DELLはまだBTOが広がっていない時代に、既にBTOという直販スタイルをとっていました。2001年にはコンピュータメーカーとして世界1位になり、今も有名なメーカーですよね。PCメーカーの話になると、必ずと言って良いほどDELLの名前が出ます。
ただ、DELLがどんなメーカーなのかを具体的に知っている人は、PCマニア以外には少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、DELLの特徴、メリット・デメリットを紹介しましょう。
目次
DELLってどんなメーカー? 特徴を簡単に紹介します
まずは、DELLがどんなメーカーなのかについて簡単に説明します。メリットともデメリットとも言えない部分にはなりますが、DELLについてより深く理解したいときの参考にしていただければ幸いです。
テキサスに本社を構える超大手企業
DELLの本社は、アメリカのテキサス州にあります。資本金は約9000億円と、かなりの大企業です。先述のとおり、まだBTOというビジネスモデルが珍しい時代からBTOパソコンの販売を行っています。BTOパソコンメーカーのパイオニアとも言える存在でしょうか。
家電量販店などで多数販売されているので、DELL製品を見たり店員に勧められたりしたことのある人も多いでしょう。
ビジネスモデルのノートパソコン、デスクトップパソコンあたりを購入したことがある人も多いかもしれませんね。
昔は中級者以上向けだった
DELLは2000年頃には、中級者以上向けだと言われていました。この頃はPCユーザーが今ほど多くはありませんでしたし、BTOも一般的ではありませんでしたから。DELLはBTOというビジネスモデルでPCマニアの注目を引き、有名になったんです。もちろん、法人向けPCとしても伸びていきました。
そのためか、初心者には難しいという意見が多くなったんです。実際の支持層も中級者以上でした。
ただ、2000年頃の中級者と、現在の中級者とは意味合いが少し変わってきます。当時はPCユーザーがまだまだ少なく、PCが教育に導入されるよりほんの少しだけ前です。小学校や中学校でPCが広く取り入れられたのは、だいたい2010年前後でしょう。
今は当時よりもPCの知識がある人が増えており、初心者と言っても全くの無知という人は少なくなっています。当時の基準で中級者向けだと語る人もいるものの、現在の基準だと初心者を抜け出そうとしている人向けということになるのではないでしょうか。
実際、仕様等は初心者にも優しくなっています。
ただし、マニュアル書はペラペラです。詳しくはWebで確認しないといけません。そこには、注意が必要です。
ゲーミングPCブランド「ALIENWARE」とは
DELLのゲーミングPCというと、ALIENWAREが語られることが多いです。これは、DELLのゲーミングPCの中でも高級志向のブランドとなっています。ラインナップを見ると、半数以上はALIENWAREの製品です。
近未来SF的なデザインが特徴的。デスクトップのケースが特徴的なのはもちろん、ゲーミングブックのデザインも少し変わっています。
超高品質&高い安定感が人気のブランドではあるものの、価格は高めです。本格的なゲーミングPCが欲しいという人向けですね。
一方、ALIENWARE以外のゲーミングPCは比較的安くなっています。
DELLでPCを買う4つのメリットを紹介します
DELLは巨大な資本を持つ大手企業で、BTOのパイオニア的存在ということでした。パソコンメーカーの歴史を語るうえでは重要そうではありますが、それと購入して満足できるかどうかは別の話です。そこで、DELLでPCを買うメリットを4つ、それぞれ簡単に紹介します。
他社と比べて安い
DELLのPCは、他社と比べて安いです。店頭販売されている市販モデルはそうでもありませんが、BTOで販売されているPCはコスパが高いんですよ。BTOだから値段が抑えられるという理由は、もちろんあります。
ただ、それ以上にDELLの企業努力によるところが大きいです。例えば、高級モデルをいくつかシリーズとして出しておいて、その他は低価格で売りまくるという戦略。PCにとにかくこだわりたい上級者や、お金に余裕がある人からはしっかりと儲けを取れます。一方で予算に余裕がない人も逃さず顧客にできるため、企業としてもメリットが大きいです。
それでいて、ユーザーにとっては安くてそれなりに良いものが手に入るうえに、予算に合わせて複数のモデルから選べるというメリットがあります。
商売が上手なんですよね。
さらに、先述のマニュアルもコストカットを担っています。分厚いマニュアルを刷るのにもお金がかかりますよね。その分も、当然商品の値段に含めなければならなくなります。マニュアルを簡略化し、Webには詳細を置いておくことでコストカットをしているんです。
このような企業努力により、DELLは低価格帯のモデルを充実させ、コストパフォーマンスに長けたメーカーという印象をユーザーから受けるようになったのかもしれませんね。
ラインナップが豊富
DELLは、ラインナップが豊富です。
ノートPCだけでも、これだけのシリーズがあります。
「XPSノート・2-in-1」
「Inspironノート・2-in-1」
「Alienware」
「Dell G」
「Chromebook」
デスクトップPCのシリーズも、以下の5つです。
「Inspiron」
「Vostro」
「XPS」
「Alienware」
「Dell G」
さらに、各シリーズごとに複数モデルが展開されています。特に一般向けのInspironと、ビジネス向けVostroシリーズはかなり豊富です。
ゲーミングPCは「Alieware」「Dell G」の2シリーズあり、これもモデル数がたくさんあります。そのうえ、各モデルごとの個性もハッキリしているんです。たとえば、Dell G5スタンダード、フルカスタム、プレミアムはゲーミングPC入門用としてある程度割り切りつつ、多くのゲームが動くようなスペックに調整されています。
このように幅の広いラインナップの中から選ぶことができるため、自分に合ったPCを購入しやすいんです。
セールがお得
DELLは、セールを頻繁に行います。定価は少し割高に感じるモデルもあるものの、全ての製品が定価で販売されていることがなかなかありません。
たとえばセールを行っていなくても、「カートに入れると17%オフクーポンが使える!」と割引することがあるんですよ。
それでいて、大型連休中のセールの割引額はかなり大きいです。ほとんど常時行っていると言っても良い一定の割引に加えて、さらに割引されることもあります。セールやキャンペーンありきの価格設定なのでしょうが、それを考慮してもお得度は大きいですよ。
サポートが充実している
DELLは、サポートが充実しています。BTOパソコンメーカーの多くは、受注と同時に社内データベースに「製品の構成などの情報」と「顧客情報」とが紐付けされ、保存されるんです。それをもとに1台1台丁寧に対応してくれるため、BTOメーカーはそもそもサポートが充実する傾向があります。
さらに、DELLには、オンサイトサービスという独自の保証制度があるんです。これは、電話で予約すると、翌営業日には専門のエンジニアが交換部品を持って修理しに来てくれるというサービス。有償プランではありますが、決して高くはありません。
有償サポートの種類も豊富です。自分に必要なものだけを選び、サポートを手厚くすることができます。
DELLでPCを買う4つのデメリット・注意点を紹介します
DELLでPCを買うメリットを4つ紹介してきました。とにかくコスパが良いという感じでしたね。ただ、もちろんデメリットや注意点もあります。今度は、DELLでPCを買うデメリット・注意点を4つ紹介しましょう。
製品に当たり外れがある
DELLのPCには、当たり外れがあります。とはいえ、電化製品には当たり外れがつきものです。そのため、日数を限定して交換や返品サービスを行っているメーカーが多いんですよね。
それでも、DELLは故障報告が多いです。安価なPCなので、壊れやすいのではないかという疑念を抱く人も大勢います。
実際に報告されている例だと、「ノートPCの初期不良」「キーボードがたわむ(ノートPC)」などです。デスクトップPCの故障報告例は意外と少ないんですよね。
さまざまな原因が考えられます。
DELLはパーツに粗悪品を使うという話は無いため、パーツには原因がないでしょう。
ノートPCの故障率が高いことを考えると、輸送中の破損が主な原因ではないでしょうか。DELLのPCは中国でつくられ、日本へ送られてきます。その途中でダメージを受けることもあるんです。ノートPCはデスクトップPCに比べて衝撃等に弱いため、ノートPCの故障率が高くなるのかもしれません。
DELLのPC自体の問題ではなく、「中国でつくられて日本に送られる」というところに問題があるのでしょう。
とはいえ、不安材料があることに変わりはありません。過剰に不安に思う必要も無いものの、不安に思ってしまうのであれば購入を見送るのも手でしょうね。
修理部品の保有期間が短い
DELLは有償サポートがとても充実しています。精密機器は壊れるものだ、という前提でサービスを提供しているんでしょうね。
ただ、一方で修理部品の保有期間が短いというデメリットもあります。部品保有期間をメーカー側が公表しているわけではありませんが、海外メーカーの平均は2年です。国内はモデルの発売から6年くらいが目安となります。
DELLのサポートに問い合わせた人の話では、「スタッフの話が二転三転し判然としないが、在庫がなくなり次第終了」ということでした。延長保証期間内であれば、在庫がなくとも代替品を使って修理するということです。
ネットでは2~3年くらいという話もあります。
国内メーカーのように長期間保有してくれるということは、あまり期待できないでしょう。
古い規格を採用しているモデルもある
DELLのPCは古いパーツを使っているという噂がネットで囁かれていますが、「中古の部品」は使われていません。
ただ、古い規格のパーツを使っているモデルもあります。特に廉価モデルは第5世代プロセッサーを使っていたりした時期が、ありました。さすがに今では何世代も前のCPUを使うということはほとんどありませんが、1世代前のCPUを使うモデルは多いです。
CPU以外も、少し古めの規格を使うこともあるでしょう。
BTOだと古い規格を使うことは減ってきており、使っても少し前にするなど控えめです。一方、家電量販店で売られている量産モデルは数世代前のパーツを使うことも未だにあります。
安いからと割り切るか、カスタマイズで上位のパーツを選ぶかを考える必要があるでしょう。
HPが見にくく選びにくい
DELLのHPは、慣れるまで少しわかりづらいです。まず、トップページの情報量が少なすぎるんですよね。多すぎても見にくくなりますが、少なすぎても「どう操作すれば望む情報が手に入るか」がわかりにくくなります。言わば情報への動線が少ないという感じです。
メニューバーも少しわかりにくくなっています。
さらに、ノートパソコンやデスクトップのメニューにカーソルを合わせると、「個人向け」「法人向け」という選択肢が出てくるのも煩わしいです。
他のメーカーだと個人向けページと法人向けページとを作り、そのうえで「ノートPC」「デスクトップPC」というメニューを用意することが多い傾向があります。このほうが操作が少なく、わかりやすいでしょう。
DELLのPCは安さが魅力! 賢く買うのが鍵
DELLの特徴、DELLでPCを買うメリット・デメリットを紹介してきました。簡単にまとめると、DELLの良さは圧倒的な安さです。低価格帯のゲーミングPCが充実しており、他社だと22~25万円くらいのミドルクラスでも20万円前後で購入できます。
一般向けPC・ビジネスPCなどは常時割引状態も珍しくありません。そのうえ、頻繁に行うセールでは大幅値引きがあります。
カスタマイズの自由度は平均的です。価格が低く、他はバランスが良いといった印象があります。
ゲーミングPCに慣れ親しんだ人だと物足りない部分もあるかもしれませんが、初心者と初心者を脱却しはじめてきた人にとっては良い選択肢となるのではないでしょうか。