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音質の表現・イヤホンレビューで使われる用語の意味を解説! 音の傾向、音像定位、ドンシャリとは?

8 min

イヤホンレビューなどを読んでいると、聞き慣れない言葉を目にすることがありますよね。

ドンシャリ、かまぼこ、音像、定位だのなんだのと…。これらの謎の隠語のような用語は、それを知っている前提で書かれることが多いです。知らないと、レビューを読んでもモヤモヤしてしまいます。

そこで今回は、音質の表現やイヤホンレビューで使われるさまざまな用語の意味について、解説しましょう。

まずは音の仕組みを解説!

これから音の表現に使われる用語について説明していきますが、それらに対する理解を深めるには、音の仕組みについて知る必要があります。そこでまずは、音が鳴る仕組み、音程の仕組み、音の大きさの仕組みについて解説しましょう。

音が鳴り人間が認識する仕組み

音は、空気が振動することで発生します。

よく、宇宙空間は無音だと言いますよね。ガンダムの世界ではブッピガンなど音が鳴りますが、あれはアニメ的表現というもので、実際は無音です。

宇宙空間には大気がないので、空気の振動が発生せず音がしません。

地球上で、太鼓を叩くとします。太鼓に張られている皮が、震えますよね。これが周囲の空気を押したり引いたりして、空気中を波のように伝わっていくんです。これが、音波というものの正体になっています。

音波が耳の鼓膜を震わせて、耳にある神経が脳に「音が聞こえました!」と報告するんです。そして脳が「うむ、音が鳴っておるな」と感じることで、人間は音を感じています。

また、音の概念をグラフにしたとき、波形が上下に一往復する間隔を周期と呼んでいるんです。

空気の振動の大きさを、振幅と呼びます。

音程などは、この周期と振幅が関係しているんです。

音程の仕組み

音程は、一定時間に何回振動しているかで決まります。

一定時間に多く振動すればするほどに高くなり、振動が少なくなればなるほど低くなるんです。

楽器で考えるとわかりやすいでしょう。

音が特に高いピッコロという楽器があります。ピッコロという名前には小さいという意味があり、その名の通り本当に小さい楽器です。

一方、音が低いコントラバスという楽器があります。人の体より大きいくらいの楽器です。

音は、振動によって起こります。大きなものを動かすときのほうが、より大きな力が必要ですよね。そのため、大きな物体から発生する振動は自然とゆっくりになります。

これが低い音になるんです。

低音を受け持つ楽器がたいてい大きく、高音を受け持つ楽器がたいてい小さいのは、このため。楽器は、基本的に物体から発生する振動を空気に伝えることで音を出していますから。

ギターは? 弦によって音が変わるよね?

あや

あや

ギターのような弦楽器は、楽器自体の大きさによる音の高低と弦の太さによる音の高低に加え、弦がどれだけピンと張られているかで音の高低を出しています。

弦がピンと張っていればいるほどに一定時間の振動回数は多くなり、緩んでいるほどに少なくなるんです。輪ゴムをピンと張った状態で弾くと、小刻みに振動しますよね。一方であまり張っていない状態で弾くと、ゆっくりと振動します。

これが、音程の仕組みです。

なお、1秒間にどれだけ振動しているかを、周波数と呼びます。単位はHzです。周波数の数値が多ければ多いほどに、その周波数での音は高くなります。これも覚えておくと、後の話がわかりやすくなりますよ。

また、人間の可聴域は20Hz~20kHz(20000Hz)とされています。

よしぞー

よしぞー

若干個人差があるみたいだけどね

音の大きさの仕組み

音の大きさは、振幅の大きさで決まります。

振幅が大きければ、音も大きくなるってことね

あや

あや

太鼓で想像すると、わかりやすいかもしれませんね。

強く叩けば叩くほど、皮はより強く大きく振動します。結果大きな音が出るというわけです。

音の大きさは音圧レベル、dB(デシベル)で表現されます。正確にはdB SPLという単位なんですが、たいていは省略してdBで書かれるので、SPLに関しては覚えておく必要はないでしょう。

なお、人間が聞き取れる最小の音圧レベルは0dBです。人間が耐えられる最大は120dBとされていますが、これには個人差があります。

120dBは、ロックコンサート会場くらいです。

低音域・中音域・高音域ってどこからどこまで?

イヤホンレビューなどで、低音域・中音域・高音域という言葉が出てきます。これに関しては、なんとなくはわかりますよね。低い音と高音と、その間というイメージでしょう。ただ、具体的にどこからどこまでを指すのかはわからない人も多いのではないでしょうか。これから、具体的にどこからどこまでが低域なのか、ということについて簡単に説明します。

低音域

低音域は、一般的に20Hz~600Hzの間だと言われています。

人間の可聴域と比較すると、かなり低いということがわかるでしょう。先程音程は一定時間にどれだけ振動するかで決まると語りましたが、20Hzは1秒間に20回ということになります。600Hzは600回ですね。

1秒間に600だと感覚的には多く感じるかもしれませんが、実際にはあまり多いとは言えないわけです。

楽器ならどういうのが当てはまるの?

あや

あや

よしぞー

よしぞー

ベース、バスドラムなんかだね

また、中でも20Hz~100Hzの特に低い帯域は、重低音と呼ばれます。

中音域

中音域は、一般的に800Hz~2kHzまでの帯域のことを指します。

日常生活においては、人間が最も認識しやすいと言われている帯域です。日常的な音の多くは、中音域に相当します。たとえば人間の話し声などは、低い声の人でも低音域になることはあまりありません。

音楽だとボーカル、多くの金管楽器、ギターなどが中音域にあたります。

高音域

高音域は、一般的に4kHz~20kHzまでのことです。

トライアングルのような金属音、ピッコロなどの楽器がそうですね。クラリネットやフルートなども、高音域を担当しています。

これらの楽器の音を聴いてもらえればわかりますが、日常生活において高音域はあまり意識することも認識することもないような音です。頻繁に耳にする高音域は鳥のさえずり、金属音くらいですね。

音の傾向を示す「ドンシャリ」「かまぼこ」、「フラットとは?」

音質の表現としてよく見るのが、ドンシャリ、かまぼこ、フラットです。音質を言葉で表現するのは難しく、これらの表現もピッタリ当てはまるかは議論の余地があります。ただ、オーディオファンの間で当たり前のように使われているので、覚えておくと理解が深まりますよ。

ドンシャリとは

ドンシャリは、低音域がドンドンと鳴り、高音域がシャリシャリ鳴るということを表した言葉です。

よしぞー

よしぞー

低音と高音が強調されてるのがドンシャリだね

適しているジャンルは、ロック、EDM、トランス、テクノあたりでしょうか。昨今のゲーム音楽、アニメのサントラなどをドンシャリで聴くのも楽しいです。

テンションを上げたいとき、ドンシャリ傾向なイヤホンやスピーカーを使いたがる人が多い傾向があります。

中音域は目立たないので、ボーカルに関して少し物足りなく感じることがあるのがネックです。

インストの曲を聴くのが、最も適していると言えるでしょう。

激しくて楽しい音なのですが、うるさいと感じて嫌う人もいます。

さらに、低音が強調されるため、集合住宅だと使いにくい傾向もあるんです。

低音域の周波数は高音域に比べ、障害物を超えやすいという特性があります。スピーカーの裏側に回り込むと低音しか聞こえない、カーステレオの音漏れはなぜか低音だけが聞こえる、などの経験をしたことがある人は多いでしょう。

これらは全て、低音域は障害物を超えやすく高音域は超えにくいという特性のため起こる現象です。

つまり、低音が強いスピーカーを使うと、自分の部屋の外にまで聞こえやすくなるということ。しかも低音はボリュームを下げていると聞こえにくいという厄介な特性もあるので、必然的に大きな音となり、同居人まで聞こえてしまう可能性が高いです。

一人暮らしでも、隣の住人、階下の住人などに聞こえてしまうことがあります。

かまぼことは

かまぼこは、低音と高音が弱めで、中音域が強い音のことを表現した言葉です。

ドンシャリの逆ってことね

あや

あや

周波数特性のグラフで見ると、真ん中の縦軸が高く、端にいくにつれて低くなっています。この形を指して、かまぼこと表現しているわけですね。

ギター、バイオリンなどの金管楽器、ボーカルなどがしっかりと聞こえます。バラードなどをしっとりと聞きたいとき、歌詞をしっかり聞き取りたいときにぴったりです。好きな声を聴くのにも適しています。

フラットとは

フラットは、低音域、中音域、高音域全ての周波数特性が比較的均一になっている音を指します。

目立って強調されているような音域が無いということですね。イヤホンなどでは、目立った味付けをしていない機種が多い傾向があります。そのため、音源の良さをそのまま楽しみたい人にぴったりです。

聴いていて飽きることもあまりありません。

また、一般的にフラット感が強いイヤホンは、高価なものが多いです。安価なイヤホン・ヘッドホンはドンシャリ感が強い、または高音重視といった製品が多い傾向があります。

もちろん、例外はありますが。

近年はハイレゾの流行などもあるのか、フラットな音質を望む声が大きくなってきています。

音像・定位って何? 定位が良いとどうなるのか

続いて音像・定位についてお話ししましょう。

音像とは

音像は、オーディオ装置で音楽を再生したときに、演奏者やボーカルがその場所にいるかのように再現されることを表す言葉だと、辞書などでは定義付けされています。

つまり、楽器などの配置や音量バランスなどを、聴いた人のイメージとして感覚的に再現している状態ということです。あくまでも人間の感覚的なものなので、数値によって表されることはありません。

定位とは

定位は、音の方向・位置を表す言葉です。

くっつけて、音像定位と呼ばれたりします。

たとえば、5メートル右後方から、名前を呼ぶ声が聞こえたとしましょう。

このとき、人間は「少し遠いところから声が聞こえた」ということと「右後ろっぽいな」ということを認識します。だから自然と右後方を振り向くことができるわけです。

この音の方向と距離を認識する能力を、音像定位能と呼びます。

ライブ会場でバンドの生演奏を聴くと、たいてい真ん中にボーカルがいますよね。後ろはドラムで、右にはギター、左にはベースがいたりします。

音像定位能があるため、人間はこれらの音の方向と距離感を生演奏ではしっかり聞き分けていることになるんです。

この状態を再現することにより、臨場感のある音楽体験ができるということになります。

よしぞー

よしぞー

音像定位が良いというのは、各楽器がどの方向から聞こえているかがわかることだね

臨場感や立体感のことか

あや

あや

基本的にボーカルは真ん中にいるので、ボーカルが真ん中にいるように感じなければズレを感じます。

これを、定位がずれると言うんです。

基本的には、複数のスピーカーが発生させる音の時間差で人間の脳を騙し、音像定位を表現しています。

音は距離によって届くのに微妙な時間差があるんです。この緻密な時間差を表現することで、音像定位をハッキリさせることができます。

基本的に、左右のスピーカーと自分の頭が、俯瞰した際に正三角形のようになると良いとされているんです。

よしぞー

よしぞー

自分を中心に、キレイに対称的に左右に置けということだね

明瞭(クリア)・濁り・歪み・ノイズとは?

最後に、細々とした音の表現の用語について紹介します。音が明瞭、音の濁り、ノイズなどなど、これらもオーディ関係の話でよく見聞きする言葉ですよね。これらはどういう意味か、説明しましょう。

音が明瞭とはどういうことか

クリアな音とも言います。音ににごりやノイズなどが感じられず、ハッキリと透き通るような音に感じることを示す言葉です。

非常に感覚的なもので、どういうのがクリアな音なのかということは明言できません。あまり気にしなくても良い言葉です。

イヤホンなどを選ぶ際、レビューで「クリア」という文言があれば音がキレイに聞こえるんだなと思っておくくらいが、ちょうど良いでしょう。

音の濁りとは何か

音の濁りは、クリアな音よりさらに抽象的かつ感覚的なものになります。音を聴いたときに、直感的に「なんか濁ってるな」という感じだと思っておくと良いでしょう。こればかりは、実際に聞いてみないとわかりません。

原因は残響にあると言われることがありますが、あくまでもひとつの仮説という域です。

オーディオ誌では「位相のズレ」と書くことがありますが、位相は生の音でも発生します。これは周波数の特性として仕方がないことです。これで濁るなら、生で聞こうがオーディオ機器で機構が濁るはず。

だけど生は濁りがないという人が多いですし、オーディオ機器によっても濁りがないと表現する人もいます。

結局のところ、濁りとは何かは「わからない」というのが正しいです。

音がどのように聞こえるかの研究はとても難しいらしく、完全には解明されていません。個人差もありますしね。

濁りに関しては、あまり気にする必要がありません。実際に聴いたときの感覚を信じましょう。

また、明瞭かどうかはレビューで書く人が多いですが、濁りについて言及されることはあまりありません。それだけ表現しにくい、ということでしょうね。

女性「わからないということが、よくわかったわ」

音の歪みとは何か

音の歪みには、広義と狭義で2つの定義があります。

広義には、オーディオ機器を通した際に、音が原音に比べて変わることを指す言葉です。少しでも原音と違っていれば、歪みがあるということになります。

だけどたいていは、機器によって味付けとかあるよね

あや

あや

よしぞー

よしぞー

だから、広義には歪みがない機器はないということになるかな

狭義には、入力装置の許容レベルを超えた音が入ってきた際に、許容レベルより大きい部分がカットされ、波形が変化することで倍音が生まれることを指します。

倍音というのは、本来の音以外にも含まれる音のことです。たとえばピアノでドを鳴らすとき、若干ド以外の音も含まれます。ドの音の2分の1、3分の1などの音です。これを倍音と呼びます。

こうして歪んだ音は倍音が強調され、音の焦点が定まらないような感じに聞こえることがあるんです。

いいの? 悪いの?

あや

あや

よしぞー

よしぞー

どちらの定義でも、歪みは良いとも悪いとも言えないよ

エレキギターの歪んだサウンドをかっこいいと感じるように、歪みによって味が生まれたり温かみが生まれたりすることもあります。

ただ、現代のデジタルサウンドではクリアな音の需要が高いです。

イヤホンレビューで「クリアな音」と特筆する人が多いのは、それが多くの人にとって魅力的なことだとわかっているため。

クリアな音を求める人にとっては、歪みは敵ということになります。

倍音の影響で音が変わりますし、音楽の情緒感・音楽体験も変わりますからね。

特に近年はハイレゾなどの高解像度な音源の流行によって、原音に近い音が正義という原音主義が主流になってきています。

歪みが発生しないよう、クリアな音になるよう、メーカー側も努力しているんです。

こういうことから、生の演奏における歪みは味として歓迎される一方、デジタルサウンドにおける歪みは嫌われる傾向があります。

ただ、厳密には良い悪いではなく、好みの問題です。

ノイズとは? バランス接続って何がいいの?

ノイズとは、その名の通り、雑音のことです。

スピーカー、イヤホンなどで聞こえることのある「ザーッ」という音などですね。適当に聞き流していれば些細なノイズは聞こえにくいですが、ノイズを聴こうと意識を集中させるとわずかに聞こえたりします。

デジタルサウンドには、こういう微妙なノイズが入るんです。

ここで、アンバランス接続とバランス接続についても少し説明します。

オーディオの音声信号には、ホット(プラス)とコールド(マイナス)があるんです。

一般的なミニプラグのようなアンバランス接続は、ホットのみとなっています。

バランス接続はホットとコールド両方の音声信号が送られるんです。

この音声信号に、ノイズが乗っかっています。

プラスとマイナスという表現にあるように、このホットとコールドの音の波形は逆になているんです。プラスとマイナス両方の値が同じであれば、足し算すると0になりますよね。

3+(-3)は0ってことよね

あや

あや

よしぞー

よしぞー

これと同じで、ホットとコールドが打ち消しあってノイズが0になるんだ

また、オーディオにおけるノイズの原因は他にもあります。電源から発生したり、駆動音だったり、アダプタから発生したり…。

こういうノイズが無い方が、音をよりクリアに楽しめることから、オーディオファンはあらゆるノイズ対策に必死になることがあるんです。

音とその表現について理解してオーディオへの理解を深めよう!

ここまで、音の仕組みと、よく使われる音の表現について説明してきました。

音の聞こえ方というのはまだまだわかっていないことが多く、個人差もあるため画一的なものではありません。

そのため、このような言葉で表現されていても実際は少し異なるということもありますし、表現自体も完璧とは言えないんです。

それでも、音の仕組みと音質の表現について知っていれば、オーディオへの理解はさらに深まります。イヤホンやヘッドホンのレビューも読みやすくなりますしね。

そうして、自分にぴったりなオーディオ機器を見つけていきましょう!

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よしぞー

よしぞー

メタバース・ゲーム・音の世界で日々を暮らしています。このブログではゲーミング・VR、音楽鑑賞・オーディオについてデバイス等の情報発信やレビューをしています。

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