELTA2の良さです。
情報を表示するモニターも必要な情報のみ表示されるためとてもわかりやすいです。
DELTA2で大抵の家電を動かすことができる
DELTA2は1,500Wの定額出力、X-Boostで最大1,900Wの出力が可能です。
この数値は一般的な家電であればほぼ使うことができ、写真に掲載しているようなケトル、コーヒーメーカー、ドライヤーはもちろん電子レンジや冷蔵庫、洗濯機なども使うことが可能です。
キャンプや車中泊で食材を温めたり飲み物を冷やしたり、電気毛布で暖を取ったりといった使い方はもちろん、災害時や停電時に重宝します。
容量の拡張が可能!大容量にできる
本機は、容量の拡張が可能です。
基本のバッテリー容量は、1024Wh。この時点でも大容量ですが、さらに容量を大きくできます。
専用のエクストラバッテリーが販売されており、これを使用すれば最大2048Whまで拡張可能です。純粋に倍になるので、バッテリー持ちが非常に良くなります。
さらに、DELTA MAX専用エクストラバッテリーも使用可能。こちらを使った場合は、3040Whになります。
対応バッテリーが二つあるんだね?
あや
よしぞー
容量以外の性能も変わるから慎重に選ぼう!
DELTA2専用バッテリーは、リン酸鉄系のバッテリーです。サイクル寿命は3000回。本体に最初から付いているのと同じです。
一方DELTA MAX専用バッテリーは、三元系のバッテリー。より小型でパワフルなのが魅力のバッテリーです。
ただし、サイクル寿命は約800回と短くなっています。
なお、拡張バッテリーの接続数は1台まで。容量を取るか寿命の長さを取るか、じっくり検討しましょう。
ちなみにリン酸鉄系のバッテリーの方が三元系と比較して安全性能も高いです。
充電スピードが速い
EcoFlow DELTA2は、充電性能が高いです。
AC電源(最大1200W)で、約80分で満充電になります。50分間で80%まで充電できるというのもあり、EcoFlow DELTA2は充電スピードが非常に速いです。
ソーラーでも、500W(11-&V/15A)で約3時間からとなっています。アウトドアや防災のために使う場合はソーラーが重要。ソーラー充電でも最短3時間程度で充電できるのは、嬉しいポイントです。
車中泊で使うために車載させておくにしても、シガーソケットで約11時間なので使いやすいと言えます。
一方、よく比較対象になるEFDELTAの場合、AC電源で1.6時間。容量を考えると十分速いのですが、DELTA2はその半分の時間で充電が可能です。
次世代パススルー充電が便利
EcoFlow DELTA2は、次世代パススルー充電に対応しています。
パススルーってなんだっけ
あや
よしぞー
AC電源で充電しつつ、他の機器に給電することだね
DELTA2はパススルー状態で使うと、給電先の機器にはAC電源側から電力を供給するのが特徴です。
通常のパススルーは、「本体を充電しながら本体のバッテリーで給電を行う」というもの。この場合は、本体バッテリーに大きな負荷をかけて寿命が短くなります。同時に、本体の充電がままならなくなるのがデメリットです。
一方次世代パススルー充電の場合は、本体のバッテリーを使わないので寿命を長く保てます。そのうえ本体の充電もしっかりできるので、非常に便利です。
重量が比較的軽い
EcoFlow DELTA2は、重量が比較的軽いのも特徴です。
え、12㎏で軽いの?
あや
よしぞー
この手の大型のポータブル電源にしては軽い方だよ
12㎏なら、両手で移動するのも比較的楽だと言える範囲内です。もちろん重さを感じますが、重くて場所を移動したくなくなるほどではありません。
EFDELTAは約14㎏だったので、2㎏も軽量化されたことになります。これは三元系からリン酸鉄に変わったこともありますが、拡張なしの容量が減ったため軽量化されたというのが大きいです。
次世代パススルーや拡張で容量減量を補いつつ、デフォルト状態の軽量化を行っているのが良いところだと言えます。
大きいけど大きくない程よいサイズ感
EcoFlow DELTA 2を愛用していて良かったと感じる事の一つに、1,024Whという大容量サイズなのにコンパクトに収まっている事があります。
車中泊で使用するケースでは、ポータブル電源は容量が大きければ大きいほど良いのですが、ポータブル電源に容量を取られてしまうと他の荷物が収納できなくなります。
厚みも高さもちょうど良く、車の中に収納してもストレスなく使用できるのは本当に良いですね。
アプリ操作可能で便利
EcoFlow DELTA2は、専用アプリを使って操作できます。
スマホにアプリをインストールしておけば、遠隔操作と状態の確認が可能です。バッテリー残量の確認、システム待機時間の設定などアプリを使ってできることがたくさんあります。
これまでの製品では調節できなかったところも調節できるので、非常に便利です。
たとえばどういう機能があるの?
あや
よしぞー
じゃあ一気に紹介しよう
- AC/DC電源スイッチのオンオフ
- X-Boostのオン/オフ
- 最大AC、シガーソケット入力値の設定
- 周波数切り替え
- システム待機時間設定
- 画面待機時間設定
- ビープ音のオン/オフ
- バッテリー残量確認
- AC出力待機時間設定
設定項目が非常に多く、各項目を調節することでさまざまな用途で活躍できます。
EcoFlow DELTA 2を使った感想をレビュー
DELTA2の特徴をレビューしてきましたが、実際にどれくらい使えるものなのか気になる方も多いでしょう。DELTA2を100%まで充電した状態にして、ドライヤー、コーヒーメーカー、ケトルなどの家電製品をDELTA2の電力で使用してみました。また車中泊でも使用してみましたので感想をレビューします。
DELTA2でドライヤーを使用
まず、100%の状態からドライヤーを使用してみました。ダイソンのヘアドライヤーで風力は3段階ほどの切り替えが可能です。
最大風力に上げたところ、1150W程度の電力で使い続けることができ、問題なく髪の毛を乾かすことができました。
私は短髪のため3分ほどの使用で、6%の容量を使用する結果となりました。
女性や髪の毛の長い方であれば、2倍・3倍程度の電力が必要だと想定されますね。
DELTA2でコーヒーを沸かす
続いてコーヒーメーカーにてコーヒーを沸かしてみました。
使用した電力量は630〜650W程度の電力を使用、5杯分を沸かすのに6分ほど使用しました。
コーヒーが沸き終えた後、DELTA2のバッテリー残量は87%でした。
DELTA2にてケトルでお湯を沸かす
続いてT-falのケトルにて、1.2lのお湯を沸かしてみました。
お湯を沸かすのは高いパワーが必要なようで、1200W以上の出力が確認できました。
1.2リットルのお湯を沸かすまでに要した時間は8分。DELTA2の容量は87%→69%となりました。
MacBook Pro 14インチを充電
続いては10%の残量になったMacBookPro14インチをDELTA2にて充電しました。
MacBookProの場合はDELTA2のフロントにあるUSB Type-Cポートにて充電を行い、最大で100Wの給電が可能です。
10% → 100%までに要した時間は28分、バッテリー残量は57%まで減りました。
使ってみた感想のまとめ
今回ドライヤーで髪の毛を乾かして、コーヒーを作り、お湯を沸かす。そしてPCのバッテリーを充電してみましたが、これだけの充電を行なっても57%のバッテリーが残っていました。
今回の検証では、それぞれをひとつづつ実施していますが、コーヒーを沸かしながらPCやスマホを充電することも可能です。
お湯を沸かしながらドライヤー使える?
あや
よしぞー
DELTA2の定額出力は1500W、X-Boostを使っても1900W。ケトルとドライヤーで2000Wを超えちゃうので、ドライヤーのパワーを下げないと難しいかな
DELTA2があれば日常で必要な電気を最低限カバーしてくれますし、車中泊でも強い味方になってくれそうですね。
車中泊でDelta2を使用する
続いては車中泊でDelta2を使用した際のレビューですが、Delta2はポータブル電源の中では割と大きめのサイズになるものの、心配していたほどのスペースを取られずに使いやすいという印象を持ちました。
Delta2の上が平台になっていて物を置けるというのも大きいでしょう。
夜はDelta2にPCやスマホなどを繋いで映画鑑賞を楽しむなど、自宅にいるのとほぼ変わらない状態を車中泊でも満喫できました。
EcoFlow 220Wソーラーパネルの特徴・性能をレビュー!
DELTA2の特徴をレビューしてきましたが、今度はEcoFlow 220Wソーラーパネルについてレビューしていきます。ソーラーパネルは、レジャーや災害用として使われるものです。形態性、利便性が非常に重要。
その点についてもしっかりレビューしていくので、ぜひご参考ください。
両面受光パネルで発電効率が高い
EcoFlow220Wソーラーパネルは、両面受光が特徴的です。
先述のように、両面受光によって発電効率が高くなります。通常表面からのみ太陽光を受けるところを、裏面でも受けるため無駄がありません。裏面は表面ほどの効率はないものの、表面のみよりは効率は非常に高くなります。
だけど裏って陰にならない?太陽光当たるの?
あや
よしぞー
意外と当たるものなんだよ
太陽光は当然ですが、太陽から発せられます。太陽が出ている方向から発せられているイメージですが、実際には太陽光は反射によってあらゆる方向から飛んでくるものです。
雲などの大気中の物質や地面などに反射し、拡散されています。そのため、裏面からも太陽光を十分に受けることが可能です。
入射光の条件にもよりますが、最大25%ほど出力が上がります。
耐久性能が非常に高い
EcoFlow 220Wソーラーパネルは、耐久性能が非常に高いです。
まず、防水・防塵性能がIP68と非常に高性能。IP68は、防塵・防水どちらも最高等級です。
防塵性能は、6。これは耐塵形、塵埃の侵入があってはならないと基準が定められています。つまり、塵埃が内部に侵入しない性能だということです。レジャーや災害時に使っても、安心。
防水性能は、8。これは、潜水状態で使っても問題ないということを示しています。
さらに、耐熱強化ガラスを使っているため、熱にも強いです。太陽光を受けるため耐熱性は、非常に重要。通常のパネルと比べると、約5倍の強度です。耐熱性は148度まで。炎天下で使っても、パネルにダメージが入りません。
折り畳み式で携帯性が高い
本機は、折り畳み式のソーラーパネルです。パネルが4枚横に連なっている形をしていますが、1枚の大きさにまで折りたためます。車の後部座席などに余裕で積んでおける大きさで、形態性が高いです。
折りたたんで付属の収納バッグに入れた状態でのサイズは、縦52×幅85×厚み3.5㎝とコンパクトです。家での保管場所にも、あまり困りません。
簡単に展開して使える
折り畳み式は展開が面倒になりがちなのがネックですが、EcoFlow 220Wソーラーパネルは展開が非常に簡単です。
まず、収納時はパネルが二つ折りになっており、それを広げます。保護ケースの四つ角にスナップフックを取り付けて、専用保護ケースをキックスタンド代わりに使用。
保護ケースを取り付けたスナップフックを、ソーラーパネルの四つ角の穴に通せば使用可能な状態になります。あとは、ケーブルをDELTA2などポータブル電源に接続するだけでソーラー発電による充電が可能です。
さらに、保護ケースのジッパーで角度の調整もできます。
確かにこれなら簡単だね!
あや
よしぞー
簡単なうえに慣れればすぐ展開できるよ
充電スピードは比較的速い
ソーラー発電による充電は、遅くなりがちです。実際天候に左右される不安定さはありますが、本機は充電スピードが比較的速いのが特徴となっています。
晴天時の太陽がダイレクトに当たる時間帯は、150〜200W程度で充電可能です。日が強く照り始める時間帯から始めれば、DELTA2のカタログスペックにあるような短時間での充電ができます。
角度がずれてくると効率が落ちるのですが、それでも60~100Wは確保可能です。
曇りの日は20~60Wにまで下がりますが、充電は十分可能な範囲となっています。
夕方に太陽が落ちてくると0Wになるのですが、太陽光が強い時間から充電を開始すればこの時間になるころには十分なバッテリー残量になっているのであまり問題はありません。
やはり、両面受光のおかげか出力が比較的高く保たれている印象があります。
1日外に置いておけばフル充電できるのかな?
あや
よしぞー
天候にもよるけどフル充電まではいかないかな
付属の収納バッグが便利
本機には、便利な収納バッグが付属します。
先述の通り、展開時にはキックスタンドとして使える優れモノです。ジッパーによる角度調整など、少ないパーツ数で機能的に使えるように考えられています。
さらに、止水仕様になっているのも特徴。ジッパーが止水構造になっており、水辺で使っても全く問題がありません。
そして、収納バッグ内側にも工夫があります。広げてスタンドとして使うのですが、地面で反射した太陽光を裏面パネルでしっかり拾えるような工夫があるのが魅力です。バッグ内側は、反射率が高い白色のテラテラした素材が使われています。
もちろん、持ち手も付いており形態性も抜群です。
バッグとしての機能も、スタンドとしての機能もしっかり備わっています。
まとめ
EcoFlow DELTA2と220Wソーラーパネルは、車中泊や家庭での節電、災害時などマルチに使える優れモノです。キャンプなどのレジャーでも、十分に活用できます。
バッテリー容量を拡張できたり、定格出力をブーストできたりと便利な機能が豊富です。使えない家電製品はほとんどないので、安心してさまざまな場面で活用できます。日中にソーラーパネルで充電すれば、節電性能もばっちりです。
普段は家庭で節電に使いつつ、車中泊などのレジャー、緊急用とマルチに使い倒せば値段以上の価値が生まれます。
マルチに使えるポータブル電源を探している方や、使い勝手の良いソーラーパネルを探している方には非常におすすめです。