Hidizs MD4をレビューしていきます。
Hidizs MD4は、カスタムバランスドアーマチュアドライバーを4基搭載し、さまざまな傾向の音を楽しめるのが売りのモデルです。美しいデザインや音によって高い支持を得ています。
音質は美しい高音域とアタック感のある低域が印象的で繊細かつ迫力のある音を演出します。
Hidizs MD4を実際に聴いてみて、良いところ・気になるところをレビューしていきます。
- Hidizs社公式サイト:https://www.hidizs.net/
目次
Hidizs MD4のスペックをレビュー
- 形式:カナル型
- ドライバー:4BA(高域×1、中域×1、低域×2)
- インピーダンス:8Ω
- 再生周波数帯域:20Hz~400000Hz
- 音圧感度:102±1dB@1kH
- プラグ形状:3.5mm 3極
- コード長:1.2m
- リケーブル対応
バランスドアーマチュアドライバーを4基搭載しているのが、スペック上最大の特徴です。
バランスドアーマチュアは、小型でクリアな音を出せるのが魅力。価格は高くなりがちですが、音のクリアさに関しては確かなものがあります。その特性から、補聴器やモニターヘッドフォンなどによく使われるのが特徴です。
再生周波数帯域広いね
あや
よしぞー
高音は人間の限界可聴域の2倍あるね
MD4は再生周波数帯域20〜40000Hzでハイレゾ認定を取得したイヤホンです。
一般的な人間の限界可聴域は20000Hz前後と言われていますが、必ずしも20000Hzを超えた瞬間に聞き取れなくなるというわけではありません。個人差はありますが、20000Hz以上の音も聞き取れる場合があります。
合わせて耳で聞き取れていないように感じても感覚で伝わってくる領域でもあります。いずれにせよ、広いのはよいことです。
Hidizs MD4の良いと感じたポイントレビュー
Hidizs MD4のスペックを見てきました。スペックにもハッキリとした特徴がありますが、Hidizs md4の良さはスペックだけではわかりません。そこで今度は、Hidizs md4の良いと感じたポイントについてレビューしていきます。
音の解像度が高くて繊細であるとともに強いアタック感
Hidizs MD4は、高解像度な音質傾向です。
音の解像度が高いと、音の情報量が増えます。密度が増えると言い換えることも可能です。オーケストラなど、パート数が多い曲やシャラシャラとした効果のある曲などをより楽しめるのが特徴。
一方、高解像度な音は耳に刺さるような感覚になりがちです。長時間聴いていると疲れてきたり、耳が痛くなったりします。
ただ、Hidizs MD4は高解像度かつ繊細な音質です。耳に刺さるような感覚もなく、長時間聴いていても苦になりません。
同時に音が繊細なので、全体的に音がクリアな印象があります。高解像度な音を楽しむためにしっかりチューニングされているのがわかり、好印象です。
合わせて強烈なアタック感が特徴的です。ぶっ叩かれるような切れの良い低音に驚かされます。
音に自然な深みがある
高解像度かつ繊細でクリアな音は魅力的ですが、飽きやすいと感じる人もいます。良くも悪くも素直な音ということですから。
ただ、Hidizs MD4は中低音域に適度な厚みがあり、音に自然な深みが生まれています。クリアでありながら深みがあるので、同じ曲でもじっくり聴いていると素直なだけではない面白さがあるのが特徴です。
音に深みが増すと音楽がより面白くなり、何度も聴くことでその曲の良さが深まります。
あっさりしたラーメンは美味しいけど、それだけだと飽きやすいよね
あや
よしぞー
こってり過ぎても飽きるけど、あっさりした中にコクと深みがあれば確かに飽きにくい
低域のキレが良い
Hidizs MD4の低域は、非常にキレの良い音を出します。ズシーンと余韻のある低音ではなくタンタンと強く叩かれるような感覚です。
ここに関しては人によって好みが分かれます。
個人的にはHidizs MD4の音質傾向としては良い方向に働いている印象です。歯切れもよく、心地よく、かつしっかりとした迫力を感じます。
中低音に厚みがあると述べましたが、それは主張するということではなく、自然に心地よい音を鳴らしてくれるということ。高音域が美しいイヤホンの屋台骨を、しっかりと低音が支えてくれています。
本体スイッチで音のチューニングができる
Hidizs MD4は、本体にスイッチがあります。スイッチを切り替えると、音の傾向が切り替わる機能があるのが面白いところです。
他のイヤホンではあまり見られない機能ですね。
チューニングスタイルは、4つ搭載されています。
- バランス:Hidizsのデフォルトのチューニング
- ウォーム:全周波数を得意とするチューニング
- トレブル:高音域を得意とするチューニング
- バス:低音域を得意とするチューニング
公式の説明だと、上記のようになっています。バランスを基本とし、ウォームでは全周波数の音のバランスを取る形です。トレブルはデフォルトでも美麗で重視されているように感じる高音に、さらに焦点を当てています。
気分や曲に合わせて簡単に音を切り替えられるので、飽きにくいです。
本体で変えられるのがいいよね
あや
よしぞー
ヘッドホンアンプが無くてもある程度音を変えられるのが魅力だね
付属品が充実している
Hidizs MD4は、付属品が非常に充実しています。
説明書は日本語、英語、中国語の三ヶ国語です。説明書のほかに、チューニングガイドという簡易的な説明カードも入っています。
ケーブルは2芯高純度銀・2芯高純度無酸素銅ミックスケーブル(2Pin)が1本。イヤホンケースに、清掃ブラシ兼スイッチ切り替えスティックが付いています。
特筆すべきは、イヤーピースの種類です。
- 透明タイプ(柔らかめ)
- 一般的なイヤーピース
- 黒軸の透明傘タイプ(硬め)
上記の3種類、それぞれSMLが付属します。大きさだけでなく、タイプも異なるので自分に合うイヤーピースを探せるのが魅力です。1種類のみでSMLの3サイズ付属するのが一般的で、合計9ペアというのは非常に豪華。
一般的なものが合わなくても、別売りのイヤーピースを買わずに使い続けられます。イヤーピースによって音も若干変わるので、変化も楽しめるのがいいところです。
イヤーピースもだけど、イヤホンケースもかっこいいね
あや
よしぞー
レザー調なのが高級感あるよね
デザインに高級感がある
Hidizs MD4は、全体的に高級感があります。レザーケースも高級感を彩るアイテムのひとつです。
そのうえ、本体表面が大理石調のデザインになっています。ロゴもシンプルかつスタイリッシュでかっこよく、高級車のシフトレバーのような雰囲気です。表面以外はマットな仕上がりでメリハリがあり、これも本体の高級感を引き立てます。
付属のケーブルもクオリティが高く、見た目も高級感があり、ケーブルにこだわる人でも安心です。
付属ケーブルって見た目がちゃっちいのが多いけど、かっこいいね
あや
よしぞー
ケーブルにも強いこだわりを感じるよ!
ケーブルは60本の高純度銀線2芯と60本の高純度銅線2芯のミックス4芯タイプです。
中高音域に強みを持つ銀線と低音を強調する銅線をうまくマッチングさせた印象です。
ケーブル色および金属プラグなど全体的なディテールは本体カラーに合わせており、高級感を醸しています。適度に柔らかく取り回しは良好です。
フィット感が高い
Hidizs MD4は、フィット感が非常に高いです。
イヤーピースが3種類9ペアも付属するので、自分の耳によりフィットするようにカスタマイズできます。そのうえ、耳の形状に沿うように作られており、グラグラすることがありません。歩く程度では外れず、横断歩道で小走りをしても安心です。
装着したときの見た目も、飛び出しすぎることはなく、違和感がありません。
スポーツ時以外であれば、使っていてすぐ落ちるということはないでしょう。
チューニング時の音の印象をレビュー
Hidizs MD4は、バランス、ウォーム、トレブル、バスの4つのチューニングがイヤホン本体で行えますが、私が感じた印象をお伝えしていきましょう。
Hidizsのコンセプトが詰まったバランスモード
まずバランスはHidizs MD4の基本設定となるチューニングモードで、Hidizs MD4の特徴が一番表現されるモードです。
どこまでも綺麗に抜けていく、透明感のある美しい高音域は聞き応えがあります。嫌な刺さり方をすることもありません。
主張しすぎず全体的な底支えをする低音域も程よく、最初にバランスモードでリスニングして、このままのモードで良いんじゃないかと感じさせられました。
音の暖かさとウェット感を感じさせるウォームモード
個人的に一番好きだと感じたのがウォーム設定です。
元々ウォーム系の音が好きなのもありますが、音全体の角が取れて柔らかみが出る印象。
特にギターなど弦楽器の震える感覚がウェットで耳に心地よく、いつまでも聴いていたくなります。
使い所が見つけられなかったトレブル
私が一番使い所を見出せなかったのが高音に印象を持たせるトレブルです。
元々高音域が得意なMD4で、その得意領域を一番伸ばせるチューニングなはずですが、その分、低音が抑えられる印象。
綺麗さは感じられるものの物足りなさを感じさせるチューニングに感じました。
低音の底上げが可能なバスモード
Bassチューニングは低音域にフォーカスしてくれるモード。MD4は元々の低音の主張が控えめなイヤホンのため、Bassモードで手音を底上げして使うユーザーも多いはずです。
Bassモードにすることで低音寄りな音になりますが、低音強めのイヤホンと比較するとそこまで目立ちません。
全体の音の底上げ・下支え程度の活躍にとどまる範囲で、低音が少しだけ強くなるチューニングと考えておいた方が良いです。
まあ、劇的に変わるというのも難しいのかな
あや
よしぞー
期待しすぎてさえいなければ大丈夫
チューニングに少し癖がある?
これは人によって感じ方が異なる部分ですが、Hidizs MD4のチューニングには少しだけ癖があるように感じました。
バランスモードは名前的に自然な音になるように感じられますが、人によってはバランスモードが不自然に感じられることがあるので注意しましょう。トレブルモードも同様です。
元々のチューニングが中低域を控えめにしつつ厚みを持たせ、高音域を綺麗にするというようなものになっています。低音域の厚みはドライバーが2基搭載されているおかげです。これにより自然な音になっています。
これを「全ての周波数のバランスを取る形」にすると、かえってバランスが崩れて不自然な音に聞こえてしまう可能性があるということです。
ただ、人によって感じ方は異なります。仮に同様に感じたとしても、4種類あるので好みのチューニングを探すことで解決可能です。
名前の印象にとらわれてはいけないって…こと?
あや
よしぞー
そういうことだね。自分の耳を信じよう
Hidizs MD4の気になる部分をレビュー
Hidizs MD4の良いところをレビューしてきました。実際に使用してみてイマイチだと感じるポイントは少ないイヤホンでしたが、いくつか絞り出してみました。
チューニングが指先だけではできない
本体スイッチでチューニングできる機能ですが、指先1本ではチューニングはできません。
チューニングスイッチが非常に小さいため、スイッチに指が届かず、ピンセットなど先の細いものを使用する必要があります。
音変したい時にサクッとできないのは残念ですが、一度お気に入りのチューニングを見つけた後は頻繁にチューニングすることはありませんので気に留めておく程度で良いかもしれません。
ケースが嵩張る
MD4には先に紹介した通り高級感のあるケースが付属していますが、このイヤホンケース、しっかりとした硬さと合わせ厚みが4.3cm程度あります。
大切なイヤホンをしっかりと保護してくれる反面、カバンに入れて持ち歩く際はスペースは取られてしまいます。
省スペース化だけを意識するなら布製のしょぼいやつが一番効率的だもんね
あや
よしぞー
若干スペース取られてもこのケースは持ち歩きたいと思わせるおしゃれさがある!
まとめ
ここまで、Hidizs MD4について紹介してきました。
2万円台のイヤホンとしては付属品が非常に豪華で、機能も満載。バランスドアーマチュアドライバーを4基も豪華に使っており、コスパが高いです。
クリアかつ迫力のある音を楽しみたい方におすすめのイヤホンです。
MD4と組み合わせたいおすすめDAP
最後にMD4イヤホンと組み合わせたいDAP、同じくHidizs社のAP80 PRO-Xを紹介します。
AP80PRO-Xは手のひらにすっぽり収まるほどの超小型サイズでありつつ、ハイレゾにも対応し、2万円台で購入できるDAPです。
デザイン的にもMD4との相性が良く、ハイレゾ音源を堪能したい、コンパクトで高機能、そして安価なDAPを探している方にぜひ検討いただきたいDAPです。
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