メタバースにはさまざまな楽しみ方があります。中には、メタバース内で建築を楽しむ人もいるんです。
建築ができるゲームは、今やたくさんあります。たとえばマインクラフトをはじめ、テラリアなど3D・2Dとに問わず建築を楽しめるんです。メタバースの良いところは、それらよりも多くの人に公開して楽しんでもらえるということと、VRに対応しているということでしょう。
自分が作った建物が目の前いっぱいに広がるのは、なんとも言えない達成感があります。
今回は、そんなメタバースでの建築の可能性、運用方法や楽しみ方、建築を楽しみやすいメタバースのプラットフォームについて紹介しましょう。
目次
メタバースでブロックチェーン・NFTを活用できる
メタバースの土地や建築について語る前に、まずはメタバースとブロックチェーン技術・NFTとの関係について語る必要があるでしょう。
ブロックチェーン技術というのは、簡単に言えば改ざんしにくい電子領収書のようなものです。
AさんがBさんに、服を1万円で売ったとします。そしたら今度は、BさんがCさんに8000円で売ったとしましょう。
通常の取引履歴では、Aさんには「Bさんに1万円で売った」という記録のみが残りますよね。Cさんには、Bさんから8000円で買ったという記録が残ります。
Bさんには、Aさんから1万円で買ったという記録と、Cさんに8000円で売ったという記録が残るわけです。
ただ、この2つの領収書は別個に存在して、決して連続した取引履歴にはなりません。
これを、全て連続した取引履歴にして残るようにしてしまおう、というのがブロックチェーンです。
わかりやすいのが、Cさんの取引履歴でしょう。
Cさんには、「AさんがBさんに1万円で買い、BさんがCさんに8000円で売った」という一連の記録が残ります。
そして、このCさんが実は悪い人だったとしましょう。
Cさんが取引履歴を改ざんしたとします。ただ、自分の取引履歴だけ改ざんすると、AさんとBさんには正常な履歴が残るんです。Cさんは続いて、AさんとBさんの履歴も改ざんしないといけなくなります。
この手間をかけている間に、「整合性が取れない」ということに気づかれてしまうでしょう。
そういうわけで、ブロックチェーン技術を使うと事実上改ざんが難しい取引データが作れます。
これを適用させたトークンが、NFTです。取引履歴は個々人で異なります。同じものなど一つもありません。そのため現実の資産などと同じように、唯一無二のものとしての価値を持つと言われています。
メタバースには、このブロックチェーンとNFTを活用した「土地」という概念があるんです。
ゲーム上の土地っていまいちピンとこないわね
あや
よしぞー
土地については、これから詳しく語っていこう
メタバースの土地とは? どのように使うのか
メタバースには、ブロックチェーンとNFTとを活用した土地などのアイテムがあると説明しました。仮想空間の土地と言ってもイメージしづらいでしょうが、実際は簡単な話です。そこで、メタバースの土地とはどういうものか、どのように使い楽しむものなのかについて説明しましょう。
土地はメタバース内で自分の好きにできる場所のこと
メタバースの土地というのは、その仮想空間上で自分の好きに使える場所のことを指します。
土地の概念を導入しているメタバースだと、土地を持っていないと自分の建築物をたてることができません。建築をしたりワールドを作成したりするのに、土地が必要になります。要は、土地が無ければ世界を旅する放浪者のようになるということです。
もちろん、それでもメタバースの基本たる交流は楽しめます。他の人が作った建物に入ったり、ワールドを探検したりできますから。
ただ、土地があればもっと自由になるんです。
自由度を高めるための課金アイテムのようなもの、と考えるとわかりやすいでしょう。
メタバースの建築自体を楽しめる
土地があると、メタバース内で建築を楽しむことができます。
メタバースは交流をメインとする仮想空間ですが、建築を楽しむためにメタバースを遊ぶ人も少なくありません。
メタバース内での建築の醍醐味は、自由なことです。メタバース内で使えるアセットさえあれば、自分で3Dオブジェクトを作れなくても建築ができます。マイクラのような資材集めもありません。自分で3Dオブジェクトを作れる人にとっては、自分の発想力を発露する場所になるんです。
建築作業はコツコツとした地味なものではありますが、ものづくりが好きな人にとってはメタバースは最高の趣味の場所だと言えるでしょう。
自分の家をつくったり凝ったワールドを作ったりできる
メタバースの建築は自由だ、と説明しました。
じゃあ具体的に、どういうものが作れるのか気になりますよね。
その答えは、「想像力と技術のある限り何でも作れる」ということになります。自分の発想をすべて形にするには、既存のアセットでは足りないこともあるので、何でも作るには一定の技術は必要です。
ただ、技術さえ身につければ自分の想像力を形にできるというのは、ものづくりが好きな人にとっては最高でしょう。
実際にメタバースでつくられている建築物の例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 現実の自分の部屋
- 理想の自分の部屋
- 現実の街並み(秋葉原などが人気)
- 音楽クラブ
- ライブ会場
- 宙に浮く神社
- タワーマンション
- ゲームに登場する街
- 荒廃したディストピア世界
- スペースコロニー
部屋を作ってインテリアに凝ってみるのも、凝ったワールドを作るのも楽しいものです。しかも、人を呼んで直に反応を見ることもできます。
より高い価値がついたときに売る投資にもなる
メタバース内の土地は、時価というケースも多いです。NFTというのは最近できたもので、なかなか価値が固定化されていません。そこで安いときに買って、より高い価値がついたときに誰かに売るという人もいます。
投資ですね。
現実の投資より値動きが激しかったりして、メタバース内の土地投資はなかなか面白いです。
建築物を貸し出して賃貸営業ができる
自分の土地に建築した建物を、誰かに貸し出すこともできます。この建築物のレンタルによって、現実の賃貸のようなことを営む人もいるんです。レンタル料を取って、制限の範囲で使ってもらうというイメージですね。
レンタルには、さまざまな例があります。
たとえば会議室などのように時間単位でレンタルしたり、イベントスペース用にレンタルしたりですね。マンションなどの集合住宅をつくり、人に住んでもらって家賃をもらうということもあります。
まさに、バーチャル不動産業ですね。
建築は得意な人に依頼することもできる
建築はメタバースの醍醐味のひとつですが、中には自分の建築物や物件は欲しいけど自分で作るのは苦手意識があるという人もいるでしょう。
そういう場合、得意な人に依頼することもできます。どんなプラットフォームにも、建築を得意としている人が大勢いるんです。そういう人に声をかけて、ある程度の依頼料を渡して作ってもらうケースもあります。
制作費はかかりますが、それでハイクオリティな建築物が手に入るので興味があるけど作れないという人は依頼するのもアリですよ。
建築を楽しみたい人におすすめのメタバース
メタバースと言っても、プラットフォームは結構多いです。どんどん新しいプラットフォームも生まれています。そこで、建築を楽しむのにおすすめなメタバースのプラットフォームを3つ紹介しましょう。
VRChat
VRChatは、土地が無料です。NFTアイテムを持ってくることはできますが、VRChat特有のNFTアイテムというのはありません。普通にアセットストアで汎用的な3Dモデルを買えば、それを使えます。
土地代が無料なので、無限に建築が楽しめるんです。
メタバースで自分で建築を楽しむという目的においては、とても使いやすいですよ。
ユーザー数も多く、ワールドをパブリックに設定すれば誰かは訪れてくれるというのも魅力的です。いつインしても盛り上がっているプラットフォームですし、建築以外にも楽しみ方はさまざま。
ワールド数も圧倒的に多く、建築をする人でもしない人でも楽しめます。
NeosVR
NeosVRは、VRChatと基本的なシステム面は似ています。ワールド作成や建築をするのに、有料のNFT土地は必要ありません。無料で、いくらでも建築を楽しむことができます。
そのうえ、NeosVRはゲーム空間内で直接作業ができるんです。なにもないワールドに直接大地をつくり、水をひき、建築物を建てることができます。そのため、マイクラのように人と同じ空間に集まって協力して作業できるんです。
人と協力するというのも、マイクラなどのゲームの建築の醍醐味ですよね。それをより深く味わうことができるので、建築好きにはおすすめです。
ユーザー層にクリエイター・プログラマー関係の人が多いのも、魅力的。建築の相談などがしやすいうえ、依頼もしやすいですよ。
comony
comonyは、2020年にでいた若干新しめのプラットフォームです。
特徴的なのは、建築に特化していること。専用の開発キットが用意されており、これを使うことで誰でも簡単に建築することができます。建築家・建築士が開発に関わっているサービスなので、建築関係の機能はとても充実していますよ。
もちろん、他のメタバースのように人を集めて交流したり、自分が建築した空間でイベントを開催したりすることもできます。人に貸し出すなど、賃貸営業的なこともできるので、楽しみの幅はとても広いです。
建築をとことん突き詰めたいという人には、とてもおすすめですよ。
建築でメタバースの楽しみはより広がり深くなる!
メタバースは、さまざまな楽しみ方ができます。建築は、そのうちのひとつです。Twitterを見ていると、メタバース内で建築を楽しんでいる人が大勢いることがわかります。プラットフォームによって細かな違いはありますが、自由な発想で建物や世界を作れるのは楽しい体験です。
まずは色々な建築を見物することからはじめて、興味があれば自分でも建築したり誰かに依頼して自分好みな物件を手に入れたりするのも面白いのではないでしょうか。