マイクにこだわる人は、テレワークや配信ブームの影響などで多くなっています。
ただ、マイクを始めとする音響機材はこだわりだすとキリがありません。クオリティに準じて値段も高くなっていきます。ある程度の予算で絞り、コスパが高いマイクを選ぶのも大切です。
今回紹介するのは、audio-technica(オーディオテクニカ)のAT2035というコンデンサーマイク。
オーディオテクニカはマイクだけでなく、ヘッドホンなどでコスパが高い製品を数多く出しているブランドです。
そんなオーディオテクニカAT2035のスペックや音質・コスパなどについて、徹底的にレビューしていくので、ぜひご参考ください。
目次
audio-technica AT2035のスペック
まずは、audio-technica AT2035のスペックやデザインなどの基本的な部分に焦点を合わせて、AT2035の特徴を解説します。AT2035の性能が気になる方や、どういうマイクか知りたい方はぜひご参考ください。
基本仕様
- 型式:バックエレクトレットコンデンサー型
- 指向特性:単一指向性
- 周波数特性:20~20,000Hz
- 感度:-33dB
- 最大入力音圧レベル:148dB S.P.L
- ローカット:80Hz、12dB/oct
- SN比:82dB以上
- 出力インピーダンス:120Ω平衡
- 電源:ファントムDC11~52V
- 消費電流:3.8mA
- 質量:403g
特徴的なのは、SN比の高さです。
SN比って何?
あや
よしぞー
音声信号とノイズの比率のことだね
数値が高ければ高いほど、ノイズの割合が低いということになります。SN比が82dB以上と高いので、ノイズを大きく低減しているということです。1万円台のマイクとしては、このSN比は破格だと言えます。
さらに、指向性も単一指向性です。
単一指向性マイクは、正面からの音のみを拾います。音を拾う範囲が比較的狭いので、マイク正面から発声しないと拾わない反面、環境音を拾いにくくなるのが魅力です。
レコーディング、配信、ゲームのボイスチャットなどさまざまな用途で使えます。
付属品
- AT2035本体
- 専用ショックマウント
- マイクポーチ
- 変換ネジ(3/8-5/8)
付属品はシンプルですが、案外充実しています。
ショックマウントが標準で付いてくるのが、特徴的です。
ショックマウントを使うことによって、マイクにノイズが入り込みにくくなります。電子的なノイズ、床や机などの振動から発生するノイズが入りにくくなるのが魅力です。振動に強いのが、特に嬉しいところ。
これをマイクアームに取り付けて、AT2035本体を挿すことになります。マイクアームを別途購入して、取り付けるのがおすすめです。
ポーチや変換ネジなどもあり付属品が充実していますが、ケーブル類は付属しません。
マイクアームと合わせて、XLRケーブル、ポップガードなどを別途購入する必要があります。
色々とお金がかかりそうね
あや
よしぞー
マイクアームが付属されているマイクもあるけど基本的にはどのマイクでも必要になるよ
デザイン
デザインは、非常にシンプルです。よくあるコンデンサーマイクというようなデザインで、好みが分かれるところはあまりないでしょう。シンプルかつスタイリッシュで、デスク環境を選ばず置ける見た目です。
本体下部には、ローカットとPADの切り替えスイッチがあります。これを繰りかえることで、ローカットをしたりPADをかけたりできるので便利です。
いつでも触れるところにあるので、気軽にオンオフを試せます。
audio-technica AT2035の良いところをレビュー!
audio-technica AT2035のスペックや付属品、デザインについて解説してきました。今度はAT2035がどのようなマイクなのか、より詳しくわかるようにAT2035の良いところについてレビューしていきます。
音質がフラットでクリア
AT2035の音質は、フラットです。音がマイクを通して歪むこともなく、実際の音と一風変わった聞こえ方をすることもありません。低音が強調されるようなこともないので、あらゆる用途で使いやすい音になります。
そのうえ、クリアです。
声が相手に伝わりやすいので、ボイスチャットなどに向いています。ギターやボーカルなど音楽を収録するにしても、特に問題はありません。聞こえやすいです。
ノイズが少なめ
ノイズが少ないのが、AT2035最大の魅力です。
1万円台のマイクは、ノイズに関してはそこまで強くない製品もたくさんあります。ノイズを低減させようと頑張ると、どうしてもコストがかかるので仕方がない部分なのは確かです。
そんななか、AT2035はノイズをガッツリ低減させています。1万円台のマイクとしては、異常なほどノイズが入りません。
高すぎない値段でノイズが少ないマイクが欲しい方には、非常におすすめです。
XLR接続ができる
AT2035は、XLR接続で使うマイクです。
XLRってなんだっけ?
あや
よしぞー
オーディオ機器のケーブルの規格だね
XLRに対応していると、さまざまなオーディオインターフェイス類と接続できます。入出力を一括管理するようなインターフェイスはもちろん、マイクアンプなども使えるので便利です。
ただ、一方でAT2035はXLR接続以外だとPCに繋げられないという難点にもなります。AT2035に直接USBケーブルを使えません。
そのため、AT2035を使う場合はPC対応のオーディオインターフェイスが必要です。
AT2035をオーディオインターフェイスに対応XLRケーブルで接続し、オーディオインターフェイスとPCをUSBで接続しましょう。
ローカットなどの便利機能
AT2035は、この価格帯のマイクとしては珍しくローカットとPADに対応しています。
ローカットというのは、低音を低減する機能のことです。たとえば空調の音、外から聞こえる車の走行音などの低音をカットしてくれます。これらの環境音がノイズになることがあるので、配信者などにとってはありがたい機能です。
PADは、音を絞る機能のこと。コンデンサーマイクは拾える音の幅が、非常に広いです。そのため、オーディオインターフェイスの入力限界を超えた音を拾うことがあります。限界を超えると、歪みが発声してしまい、あまりよくありません。
PADをオンにして絞ることにより、入力限界を超えないようにしてくれます。
幅広い用途で使いやすい
AT2035は、音がフラットでノイズが入りにくく、クリアな音質のマイクです。ローカットやPADなど便利な機能もあり、あらゆる環境で使いやすいのが魅力だと言えます。
同時に、用途もあまり選びません。雑談配信やボイスチャットはもちろん、ゲーム配信でも使いやすいです。キーボードの音もあまり拾いません。
ナレーション収録にも使えますし、音楽収録にも使えます。
これを持っておけばあらゆる用途で使えるので、非常にコスパが高いです。
audio-technica AT2035の気になる点をレビュー!
audio-technica AT2035の良いところについて、レビューしてきました。総じて「使いやすさ」が魅力のマイクということでしたが、もちろん気になる点もいくつかあります。そこで今度は、AT2035の気になる点についてレビューしましょう。
そこそこ重量がある
AT2035は、本体にそこそこの重量感があります。重いほうが高級感はありますが、安物のマイクアームだと力不足になる可能性があるので注意しましょう。
安物のマイクアームの中には、力が弱いものもあります。そのようなマイクアームで使った場合は、少しずつ角度が下がったり壊れたりしかねません。頑丈かつ力が強いマイクアームを使いましょう。
ノイズは低減されるがゼロではない
AT2035は、ノイズが大幅に低減されます。口コミでも「ノイズが全く無い!」というような意見が、非常に多いです。
ただ、低減はされますがゼロになるわけではありません。
環境によっては、どうしてもノイズが発声したりノイズを拾ったりすることがあります。
もちろん大幅に低減されるので大きな問題はありませんが、ノイズが全く無い状態になると思っているとがっかりするので気をつけましょう。
ローカットは用途によっては使いにくい
ローカットは便利な機能ですが、用途によっては使いにくいケースがあります。
使いにくい?どうして?
あや
よしぞー
低音をカットする機能だからね
ローカットは、低域をカットすることによってその音域で発声するノイズを低減する機能です。たとえば入力した音が低い音である場合、音がこもる可能性があります。声が低い人などは、ローカットが使いにくいです。
低音を出したいのか、出したくないのかをしっかり考え、場面に応じて使い分けると良いでしょう。
ボーカル収録には物足りないかも
AT2035はノイズが低減されたクリアな音が特徴なので、ボーカル収録にも使えます。
ただ、ボーカル収録に特化しているマイクと比べると、物足りない部分があるのも事実です。歌ってみたなどの用途でおすすめされることも多いですし、実際におすすめできるものの、過度な期待は禁物。
とはいえ、ギターとボーカルの両方をバランスよく拾ってくれるので弾き語りなどには非常に向いています。
あくまでも、ボーカルのみを集中的に収録するのには他にもより向いている製品がある、というだけのことです。
よしぞー
マイクは上を見るとキリがないから難しいところでもあるよね
audio-technica AT2035のレビューまとめ
audio-technica AT2035の良いところと気になる点について、レビューしてきました。
AT2035最大の魅力は、圧倒的なコスパです。1万円台のマイクとして破格な低ノイズに、小音から大音量まで拾う幅の広さが特徴的。そのうえローカットやPADも付いており、あらゆる場面で使いやすいです。
面倒なのは、PCと接続する際にオーディオインターフェイスが必要な点。マイクのみ対応のマイクアンプなら3000円台からでも買えるので、とりあえずはそういった製品で済ませるのもおすすめです。
オーディオインターフェイスもマイクも導入して、音響周りをより本格的にしたい方には非常におすすめのマイクだと言えます。