2021年後期からの投資界隈は、メタバースがとにかく人気です。
NFTへの投資がメインとなっていますが、メタバース関連の銘柄への株式投資も盛んに行われています。
メタバースが注目度をあげたことで、その関連企業の株を買う人が増えているんです。VR機器を作っている企業だけでなく、たとえば半導体企業など機器を作るために必要な部品を作っている企業まで注目されています。
今回は、そんなメタバース関連の注目銘柄、市場規模などについて解説しましょう。
目次
そもそもメタバースって何?
まずは、今回の話題では外せない、そもそもメタバースとは何者なのかについて説明します。
メタバースは、仮想空間に自分の分身となるアバターでログインし、そこでさまざまな遊びやビジネス、コミュニケーションなどを行う空間のことです。簡単に言えば、インターネットが3Dになったものだと考えるとわかりやすいかもしれません。
語源は、SF作家ニール・スティーヴンスンの1992年の「スノウ・クラッシュ」という作品に登場する、ネット上の仮想空間にあります。ここから、メタバースという名前がネット上の仮想空間に適用されるようになりました。
メタバース関連の分野は、今とても多いです。
わかりやすいところだとVR機器を販売している企業や、PCなど関連デバイスを販売している企業などなど。他にも3DCGの分野、ビジネス分野、教育分野、エンタメ分野などが軒を連ねています。
よしぞー
エンタメだとゲーム、音楽あたりが特に深く関わってるね
そんなメタバースですが、NFTという「デジタルデータに所有証明書をつけるような技術」と紐付けることによって、ゲーム内で独自の経済圏ができているケースもあります。
そこでNFTでアートを買って投資したり、ゲーム内のNFTの土地を買って不動産を営んだりする例が増えているんです。
それが、メタバース関連が投資で注目されている理由よね
あや
よしぞー
メタバースが流行り、NFT投資が流行り、そして株式投資も…という感じだね
メタバースの市場規模はどれくらい?
メタバースの市場規模は、まだまだ発展途上です。
ただ、確実に伸びてきています。
たとえばFacebookがMetaという社名に変えて、社運をかけてメタバースに取り組んでいくということを発表しました。それから各メディアでメタバースが多く取り上げられるようになり、名称だけならもう浸透してきていると言っても良いかもしれません。
Bloombergの推計値によると、2020年はメタバースの市場規模は4787億ドル程度でした。メインとなるのは、ゲーム、AR&VRハードウェア関連とゲームソフトウェア、ライブ・エンタメサービスです。
2018年頃からARとVRは普及しはじめているため、市場規模は伸びてきています。その結果が4787億ドルという数字です。
十分大きすぎるように見えるけど、どうなの?
あや
よしぞー
新しい分野としては、結構大きいよ
一方、2024年ごろには7833億ドル程度にまで拡大すると予想されています。
つまり、今後3年くらいでメタバース関係の分野に参入する企業が増えたり、現在参入している企業の事業規模が拡大したりする可能性が高いということです。
現状の市場規模も十分大きく、さらに今後拡大する予想があるということも投資的に注目だと言える理由ではないでしょうか。
メタバース関連銘柄の値動きについて
メタバース関連銘柄は比較的新しい投資テーマなため、データがそう多くはありません。
米国市場に上場している「ラウンドヒル・ボール・メタバースETF」の場合、上場したのは2021年の6月末です。値動きは、通算だと市場平均を少し下回っています。テクノロジー株の値動きが近年重くなっており、そのために値が低くなっているのでしょう。
Facebookが社名変更を発表してからは大きく値上がりし、市場平均を上回ることもありました。
他の銘柄についても、特にメタバースを中心に据えている企業ほど値動きが激しい傾向があります。
「みんかぶ」でメタバース関連銘柄について見ていると、間接的にメタバース関連銘柄に位置づけられている企業のほうが安定的に高くなっている印象があるんです。
たとえば任天堂などのゲーム会社、ソニーグループなどのデジタル機器を総合的に扱っている企業などですね。もちろん、日本だとまだメタバースを中心に据えたビジネスをする企業がほとんどないためかもしれませんが。
現在メタバースに投資するのであれば、ゲーム関係・デジタル機器関係が安定だと言えるかもしれません。
メタバースの注目銘柄を紹介します!
メタバースの関連銘柄の値動きや市場規模などについて見てきましたが、新しい市場ということもありまだまだ安定はしていないといった傾向があります。そんな中で、メタバース関連銘柄として特に注目されている銘柄を5つ紹介しましょう。
Meta
メタバースでの注目度というと、やはりMetaは外せないでしょう。
メタバースが話題を呼んでいたタイミングで、社名をMetaに変えたほどですから。それだけメタバースに注力している企業だと言えます。さらに、OculusQuest2など人気VRゴーグルの販売もしている企業です。
そして、同社が開発しているHorizon Workroomsという仮想空間上の会議サービスも注目を集めています。OculusQuest2などを装着することによりアバターの操作が可能です。
VRとビジネス分野とを紐付けた先駆け的な企業であり、今後もその技術やSNS運営経験などを活かして「コミュニケーションとビジネス」を主体としたメタバース事業を牽引していくのではないかと期待されています。
ソニーグループ
ソニーグループは電子機器、ゲーム関係の企業として世界的に有名です。テレビにオーディオ、プレイステーションシリーズなどなど世界的に人気な製品が多数あります。株価も非常に高いです。
さらに、メタバース関係にも、積極的な動きを見せています。
たとえばPSVRなどのVR機器の開発と販売です。メタバースのゲームとして数えられるフォートナイトをつくっているEpic Gamesにも多額の出資をしており、Epic Gamesはこれから積極的にメタバースに関わっていくことを発表しています。
将来的に、ソニーが直接的にメタバースに関わるような動きも見せるのではないかと期待されているんです。
自前でVR機器あるし、PSVR専用のメタバースとか出してきそうよね
あや
よしぞー
Oculusみたいな使い方も考えてそう
マイクロソフト
マイクロソフトは、さまざまなハードウェア・ソフトウェアの開発・販売をしている老舗企業です。
Windowsの開発をしているのが、IT業界ではとても大きいところですね。IT企業の中ではかなりの古参ということもあり、メタバースが注目される前から人気の銘柄です。
マイクロソフトは、Mesh for Teamsの公開を進めています。
これは既存のオンラインミーティングツールに、メタバースを導入させたようなものです。そのうえ、家庭用ゲーム機であるXboxシリーズにもメタバース環境を導入する予定だとしています。
特にオンラインミーティングはMetaもやってるし、結構な対抗馬になりそうね
あや
よしぞー
既存のツールをメタバースに対応させるというのが強みだね
NVIDIA(エヌビディア)
NVIDIA(エヌビディア)は、アメリカの大手半導体メーカーです。半導体はさまざまな機器に使われる部品で、ゲーム機器やVR機器などにも関わってきます。分かりやすいところであればゲーミングPCのグラフィックボードです。
昨今は半導体の需要がとても高いため、半導体メーカーは注目度が高いです。
さらに、AI分野にも力を注いでいます。
そしてエヌビディアは、仮想空間のプラットフォーム「オムニバース」を開発しているんです。
オムニバースは、ユーザー同士が共同作業を行える仮想空間となっています。2021年11月にこれの一般提供を開始したことで、話題になりました。
現実の出来事を仮想空間上で忠実に再現でき、建築やゲームなどの3DCG制作が可能です。精巧に作ることができるほか、製造業に向けたシミュレーションツールも利用できます。
色んな企業が絡むサービスだし、注目度も高そう
あや
よしぞー
このサービスの影響か、2021年11月には株価が大幅に上がったりもしたよ
今後は、さらに得意分野のAIとメタバースとを組みわせることが注目されます。
ユニティソフトウェア
ユニティソフトウェアの連結子会社であるUnity Technologiesが、Unityというゲームエンジンを開発・提供しています。これは誰でも使うことができ、VRゲームなどによく使われているのが特徴です。
リアルタイム3Dコンテンツの作成および操作が得意で、建築家やデザイナーなども利用しています。
他にも16億2500万ドルで、ウェタ・デジタルのツールや技術、人材を買収するという動きがありました。ウェタはアバターなどの映画で使われたVFXを手掛けている会社で、これもまた3DCGコンテンツに関わってくるものです。
こういうところから注目されているほか、最早VR関係・メタバース関係には欠かせないUnityを連結子会社が提供しているということもあり、注目度が高くなっています。
メタバース関連銘柄への投資はあり? 問題点と課題とは
メタバース関連銘柄について語ってきましたが、現状問題点と課題もあります。
当時はメタバースという言葉はありませんでしたが、セカンドライフなどメタバースに該当するサービスのブームが以前もありました。
ただ、今回の流行は規模がより大きいです。NFTをメインにしてメタバース上で暗号通貨を取り扱ったり、メタバース上で仮想通貨を用いた売買をしたりという動きもあります。現実世界に近づいているという都合上、個人情報保護などさまざまな課題があるんです。
大きな課題は、法整備でしょう。
メタバース内でのお金のやり取りには、暗号資産を使うことがあります。世界的に暗号資産が使われるようになったときも法的な混乱がありましたが、それが落ち着いてきたところにメタバース上での取引というのが出てきたんです。
現状、仮想空間上での暗号資産の取引に関する規制をした法律は、少なくとも日本国内にはありません。
これだけの規模でブームが起き、さまざまな大企業が絡んでいることなのでいずれ本格的に法規制が入るでしょう。それは整備されて安全になったと言えますが、同時に身動きが取りづらくなったとも言えるのではないでしょうか。
そうなったとき、メタバースに欠かせない大規模ネットワークシステムの構築・維持ができるかどうか、幅広い人がこれまで通りメタバースを楽しめるかどうかは未知数です。
他にも、現状の課題としては仮想空間上の個人情報の扱い、青少年保護などの問題も挙げられています。
また、まだまだメタバース関係の動きは本格始動したとは言い難いです。色々な企業が「力を入れていく」という姿勢を見せていますが、本格的に注力されるようになるには時間がかかります。
その後になって、これらの課題やまた新しい課題が盛んに語られるようになるでしょう。
結局、銘柄を買うのは有り?無し?
あや
よしぞー
少し怖い部分もあるけど、逆に言えば本格始動する前に買っておくと良いんじゃないかとも思うよ
メタバース関連銘柄は注目度が高い! 今後にも注目しよう
これまで、メタバース関連銘柄の市場規模や値動き、注目の銘柄などについて解説してきました。
メタバースは、まだまだ発展途上の市場です。言葉が新しくできて、さまざまな大企業が注力していくのではないかと期待されています。実際ソニーが多額の投資をしたり、Metaがバーチャル会議サービスを提供したりと動きは激しいです。
今後はさらに動きが激しくなっていくことだと考えられます。
今後も、メタバースを取り巻く状況には注目していきたいところですね。