2000年代後半にネットが普及し、動画サイトなどが誕生してから人気になった「ゲーム実況」。以前はメーカー側には内緒で、「新作は実況しない」という暗黙の了解を掲げながらヒソヒソと行っていましたね。
それが近年はメーカーが「配信していいタイトル一覧」を用意したり、メーカーが配信者に依頼したりしています。
友達の家で集まってゲームをしているような感覚が楽しいゲーム配信ですが、見るだけじゃなくて自分でもやってみたいと思っている人も少なくはないでしょう。
そこで、ゲーム配信向きのアプリやサイトなどのプラットフォームをメリット・デメリットと合わせ収益化の条件も含めて7つ紹介します!
目次
ゲーム配信サービス1.Youtube
最初に紹介するのは、王道中の王道Youtubeです。多くのYoutuberやVtuberがゲーム配信をしていますよね。スタイルも動画と生放送と幅広く、自由度が高い印象があります。そんなYoutubeの特徴と良さ、デメリットについて紹介しましょう。
Youtubeの特徴と良さ
Youtubeの特徴は、なんと言っても動画と生配信両方楽しめるところです。動画の場合はカット編集などを加えて見やすくでき、短めの動画を連発して初見さんを呼び込みやすいというメリットがあります。
生配信は友達とワイワイしながら楽しんでいるような感覚が強く、視聴者との一体感が得られるのが魅力です。
さらに、Youtubeは生配信のアーカイブが自動で残ります。これはかなり便利です。
ユーザー数も多く、伸びれば最強という印象がありますね。収益化までの道のりはやや長いものの、生配信中のスーパーチャット、広告収入とさまざまな手段で収益が得られるのもYoutubeの特徴であり、良さのひとつだと言えるでしょう。
また、PS4と連携してブロードキャスト配信もできます。意外と手軽です。グーグル検索にも動画が表示されますし、さまざまなところからの集客も可能。
さまざまな配信プラットフォームが生まれていますが、なんだかんだ言ってもYoutubeの優位性は高いです。
Youtubeのデメリット
Youtubeの大きなデメリットは、チャンネル数が多すぎることです。しかも、ゲーム実況をメインに据えている人がかなり多いんですよね。Vtuberのほとんどは雑談とゲームがメイン、Youtuberもゲームチャンネルを解説したり実況メインだったりすることがほとんどです。
膨大な数あるチャンネル同士が客を奪い合う形になっており、新規参入者には厳しい印象があります。
さらに、近年は芸人もゲーム配信をしているんです。喋りとリアクションのプロまで参入しているので、ますます初心者には厳しい環境になっています。
完全にレッドオーシャンですね。
また、収益化の条件が厳し目です。
- 直近12ヶ月の総再生時間が4000時間以上
- 登録者数が1000人以上
- 18歳以上
- 広告掲載に適したコンテンツであること
- メンバーシップは登録者3万人以上で開放
ゲーム配信サービス2.Twitch
Twitchは、Amazon.com,Inc.が提供しているプラットフォームです。ゲーム配信オンリーというわけではありませんが、ゲーム用の拡張機能があるなどゲームに特化しています。そんなTwitchの特徴・良さと、デメリットを紹介しましょう。
Twitchの特徴と良さ
Twitchの視聴者のほとんどがゲーム配信目的でサイトを訪れるんです。自分の好きなゲームや興味のあるゲームの配信を探しているため、初見さんの獲得も難しくはありません。
さらに、コメント率も高いです。コメントせず視聴し続けるROM勢は、あまりいない印象があります。視聴者と配信者との距離も近く、友達とワイワイゲームをしている雰囲気が強いです。
そして、比較的民度が高いプラットフォームでもあります。Youtubeは年齢層と視聴者層が幅広いため、荒らしやキッズと呼ばれる無意識荒らしなどがよくいるんです。指示コメントばかりする指示厨なども、多い傾向があります。
Twitchは、キッズと指示厨が比較的少ないので、気分良く配信を続けられるでしょう。
また、Twitchは収益化の条件が結構ゆるいです。
- フォロワー数50人以上
- 過去30日間で8時間以上配信している
- 過去30日間で7日以上配信をしている
- 過去30日間で平均視聴者数が3人以上
少人数でまったりゲーム配信しながらも、小遣い程度は収益を得られる仕組みになっています。しかも、上記の条件を満たすだけで「投げ銭」も「月額課金」も可能になるんです。初心者に優しいサイトですね。
Twitchのデメリット
Twitchのメリットを見ると最強のプラットフォームのように感じられるかもしれませんが、もちろんデメリットもあります。
まず、生配信のアーカイブが14日間で消えるという点です。Youtubeは、自分で消したりBANされたりしない限りは、永遠に残ります。新規ファンがアーカイブを見ることで、広告収入が得られたり、より深いファンになってくれたりするのが強みです。
その効果が期待できないのが、Twitchの弱みと言えます。
アーカイブを見て熱量を保つこともしにくいため、配信をある程度は頻繁に行わないと、忘れられてしまう可能性もあるでしょう。
さらに、動画の画質はYoutubeには劣ります。生配信メインですからね。FHDが最高画質です。視聴者層も生配信を求めている人が多いので、動画で配信したい人にはあまり向いていません。
そして何より、日本人ユーザーが少ないのが大きなデメリットです。
ゲーム配信サービス3.Mirrativ
Mirrativは、Vtuberが流行り始めた時期に登場した配信プラットフォームです。他の配信サービスにはあまり見られない特徴があります。そんなMirrativの特徴・良さと、デメリットを紹介しましょう。
Mirrativの特徴と良さ
まず、スマホだけで配信できるのがMirrativの良さです。外付けマイクくらいはあったほうが良いですが、それ以外に特殊な配信機材やソフトを揃える必要は全くありません。参入ハードルが、圧倒的に低いです。
さらに、アバターを使って配信することができます。もともとが気軽にVtuberになろうというコンセプトで提供されていたものなので、アプリ上で簡単にアバターを作成できるんです。スマホのカメラや声などを認知し、口の動き、瞬きも反映してくれます。
顔出し配信することなく、視聴者に親近感を抱かせることが可能です。
しかも、バイユーザーが20%以上います。バイユーザーというのは、配信者兼視聴者のユーザーのことです。他の配信プラットフォームでは、1%以下がほとんどだと言われています。バイユーザーが多いとアクティブユーザー数が多くなるので、集客が見込みやすいということでもあるんです。
また、収益化には特に条件がありません。
Mirrativはアイテムを視聴者に投げてもらい、換金するという収益化方法を取っています。
そのうえ、再生数・コメント数・視聴者数を元に「オーブ」という換金可能なアイテムが算出されるというシステムもあるんです。Youtubeの広告収入と同じような感じですね。投げ銭と再生数2つで収益化でます。
ちなみに、アーカイブはYoutubeに残すことができますよ。
Mirrativのデメリット
Mirrativ最大のデメリットは、スマホゲームの配信しかできないことです。スマホ専用の配信プラットフォームなので、PCゲームとコンシューマゲームは一切できません。視聴者もそれは理解しているのでスマホゲームを求めてきてはいますが、他のゲームが配信したい人には向いていないでしょう。
MirrativとYoutubeの両方を使い、ゲームタイトルによって使い分けるという方法はあります。
ゲーム配信サービス4.OPENREC
OPENRECは、サイバーエージェントの子会社CyberZが運営している配信プラットフォームです。Twitchと同じく、近年注目を集めつつあります。そんなOPENRECの特徴・良さ、デメリットについて説明しましょう。
OPNRECの特徴と良さ
OPENRECはゲーム配信特化型のプラットフォームです。ゲームタイトルごとに配信を探すことができるため、自分と同じゲームが好きな人が集まってきます。そのためか、配信者に否定的なコメントをする人などは少ないです。仲間意識が強いといったところでしょうか。
最大のメリットは、超低遅延モードです。有料会員限定ではありますが、コメントの遅延がコンマ0秒台にまで抑えられます。ほぼリアルタイムで視聴者とやり取りできるのは、配信者・視聴者双方にとって嬉しいことでしょう。
ゲーム配信機能にも問題は特に見当たらず、堅実なプラットフォームという印象があります。
また、以前は配信するときに審査が必要でしたが、現在は審査が必要ありません。
収益化の条件も、緩いです。月額540円でプレミア会員になり、クリエイターズプログラムに参加するだけとなっています。18歳以上で日本国内の銀行口座を保有していれば、誰でも参加可能です。
OPENRECのデメリット
OPENRECのデメリットは、配信者数と視聴者数の両方が他の配信サービスと比べて少ないことです。配信者が少ないことは競争者が少ないということであり、メリットでもあります。無名だとしても視聴者ゼロ人になることは、なかなかありません。
ただ、配信者が少ないと総視聴者数も自ずと減るため、大人数のファンを獲得するのは難しいです。
また、OPENRECは現状、ほとんどがe-sportsタイトル配信ばかりという傾向があります。競技ゲーム以外はなかなか見てくれないので、幅広いジャンルのゲームで視聴者を楽しませたいという人には不向きです。
ゲーム配信サービス5.ツイキャス
ツイキャスは、Twitterによる配信プラットフォームです。雑談配信に特化したサービスではありますが、近年はゲームにも力を入れてきています。そんなツイキャスの特徴と良さ、デメリットについて紹介しましょう。
ツイキャスの特徴と良さ
ツイキャスでゲーム配信を行う方法は、二種類あります。
ひとつめは、PCでツイキャスを開き、「外部配信ツール」の設定をして配信をする方法です。ツイキャスは以前からOBSなどの外部配信ツールの利用を許可しており、OBSとツイキャス双方で設定することで簡単にゲーム配信ができます。
2つ目は、ツイキャスゲームズを使う方法です。
ツイキャスゲームズは、外部ツールを使わずにゲーム配信ができる機能。外部ツール配信と違い、ゲームタイトルが設定できる点と、30秒間録画することのできる点が特徴です。さらに、最大8時間まで延長できます。
延長は視聴者にコインを投げてもらう必要があるものの、コインが無くても4時間連続配信可能です。外部ツールだと30分で区切られてしまいます。
自分に合ったスタイルで配信できるのが、大きなメリットです。
さらに、Twitterからの集客も狙えます。TLに配信通知を流せば、既存のフォロワーが見てくれる可能性があるんです。Twitterアカウントさえあればすぐ見られるので、Twitchなどだと見に来ない人でも見に来る可能性があります。
アーカイブも自動ではないものの簡単に残せますし、レベルアップシステムでモチベーションアップもしやすいです。フォロワーランキングもあり、視聴者間で「俺が一番多く投げ銭するんだ」という意識も生まれます。
あらゆる点でハードルが低いので、ライト層を狙いやすいです。
ツイキャスのデメリット
ツイキャスは、アットホーム感がどの配信プラットフォームより高い傾向があります。生配信専用で、しかもSNSとの連携がありますからね。Twitter上のノリがそのまま、生配信のノリになるという感じです。
これはメリットでもありますが、デメリットでもあります。
身内ノリが多いんです。そのため、新規視聴者が生まれにくなっています。
ゲームファンが多く利用するわけでもなく、どちらかと言えば雑談を求める視聴者が多いのもデメリットです。
雑談とゲームを両方配信するのであればアリかもしれませんが、ゲームのみだとツイキャスを選ぶ理由は乏しいのではないでしょうか。
ゲーム配信サービス6.ニコニコ
Youtubeと同じく、配信サイト古参のニコニコ。もともとゲーム実況配信は、ニコニコで流行したものです。ゲーム配信プラットフォームの本家とも言えるニコニコの特徴、良さ、デメリットについて紹介しましょう。
ニコニコの特徴と良さ
ニコニコは、動画配信と生配信の両方が可能です。ニコ生はコメントの反映速度がかなり早く、さらに画面上に流れるのが面白いところ。視聴者と一緒に配信を作るという雰囲気があり、視聴者も積極的にコメントするのが良いところです。
特徴的なのは、クリエイター奨励プログラム。これに登録すると動画などを収益化できます。動画の人気に応じてお金が入る仕組みです。審査などはありません。
さらに、コンテンツツリーというシステムも面白いです。動画を作成するうえで参考にしたものなどを親作品に設定すれば、小作品が人気が出た際に親作品の制作者にお金が分配されます。
親作品になるようなコンテンツを作れる人にとっては、良い仕組みですよね。
また、近年はニコ生がオワコン(終わったコンテンツ)と言われていましたが、2020年以降はコロナ禍による影響で配信者も視聴者も増えてきています。2021年の今始めると、ちょうどいいくらいでしょう。
ニコニコのデメリット
ニコニコのデメリットは、動画がほとんどオワコン化しているということです。ニコ生は盛り返してきていますが、動画はそうでもありません。完全にYoutubeに視聴者が流れており、現在ニコ動で人気があるのは「Vtuber切り抜き動画」「公式アニメチャンネル動画」です。
ゲーム実況ランキングはボイロ動画がほとんどで、生声は皆無。
Youtubeに流れた原因のひとつが、ニコ動を主戦場としていた人気実況者が軒並みYoutubeに鞍替えしたためです。
現在、生放送はともかく動画に関してはニコニコにメリットはほとんどありません。
さらに、ニコ生にもデメリットがあります。
一番大きいのは、画質の悪さです。2021年の現在、1080pにすら対応していません。ゲーム配信は画質が重要なので、FHDも出せないのは厳しいんですよね。
それでも、2019年に投げ銭機能が解禁されたり、ログインしなくても試聴できるようになったり伸びしろはあります。
ゲーム配信サービス7.Mildom
Mildomは2019年9月にサービス開始された、新しいプラットフォームです。まだまだ発展途上ではあるものの、伸びしろはあります。そんなMildomの特徴、良さ、デメリットについて紹介しましょう。
Mildomの特徴と良さ
Mildom最大の特徴は、時給報酬とランキング制度です。
配信者は、以下の2つのランキングに参加します。
- L1ランキング:公認配信者の座をかけて競う
- L2ランキング:時給報酬獲得のため競う
人気が上がるとランキングに入るようになり、ランクインすると最高時給1000円くらいにはなります。配信プラットフォームは投げ銭と再生数に応じた報酬が基本なので、これは面白いですよね。
さらに公認配信者になれば、固定給が貰えるようになります。
そのうえ、投げ銭とメンバーシップもあるんですよ。
まだまだ配信者数も少ないため、公認配信者になるチャンスは多いです。収益化を狙ってゲーム配信を行うのであれば、アリではないでしょうか。
Mildomのデメリット
Mildom最大のデメリットは、配信可能タイトルの制限が厳しいことです。サービス開始からわずか1年程度で著作権問題があったため、制限されています。今後解除になる可能性があるかもしれませんが、2021年4月時点では厳しいです。
特にCygamesのゲームは、全面禁止となっています。これは、OPENRECから人気配信者を引き抜いたことが発覚したことが原因だと言われているんです。配信許諾契約が破綻しているため、再開の見通しはありません。
人気の「シャドバ」「ウマ娘」などが配信できないのは、痛いですね。
さらに、任天堂のゲームの営利配信の許可も下りていません。これは任天堂と仲が悪いというわけではないので、Mildomが成長すれば許可される可能性もあります。非営利なら、可能です。
Mildomは、将来性に期待して飛び込みたいという人には向いているかもしれませんが、それ以外には不向きかもしれませんね。
各プラットフォームの向き不向きまとめ
Youtubeは安定感があり、うまくいけば大人数のファンを獲得できる可能性がありますが、完全なレッドオーシャンのため難易度は高いです。収益化までの道のりも遠く、収益を目的としている人はモチベーションを保ちにくいでしょう。
Twitchは収益化が簡単で、ゲーム配信に特化しているのが魅力です。のんびりと趣味の範囲で配信を楽しみつつ、小遣い程度に稼ぎたい人にはおすすめできます。
Mirrativは、Vtuber配信に興味がある人におすすめです。Mirrativきっかけで本格的にバーチャル体を手に入れて、Youtubeに移行するのもアリ。
OPENRECは海外の人が多いものの、e-sportsの練習をまったりと配信したい人にはおすすめです。
ツイキャスは内輪ノリがあるものの、アットホームな配信がしたい人には向いています。
ニコニコは動画がほとんどオワコン化しているものの、ニコ生は現在新規参入しやすいです。視聴者との一体感を大切にしたい人、短期間での収益化を実現したい人におすすめ。
Mildomは収益化のシステムが面白く、公認になれば収益が安定します。公認になれる機会もまだまだ多いです。ただし、現在発展途上なので将来性を見越して挑戦したいという人以外にはあまりおすすめできません。
これまでの内容をざっくりまとめると、上記のようになります。
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