イヤホンやヘッドホンには、さまざまな種類があります。
モニター、リスニング、ゲーミングと現在主流なのは3つです。それぞれの中に、音の傾向の違いや機能の違い、有線無線などの違いによる種類分けなどもあります。
ただ、それぞれの違いについてよく知っているという人は一般にはあまり多くはないでしょう。
そこで今回は、モニター、リスニング、ゲーミングヘッドホン(イヤホン)の違いとメリット・デメリットについて紹介します!
目次
モニター・リスニング・ゲーミングイヤホンの違いを紹介!
モニター、リスニング、ゲーミングの違いを知るには、それぞれの特徴について知るのが早いです。そこでメリット・デメリットを説明する前に、それぞれの特徴について紹介しましょう。
モニターイヤホン
モニターイヤホンは、元の音源に忠実に高解像度が高くなるように作られているものです。
解像度の高さは情報量の多さ、音の密度と言い換えられます。つまりは、解像度が高いイヤホンのほうがさまざまな音をしっかり聞き分けられるということです。
ただし、高解像度であれば必ず音の分離が良いというわけでもありません。音の分離というのは、それぞれの音の輪郭がハッキリしていて聞き分けやすいことを言う、と覚えておくと良いでしょう。
モデルによって分離感は変わってきますが、モニターイヤホンの場合は分離感が良いものが多い傾向があります。
つまり、モニターイヤホンは音をしっかり正確に聞き分けるのに向いているということです。
この特徴から、作曲家が音の仕上がりをしっかりチェックするために使ったり、演奏者が自分の演奏している音をしっかりチェックするために使ったりすることが多いんですよ。
よしぞー
要はプロ仕様だね
DTMをする人、演奏をする人は買って損はないのかな
あや
リスニングイヤホン
リスニングイヤホンは、音を楽しく聴くことを重視したイヤホンです。モデルごとにさまざまなチューニングが施されます。
チューニングはメーカー、およびチューニングを行う技師によって個性が出ることがあるんです。たとえばSONYはフラットな調整をすることが多く、BOSEは低音を強める調整をすることが多い傾向があります。
メーカー選び、モデル選びは幅が広く果てしなく、そこも含めて楽しいのがリスニング向けのイヤホンとヘッドホンです。
ゲーミングヘッドホン
ゲーミングヘッドホンは、その名前の通りゲーム向けにチューニングされたヘッドホンのことです。ゲームにはイヤホンよりヘッドホンまたはヘッドセットが向いているためか、ゲーミングイヤホンはヘッドホンに比べて少ない傾向があります。
ゲーム向けに低音を強めた調整をするメーカーが多いですが、低音寄りのフラットな調整もまた多いです。
ドライバーは大型が多く、バーチャルサラウンド機能を搭載するなど個性があります。個性がある分汎用性は低く、ゲームをするとき以外は使わないという人も少なくありません。
また、その汎用性の低さからゲーミングヘッドホンを買わず、リスニング向けやモニター向けをゲームに使う人も多いです。
モニターイヤホンのメリットとデメリット
それぞれの特徴に続いて、メリット・デメリットも紹介していきます。まずは、モニターイヤホンのメリットとデメリットです。モニター向けのイヤホンとヘッドホンは、良いところも人を選ぶところもシンプルでわかりやすいですよ。
メリット1.正確に音を聞き分けられる
モニターイヤホン最大のメリットは、正確に音を聞き分けられることです。モニターイヤホンと銘打たれたものは、性能の良し悪しはあれど、どれも高解像度なつくりになっています。調整もフラットなので原音とほとんど変わらないんです。
そのためプロが仕事用に使うことが多いですが、原音を正確に楽しみたいという人や高解像度なイヤホンが好きな人がリスニング用に使うこともあります。
よしぞー
万人向けじゃないけど、必ずしもプロ向けとは限らないということだね
デメリット1.聞き疲れする可能性がある
モニターイヤホンのデメリットの1つ目は、聞き疲れです。聞き疲れというのは、文字通り聞いていてかなり疲れるということ。
高解像度なイヤホンには、ありがちなんですよ。たとえば、ヘッドホンを付けてYoutubeを二窓してみてください。結構疲れますよね。それと同じで、豊富な情報が一度に脳に流れると、脳は疲労を感じます。
モニターイヤホンはリスニング用よりも高解像度で音の分離が良いので、意識しなくてもそれぞれの音を聞き分けるようとするんです。
そのため、リスニングイヤホンやゲーミングヘッドホンより疲れやすくなっています。長時間使うのには、あまり向いていません。
デメリット2.値段が高め
2つ目のデメリットは、値段が比較的高めだということです。安くても1万はします。数千円のモニターヘッドホンもあるものの、マイナーなメーカーばかりです。有名メーカーだとエントリーモデルでも万超えは当たり前になっています。
イヤホンだとまだ2万円台が多いですが、ヘッドホンだと3万円台・4万円台も結構あるんです。
せっかくのプロ仕様だからと良いものを選ぼうとするほど、どんどん予算がつり上がっていきます。
リスニングイヤホンのメリットとデメリット
リスニングイヤホンにも、メリットとデメリットがあります。デメリットは絶対評価ではなく、モニターイヤホンと比べた際の相対評価です。比較的デメリットが少ないので、万人向けではありますが、自分に合う種類を見つけるためには知っておきましょう。
メリット1.個性豊かな音が楽しめる
リスニングイヤホンは、個性豊かな点が最大のメリットです。
前述したとおり、リスニングイヤホンおよびヘッドホンは音を楽しむためのもの。ユーザーに楽しんでもらえるよう、メーカーは各モデルに個性のある調整をします。原音に忠実な音が良いならフラットな音のモデルを選べば楽しめますし、低音重視が良いならそういうモデルを選べば楽しめるんです。
さらに、さまざまな音の傾向のイヤホン・ヘッドホンを持ておけば、気分に応じて音の傾向を変えられます。
フラットな音が良いときと、低音がゴリゴリにきいた音が良いとき、伸びやかな高音を楽しみたいとき…。
そういうさまざまな気分や場面に対応してくれるのも、個性豊かな製品の多いリスニングイヤホン・ヘッドホンの魅力です。
メリット2.モデル数が多く価格帯も広い
2つ目のメリットは、圧倒的モデル数です。モデル数は、モニターイヤホンと比べてもゲーミングヘッドホンと比べても最多。一般向けのイヤホンなので当然といえば当然ですが、幅広いモデルノ中から選べる楽しさはやはり良いものです。
しかもモデルごとに色んな特徴があるのだから、選ぶ楽しさがありますよね。
価格帯も広く、数百円から数万円まであります。もちろん価格によって性能差は出てくるものの、安いイヤホンが必ずしも悪いというわけでもありません。最近は1000円もあれば、とりあえず聴けるくらいの音質のイヤホンが多数あります。
昔は1000円のイヤホンなんて音が変にシャリシャリしたりして、聞くに堪えないものばかりでしたが、技術も進歩しましたね。
1万円もあれば性能の良いイヤホンが買えますし、メーカーごとの特色も表れてきます。予算に合わせ、好みに合わせ選ぶのが楽しいんです。
デメリット1.音の正確性はモニターより劣る傾向がある
リスニング向けのイヤホンとヘッドホンの中にも、フラットで高解像度なモデルが多数あります。そういう音を好む人が一定数いるためですね。
ただ、音を正確に聞き分けるという点に関しては、モニターイヤホンより劣る傾向があります。安いモニターイヤホンより高いリスニングイヤホンのほうが聞き分けられるんですが、同価格帯で性能を比べると、やはりモニターイヤホンのほうが音の正確性という面では良いです。
リスニングイヤホンは、モニターイヤホンとの差別化のためか、聞き疲れ防止のためか高解像度で高分離と言っても、モニター向けよりは若干落としています。おそらくですが、これはわざとです。
あくまでも音を楽しむために高解像度・高分離にしているのであって、長時間使っても疲れないように留めているのでしょう。
そのため、高解像度な音が好きだと言っても「楽しむため」「聞き分けるため」という用途によって、選ぶべきイヤホンの種類が変わってきます。
ゲーミングヘッドホンのメリットとデメリット
最後は、ゲーミングヘッドホンです。ゲーム向けは、メリットもデメリットもたくさんあります。ゲームをするからゲーミング、という選び方は正直あまりおすすめできません。メリットとデメリットをしっかりと知ったうえで、モニターやリスニングとも比べながら選びましょう。
メリット1.音の定位がわかりやすい
ゲーミングヘッドホンは、音の定位感を重視したモデルが多いです。
たとえばFPSやTPSのようなゲームをするとき、敵がどこにいるのかを音で聞き分けられれば有利になりますよね。銃声がどこから来ているのか、180度だけでなく高低差まで360度聞き分けることができれば戦いやすいです。
ゲームをより有利にプレイしてもらうために、調整しているということですね。
音の方向がわかりやすいので、ASMR・バイノーラル音声を聴くのにも実は向いています。
バーチャルサラウンドとかあるよね
あや
よしぞー
映画館のようなサラウンドシステムを擬似的に作りだし、音の方向をわかりやすくしたりできるんだよ
メリット2.機能豊かで楽しい
ゲーミングヘッドホンは、機能豊かなモデルが多くて楽しいです。
例えば前述のバーチャルサラウンドもモデルによっては、チャンネル数が違ったりします。最新機種や高級機種は7.1バーチャルサラウンドが多いですね。このサラウンド機能もオンオフができて違いが楽しめます。
さらに、専用の調整用ソフトが用意されているケースが多いです。リスニング向けだと、あまりありませんよね。ソフトでイコライザを使うことができたり、光り方を変えたりするのも楽しいです。
他にもマイクに関する機能があったり、ゲームをより楽しむための機能がモデルによって多数搭載されています。
モデルによる音の違いも楽しいポイントですが、機能面の違いも楽しいポイントです。
これは沼りそう
あや
よしぞー
ただ一般的なオーディオ沼とは別口かな。ゲーミング沼って感じ
デメリット1.音楽鑑賞には向かないモデルもある
ゲーミングヘッドホンの中には、音楽鑑賞にはあまり向かないモデルもあります。
特に低音をかなり強めているようなものは、音楽鑑賞用としては使いにくいです。それでもイコライザで弄れたり、ゲームモードと音楽鑑賞モードなどがあれば使えなくはありませんが、リスニング向けと比べると使いにくい印象があります。
特に音の定位感に関しては、音楽を聞いているときには少しうるさく感じることもあるんです。一般的なリスニング向けの定位感とはまた別のように感じられるんですよ。
音楽を聞いていると疲れるモデルもあります。
ただ、この点はモデルによる違いが大きいです。
低音寄りのフラットなモデルは比較的リスニング用途でも使いやすいですし、リスニング向けの調整ができるかどうかでもまた変わってきます。
音楽鑑賞にも使うならモデル選びの幅が狭まるかもね
あや
よしぞー
ゲームに特化しすぎると汎用性が無くなる…悩ましいところだ
デメリット2.価格帯の幅が若干狭い
ゲーミングヘッドホンは、リスニング向けなどと比べると価格帯の幅が若干狭いです。
たとえば安いモデルと言っても、流石に4000円を下回ることはありません。安くても5000円はします。高いモデルも3万円から4万円程度に留まることが多く、リスニング向けやモニター向けのように5万・10万とすることはありません。
これはつまり、性能の幅も若干狭めだということです。
おそらくはゲーム向けの性能を重視しているためでしょう。音自体というよりも機能での差別化、イコライザ部分での差別化、アンプ内蔵かどうかなどによって付加価値をつけている印象があります。
デメリット3.家以外では使いづらい
ゲーミングヘッドホンは、家以外では使いにくいです。
まず、リスニングヘッドホンのように小型な製品はあまりありません。ゲーム向けの性能を高めるためにどうしても大型のドライバーが必要なので、ゲーミングヘッドホンはどれもこれも大きめです。持ち運びには少し不便だと言えます。
さらに、デザイン的にも家以外で使いにくいです。
中には落ち着いたデザインのモデルもありますが、それでもリスニング向けに比べると形状などが個性的だったりと派手めになっています。ゲーミング全開なデザインだと、ロゴが光ったり形にSF感があったりと、外ではかなり使いにくいです。
このような面でも、汎用性が低いと言えます。
普通のヘッドホンなら外でも使えなくはないけど…
あや
よしぞー
流石に躊躇しちゃうよね
用途と好みに合ったイヤホン・ヘッドホンを使おう!
ここまで、モニター、リスニング、ゲーミングとイヤホン・ヘッドホンの種類を3つ紹介してきました。
それぞれにメリットとデメリットがありますが、人によってはデメリットをあまり感じないこともあります。それは用途と好みにぴったりハマっているかどうかで決まるんです。
音を正確に把握して聞き分けたいならモニター、音楽を長時間楽しみたいならリスニングが良いでしょう。あとは好みに合う音かどうかです。
ゲーミングに関しては、「ゲームをするから」というよりも「ゲーム向けの機能が欲しいかどうか」で選ぶと良いでしょう。あとはデザインですね。
このように用途や好みなどで選べば、自分に合った種類のイヤホン・ヘッドホンがわかるのではないでしょうか。