メタバースやVRが話題の中、そろそろVRゴーグルが欲しいと考えている方でPICO4を検討されている方も多いのでは。
PICO4は、2022年10月に発売されたばかりの最新VRゴーグル。
Quest2よりもハードウェアスペックが高性能なうえに装着感が良い。1万円以上安価で購入でき、ゴーグル単体でもPCと接続しても遊べることで話題になっています。
PICO4を購入しましたので、実際の感想をレビューしていきます。
先にお伝えすると、他ブログやメディアで絶賛されている記事も見かけますが、VRゴーグルの用途によってはいったん立ち止まりQuest2を検討したほうが良いケースもあると感じています。
目次
PICO4の概要を解説
PICO4は、中国ByteDanceのVR関連子会社である「PICO」が2022年10月に発売したVRゴーグル。
Quest2 128GBが37,180円から59,400円へと2万円以上値上げされ界隈がざわついている中で、Quest2よりも1万円ほど安い49,000円で発売されたことで話題になりました。
また、値段が安いだけでなくスペックも良好。
小難しい話は抜きにしてトピックをQuest2と比較しながら並べると、
PICO4 | Meta Quest 2 | |
サイズ・装着感 | 小さく装着感が良い (バランスが良く軽く感じる) | オプションで改善が必須 |
重さ | 581.0g | 503.0g 純正ストラップ装着時:674.5g |
スペック | Qualcomm XR2・メモリー8GB | Qualcomm XR2・メモリー6GB |
パススルー | カラーパススルーが優秀 ラーメン食えるレベル (切り替えも分かりやすい) | 白黒で何とか現実世界がわかる程度 |
解像度 | 4320×2160 | 3664×1920 |
リフレッシュレート | 72Hz, 90Hz | 60、72、90 Hzに対応 最大120Hz |
視野角 | 105度(対角) | 非公開 |
トラッキング | 一体型 6DoF | 一体型 6DoF |
IPD (瞳孔間距離) | 62~72mmで微調整が可能 | 58mm、63mm、68mmから選択 |
イヤホンジャック | 無し | 有り |
ワイヤレス | Wi-Fi 6・Bluetooth5.1 | Wi-Fi 6・Bluetooth※バージョン不明 |
バッテリー 稼働時間 | 2~3時間程度 | 2~3時間程度 |
値段 | 128GB:49,000円 256GB:59,400円 | 128GB:59,400円 256GB:74,400円 |
これだけ見るとPICO4のほうがよさそうね!
あや
同梱品や外観レビュー
続いて購入時の同梱品や外観などをレビューしていきます。写真多めで紹介していきます。PICO4単体の外観写真。その後にQuest2との比較写真を並べます。
PICO4
PICO4では、瞳孔間距離調整(PD調整)をハードウェアではなくソフトウェアにて調整します。
Quest2では58mm、63mm、68mmの3つから手動で選択する形でしたが、PICO4は62mm~72mmの間で細かく調整することが可能。
快適にVRを楽しむうえでの重要なポイントであるため、微調整ができるのはありがたいです。
PICO4とQuest2の外観比較
つづいてPICO4とQuest2の外観比較です。Quest2には純正のエリートストラップを装着した状態で比較しています。
PICO4使用レビュー
続いて実際にPIC4を使用して感じたことをお伝えしていきます。
装着感は抜群!ただしフィットしすぎて見たいものが見えない時も
PICO4の装着感はQuest2と比較して抜群に良いです。
全体的な軽さも前後の重量バランスも良いため、長時間装着していても疲れづらいです。
また、目の周りもしっかりと遮断されるため、外部の余計なものが目に入ってきません。ガッツリとVRに没頭するのには最適です。
ただ、実際にVRで遊んでいると、VRしながら現実のものを見たいシーンが多々発生します。
- VRChatで遊んでいる際にスマホで調べものをしたりメモをする
- 酒やドリンクを取る・飲む
- 現実で人に見られていないか念のためにチェックする
Quest2の場合、良くも悪くもゴーグルの下に隙間が出来ますので、その隙間を利用して外部の確認が出来るのですが、PICO4はフィット感が良すぎて確認がし辛いです。
没頭感は高いけど悩ましい問題ね
あや
カラーパススルーは最強・ゴーグルを付けながらラーメン食べれるレベル
上の写真はPICO4を装着した状態で、カラーパススルー(外が見える状況)にして映っている風景をキャプチャーした映像です。
若干のゆがみは有りますが、リアルな状況をきちんと映し込めており、ゴーグルを装着した状態でも歩いたり行動することが可能です。
多少の慣れは必要かもしれませんが、ゴーグルを装着したままでキーボードを入力したり、ラーメンを食べたりすることも出来るはずです。
カラーパススルーへの切り替えも簡単で、PICO4の右上を2回、トントンとたたくだけで切り替わります。
よしぞー
ちょっと移動したり探し物をする際に便利だよ
PICO4のアプリはVRとしてストレスなく楽しめる
私がPICO4を購入した際、初期のキャンペーンにて「All in One Sports」「After the Fall」「BodyCombat」というゲームアプリがおまけで貰えたので試してみました。
いずれも美しく鮮明な映像で、コントローラー操作の追従も申し分ありませんでした。
VRを体験してみたいのであれば十二分に楽しめるはずです。
PICO4の映像スペックをQuest2と比較して、と変わらない、もしくはそれ以上のスペックで楽しめると実感しました。
とは言いつつ、正直なところ現時点ではQuest2と比較すると人気タイトルは少ないです。
Quest2ならVRChat、ビートセイバー、バイオハザード4などのタイトルですね。
今後PICO4の人気が伸びるかどうかは、人気タイトルが遊べるようになるかどうか、また新たな人気タイトルが登場するかどうかがポイントだと感じます。
PICO4デバイスの売り上げが伸びれば対応するソフトウェアも増えてくるはずですので、これからに期待するしかありません。
寝ながらYouTubeやHulu(映画・動画鑑賞)最高に良い!
PICO4にはデフォルトでYouTubeやHuluアプリがインストールされており、PICO4を通じて映画や動画鑑賞が楽しめます。
この動画鑑賞が、PICO4の装着感の良さもあり最強に相性が良く感じます。
個人的に良いと思っているのが寝る前の寝ながらVRでの映画鑑賞。
Quest2では重みから首が疲れてしまい、実用的ではありませんでしたが、PICO4ではさほど重さを気にせずに寝ながら映画鑑賞が可能です。
布団の中で大スクリーンでの映画や動画鑑賞は最強ね!
あや
よしぞー
立体音響にも対応しているから、迫力もあるんだ!
なお、HuluやYouTubeの映像は、PCで言うところの全画面表示には対応していません。
大型のスクリーンで動画鑑賞が楽しめますがめちゃくちゃ大きな画面で映せないことも先にお伝えしておきます。
ちょっと残念・・・
あや
よしぞー
PICO4の問題というよりも映像データの問題のはず。PICO4に対応したVR用の動画が出て来ればまた変わってくると思うよ!
真っ暗だとトラッキングしない
PICO4は真っ暗な場所だとトラッキングしづらいです。
少し部屋を明るくしてあげないとトラッキングが進まないため、部屋を真っ暗にしてPICO4を立ち上げる(寝る前にVRやりたい民)には不便です。
よしぞー
電気をつけて明るい状態でトラッキングしてから、部屋を暗くする作業をしてるよ
SteamVRはいまいち・映像がぼやける&初期の接続性が微妙
PICO4はStreaming Assistantというアプリケーションを使用して、SteamVR(PCVR)に接続することが可能です。
Quest2と同じくWi-Fiもしくは有線ケーブルにて接続することができ、スムーズにPCVRに移行できます。
よしぞー
SteamVRへ接続するまでの流れがQuest2よりもシンプルで速いよ!
具体的には?
あや
Quest2の場合、オキュラスリンクに接続→SteamVRに接続という流れですが、PICO4はダイレクトにSteamVRにつながるため、SteamVRにアクセスするのに数十秒から数分速いです。
アクセスの速さは大変有難かったのですが、残念なことが二つあります。
一つ目はStreaming Assistantを使用してPico4からSteamVRのアプリを立ち上げると映像が暗くてぼやけます。
VRChatをふくめSteamVRには美しい映像を楽しむゲームが多くありますので、PICO4経由でのSteamVRが映像が汚いのは残念ですね。
二つ目は最初の接続にかなり苦戦します。(一度接続した後の再接続は非常にスムーズです)
これは私自身のVRに対してのスキル不足感も否めませんが、SteamVRとの接続する際にSteamVRアプリの「ルームセットアップ」が必要で、ここを見落としてしまうといつまで経ってもSteamVR上にアクセスができません。
Streaming AssistantでSteamVRと接続できたけど、その先に進めないで悩んでいる方は、SteamVRアプリのルームセットアップを確認してみてください。
慣れの問題かな?
あや
よしぞー
慣れと理解で解決するものだけど、初めての方はかなり戸惑うし悩むと思う
現時点、Pico4にてSteamVRと接続するための分かりやすいマニュアルはありませんので、模索しながら覚えていくしかありません。
また、Virtual Desktopアプリ経由でアクセスする方法がありますが、Virtual Desktopは有料のソフトで2,208円かかります。
Streaming Assistantを使ったSteamVRへのアクセス(つながった後)がとにかく快適なだけに、別の手間とコストがかかるというのは正直微妙。
今後Streaming Assistantのアップデートで改善される可能性もあるので、初期接続性の改善と映像が奇麗になるのを待ちたいですね。
よしぞー
今VRChatなどSteamVRを楽しみたいならQuest2のほうが有利ってことだね
Virtual Desktopでの接続後は綺麗な映像を映せるという報告もいただいていますので、検証出来次第追記したいと思います。
PICO4もメガネに対応してるがコンパクトな分メガネサイズがシビア
PICO4はアダプターを付けることによってメガネを付けたまま使用することも可能です。
逆に目が悪い方がメガネを付けないでPICO4を装着しても、映像がぼやけてしまいきちんと見ることが出来ません。
メガネを使用する場合、一つ気を付けないといけないのが、本体がQuest2と比較してコンパクトに作られている分、メガネによっては使いづらさを感じます。(使えないケースもあります)
具体的には?
あや
よしぞー
大きなメガネだとPICO4にハマらないんだ
形状的に小さめのメガネであれば問題ありませんが、大きなメガネはPICO4に入れることが出来ないケースもあります。
各社からPICO4用装着型の度付きレンズが発売され始めており、度付きレンズを購入してしまえば解決する問題ですが、ちょっと大きめのメガネを使っている方は気にしておきましょう。
Quest2の度付きレンズで人気のROOXから、PICO4用の度付きレンズが発売されました。
実際に使用してレビューしていますので併せてご覧ください。
フェイスカバーの素材は柔らかくてGood!でも汚れは心配
フェイスカバーの素材が柔らかく顔にしっかりとフィットします。
このフェイスカバーのフィット感も相まって装着感が高まり軽く感じるのだと思えます。
また、エクササイズアプリなど激しい動きをした時のズレも少ないのでストレスなくVRを楽しめるはずです。
ただ、フェイスカバーの素材的に汗をどこまで弾いてくれるかは疑問。特に夏場など汗をかきやすい時期は、汗の吸着によって汚れてしまいそうなので対策は必要ですね。
まとめ
PICO4をQuest2と比較しながらレビューしてきました。
Quest2と比較して値段も安いですし、性能や使い勝手で上回っている部分もありますが、対応ソフトが少ない、SteamVRとの接続で映像がぼやけるなどの難もあります。
利用用途がSteamVRであれば、現時点では間違いなくQuest2をおすすめします。
逆にとりあえずVRを試してみたい、PICO4に遊びたいゲームタイトルがある、映画鑑賞用途で使いたい!と考えている方であれば十分に楽しめるVRゴーグルです。
Quest2よりも安いといえど高い買い物ですので、用途を整理したうえで購入を検討ください。
合わせてご覧ください。