PCコントローラーにはさまざまなモデルがあり、ユーザー層もバラけている傾向があります。
そんな中で、多数の人が使っているのがロジクール F310r です。F310という長らく愛され続けていたモデルのリニューアル版で、基本的な部分はほとんど変わらず新しくなったことにより、以前よりも支持されるようになった印象があります。
今回はそんなロジクールF310rの仕様・特徴、操作感やレビューなどについて紹介しましょう。
目次
F310rの特徴を徹底解説!
F310rは、一見あまり特徴がないように思えるかもしれません。実際、PC用のコントローラーとしてはスタンダードな製品だと言えるでしょう。それでも、いくつか特徴があります。そこでまずは、F310rの基本的な仕様と特徴を紹介しましょう。
製品の仕様
- 接続方式:有線
- ケーブル長:1.8m
- ドライバー:インストール不要
- 採用方式:DirectInput/Xinput切替可能
- ボタン数:13ボタン
- 本体重量:280g
接続は有線方式で、ケーブルは1.8mと十分な長さがあります。ケーブルはビニール製なので高級感はないものの、2000円程度という価格帯を考えると十分なものでしょう。
たまにあるようなビニールが薄いケーブルでもなく、しっかり太めになっているのが良いところです。取り回しもあまり気にしなくて良く、耐久性も十分にあります。多少雑に扱っても、すぐには壊れません。
ボタン数は12ボタンと十字キーに、アナログスティックです。背面ボタンなどマルチファンクションボタンの類はなく、シンプルなつくりになっています。
本体重量は280gと、軽すぎず重すぎずといったところでしょう。
特に良いところは?
あや
よしぞー
保証期間かな
F310rは、2000円程度と格安なうえに、3年のメーカー保証が付いています。コントローラーは消耗品です。耐久性を高めた高級なモデルでもいつかは壊れます。2000円のF310rならなおさらです。
使い潰して買い直すのでも十分なコストパフォーマンスなのに、3年も保証が付いているのはありがたいですよね。これによって、よりコスパが良く感じられます。
ちなみに保証書はアクリルのパッケージに貼りついています。パッケージからはがすのは少し大変ですが、きちんと保管しておきましょう。
レイアウトの特徴
ロジクールF310rのレイアウトは、PSのコントローラーと同じです。
スティックが下の方に横並びになっており、十字キーがABXYと反対側にあるレイアウトですね。スタートボタンもしっかりあります。全体的にPS2やPS3のコントローラーに似ているため、PS2とPS3に親しんできた人にとっては違和感なく楽しめるでしょう。
さらに、バックボタンがPSコントローラーの「SELECT」の位置にあります。これはたいていのゲームでは、SELECTボタンと同様の働きをしてくれることが多いです。
DirectInputとXinputとを切り替えられる
F310rには、DirectInputとXinputとを切り替えられるスイッチが背面に付いています。
これら2つは、入力方式のことです。古めのフリーゲームやPCゲームだと、DirectInputに対応したコントローラーじゃないと認識してくれないことがあります。これは、当時Xinputという形式が一般的では無かったためです。
Xinputは比較的新しい入力方式で、Xbox360コントローラーのために用意されたものになっています。近年はほとんどのゲームパッドがXinputを採用しており、WindowsにつなぐとXboxコントローラーとして認識されるようになっているんです。
この2つの方式を切り替えることにより、古いゲームから最新ゲームまで対応できるようになっています。
よしぞー
この切替機能、意外とあまり無いんだよね
遊べるゲームの幅が広がるのはすごくいいことだね
あや
ドライバーインストール不要
F310rは、WindowsPCにつなぐと勝手に認識してくれます。ドライバーをインストールする必要は、ありません。
パッケージには対応OSがWindows7,8と書かれているのですが、Win10でも同様に認識してくれるので安心してください。※パッケージにWin10の記載がありませんが、公式サイトには対応の旨が表記されています。
また、専用の設定ソフトについては、XInputモードではWindowsのドライバーを使用するため設定ソフトは必要ありません。
一部のゲームでXInputモードでもDirectInputモードでも動かないケースはLogicool ゲームソフトウェアにて設定が可能です。
現在の一般的なゲームを行う上では自由度が低くなったりカスタマイズできなかったりと、マイナス面が大きいです。
新し目のゲームでは良くも悪くも、挿して動かすだけのコントローラーということになりますが、古いゲームでは重宝するケースも多いです。
F310rの各部の操作感を解説!
コントローラーを選ぶうえで大切なのは、操作感ですよね。握りやすさ、ボタンの押しやすさなどなど…。操作していて違和感がない、または楽しいということが大切です。そこで、F310rの各ボタンについて説明していきます。
ABXYボタン
ABXYボタンは、押す度に「ポチッポチッ」という音がします。押したボタンが埋まることは全くなく、正確に入力できるのが良いところです。押したときの反発がとても強いので、一瞬しか沈みません。
チャタリングなどもほとんどなく、とても使いやすいです。
ただ、長時間使うと少し疲れるかもしれません。押下圧も重めで、結構強めに押す必要があります。入力ミスがないのが良いところですが、同時に疲れやすいというデメリットもあることを念頭に置いておきましょう。
疲労軽減かミスを減らすか、どっちを取るかってことよね
あや
よしぞー
そういうことだね
十字キー
F310rは、十字キーに少し特色があります。
フローティングD-Padという、独自の仕組みが採用されているんです。これは、4つのプラスチック製ボタンに円形の蓋を被せたようになっています。真ん中を押さえると、四方向一緒に押されるんです。
各方向に傾けることで、他の方向のボタンがオンオフを切り替え、ハッキリとした八方向入力ができるようになっています。力を入れて回すと、8回弱く「カチッ」とした感覚があるのが特徴です。
円形なので、シームレスにぐるぐると回せるのが良いところ。まるでスティックかのように、十字キーを扱うことができます。
慣れるまでは右を押すつもりが右下になっていた、ということがあるのですが、慣れれば扱いやすいです。
そのうえ、modeボタンを押すことで十字キーと左スティックの割当を入れ替える機能も搭載しています。これにより、東方Projectなどにも対応しているのが特徴です。
スティック
スティックは、左右に一つずつ搭載されている形です。スティックを回す操作は360度自由にしっかり回せます。表面は少しザラザラとした加工が施されていて、滑りにくくなっているのも良いところです。スティックを多く使うゲームでも、誤操作はあまりしないでしょう。
回しているときに、カクつくこともありません。
ただ、一点だけ好みが分かれそうな部分があります。
スティックを倒すときの反発が、強めになっているんです。回している途中にはカクカクとした抵抗感はありませんが、ある一定の深さまで倒そうとすると段差があるかのような感覚が指に伝わります。
これにより、倒した拍子に思わぬ方向に入力してしまったり意図しないときに倒したりしなくなるので、より正確な入力が可能です。
一方、スティックが固いと入力までに若干ラグが生まれることがあります。F310rのスティックは、ラグが気になるほど固いわけではありません。
ただし、慣れるまでは「ちょっとだけ倒す」という操作が難しいです。
慣れてしまえば、反発があるおかげで「ちょっとだけ倒すつもりが倒しすぎる」ということがなくなるので、ここでも正確な入力ができるようになります。
うーん…一長一短!
あや
よしぞー
ここは好みによって大きく評価が分かれるだろうね
トリガー
F310rのLT/RTは、奥側をグッと押し込まないといけないような形になっています。さらに硬めになっていることもあり、慣れるまでは押しにくいと感じるかもしれません。
ただ、構造に関して言えば薬指でも押しやすいようになっています。ハーフクロウなどの少し特殊な持ち方をする人なら、扱いやすいと感じることもあるでしょう。
ただ固いのだけはどうにもならないよね
あや
よしぞー
トリガーは暴発するとかなり困るから硬くしてるのかもしれないね
全体的に、「正確に入力する」ということにこだわって作られている印象があります。コストをおさえながらしっかりこだわるため、他の部分に関しては作りが甘めになるのは仕方がないことだと言えるでしょう。
グリップ感
F310rのグリップ感は、若干弱いです。
グリップ部分の形状自体は、とても握りやすくなっています。どんな持ち方にも対応でき、持ちにくいということはあまりありません。手がかなり大きい人だとグリップ部分が小さいのが気になる可能性はありますが、平均的な手の大きさの人なら問題ないでしょう。
問題なのは、グリップ部分がつやつやしていることです。グリップだけつや消しがされていたり、滑り止めにゴムを付けたりという加工はしていません。
そのため、手汗をかいてくると何度も持ち直す必要があります。格ゲーなら、試合が終わる度に持ち直すような感じです。
となると、試合時間が長いゲームだと少ししんどいかもね
あや
よしぞー
すきを見て持ち直さないといけなくなるよ
F310rはどんなゲームに合う? ジャンルごとの操作感
F310rの特徴やボタンの押し心地などについて、説明してきました。F310rはとにかく入力の正確性に特化したような作りをしており、その点に関しては値段以上の価値があります。ただ、どんなゲームにも合うとは限りません。そこで、ジャンルごとのF310rの操作性について説明します。
2Dアクションゲームでの操作感
2Dアクションゲームにおいて、F310rの操作性はとても高いです。
恐らくは、十字キーの作りに理由があります。十字キーがスティックのように操作でき、斜め入力がしやすいため2Dのアクションゲームはとても操作しやすいです。特に斜め入力が必要な場面が多いメトロイドヴァニアや見下ろし型のアクションゲームでは、大活躍してくれます。
近年はソウルライクの2DゲーもSteamでたくさん出ていますが、そのような高難易度ゲーとの相性も良いです。少しの操作ミスが死に繋がるので、正確にボタン入力ができるのがよくマッチしています。
2Dゲー好きには嬉しい限りね
あや
よしぞー
2Dゲーなら高級コントローラーにも負けないかもしれない
RPGでの操作感
RPGでの操作感は、とても良好です。
コマンド選択式であれば、何の不自由もありません。たとえば、クロノ・トリガーのネズミとの追いかけっこ、死の山の風から隠れるなどの難しいとされている操作もとても簡単に行えます。
FF14のようなアクション性の高いRPGでも、全く問題がありません。
スティックによる移動や、右スティックでの視点移動にも苦労することはないでしょう。
格闘ゲームでの操作感
格闘ゲームと言っても色々ありますが、まずはストリートファイターのようなオーソドックスなタイプから語っていきます。
ストリートファイターなどで使うと強く実感するのが、コマンド入力のしやすさです。特に波動拳コマンドと竜巻旋風脚コマンドは、入力しやすく感じられます。シームレスにぐるぐると十字キーを回せるためでしょう。
同じように、昇龍拳コマンドもやりやすいです。
下を長押しして上を押すようなコマンドの場合、慣れていない間は横入力がされてしまうということがあります。慣れれば、通常の離れた十字キーよりこの手のコマンドもやりやすいです。
続いて、スマブラのようなフィールド内を縦横無尽に駆け巡るタイプの格ゲー、対戦アクションゲームについて語っていきます。
ブロウルハラというスマブラライクなゲームでプレイすると特に感じるのが、小ジャンプのやりやすさです。キーボードで操作したところ、小ジャンプは少しやりにくい印象がありました。
ちょっとだけ押すという操作が、確かな抵抗感があるためにやりやすくなっているのでしょう。かなり正確に小ジャンプと大ジャンプとの使い分けができます。
ただ、ジャンプ後の急降下は少しやりにくいです。この手のゲームでは、空中で下を二連続で早押しすることで急降下できるようになっています。これが、ボタンの反発感のせいか少しタイミングがずれるときがあるんです。
それ以外は、総じて扱いやすく感じられます。
格闘ゲーム、対戦アクションゲームにも向いているコントローラーだと言えるでしょう。
アケコン持ってないなら良いかも!
あや
よしぞー
対戦アクションゲームに関してはアケコンよりコントローラーの方が良いしね
シューターでの操作感
FPS/TPSなどのシューターでは、F310rの良いところと微妙なところが両方如実に感じられます。
良いところは、入力の正確性が高い点です。特にトリガーの暴発が全くと言って良いほどないので、シューターにおいてはかなり良いと言えるでしょう。
微妙なところは、スティックでのエイムです。ただでさえ、スティックでのエイムはマウスに比べて難しいと言われています。もちろんエイムアシストがあるゲームもありますが、それでも少し補いきれない部分がF310rにはあるんです。
よしぞー
ただ、ここは好みや慣れによって変わると思うよ
移動操作には何の違和感もありませんが、右スティックでのエイムが慣れないうちは生まれたての子鹿のようになることがあります。特に一定以上倒そうとすると抵抗がある感覚により、細かいエイム調整が慣れないと難しいです。
逆に、慣れれば調整もしやすくなると感じます。
最初は苦労しそうね
あや
よしぞー
慣れるかどうかも人によるから、シューターメインだと選びにくいかも
F310rは気軽に扱える高コスパなコントローラー
F310rの特徴や使用感などについて、説明してきました。全体的に、2000円のコントローラーとしてはとても作りが良いです。コストを抑えながらも優位に立てるように、入力の正確性という点をとことん強化しているのが好印象。
ゲームに関しても、あまりジャンルを選びません。
2Dのアクションゲーム、RPG、格闘ゲーム、対戦アクションゲームにとても向いています。東方Projectのようなスクロール形式のシューティングにも、ぴったり合うでしょう。
シューターだけかなり練習が必要になるのだけは、注意しておいたほうが良いかもしれません。
とはいえ、2000円でここまで幅広いゲームに対応でき、操作感が良いのは大きなメリットです。保証も2年付いていますし、安心して購入できるコントローラーだと言えるのではないでしょうか。