デジタルオーディオプレイヤー(DAP)も、最近はAndroidを搭載するなどスマホに近づいてきていますよね。
音質も昔より向上しており、エントリーモデルでも十分すぎるほどの高音質を楽しめるようになっています。「最早DAPはエントリーモデルが最強」という声まであるほどです。
ただ、DAPも種類が豊富過ぎてどれを選んでいいかわからないですよね。
そこで今回は、5万円以下のエントリーモデルに限定して、DAPの選び方やおすすめ商品について紹介していきます。
目次
5万円以下のDAPの選び方
5万円以下のDAPでも、今回紹介する機種はすべてハイクオリティです。サンプリングレートは同一なので気にしなくても良いですが、バッテリー容量やメモリ容量、機能面はしっかりチェックしましょう。そこで、DAPを選ぶときに見るべきポイントについて簡単に説明します。
連続再生可能時間
真っ先に見たほうが良いのが、連続再生可能時間です。
DAPによって、バッテリー持ちは異なります。一般的にはAndroidを搭載するとバッテリー持ちが悪くなることが多いです。ただ、Android搭載機種の中でも比較的バッテリーが長持ちするものもあります。
一日中使うなら、20時間はほしいところです。10時間くらいでも実際はほぼ1日中使えると言っても過言ではありませんが、毎日のように充電しなければなりませんからね。
また、充電にかかる時間もチェックしておくとなお良いでしょう。
よしぞー
バッテリー容量が大きければ、受電時間も長くなるよ
急速充電できるかどうかも、余裕があれば見ておきたいね
あや
メモリ容量
小型DAPはメモリを内蔵していないことも多いですが、内蔵しているなら容量がどれくらいか見ておきましょう。
5万円以下となると、ほとんどが16~32GBとなっています。一方、iPod Touchのように大容量モデルを出しているDAPもあるんです。
ストリーミング対応機種でストリーミングメインに使うならあまり容量が大きく無くても良いですが、DAPに音源を入れて持ち歩きたい人はなるべく大きな容量のほうが良いでしょう。
よしぞー
もちろん、足りない分はSDカードで補えばいい!
重量・大きさ
DAPは持ち歩くことを前提としているので、重量やサイズ感も重要です。
最近は小型スマホくらいのサイズ・重量のものが多いですが、その中でも色々あります。特に厚みに関してはモデルごとに差が出やすいので、チェックしておくと良いでしょう。小さくても分厚いとポケットには入れにくいですから。
小型のものだと、操作感レビューも見たほうが良さそうね
あや
対応フォーマット
対応しているフォーマットも、一部見ておくことをおすすめします。
特にFLAC、MQA、DSDは見ておきましょう。今どきFLACに対応していない機種のほうが珍しいかもしれませんし、実際今回紹介するモデルはたいていFLACに対応しています。
FLACはハイレゾ音源でよく使われるフォーマットです。FLACに対応していれば、実質的にハイレゾ対応だと言えます。
MQAはハイレゾ相当の音源をCDに入れるときに使われるものです。MQA-CDを持っているなら、DAPもMQA対応のものを選んだほうが良いでしょう。
DSDはクラシックやジャズによく使われるフォーマットです。これは少し特殊なフォーマットなので、人によっては対応していても全く使わないかもしれません。ただ、クラシックのSACDを持っている人などは対応している機種を選ぶことをおすすめします。
よしぞー
難しいと感じるなら、ハイレゾに対応しているかどうかだけでも見ておこう
Bluetooth機能の有無
Bluetooth機能を搭載しているDAPが近年は多いです。
ただ、Bluetoothのバージョンはモデルごとに異なります。たいていは4.1または5.0です。もちろん、5.0のほうが無線としてのクオリティは高くなります。これはモデルが発表された時期にもよるのですが、一応チェックしておきましょう。
バランス接続の対応可否
より音質にこだわりたい方は、2.5m、4.4mmなどのバランス接続に対応しているかどうかもチェックしておきましょう。バランス接続が出来ることによって、左右の音が混ざりにくく、音の深みが出ます。より音楽をクリアに楽しむことができます。
よしぞー
同じイヤホンでもリケーブルしてバランス接続にすると、一気に音の深みが増すので、音質の良さにこだわってみたい方には必須ポイントかも!
バランス接続は最近のトレンドにもなってるしね
あや
USB DAC機能など特殊な機能の有無
DAPには、さまざまな機能を搭載するモデルがあります。
たとえば、PCに繋げばUSB DACとして使える機能や音質改善機能ですね。音質改善機能はWalkmanに多く搭載されています。さまざまな音源をハイレゾクラスの高音質にしてくれる、などというものです。
他にもBluetoothレシーバーとして使える機能など、メーカーやモデルによってさまざまな機能があります。
また、ストリーミングに対応しているかどうかもあわせてチェックしましょう。
機能豊富な方がワクワクする!
あや
5万円以下のおすすめDAP7選
選ぶときに見るべきポイントがわかったところで、実際に5万円以下のDAPを見てみましょう。人気モデル、おすすめモデルを7つに厳選しています。ここから選ぶもよし、これらを参考にして自分で選んで見るもよし…。自分に合ったDAPとは何か、考える材料にしていただけると幸いです。
SONY Walkman NW-A55
- 連続再生可能時間:最長約37時間
- 充電時間:満充電まで約4時間
- 容量:16GB
- FLAC、MQA,DSD等対応
- 重量:99g
- サイズ:幅55.7×高さ97.3×厚み10.8mm
- ディスプレイ:3.1型
- Bluetooth 4.2
- Bluetoothレシーバー機能対応
- バランス出力なし
- ダイレクト録音対応
- USB DAC機能等際
- デジタルノイズキャンセリング対応
- バイナルプロセッサー搭載
- DSEE HX搭載
上記が、NW-A55の主な仕様です。
連続再生可能時間が最長で約37時間と、結構バッテリー容量が大きいですね。それでいて4時間で満充電になります。バッテリーに関してはかなり良いと言えるでしょう。
これくらいのバッテリー容量なら5時間以上充電にかかることもありそうよね
あや
フォーマットは、FLAC,MQA,DSDの他主要なものは一通り対応しています。ほとんどすべての音源を聴けるといえるでしょう。
音としては、繊細で立体的という印象があります。小さな音も輪郭がくっきりとしていて、音の減衰という空気感も感じられますよ。音の傾向は解像度が高いシンプルな感じですが、それでいて角があまりなく疲れにくくなっています。万人受けする音だと言えるでしょう。
さらに、アナログレコードのような音の広がり・豊かさを再現するバイナルプロセッサー機能が搭載されています。
これで音楽により深みが増しますよ。
そして、DSEE HXも搭載。これは、MP3やCD音源などの圧縮音源を、ハイレゾ相当の高解像度音源に自動的に変えてくれるAI技術のことです。要は、ハイレゾじゃない音源を気軽にハイレゾ並にして楽しめるということ。
しかも、これをスマホをペアリングできるんです。
よしぞー
スマホをペアリングできるということは、スマホの音をA55で高音質化し
ストリーミングにも間接的に対応してくれるということね
あや
それどころか、Netflixなどの動画の音質まで良くなります。
よしぞー
ちなみにNW-A55 はAndroidを搭載していない分、バッテリーの持ちも良いんだけど、単体では今どきのストリーミングサービスには対応していないんだ
ってことは、音源を持っていない人にとっては一から集めなきゃいけないのね
あや
SONY Walkman NW-A105
- 連続再生可能時間:最大26時間
- 充電時間:満充電まで約5.5時間
- 容量:16GB
- 重量:約102g
- サイズ:幅55.9×高さ98.9×厚み11.0mm
- OS:Android 9.0
- FLAC,MQA,DSD対応
- バランス出力なし
- 3.6型ディスプレイ
- DSEE HX搭載
- バイナルプロセッサー搭載
- ストリーミング対応
Androidを搭載しているので、音楽以外のアプリも楽しめます。スマホの代替にもなるので、便利です。サイズ感も小さなスマホ、小さなXperiaといったところ。デザインもほとんどXperiaそのままです。前面はすべてタッチパネル式ディスプレイ、側面に物理ボタンという構成になっています。
Androidスマホ、特にXperiaを使っている人はすぐに馴染めるでしょう。
もちろん、ストリーミングサービスも使えます。
ディスプレイは、どの角度からでも、たとえ太陽光が反射していようともハッキリ見えます。DAPのディスプレイとしては、結構優秀な部類ではないでしょうか。
レコードのような音を楽しめるバイナルプロセッサーに、音質改善機能DSEE HXにもしっかり対応しています。
ただ、音質改善機能はワイヤレスだと無効化される点に注意が必要です。
バッテリー持ちも、Androidを搭載しているため若干悪くなっています。
イメージとしては、Androidを搭載したA55といったところでしょうか。ストリーミングを使うならA105、ストリーミングはスマホ経由でも問題ないという人はA55をおすすめします。
よしぞー
NW-A105 は価格を抑えて機能を充実している分、もっさり感は否めないのも欠点かも
確かにそうね
音楽を聴き始めてしまえば気にならないんだけどね
あや
iPod touch
- 連続再生可能時間:最大約40時間
- 容量:32GB 128GB 256GBから選択可能
- サイズ:幅58.6×高さ123.44×厚み6.1mm
- 重量:88g
- FLAC,リニアPCM対応
- DSD、MQA非対応
- バランス出力なし
- プロセッサ:A10 Fusionチップ
- OS:iOS 14
今回紹介するのは、2019年発売の第七世代目です。そろそろ次世代モデルが出ると言われていますね。(2021年9月現時点)
DAPというよりも、極小iPhoneといったイメージです。なぜか800万画素のリアカメラを搭載しています。
音質に関しては、完全に音源に依存するのが特徴です。FLACには対応しているため、ハイレゾ相当の音をストリーミングなどを介して聴くことができます。
特にiPod touch特有の音、というものはありません。DAPとして語るべきところが少ないですが、iPhone感覚で楽しめるDAPは唯一無二です。iPhoneのようなDAPが欲しい人にはこれしか選択肢がないので、特に何も考えず買っても損はしません。
Apple製品としては比較的安いですしね。
プロセッサのA10 Fusionチップは、高性能コアを2つ、高効率コアを2つ内蔵しているものです。高効率コアは、高性能コアの5分の1程度の電力で動きます。高性能とバッテリー持ちとを両立できるんです。
さらに、このプロセッサの影響でグラフィック性能も高くなっています。3Dゲームも動きますよ。
マシンとしてのスペックは、とても高いです。
音楽のことはよくわからないけれど、プロダクトとして良いものを所持したいという人にはぴったりでしょう。
よしぞー
素直にわかりやすく使えるからね
その分本格的に音楽を楽しみたくなってる人の入門にはなりにくいのかもね
あや
HiBy R2
- 連続再生可能時間:最大約15時間
- 急速充電対応
- 重量:85g
- サイズ:幅61x高さ61x厚み12 mm
- FLAC,DSD,MQAなどに対応
- Bluetooth5.0
- バランス出力なし
- OS:独自のHiBy OS
- HiRes&HiResWireless両方認定済み
- ステレオ録音用高音質デュアルマイク内蔵
今回紹介した機種の中で、最も小さく安価な機種です。サイズ感は、スマートウォッチのディスプレイ部分くらいと、極小。こんな小さな画面で操作なんてできるのかと思いきや、意外と操作性は良いです。スマートウォッチに触れたことがある人なら、何の違和感もないでしょう。
激安DAPなので音質には限界がありますが、ハイレゾの認定を受けています。ハイレゾとハイレゾワイヤレス両方認定済みで、音質も保証されているも同然です。サンプリングレートも、今回紹介した機種すべてに共通する384kHz/32bitまで対応しています。
音の傾向としては、ニュートラルです。音源をなるべく忠実に再現しつつ、音の質だけを高めてくれるという印象があります。スマホより明らかに良い音になり、スマホから移行したときの感動も大きいです。素直に音質が良くなるDAPを低価格で探しているなら、おすすめですよ。
おすすめの用途は、ポケットに入れてワイヤレスイヤホンで運用するスタイルです。ポケットに入れた事を忘れるほどの小ささと軽さですし、目立った機能もないので気軽に使うのが一番でしょう。
違和感なく日常に溶け込んで音楽を楽しめますよ。
小型・高性能・高音質をすべて望むなら、次に紹介するAP80PROのほうがおすすめです。
ただ、超小型でスマホより音質が良いDAPを安く手に入れたいなら、HiBy R2がおすすめですよ。
Hidizs AP80 Pro
- 連続再生可能時間:最大約13時間
- 充電時間:約1時間で満充電
- 本体メモリ無し
- サイズ:幅56×高さ61×厚み13,8mm
- FLAC対応、MQA非対応
- Bluetooth4.2
- Bluetoothレシーバー機能搭載
- ストリーミング非対応
- カラバリ:ブラック、シルバー、レッド、ブルー
- 2.5mmバランス出力対応
色はレッドやブルーは、少しおもちゃ塗り感があります。チープという意味ではなく、トイ感のあるガジェットが好きな人にはビビっとくる色ではないでしょうか。下手なメタリックより好き、という人も少なくはないでしょう。
サイズは非常にミニマル。それでいて、ボリューム調整がダイヤル式なのが良いですね。
バッテリー持ちはあまり良くありませんが、小型DAPのバッテリー容量には限界があるので仕方がないでしょう。
DC 5V 1AのType-C急速充電に対応していますし、1時間で満充電になるのでよほど外で使い倒さない限りは不満になりにくいのではないでしょうか。
DACチップチップは、ES9218Pをデュアル搭載しています。とても高性能です。
操作感も小さいながら良好。バランス出力に対応しているなど、スペックもとても高いですよ。
音質は、これだけの小型DAPとしては十分すぎるほど良いです。
昔は小型DAPと言えば音質ダメダメだったけど、今はそうでもないのね
あや
よしぞー
FLACのハイレゾ音源も聴けるしね
明るく輪郭がハッキリした音で、中高域がよりクリアに聞こえます。不快感が全く無く、万人受けする扱いやすい音です。
弱点があるとすれば、余韻、残響などの「音の空間を構成する要素」が出にくいことでしょう。ハイレゾを聴くときに感じやすくなる音の空間の広がりのようなものは、弱いです。
それでも、小型DAPとしてはおすすめしやすいです。
iBasso Audio DX160 ver.2020
- 連続再生可能時間:最大約12時間
- 容量:32GB
- OS:Android 8.1
- 重量:181.5g
- サイズ:幅69×高さ123mm×厚み15mm
- Bluetooth 5.0
- Bluetoothレシーバー機能あり
- バランス接続対応(4.4mm)
- 5インチディスプレイ
- DSD,FLAC,MQAなど対応
デザインは3D曲面仕上げの背面がとても美しく、特徴的です。ただ、指紋が付きやすいので汚れが気になるならケース必須となっています。
側面のMicro SDカードスロットは蓋が無く、直挿しです。右側面にはボリュームノブ、曲戻し、再生/停止、曲送りボタンがあります。ダイヤル式なのが良いですね。
底面には3.5mmヘッドホン端子と、4.4mmバランス端子があります。
操作感覚はほとんどAndroidスマホです。カメラもスピーカーも無いスマホといった雰囲気があります。
もちろん、ストリーミングサービスもインストール可能です。Chromeは標準搭載されており、ブラウジングもできます。
カラバリはブラック、シルバー、レッド、ブルーと定番どころをしっかり抑えていますよ。メタリック感はありますが、そこまで強くはありません。デザインにうまく調和しており、お洒落です。
音はかなり良く、高音がキラキラとして聞こえるという特徴があります。クリアで高解像、立体感、奥行き感もしっかりあり、ハイレゾらしさを楽しめますよ。
音の味付けは、若干派手気味です。外で聴くのに適した味付けではありますが、家で聴いても疲れにくいレベルにまで味付けの濃さは抑えられています。
かなり使いやすく、コスパも高くおすすめです。
シンプルなDAPが欲しい人には良さそうね
あや
SHANLING M3X
- 連続再生可能時間:23時間
- 容量:32GB
- OS:Android 7.1
- 重量:168g
- サイズ:幅72x高さ109x厚み15.9 mm
- ES9219C DACチップをデュアル搭載
- AVX社製タンタルコンデンサ採用
- バランス出力対応(4.4mm)
- Bluetooth対応
- Bluetoothレシーバー機能搭載
- USB-DAC機能搭載
- FLAC,DSD,MQAなど対応
- ゲイン設定2段階調整可能
SHANLINGは、1988年設立の中国オーディオメーカーです。中国メーカーに負のイメージを持つ人もいるかもしれませんが、SHANLING製品はクオリティが高く人気があります。中華製DAPではトップクラスです。
M3Xは、エントリークラスとなっているものの、それでいて性能がガチ仕様。
まずはデザインから見ていきましょう。
一見シンプルのようで、両サイドにくびれがあります。このくびれにより、手のホールド感が高くなるんです。そのうえ、ボタン類の保護にもなります。
本体右側には電源スイッチを兼任するボリュームノブがあり、回すことで音量調整が可能です。
左側には戻る、再生・一時停止、進むの3つのボタンがあります。上部には3.5mmヘッドホン端子、4.4mmバランス端子。
ディスプレイは4.2インチで、ベゼルが薄めなので思ったより画面が大きく感じられます。
ただ、本体は結構厚みがあるので、薄型DAPを触った事のある人には違和感があるかもしれません。
よしぞー
だけど、この厚みに色々な機能が 詰まってるかと思うとワクワクするよね
さらに、M3XはDAPとして世界初となる、ES9219C DACチップをデュアル搭載したモデルです。このチップはエントリークラスに通常搭載される「ES9128P」の上位となります。スペックはそのままですが、消費電力が約半分になるんです。
CPUは8コアのSnapdragon430を搭載。
CPUの名前かっこよすぎない?
あや
よしぞー
中国らしいネーミングだよね
これは、同社製の上位機種と同じCPUです。
音は中音域の解像度が高い印象があります。それでいて低域の再現もかなり得意なようで、奥行きの立体感、重低域の厚みもエントリークラスとしては十分なレベルです。
総評すると、自然で豊かな音が鳴ります。
ストリーミングも使えますし、本当に高性能です。
自分に合った機能・音質のDAPを探そう!
ここまで、5万円以下のDAPを7つ紹介してきました。5万円以下と言いつつ、ほとんど2万円から3万円台で、中には1万円台の激安機種まであります。この程度の価格帯でも、高性能・高音質・良質なデザインのDAPが手に入るんです。
ただ、機能面の特徴は機種ごとに異なります。音質も同じサンプリングレートでも味付けが異なるので、実際に店舗で試すのが良いですよ。
そうして自分に合った機能・音質を搭載したDAPを探しましょう!