家の中もそうですが、外出先で音楽を聴くときは特に、没入感が薄まることがありますよね。
外での音楽は世界観に浸れる楽しいときでもあるので、もっと没入感を高めたい!
そんなときに役立つのが、ノイズキャンセリングイヤホンです。特にワイヤレスだとコードが無い分、装着していることすら忘れて音楽と世界観に浸れます。
ただ、色々なモデルがありすぎて選ぶのが難しいですよね。
そこで今回は、ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンの選び方と、5つのおすすめモデルを紹介します!
目次
ノイズキャンセリングイヤホンの選び方
ノイズキャンセリングイヤホンを選ぶときには、いくつかチェックしたいポイントがあります。本来は有線か無線かも気にしなければならないところですが、今回はワイヤレス限定なので省略。それでもこれから語る5点はチェックしておきましょう。
バッテリー持ち
ワイヤレスイヤホンを選ぶときには、バッテリー持ちを重視したほうが良いですよ。意外と見落とす人もいるのですが、バッテリーが長く持たないと充電ストレスにさらされてしまいます。最低でも1日外出して使っても途中で無くならないくらいは欲しいところです。
ノイズキャンセリング機能使用時で7時間を目安にすると良いでしょう。ヘッドホンは製品自体の大きさもあり20時間以上が目安になりますが、イヤホンの場合は5時間~7時間程度が相場となります。
充電ケースに入れて持ち歩くのが当たり前なので、本体自体のバッテリー容量はそこまで高く設計されていないんですよね。
もちろん、長ければ長いほど良いです。
よしぞー
連続再生時間を記載してるメーカーが多いから、そこをチェックだね
急速充電対応か
充電ストレスを減らすのにバッテリー持ちをチェックしたら、今度は急速充電対応かどうかも見ておきたいところです。急速充電というのは単に早く満充電になるということもありますが、たとえば短時間の充電で数時間再生できるという「すぐ使えるようになる」ということでもあります。
出かける前になってバッテリーがないことに気づいた際、急速充電対応機種だとすぐ使えるようになるのでおすすめですよ。
よしぞー
中には15分ほどの充電で2時間使えるようになるものもあるよ!
装着感
イヤホンは、装着感が非常に重要です。ノイズキャンセリングイヤホンのほとんどは、カナル型になっています。カナル型はイヤーピースを耳の穴に入れて、しっかりとフィットさせて聞けるタイプです。遮音性が高く音漏れが少ないという特徴があります。
ノイズキャンセリングイヤホンに使われるのは、そのためです。
カナル型は合うものだと「付けていることすら忘れる」ほど快適ですが、合わないものだと苦痛になります。
合うかどうかはイヤーピースによって大きく左右されますが、イヤホン自体の形状等も左右する要素になるのでチェックしましょう。
よしぞー
店頭で実際に形を見てみるのが早いかも
それでも合わなかったらどうしよう?
あや
よしぞー
汎用のイヤーピースと互換性があれば、取り替えられるよ
ノイズキャンセリング性能と遮音性
ノイズキャンセリングの性能も、チェックしましょう。
よしぞー
ノイキャンには、パッシブとアクティブの二種類があるんだ
パッシブは、物理的に雑音を阻止するタイプです。イヤホンの形、材質を工夫することで遮音性を高めています。耳栓のようなものです。イヤーピースがシリコン製であることが多いので、交換する際もシリコン製のものが必要になります。
アクティブは、デジタル処理で雑音を消すタイプです。
イヤホンに内蔵されているマイクで雑音を拾って、その音波と反対の形をする逆位相の音波を生成して流すことで騒音を消します。どうして消えるのかは難しい話になりすぎますが、簡単に言えば、こんな感じです。
+5と-5のようにプラスマイナスで同じ値のものを足したら、ゼロになりますよね。「+5+(-5)」は「5-5」であり、答えは「0」。それが、逆位相の音でノイズが消える理由です。
万単位の価格のノイズキャンセリングイヤホンは、たいていアクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載しています。
ただ、安価なものだとパッシブだけのケースもあるんです。
当然ながら、単体ならANCをのほうが性能は高くなります。
パッシブは単に「イヤホン自体の遮音性」ですからね。
つまり、ANCとパッシブが合わされば最強ということね!
あや
音質
ここまでの仕様・スペックをチェックしたら、後は音質をチェックしましょう。仕様上は自分の好みでも、音質は好みとは違っていることがよくあります。
音質は本当に、モデルによってさまざまです。
ハイレゾに対応しているかなど、音質をはかれるポイントはたくさんあります。ただ難しくなるので、よくわからないという人もいるでしょう。
そういう場合は、ハイレゾに対応しているかどうかと好みの音の傾向かどうかだけでもチェックしておくと良いですよ。
イヤホンの音には、いくつかの傾向があります。
まず、フラットです。低音域、中音域、高音域のいずれかに偏りすぎることなくバランス良く音を出してくれるタイプになります。それぞれの音をハッキリと聞き取ることができ、再現性が高い「高解像度」と呼ばれる音になることが多いです。
音源の再現性を高めようとすれば、自然とフラットになりますから。
続いて、ドンシャリです。これは低音と高音が強いタイプになります。ロックやメタル、ゲーム音楽との相性が良いです。ただ、好みが分かれます。
他にも重低音をより強くしたもの、フラットでありながら高音を若干強めにしたものなどさまざまですよ。
おすすめノイズキャンセリングイヤホン(WL)を5つ紹介!
ここまでワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンの選び方を説明してきました。それを踏まえ、ここからは実際のおすすめノイズキャンセリングイヤホンを5つ紹介します。仕様を簡単にまとめた後、機能や音に関して詳しく紹介するので参考にしていただければ幸いです。
SONY WF-1000XM4
- 連続再生時間:NCオンで最大8時間
- 連続再生時間:NCオフで最大12時間
- 充電時間:約1.5時間
- 充電端子:USB Type-C
- 型式:密閉、ダイナミック、カナル型
- ドライバー:6mm
- 重量:約7.3g×2
- Bluetooth Ver5.2
- 対応コーデック:SBC,AAC,LDAC
- 自動電源オフ対応
- 外音取り込み機能搭載
- ハイレゾ対応
- 音質改善機能DSEE Extreme搭載
- 360 Reality Audio
WF-1000XM4 は2021年最も話題&人気になったノイズキャンセリングイヤホンで、発売から数か月は中々入手するのが難しかったイヤホンですね。
イヤーピースは、新開発の「ノイズアイソレーションイヤーピース」という独自開発ポリウレタンフォームのみ付属しています。とても遮音性の高いイヤーピースで、パッシブノイズキャンセリング性能が高いです。
低反発力で面を保持しようとする設計で、さらに円柱形になっているため密着感が高くなっています。しかも、耳の形によって合わないという報告がほとんどありません。
交換用もいくつか販売されており、親切ですよ。
しかも、アプリを使えば自分の耳の形で何サイズが合うのかどうか診断してくれます。360 Reality Audioという耳の形などを認識して、音を最適化してくれる機能で使われる技術をそのまま使っているんでしょうね。
ANCは圧倒的で、現在発売されているノイズキャンセリングイヤホンの中でも最もノイキャン性能の強いイヤホンの一つと言ってよいでしょう。
イヤーピース自体の遮音性と合わせると、ほぼ無音の空間が周囲を取り囲んでくれますよ。周囲の雑踏、話し声、電車の音、アナウンスすらも聞こえません。
さらに、ハンズフリー通話時には風を検知するとマイクがオフになる仕組みで風ノイズを低減してくれます。通話相手にも優しいイヤホンです。もちろん、風の音が軽減されるのは外音取り込み機能を使っている際にも同じことが言えます。
音質はハイレゾ対応ということもありますし、DSEE Extreme対応ということでとても良いです。
DSEE Extremeというのは、AI技術によって曲を分析し、ハイレゾレベルの高音質に自動的にアップスケーリングしてくれる機能のこと。これにより、さまざまな圧縮音源を実質ハイレゾ化できます。
音はソニーらしくクリアでフラットです。どの音域もしっかり判別できるだけでなく、余計な味付けなどもありません。音源をうまく再現している印象があります。
その分、低音重視の人には物足りないと感じることもあるでしょう。
Apple AirPods Pro MWP22J/A
- 連続再生時間:最大4.5時間(NCオン)
- 連続再生時間:最大5時間(NC・外音取り込みオフ時)
- 充電端子:USB Type-C
- 型式:カナル型
- 重量:5.4g×2
- 対応コーデック:Apt-X LL,Apt-X,AAC,SBC
- マルチペアリング:対応
- 外音取り込みモード:対応
- アダプティブイコライゼーション
ANCに外音取り込み機能も付いています。ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンに求められる機能は、揃っていると言えるでしょう。Apple製品は比較的機能を抑えてシンプルに作ることが多いですが、このようなニーズの高い機能を外さないところが良いですよね。
外音の取り込みにより、装着しながらの会話、電車アナウンスの聞き取りが可能です。
さらに、AirPodsでは珍しくカナル型になっています。Airpodsが気になっていても、インナーイヤー型の製品ばかりで躊躇していた人には朗報です。ノイズキャンセリングイヤホンとして考えても、遮音性が高まるのでカナル型のほうが良いですしね。
仕様上は地味に見えるかもしれませんが、MWP22J/Aの心臓とも呼べるH1チップの性能がかなり良く、他との差別化もできています。
H1チップは圧倒的高音質と使いやすさを実現しているのが、売りです。
音質自体は前述のSONYの方が高いものの、AirPodsとして考えると良い方だと言えます。好みに個人差はあるものの、フラットかつクリアで音源がよく再現できているのではないでしょうか。
何よりマルチペアリングに対応しており、さらにH1チップの恩恵で直感的にペアリングの切り替えができるのが良いところです。モード変更も簡単かつスムーズで、初めての完全ワイヤレスイヤホンという人におすすめしやすい製品になっています。
また、ノイズキャンセリング性能も優秀です。
水の中にいるかのような無音が広がっています。水の中は宇宙空間を再現するのに良いとされているので、宇宙にいるかのような無音とも言えるかもしれませんね。
ホワイトノイズひとつないのは、あまりにも優秀です。風切り音も全くと言って良いほど入りません。
外音取り込みに関しても、ごくごく自然です。SONYのイヤホンの場合、ノイキャンにはホワイトノイズが入らないものの、外音取り込みに関してはホワイトノイズが入ります。MWP22J/Aには、それすらありません。
よしぞー
とにかく使い勝手の良いノイズキャンセリングイヤホンを探してるならおすすめ!
純粋なノイキャン性能、外音取り込み性能を求める人にも良さそうね
あや
Jabra Elite 75t
- 連続再生時間:最大5.5時間(ANCオン)
- 連続再生時間:最大24時間(ケース含む)
- 連続再生時間:最大28時間(ケース含み、ANCオフ)
- 高速充電:15分の充電で最大1時間
- 型式:カナル型
- 重量:5.5g×2
- Bluetooth 5.0
- 対応コーデック:SBC,AAC
- 外音取り込み機能対応
- 音質調整機能あり
Jabraはデンマークに本拠のある「GNオーディオ」という会社のブランドです。日本とユーラシア大陸を結ぶ通信ケーブルを敷設したことがあったり、業務用Bluetoothヘッドセット世界シェアNo.1だったりと技術力は折り紙付きな企業となっています。
Elite 75tは、Jabraの完全ワイヤレスイヤホンのミドルクラスモデルです。
イヤーパッドはシリコンラバー素材。結構厚みがあるので、遮音性も高いです。
ケースから取り出すと電源がオンになり、すぐペアリング済みのスマホと接続されます。耳に装着するときには既に接続済みとなっており、接続が早いのが特徴です。
操作は左右本体にあるボタンで行えます。それぞれ押した回数によって機能が異なり、覚えやすく使いやすいです。長押しは左だと音量ダウン、右は音量アップになっています。
ノイズキャンセリング性能に関しても、とても高いです。遮音性自体も高く、装着するだけで電車のアナウンスが聞こえなくなり、人の声もあまり聞こえなくなります。そのうえANCをオンにすれば、周囲の音をほぼ消せますが、他と比べると少し弱めです。
後からソフト的に追加されたものなので、仕方がないのかもしれませんが。
外音取り込み機能「Hear Through」の性能も良く、ごく自然です。ホワイトノイズが気になるということもありません。
こちらは最初からあった機能なので、その違いでしょう。
音の傾向は、若干低音寄りのフラットといったところです。
低音寄りなので迫力はありますが、中音域・高音域にもしっかりとした芯が通っています。繊細な音もしっかり鳴らしてくれるため、とてもバランスが良いです。
ただ、透明感・艶感などの音の情緒に関しては物足りない部分があります。
音質自体は、とても良いです。奥行き、立体感など音場の作りもクオリティが高く、感動できます。
また、アプリによる細かな音質調整が可能です。低音をより強くしたり、逆に高音域を強くしたりはお手の物。イコライザ特有の違和感なども特になく、気分に合わせてさまざまな音を楽しめます。
楽しそうなイヤホンね!
あや
ANKER Soundcore Liberty Air 2 Pro
- 連続再生時間:最大6時間(ANCオン)
- 連続再生時間:最大6.5時間(外音取り込みモード)
- 連続再生時間:最大7時間(通常モード)
- 充電時間:本体は約1時間で完了、ケースは約1.5時間で完了
- 急速充電:15分間で約3時間
- 型式:カナル型
- 重量:62g(ケース含む)
- Bluetooth 5.0
- 対応コーデック:SBC,AAC
- モノラルモード対応
充電ケースを使用しながらだと、ANCを常時オンにしていても21時間、通常モードだと26時間使えます。さらに15分間の充電で3時間くらい使えるので、通勤時に使う程度なら出かける前に充電すれば問題なく1日持つでしょう。
ワイヤレス充電もできます。
ケースが丸みを帯びていて薄いのもポイントです。ポケットに入れて持ち歩けます。ケースの質感もマットで高級感があり、触り心地も良いです。
イヤーピースは9サイズ付属しており、どんな耳にも合わせられます。合わなくても交換できるとはいえ、純正品で自分に合わせられるのが嬉しいところです。
イヤーピースは一般的な形状をしており、遮音性は「よくあるカナル型」といった印象があります。他のカナル型イヤホンと比較して遮音性が特に優れていることも、劣っていることもありません。
地味にありがたいのが、片耳だけの使用ができるところです。片耳使用時はモノラルモードになるので、ステレオを片耳で使って聞こえない音が出てくることもなくなります。
ノイズキャンセリングは、Anker独自のウルトラノイズキャンセリング機能を搭載。イヤホンの内外にある2つのマイクにより、高性能なANCを実現しています。ホワイトノイズがほとんどなく、ノイキャンにありがちな圧迫感もなく、性能はとても高いです。
モードは屋外、屋内、交通機関の3つがあります。
屋内モードは自宅内で発生する家電の稼働音、近所の工事現場の音、テレビの音、子供の声などをピンポイントで消してくれる印象です。
屋外モードは街中の喧騒、エンジンなどの低域の周波数を消すのに特化しています。
交通機関モードは電車が走るときのガタゴトとした音、地下鉄のゴーッという音が消えますよ。
全ての音を消して無音空間を作るというよりも、ピンポイントに消したい音を選べるといったところです。カスタムモードもあるので、シチュエーションによってかなり使い分けができます。
音質は1万円台前半のイヤホンだということを考えると、十分すぎるほどに高いです。低音域が力強く楽曲の下支えをしてくれており、中高音域が高解像度を保ちながらしっかりと主張してくれます。バランスが良く、音の響きが心地よいです。
とても丁寧な音作りという印象があります。
よしぞー
コスパがかなり高いワイヤレスイヤホンなんだ
予算は押さえたいけどノイキャンイヤホンを使ってみたい方にはおすすめね
あや
ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless 2
- 連続再生時間:最大7時間
- 充電時間;1.5時間
- 急速充電:10分で1.5時間
- 本体重量:6g×2
- ケース重量:58g
- Bluetooth 5.1
- 対応コーデック:SBC,AAC,aptX
- マルチペアリング対応
- 外音取り込み対応
充電ケースは外装がファブリック素材になっています。少し珍しいパターンですね。高級感があり、手触りが良いです。
イヤホンを耳から外すだけで音楽や動画が一時停止され、再び装着すると再生再開される機能が搭載されています。
イヤーピースはいたって普通といったところです。ノズルが短いので、他の製品に交換する際は平べったいイヤーピースはおすすめできません。
装着感は全体的にソフト。圧迫感が少なく、それでいてしっかり密閉される感覚はあります。長時間装着しても疲れません。イヤホン自体の遮音性は、それほど高くもありませんが、低くもなくといったところです。
ANCの効果は、結構高いです。ノイズキャンセリング特有の圧迫感、ツンとしたような感覚は全くありません。それでいて、目立つノイズをしっかり消してくれます。特に低音域のノイズに対しては効果が高いです。
外音取り込みもホワイトノイズがあまりなく、ごく自然。精度も高いので、外音取り込みをオンにした状態だとイヤホンを付けていることを忘れてしまいます。
通話品質も高いです。周囲の雑音がここでも低減され、自分の音声を相手にクリアに伝えられます。
音質は、流石ゼンハイザーといったところです。
とてもナチュあるな音質で、聞きやすいのが特徴。ゼンハイザーらしい、フラットでクリアな音に仕上がっています。低音から高音までしっかりバランス良く鳴り、どのジャンルの音楽を聞いてもボーカルは前に出てきてくれるんです。
ストリーミングサービスで幅広いジャンルの曲でプレイリストを組んでいても、どんな曲も高音質なクリアサウンドで楽しめますよ。
イコライザーでの音質調整も細かく可能です。
よしぞー
音楽を楽しむためのノイキャンイヤホンって感じだね
ノイズキャンセリングイヤホンで外出先でも音楽を楽しもう!
これまで、ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンについて紹介してきました。今回おすすめしたモデルは、どれもクオリティが高いです。音質ならSONYの圧勝といった意見もありますが、それぞれ異なる音になっているため甲乙つけがたいですよ。
ノイズキャンセリング性能も、モデルごとにさまざまです。SONYやAir Pods Proは無音空間を作るのがうまいものの、モード選択が無く、0か1かといったところがあります。モード選択可能なモデルは、特定の音を消すのが得意な代わりに無音とまではいきません。
モデルごとの違いをしっかり理解し、自分に合ったワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンを選びましょう。