イヤホンは、メーカーごとにとても特色がでます。
各メーカーが個性的なイヤホンを出している昨今、特に個性が強いのがビクターのHA-FW1000Tという完全ワイヤレスイヤホンです。
最も特徴的なのは、大口径ウッドドームカーボン振動板というドライバーユニット。音質の評価が著しく高いですが、その音を作っているのがこの部品です。
実際に HA-FW1000T でリスニングすると、ワイヤレスイヤホンはもうこれで良いじゃん的な感覚になります。
そこで今回は、ビクターHA-FW1000Tの仕様、良い評判と不満点、実際に使ってみた感想について紹介していきましょう。
目次
HA-FW1000Tのスペックを解説! ウッドドームドライバとは?
- ドライバーユニット:口径11mmウッドドームカーボンドライバー
- タイプ:完全ワイヤレス
- 構造:密閉型
- 再生周波数帯域:20Hz~48kHz
- 通信方式:Bluetooth 標準規格 Ver.5.2
- 対応コーデック:SBC,AAC,Qualcomm aptX audio,Qualcomm aptX adaptive audio
- バッテリー持続時間:本体最大9時間、ケース最大18時間
- 充電時間:約2.5時間
- マルチペアリング対応・ノイズキャンセリング搭載・マイク搭載
- 外音取り込み機能搭載
- 自動電源オンオフ機能搭載
- AIアシスタント呼び出し機能搭載
- IPX4防水性能
冒頭でも触れたドライバーユニットですが、これについて語らなければ何も始まりません。名前の通り、イヤホンの音を出す要となるドライバーユニットが木製になっているんです。
そもそも、木の振動板ってどうなの?
あや
木材は、木目に沿った方向には音の振動が速く伝わります。一方、そうでない方向には遅く伝わるという特性があるんです。この不均一さは一見デメリットのようではありますが、実は、このおかげで特定の帯域での共振が発生しにくくなります。
共振が発生すると、たとえば音がキンキンしたりとストレスを感じるような音になりがちです。
つまり、ストレスフリーになりやすいってこと?
あや
よしぞー
簡単に言えばね
他にも、木材のようなしなやかな材質を使うことで、ナチュラルな音の響きになる傾向があります。
この木製の振動板の特性をより活かしやすくするために工夫されて作られたのが、本機に使われているウッドドームカーボン振動板です。
また、ここばかりが取り沙汰されますが、機能性も高いですよ。
マルチペアリングができ、アクティブノイズキャンセリングがあり、マイクもあります。そして外音取り込み機能が非常に優れいます。
近年のワイヤレスイヤホンに求められる機能を、しっかり搭載している点も特筆すべきところではないでしょうか。
HA-FW1000Tによく挙げられる良い評判と感想
HA-FW1000Tの仕様について語ってきました。ウッドドームカーボン振動板が使われていたり、機能が豊かだったり良いところがたくさんありそうですよね。そこで改めて、HA-FW1000Tによく挙げられる良い評判について紹介していきます。
温もりを感じる聞き続けられる音
HA-FW1000Tの音に関して、悪い評判を全くと言って良いほど聞きません。このイヤホンが合わなかったという人でも、音に関しては褒めているという状況です。
実際使用してみて、完全ワイヤレスイヤホンでのリスニングに関しては、このHA-FW1000Tでもう十分だと感じたほどの素晴らしさです。
音質傾向としては、全体的に温かみのあるウェットなタイプになっています。かっちりとしている解像度重視のドライなイヤホンではなく、音の表現をしっかり豊かに捉えてくれるイヤホンというイメージでしょうか。
特に弦楽器の振動表現は、とても巧みです。弦が一本一本震えて音が出るという当たり前のことですが、イヤホンで音を聞いているときにそれを意識することはほとんどありません。それなのに、目を閉じて聞いていると弦楽器の弦が振動しているイメージがしっかりと湧き出てきます。
さらに、丸みのある高音も特徴的です。
HA-FW1000Tは仕様を見てもわかるとおり、高音の再生周波数がとても高くなっています。人間の可聴域の倍はあるのではないかというほどです。高音にこだわって作られているのか、超高音まで再生していても丸みを帯びていて尖りが無く、聞きやすく仕上がっています。
全体的に刺さるような感覚が全く無いのが、良いところですね。
木の温かみのようなものを感じます。
よしぞー
ワイヤレスイヤホンで音が最高というのが、最大の魅力だろうね
確かに、有線に比べて普通は音質が不利なんだもんね
あや
聴き込むうちに好きになる独特な感覚
HA-FW1000Tは、わくわくさせてくれるイヤホンです。
音楽再生機器には、通常エイジングという作業が必要になります。これは、使うことで音が変わるというものです。使うことにより設計者の意図に音が近づく、と言った方が良いかもしれません。
これが面倒なところであり、楽しみでもあります。
一方HA-FW1000Tは、買って使い始めた直後から驚かされるような素晴らしい音になっているという意見が大きいですし、実際に驚かされました。
新しいガジェットを買ったとき、届いたとき、ワクワクしますよね。そのワクワク感は開封時がピークだとよく言われますが、使ってからもワクワクが継続します。
そのうえ、エイジングによってさらに音に磨きがかかっていくんです。聴き込んでいく内にどんどん好きになるから、どんどん聴き込みたくなります。
イヤホンに限らずだけど、楽しさって大事だよね
あや
よしぞー
エイジングによって買ってしばらくワクワクが継続するのは良い体験
ボリュームが大きい
HA-FW1000Tは、ボリュームが大きいと評判です。
それは…良いところなの?
あや
よしぞー
極端過ぎなければ、良いところだよ
イヤホンにおいて一番嫌われるのは、音が悪いこととボリュームが小さいことです。ボリュームが小さいと、スマホやDAP側で音量を上げても満足なボリュームにならないことがありますから。
一般的に、ボリュームが大きいほうが小さいより音質が良くなる傾向があります。これは、ボリュームが大きい方が低音などが聞こえやすくなるためです。色々な音がしっかり楽しめるため、ボリュームの大きさが音質にも影響を与えると言われているわけですね。
よしぞー
つまり、音質が良くてもボリュームが小さいと台無しになりかねないってことだね
本体のみでの操作性がずば抜けて良い
HA-FW1000Tは完全ワイヤレスイヤホンなので、本体をタップすることで各種操作をします。この操作性が悪いと、せっかく利便性が高い完全ワイヤレスという特性が台無しになるので、重要な部分です。
HA-FW1000Tの操作性は、かなり良いです。
特に、右耳をワンタップすると外音取込に切り替わるのですが、これがとにかく便利です。ノイキャンと外音取込に関しては複数回タップしないといけなかったり、アプリでの切り替えだったり少し操作が複雑になる傾向があります。
それをワンタップでできるのは、とても良い点です。
だけど、そんなに頻繁に切り替える?
あや
よしぞー
このイヤホンの場合は、結構切り替えるかな
そもそも、HA-FW1000Tはノイキャン性能が高いです。単純に外部の音を全然拾わなくなるだけでなく、ノイキャンをオンにしたことによる音への悪影響がほとんど感じられません。
一般的に、ノイキャンをオンにすると音が変わるんですよ。良い方向に変わることはあまりなく、大小あれど悪影響になることが多い傾向があります。
それがないので、そもそも常にノイキャンで良いくらいです。
ただ、外で使うと電車に乗っているときなど外音取込を使う機会も多いので、簡単に切り替えられる操作性になっているのはありがたいことです。
デザインが可愛い・ビクター犬最高!
HA-FW1000Tのウッド部分にデザインされているのはあのビクターマークになっているワンちゃん、ニッパーです。
よしぞー
ビクター犬がイヤホンに描かれているだけで心を奪われるのは僕だけじゃないはず
HA-FW1000Tによく挙げられる不満点
HA-FW1000Tの良い点を紹介してきました。音が良く操作性が良いということでしたが、もちろん不満点が挙げられることもあります。実際に私も不満を感じた部分はあります。
今度は、そんなHA-FW1000Tによく挙げられる不満点を紹介しましょう。
ステムが長めで装着感が気になる
HA-FW1000Tは、ステムが長めにつくられています。
ステムってどこだっけ?
あや
よしぞー
イヤーパッドをはめる小さい円柱の部分だね
ステムが長いということは、耳の奥まで入りやすいということです。この耳の奥まで突っ込まれる感覚が好きではないという人は、一定数います。
そういう人には、不満点になっているんです。
ただ、逆に浅くしか入らないと落ちそうで不安になるという人もいます。
こればかりは好みと、耳の形状によってメリットにもデメリットにもなる部分ではないでしょうか。
落としやすい
装着感の話が出たついでにお伝えすると、他のしっかりと耳にフィットできるイヤホンと比較すると耳から外れやすいです。
実際私自身も2回ほど外れました。
歩きながらのリスニング程度であれば問題ないですが、小走りしたり激しい動きの中で使うのはちょっと気を付けた方が良いです。
専用アプリが無い
完全ワイヤレスタイプのイヤホンは専用アプリが用意されていることが多いです。専用アプリでは、イコライザーで音質傾向をいじったりノイズキャンセリングのモードを切り替えたりといった、調整ができます。
一方、HA-FW1000Tには専用アプリがありません。
ガジェット好き界隈には、専用アプリで色々調整できる方が良いという風潮があります。その方がさまざまな楽しみ方ができますからね。
ただ、良いイヤホンほど設計者の思想が強く出ます。設計者は当然、「こういう音になるようにしたい」と考えてイヤホンを作るんです。設計者の思想を詰め込んでいるため、専用アプリは不要だと考えられています。
メーカー側の視点に立つと、せっかくの設計者の思想を変化させたくないとも言えるでしょう。
これも好みによりそう
あや
よしぞー
専用アプリで色々弄りたい人は、個性が強いイヤホンだと楽しみにくいかも
筐体が若干大きく長時間の使用に違和感がある
ビクターHA-F1000Tは、筐体が若干大きめです。大口径のドライバーユニットを搭載している都合上、どうしても仕方がないと言えます。サイズをダウンさせて口径を小さくするくらいなら、筐体のサイズが大きくなっても良いから大口径にしようと考えたのでしょうね。
丸い形状のため、見かけではそこまで大きいという印象にはならないかもしれません。
ただ、長時間使うと違和感を抱く可能性があります。
値段が高い
HA-FW1000Tは、高いです。
シンプルな不満がでた!
あや
よしぞー
安いショップでも3万6000円とかするし、高いと4万とか…
もちろん、この価格帯のイヤホンも少なからずあります。価格に見合うだけの性能と音はありますし、機能も特にオミットされたところもありません。4万円近い価格という枠に、詰め込めるだけ詰め込んでくれてはいます。
それでも、手は出しにくいです。
安めのDAPが買えますからね。
フルワイヤレスで良い音質を追求するなら最強のイヤホン
一般的に、ワイヤレスイヤホンは有線イヤホンより音が良くないとされています。
実際そういう傾向があるのですが、HA-FW1000Tはフルワイヤレスの中では最高峰の音質のイヤホンです。有線イヤホンと比べても、素直に良い音だと言えます。
フルワイヤレスで良い音質をとことん追求したいなら、HA-FW1000Tは最強です。
ただ、とても良いお値段になっています。
予算を確保できる人には、おすすめですよ。